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第13話

 魔法学園は三年間通い、寮生活が義務づけられている。もちろん貴族とは棟が別だ。  貴族は一人一部屋与えられるが、一般棟は二人で一部屋。だが女性寮をあてがわれたルイスは幸いなことに一人部屋だった。  見た目は女だが身体つきは男のままで着替えに気を使うし、なにより女性と一つの部屋で寝起きを共にしたらバレるリスクが上がる。  学園内では常に気を張らなければならないし、唯一安らげる部屋ができてほっとした。    ベッドでゴロゴロしながら今日の出来事を反芻する。  「Bクラス、いい人たちが多そうだったな」  クラスメイトの面々を思い浮かべてほくそ笑む。 アドルフ以外の人と話すのは緊張したが、みんな気さくに話しかけてくれたので安心した。  それに女装だと気づかれなかったので第一関門突破というところだろうか。  授業についていけるだろうか、初めての集団生活に馴染めるだろうか、と考える頭のすみには必ずジンの顔がある。  六年経ったジンは誰が見ても素敵な王子様に成長していた。 銀色の艶やかな髪、ルビーみたいな瞳、それに真っ白な肌。  あんなに素敵なジンを貴族たちは放っておかないだ ろう。もしかして婚約者がもうすでにいるのかもしれない。  ちくりと胸が痛んだ。  ジンの隣に相 応しいのは貴族の女性だ。結婚してお世継ぎを生む使命がある。  けれどジンが他の誰かと親しくしているのを想像するだけで皮膚を掻きむしりたくなった。  こんな感情知らない。  一体どうした んだろう。  いろいろ考えていると眠れなくなりそうだ。 初日だから疲れているのかもしれないと結論づけて、ルイスは早々にベッドに潜った。

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