55 / 93
55.期待
柊くんは乱暴にコートを脱ぎ捨てると、早急にベッドに腰掛けた。
「忍、舐めて」
コクンと頷いて、その足元に座った。
窮屈そうに主張してるソレを早く自由にしてあげたくて、ベルトに手を掛けると、何故だか柊くんの手と重なった。
「忍、先に忍の服を脱ごうか」
「えっ…?」
見上げると、指先が顎に触れ、ツーっと優しく擦った爪が喉をやんわりと擽る。
それだけなのに、僕の下半身はドクンと震えて、じゅん、と湿った感覚がした。
「忍はすぐ濡れちゃうから、脱いどかないとパンツん中気持ち悪くなっちゃうだろ?」
悪戯に笑われると、下着の中身を見透かされてるみたいで、途端に恥ずかしくなる。
そうすれば、またどんどんソコは水漏れみたいに溢れさせてしまって……
脱いだら、まだ何もしてないのに濡らしてることがバレちゃう。
脚を擦りあわせて躊躇してると、柊くんは僕の耳元に唇を寄せて、甘い声で囁いた。
「もしかして、期待だけで濡れちゃった?忍、ヤラしくてか~わい」
「ん…っ、やぁっ」
耳朶をちゅって吸われて、変な声が出ちゃう。
「そんなこと、ないっ」
首を横に振ると、
「んー…、そっかなぁ?」
とぼけたみたいな意地悪な声。
「じゃあ、俺が脱がせちゃおう」
「やっ!だめっ、後でぇっ」
「はい、ご開帳~」
おじさんみたいなセリフと共に、ズボンが下着ごと脚から抜き取られた。
フルンと飛び出した僕のソレは、先っぽから粘液の糸を引いていて……
恥ずかしさで熱の上がった顔を、両手で覆い隠した。
「これが欲しくて濡れちゃったの?」
髪を指で梳くように撫でられて、そっと手を開く。
指の隙間から、柊くんのそそり立ったソレが見えた。
「忍、一昨日 舐めてくれなかっただろ?俺も、待ちきれなくてヤバいんだけど」
おととい………
「───っ」
土曜の夜のことを思い出して、喉がヒュッと鳴った。
ともだちにシェアしよう!