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あなたを愛しています

 夏休みは思ったよりハードだった。  夏期講習は夏休み入ってすぐに始まり、受験生対策『犀高突破特別講習』や、合間に英検漢検の申し込みや、それに対しての勉強。  事前に8月は一回くらい会えたらいいねなんて話していたのが現実になり、それでも高校に受からないと、司が責任感じて会わなくなるのも怖くて、今は頑張るしかないと稜は自分に言い聞かせていた。  夏休みが終わっても、9月頭には実力テスト、英検の本番、模試と続くので、会えなくて寂しくは感じるが、なぜだか集中が勝ってしばらくその生活も慣れていた。  一方司も、夏に入って仕事が忙しくなり、海外出張や国内出張が相次いで、2人のマンションにも帰れない生活が続いているのだ。  稜は時々そのマンションで勉強をしたりもするから、司が来れば会える条件はあるので、そんなとき偶然会えた〜と良い時間を過ごす時も稀にはあった。  クリスマスまではそんな時間が続いたが、その頃になると稜が受験本番に入り、クリスマスの日に1日だけ…半日だけマンションでゆっくり過ごしたが、その後は2月の犀星高校受験本番、3月の公立の試験までは会わないでいようと2人で決め、稜は集中して勉強をし、司は会社が今度上場を狙うとかで、その準備や手続きで奔走することになってしまっていた。  2月16日の朝。  司はタブレットを膝に、『犀星高校合格者』のサイトを見ていた。  受験番号も教えてもらっていたので、その番号を探しているが… 「78、78」  そこしか狙ってなかったので、受験番号は早い方だ。受験人数は300人超えと聞いていて、定員100人だから倍率は約3倍。高校受験の3倍は結構しんどい。 「78番だから最初の方だろうな」  スクロールして画面を上げてゆくと、やっと発表画面が出てきた。  番号を確認しようとする間もなく、『78』はすぐに目に入ってくる。 「はぁぁ〜よかった…」  司はソファに寄りかかり、なんとか自分のせいで稜の将来を曲げずに済んだことと、合格を素直に喜んだ。  今こっちから連絡をするのは、稜がどこにいるかわからないから我慢我慢。きっと稜から連絡をくれる。  コーヒーでも淹れるか…とキッチンへ入り、マシンにスプーン一杯の豆を入れてスイッチを入れた。  豆を挽く音と、少し香りがしてきてシンクに寄りかかりスマホを見て苦笑する。 「ま、ゆっくり待ちますか」  ドリップを始めたマシンから、より芳しい香りが昇ってきた。  カップを用意して、ポットにゆっくり落ちてくる液体を眺めて、少しだけ仕事のことを考えてみる。  これからまだ少し忙しいな…いつ会おうかな…結局はそっちに考えが行ってしまうのではあったが…。  発表は早朝だったが、稜は学校まで母親と共に8時頃赴き、自分の目で自分の受験番号を確認した。 「当然だと思ってはいたけど、こうして見てみると嬉しいわね。おめでとう、稜」  母親が頭を抱きしめてくれて、それは何よりも嬉しい。 『当然よね…』と言われるだけかなと思っていたので少し驚いたが、でも母親は普段から優しいから少しでも親に近づけたことは純粋に嬉しかった。 「今日は稜の好きなもの用意するわ。晩御飯楽しみにしててね」  母親は浮かれていて、車に向かいながら父親にも報告をしている。  稜も早く司に連絡を入れたいが、親の前では無理だ。今からすぐに家に帰るのだろうから、部屋に戻ってからでもいいかと携帯をポケットにしまった。  午前10時頃になったら学校へ合格を伝えにいかなければならないので、それまでには連絡をしたい。  9時半になって、書斎にいた司は鳴ったスマホを一回落とすほどに慌てて電話を受けた。 「稜か?」 「うん、おかげさまで受かったよ。ありがとう」 「ネットで見てた。よかったね、おめでとう。俺なんか何もしてないよ、稜の実力だから。本当におめでとう」 「ありがとう。今ね、学校に歩きながらなんだ。やっと1人になれて」  そう言って苦笑する。  それはそうだ。この街に住んでいれば、犀星高校は最難関だ。そこに受かったとなれば家族全員で祝福をするのは当然である。自分もそうだった。 「仕方ないなそれは。難関高に受かったんだし。いやほんとよかった。俺のせいで…なんてちょっと考えて怖くなってたからな」 「そうなっちゃいけないと思って、僕は頑張ったんだから…司に会いたいなぁ」  司もそんな稜に応えては上げたいが、今日は平日なのだ。 「俺は今日、午後から大阪だ」 「え〜〜…司も忙しいんだね…僕、学校へ報告終わったらマンションに行くつもりだから…もしも…何分でも時間取れたらきてほしいな…」  そう言われて司は時計を見る。  新幹線は13時28分。今は9時半。学校への報告などは、よっぽど先生に捕まったりしまければものの数分で終わる話だ…でも一応、 「わかった…稜にそう言われたら仕方ない。時間が取れたら行ってみるよ」  そう言ってみた。実は今から着替えて待ち構えようと思っている。 「ん、無理しないでね」 「大丈夫だよ。じゃ、本当おめでとう。学校気をつけて行くんだよ」 「うん、ありがとう。じゃあ後で会えたらいいな、出張も気をつけてね」  そう言い合って、電話を切った。  書類は用意してあるし、あとは着替えて出かけるのみだ。  司はスーツに着替え始め、タブレットをバッグに詰めて出かける準備は整った。    マンションの鍵を開けたら、そこにあったのは司の靴。 「司!来てるの?」  靴をもどかしそうに脱いで、稜はリビングに飛び込んだ。 「おかえり、犀高生」  司は立って稜を迎えてくれた。  電話等はしていたが、会うのは実にクリスマス以来だ。  司に抱きついて、稜はぴょんぴょん跳ねる。 「おいおい、元気いいな」 「司に会えたんだもん、元気もでるよ」 「改めて、合格おめでとう、稜」 「ありがとう」  満面の笑みで見上げて、もう一度抱きつく。抱きついて気付いたがスーツだった…汚したらダメだなと離れて、司の手を取りテーブル前の床に一緒に座る。 「もうほんと大変だったよ。僕頑張ったよ!」 「何が大変だった?模試の結果もずっとA判定だっただろうに」 「会えないことが大変だった」  そう言って目を瞑る  それに微笑んで、司はちゅっと唇を当てた。 「やだ、もっと」  首に抱きついてきて、自らキスをせがんで唇を当ててくる。  司もその身体を受け止めて、久しぶりの稜の舌を味わいそれは長いキスをした。 「稜…今日は時間ないから、これ以上できないよ。抑えられなくなる」 「うん…でも今ので十分…久しぶり…」  ちょっと目が潤んでいるが、我慢できないほどではなさそうだ。 「帰ったらゆっくり会おうな」 「うん。いつ帰るの?」 「1週間行ってる予定だ。でも俺も頑張って、できるだけ早く終わるようにする。待ってて」  おでこをつけて、言い聞かせるようにいう。 「うん…学校もう休みだから暇なんだよね。連絡ちょうだいね。あと肉まん買ってきてね」  お土産も要求 「ははは、わかったあれな。買ってくるよ」  15分後には出るから…と告げて、それまでに何度もキスをして、時間を惜しむようにイチャイチャ過ごした。  玄関で見送って、稜は1人さっきの場所に戻りちょっと反応してしまった自分のものに手を当てる。 「これも我慢しよ…」  宥めるために、高校の案内を取り出して読み始めた。  司の上でしなやかにそり返る稜は、既に美しいと思えるほどだった。  腰が前後に揺れるのに任せて、その腰を支えて司はそこから醸される甘美な熱に酔ってゆく。  高校に入り、髪色自由な校風故に半年で金髪にした稜は、高2になって髪型を顎のラインで揃えた変形マッシュにして、それに緩いスパイラルパーマをあてた。  金色の糸が灯に透けてふわふわと揺れる。 「気持ちいい…」  のびあがった背を前に戻し、司の胸に両手をついた稜は少し突き上げられて顎を上げた。 「意地悪だね」  そこから何度も突き上げられて、くいくいっと顎を反らし、唇を噛む。 「あまりにも綺麗でな…意地悪くらいしたくなる」  腰を掴んだ手で弾む腰をもっと持ち上げて、落ちる衝撃を稜に与える。 「あんっあっあぁんっだ…めだよそれ…奥に…あっあっ」  胸に手を当てたままの手は身体を上下するのを支えていて、再び反った背は伸びやかに胸と顎のラインを司にさらした。  司は稜の腕を引っ張り、抱きしめるとそのまま位置を変えて稜の上にのしかかり、その綺麗な両足を両手で抱え込むとそのまま大きく抽送を始める 「ああっああんっいいっ。ああ…いいっそれすごいっあっあああんっ」  大きく足を広げられ、その中心を穿たれて、稜は枕を握って激しく喘ぐ。 「気持ちいいか。稜…もっと喘いで、綺麗な稜を見せて」  司は腰を大きく揺らして、時にはグラインドをしながら稜を甘美に苛んでいた。 「んっんんぅんっきもちいいよ…司…好き…大好き…もっとして…もっともっとしてほしい…あっあぁ」  中で逝くのももうとっくに覚え、もう稜の身体は出来上がった大人だった。  いや、大人よりももっと感度の高い、性的上級者かもしれない…。 「俺も好きだよ稜…愛してる…もっと気持ち良くなって…俺で気持ち良くなれ」  ストロークを最大限に取り、結合部は音を立ててぶつかり合うが、それすらも快感を煽ってゆく音だ。 「あ…あっ逝きそう…も…イクイク…司いっちゃう…そこあっそこいいっあっああんっそこいっぱいしてそこっあっああっいくいくいくっあああ」  稜の背が枕に頭頂部を押し付けるほど反ってビクンビクンと跳ね上がる。  それとともに稜の中心からも精が迸り、お腹をむいていたために自分にかかる。 そして、司もゴムなしで行っていたために 「あ…俺もイク…りょ…イクい…」  逝きそうになって一旦稜から出て、稜の顔へと精をぶっかけた。  稜は恍惚としてその液体を指でこすり取り、その指を口へ運んで舌へ乗せる。 「ん…おいしぃ…司の…」  指全体で頬の精液を削いで、迎え舌でわざと指を一本分咥える仕草に司は 「エロエロ小僧だな…」  と再び稜の足の間へ戻り、腹に出された稜の精を直接舌で舐め取り始め、稜の腹を舌で綺麗に拭っていった。  何度か指で掬ったが、見えないのでどこまで綺麗になったかわからなくて、稜は 最後には司に渡されたティッシュで顔を拭い、そして両手を伸ばして司を求めた。  司は稜に重なって、稜を抱きしめる。  その耳元で 「随分淫乱な子になったもんだね」  と囁いて、稜の耳に舌を這わせた。 「エッチなことは全部…司に教わったからね…僕が淫乱になったっていうなら、それは司のせいでしょ…」  耳を舐められて肩をすくめ、司の肩に軽く噛み付く。  高校生になっても稜は勉強を頑張り続け、その代わりに自由な時間を手に入れた。  友達のとこへ泊まるといえば何も言われなく、旅行に行ってくると言えば、黙って送り出してくれる。  そんな日々が続き、高1の5月の誕生日に初めて結ばれて以来、司には色々体に教え込まれてきた。  高2の今、普通に暮らして彼女とやりまくるだけでは身につかないことまで稜は身についていて、多少色香漂う雰囲気まで醸すようになってきていた。 「初めての日の稜が忘れられないんだよね…」  流石に重そうだと、稜から降りて腕枕でしばしゆったりする。 「それまでも色々やって来てたのに、挿れる段階になってすっごく震えちゃって、俺罪悪感すごかったんだよ?」  「あの時は、心臓がバックバクしててね…やっぱり怖かったよ。痛みもそうだけど、なんか人生変わっちゃうのかなっていう怖さがあってね」 「そんな?」  腕の上の稜を見て、ーマジ?ーと聞いてみる。 「マジマジ。でも初体験ってそう言うじゃん。終わって外出たら景色が違って見えるとかさ」 「女子の話?」 「そうそう。僕のクラスの女子は真面目だから余計そうなのかもだけどさ」  犀星でも、高校生で初体験する女子いるんだ…とちょっとおじさんな司は内心びっくりしていた。 「でも僕さ、人生変わる前に初めて司が入ってきた時吐くかと思ってた」  と、今では笑えるが、内臓が突き上げられる圧迫感とか、緊張で、本当に吐こうかなと思っていたと言う。 「まあ、そう言う子もいるみたいだからね、ちょっと覚悟はしてたけど、よかった吐かれなくて。でもあの時の稜は可愛かったよ…それが今では…」  そう言って横にいる稜を見つめる 「なあに?」 「いや、セクシーな子に育ったなって」  セクシーって…稜は吹き出しそうになって起き上がり、ちょっと面白いと笑いを隠さない 「照れない照れない。ほんとに色っぽくなったよ、稜は。食事に行っても、女性男性全部ではないけど稜を見つめてる人何人か見たし。色気ダダ漏れなのかな」 「色気ダダ漏れだったら、僕そこらで強姦されてるじゃん」 ーいいの?ーと司の方へ身体を向けて、上目で見つめる。 「それはいやだよ」  と稜の頬に手を当て髪へ手を差し入れようとして、ピアスに当たった。 「そう言えばこのピアスもさ、『初めて』の時に貰ったんだよね、一緒にピアス穴開けたね」  ピアスと一緒にピアッサーまで買ってきた司に、ちょっと笑ったものだった。 「僕が初めて挿入される日に、『穴』を開けるっていう発想がもう、あの時は面白くってさ」  そう言って、左耳のダイヤのピアスを指で触る。 「何も考えてなかったんだよなー」  と司は苦笑した。確かに貫通の日にピアス穴っていうのも…ねえ…。 「でもピアス嬉しかったよ。これ一生大事にするんだ〜」 「違うのも増やそうな」 「うん、5月の誕生石は翡翠なんだよ。すぐじゃなくてもいいからいつか翡翠を買ってね。おねだりするの嫌だけど、司に貰いたいから」 「何でも強請(ねだ)ってくれよ〜」  と、司は稜に抱き付いて首や乳首やらにキスをしまくる。 「くすぐったいって〜」  笑いながら胸の辺りを這い回る司の髪を優しく掴んで 「ねえ、キスならこっちにして…」  唇を舐めながら髪から頬に手を移す稜を、ー可愛いやつだな〜ーなどと言って這い上がってキスをしようとしてきた司に 「隙ありー」  と抱きつき、首の根本あたりに真っ赤なキスマークをつけてしまう 「へへ〜会社でネクタイ外せなくしたやったぜ」  顔を近づけて、イタズラっぽく笑うと、司も 「なんてことを…じゃあ俺は、体操着着られなくしちゃおうかな?」  稜をだきしめ返して、首の上の方にキスをする。 「だめだめ、そんな上の方じゃ制服でも見えちゃうよ」  ゲラゲラ笑って、ベッドを転がり降りてゆく 「シャワー浴びてくる〜」  逃げるように浴室へ向かって歩いてゆく稜の後ろ姿までー色っぽいな…ーと司は眺めた。  来ないの?的な顔をして振り向いた稜の耳に、二つのダイヤが輝く。  司は、その光に惹かれるように、ベッドを降りて浴室へと向かった。    司の身長が173cm。稜が165cm。一緒にお風呂に入りたくてももう浴槽に2人では入れなくなってしまった。 「悲しい…」  シャワーを浴びながら司が呟く。 「まあまあ、洗い場がちょっと広いおかげで一緒にシャワーはできるよ」  ボディソープのついた麻のタオルで身体を洗ってあげながら、稜が宥めている。 「また温泉いこうな」 「うん、大きいお風呂にそろそろ入りたいね」  身体を洗って、司のペニスにたどり着く  タオルを置いて、石鹸でぬるぬるした指を絡ませて細かく洗ってゆく。 「ねえ、大きくしちゃうとさ…あ、いいのか皮の中まで洗えて便利」  起き上がってしまったペニスをヌルヌルと擦り上げてゆくが、 「あれ?僕今セックスの途中だったっけ?」  なんて言い出し、シャワーをかけて丁寧に泡を落としたペニスに、稜は食らいついて行った。 「稜〜〜」  呆れた声で名を呼ぶが、それは嬉しそうな顔。 「んっんっ…だって美味しそうだった…」  咥えながら上目で顔を見られてペニスはより硬くなり、それを喉の奥まで稜が差し込んでゆく。 「あぁ…そんな奥まで…」  司の顎が上がって、稜の頭を掴んでしまう 「稜、後ろ向いて」  稜の頭を掴んで立たせた司は、浴室の壁に手をつかせて、稜を後ろから犯し始めた。 「あっあっ、いきなりそんな奥…ああ…」  壁に頬を預け、いきなり奥まで入ってきたペニスを受け入れる 「ああ…吸い付くな…稜の中…気持ちいい…」  音をたてて激しく出し入れをして、司も声が出てしまう。 「あっああぁんっすごっ…奥にあたって…はっあぁっんんんっきもちいい…」  稜も腰を振り、押し付けあって快感を貪る。 「いいな…稜のなか…もっともっと犯したい。稜を犯したい」  激しく打ちつける腰に稜の声も激しくなり 「犯してよ!もっと犯して…あぁっすごい…すき。司好き愛してる…ずっと犯して僕を犯し続けて」  浴室に響く打ちつける音と、稜の淫らな声と言葉。 「ああ、犯すよ…ずっと犯してやる、稜は俺のだろ…俺の稜だろ」 「うん、うん僕は司のだよ…ああ…すごいっ激しいこんなのなかった!すごいっ犯されてるああっんっっおかされ…あああああっ」  言葉の破壊力と物理的な快感で、稜は不意に壁に向かって射精してしまい、司も兆候なく稜の中に大量の精をはきだしてしまった。  お互い今までにない快感だった。  稜から抜け出ると、そこから溢れる司の精液… 「やらしいな…」  呟いて、後ろから稜を抱きしめた。  稜は気だるい中、首を向けてキスをせがむ。  舌を伸ばし、舌だけを絡める、これはキスというのか… 司は稜の向きを変え、唇を貪った。  舌が絡んで唾を飲み合い、キツく抱きしめ合う。 「俺のだ…稜…」 「ん…僕は司のだよ…愛してね」 「当たり前だろ」  抱き合って、キスをして、そのままベッドへ向かって3回戦目… 今夜この2人はきっと寝ないのだろう…。

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