指の動きが止まる。ルイスの不安を感じ取ってくれたのだろう。 　呼吸を整えてから口を開く。 　「ジンを気持ちよくしてあげられるかなって」 　「気持ちいいよ」 　「僕なにもしてない！」 　「ルイスが俺の舌や指で気持ちよさそうにしてるのを見るだけでイきそうになる」 　耳元で甘い言葉を囁かれ、ぞくりと背筋が震えた。起き上がったジンは猛った性器をルイスの臀部に押しつける。 　「でもルイスのなかでイきたい」 　ぐっと腰を進められジンがなかに挿ってくる。みちみちと蕾が広げられるのがわかり、圧迫感に耐えるようにシーツをきつく握った。 　「力を抜いて。ゆっくりするから」 　ルイスの呼吸に合わせるように腰が進み、合間に何度もキスをされた。屹立を上下に扱かれると四肢に力が入らなくなり、その隙をついて奥へと進む。 　指とは比べものにならない質量にお腹が苦しい。苦しみを逃すように腹に手を置いた。 　「ここにジンがいるの？」 　涙目で問うとジンは一瞬驚いた顔をして、くしゃりと相好を崩した。 　「そうだ。もう少しで届きそうだ」 　臍の上をぐるりとなぞられて「んっ」と甘い声が漏れる。 　「馴染むまで待ってるから」 　ジンは動きたいのを我慢をしているのが目に見えていた。ルイスの身体を考えてくれているのだろう。 　言葉とは裏腹に目はギラつき、八重歯を覗かせている。肉食獣なら涎を垂らしていそうな光景に興奮を覚えた。 　ルイスはジンの腕を掴んだ。 　「いいっ、から……お願い。早くっ、あっ！」 　腰が動き、素肌がばちんと音を立てた。律動は激しさを増し、足がぶらぶらと投げ出される。 　「あっ……あァ、んん」 　「好きだ、ルイス。愛してる」 　「ジン、好きっ、あ、んぁ！」 　質量を増した雄から熱いものが注がれ、蕾がきゅんと収縮した。 　身体が快楽に打ち震えている。興奮した熱で視点が定まらず虚空を見上げているとルビー色の瞳がギラつくのが見えた。 　「まだだ」 　ジンはルイスを軽々とひっくり返し、四つん這いの体勢にさせた。そしてイったばかり雄はまだ固さを保っており、そのまま一気に貫かれた。 　「あっあ、まだ……だめっ、」 　快楽に耐えられず涙を流してもジンは精液をなかに擦りつけるように腰を振る。 　ルイスの背中に何度も唇を落とし、そのたびに中がきゅっと締まった。 　双丘を掴まれて広げられる。ジンの目には結合部分がよく見えているのだろう。 　ジンの精液を垂れ流し、収縮を繰り返すいやらしい箇所に視線を注がれていると思うと淫靡さが増す。 　ジンが腰を揺らすたびに身体がびくりと跳ねた。苦しさよりも強すぎる快楽に頭がおかしくなる。 　「ルイス、ルイス」 　名前を呼ばれるたびに愛しさが込み上げてきて、お腹が熱くなる。息も絶え絶えで「ジン」と呼び返すと腰を打ち付ける力が強くなった。 　屹立に熱が集まっていき、限界が近 い。 　「イく……やっ、あっあ」 　「一緒にイこう」 　ジンの雄が中を擦ってくる。甘い刺激に身体が震え、耐えられず射精した。一回目より長い絶頂に身体が痙攣している。 　同時に中も熱くなり、入りきれなかった精液が太腿を伝いシルクのシーツにしみをつくる。 　「はぁ、はぁ……」 　力なくベッドに沈むとジンが上にのかってってきた。 　汗ばんだ肌がくっついて一つに溶け合えそうな甘さに身体を委ねた。 　そろりと顔をあげるとジンが目を細めている。 　「大丈夫か？」 　「うん……」 　唇が降りてきてキスを受け入れた。 　触れるだけだった唇が舌を絡ませて段々深くなる。 　火照ったままの身体はすぐにまた熱さを取り戻した。 　「まだ足りない」 　「えっ！？　もう無理」 　白旗を上げてもジンは大丈夫、大丈夫と繰り返すだけで再び求められた。 　ルイスが泣いて懇願しても止めてもらえず、意識がなくなるまで続いた。