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54.どうしよう
どうしよう……
いくらヤキモチ焼いちゃったからって、僕…取り返しのつかないことをしちゃったかもしれない。
今すぐに彼女に会いに行って、あれは冗談だったんだって、……ううん、僕が片想いしてて勝手にやっちゃったんだって言えば、柊くん困らない?
え…っと、彼女は7階の、何号室?僕、すぐに行かなくちゃ!
「柊くんっ」
「忍~っ」
いつの間にか開いていたドアから引っ張り込まれた玄関の中で、むぎゅーっと強く抱きしめられた。
「あっ、あの!僕っ、さっきの人に…」
「だーめ。忍が煽るから俺もうこんななんだぞー?」
お腹に硬いものをぐいぐい押し付けられる。
「でもっ、僕が勝手にしたことだって言ってこないと、あの人に柊くんが男好きだって…」
「忍!」
肩を両手で掴まれた。
「俺が忍を好きってことは、あいつら皆知ってっから大丈夫」
「えっ……?」
「それとも忍はさ、ホントは俺のちん○、舐めんのイヤなの?」
腰を屈めて、目線を合わせられる。
じーっと見つめられて、顔がどんどん熱くなっていく。
だけど、囚われたように目が離せなくて、僕は柊くんの瞳を見つめたまま……
「………舐めたいです」
そう答えれば、柊くんは嬉しそうに目を細めて、もう一度僕を思い切り抱きしめてくれた。
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