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初めてのキス

 明らかに挑発するような叶真の言葉にキョウスケは不敵に笑う。そしてその挑発に乗ってやると言わんばかりに、叶真の薄い唇に自身の唇を重ねた。 「……っ。ん……」  何度か身体を繋げていた二人だったがキスをするのはこれが初めてだ。二度目のセックスの時に、キスは特別なのだと叶真はキョウスケに言っている。  好きでもない相手とのキスは、いつもならば不快感に虫唾が走る。だがキョウスケとのキスはむしろ甘く疼くように頭が痺れた。  口の中の粘膜を刺激され、絡みあった舌から、どちらとも言えない唾液が糸を引く。離れていく唇にもっとして欲しいとねだりたくなるほど、キョウスケのキスは巧みだった。 「俺、身体だけの奴とキスはしないって言ったはずだけど?」 「落としてみろと挑発したのはお前だ。挑発されたからには全力で落としてやる。手段は選ばない」 「おーこわ……」  キスで熱を持ち始めた叶真の身体を、キョウスケはゆっくりと押し倒す。ふわりと弾んだベッドからキョウスケの香りが漂った。 「え……ちょっと待て。ヤんの? 俺、身体ガタガタなんだけど」 「分かっている。安心しろ。たまには優しくしてやる」  そう言うとキョウスケは叶真に覆いかぶさり再び深く口付ける。ベッドよりも強くキョウスケの香りが叶真の鼻腔をくすぐった。  歯の裏を舌でなぞられると叶真の身体が小刻みに震える。今まで叶真が恋仲になった者としたキスのどれよりもそれは淫猥で、セックスを感じさせた。 「はっ……んっ……」  口付けで叶真を翻弄しながらキョウスケは器用に叶真のシャツのボタンを外していく。唇が離されるとキョウスケは叶真のズボンを下着ごと剥ぎ取り、あっという間に全裸に剥かれてしまう。キョウスケの巧みなキスに翻弄され、叶真の性器は反応を見せ始めており、そのことに叶真の頬は紅潮した。  いつもならばそこで叶真を揶揄したキョウスケだがこの日は無言だった。それを不思議思いながらキョウスケに目をやると、キョウスケは恥ずかしげもなく纏っていた衣服を脱ぎ捨てていく。キョウスケの下腹部にある雄としてのシンボルは叶真と同じように緩やかに勃ち上がっていた。  キョウスケもキスだけで興奮したのか。そう考えただけで更に興奮が高まり、叶真は生唾を飲み込む。 「さっきは痛いおもいをさせたからな。まずはイかせてやるよ」 「え? う、うわ……」  なんの躊躇いもなく叶真の下腹部に顔をうずめたキョウスケは、そのまま喉の奥まで叶真の性器を銜えこんだ。

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