「ああっ！　ん、んあっ、あっ、やっ、だめ、あっ」 　腰を打ち付けられ、抜き差しされるたびに擦れる内壁の感覚に声が上がる。信じられないくらい甘ったるい声。媚びているみたいなとろとろに溶けた甘さは、無意識だからどうしようもなくて。 　相性がいいという意味をこんなところで深く体感してしまった。 　逃げたいくらい恥ずかしくても、初めて感じる気持ち良さに声が抑えられない。 「イイ声」 　呟くようなアズサさんの声が肌から直に伝わって、恥ずかしさと気持ち良さに脳が焼けそうになる。 　アズサさんが動くたび、気持ち良さが波みたいに体中を伝って増幅していく気がした。 「は、ぁ……あっ、あずささんっこわい、こわいっ」 　ふわふわと漂う感覚は、まるで快楽の海に落ちたよう。溺れないように必死で目の前に体にしがみついた。こんな気持ち良さ知らない。このままどこまでも行ってしまいそうで、この体しか頼れない。 「大丈夫。ここ、いいでしょ？」 「イイから、だめ、アッ」 「そういう時は、もっとって言うんだよ」 　密着することでより深くを刺激され、同時にアズサさんの腹筋で反り上がった僕のモノも擦られ、頭が変になりそうだ。 「あっ、そこ、きもちい……もっと……あっんんっ！　んっ」 　あられもない声を上げている自分がみっともなくて、でもどうしようもなく気持ち良くて。 　てっぺんに駆け上るまではあっという間だった。 「アッ、あ、っ、こわいっ、くる、あっやだっ」 「うん、大丈夫、そのまま……っ」 「ひっ、あ、ああっう」 　アズサさんにしがみついたままびくびくと射精の吐き出す感覚に堪える。触られてもいないのに、この前よりも長く気持ちがいい。 　なんとか出し切って、でもまだ熱はこもってて、アズサさんもまだ中にいて。 　呆けたのは一瞬。当然、それで終わりではなかった。 「可愛すぎてムリ」 「えっ、あ、あ、まって、ああんっ！」 　一度引き抜いた後には体をひっくり返されて、腰を上げさせられると同時に一気に奥まで挿入された。そして間髪入れずギリギリまで抜かれてまた奥へと突き上げられる。抱き合っていた時とは違う深さと角度に、新しい快感が呼び起こされる。今1度か回出したばかりなのに、新しい刺激でまた自分自身が勃ち上がっているのがわかる。 「やっ、あ、あ、まだ、あっ、こんな」 　ここにきて、さっきはまだ手加減されてたんだって気づいた。まだ僕の方を優先して動いてくれていたんだと、今の激しさで知る。 　腰を打ち付けられ揺さぶられて、溺れそうな快感が次から次に押し寄せてくる。上手く息が吸えない。 「はっ、あ、はぁ、あっ、あ！」 　必死に呼吸をしようと顔を上げても、後ろから激しく突き上げられてすぐに快感の波にさらわれて顔を伏せた。すると僕を揺さぶる卑猥な音が骨を伝って聞こえて、それにまた感じて。 　無意識のうちに逃げる腰を掴まれごつごつと奥を突かれて、その強引さにアルファの男らしさを感じてしまう。オメガの本能は、しっかり僕にもあったんだ。 　だってもう無理だと頭は思うけど、体がもっとと騒いでいるのがわかる。もっとたくさんアズサさんから与えられる気持ち良さを受け取りたい。もっと深く、もっともっと奥に。 「い、いく、あっ、いっちゃう、もうっ」 　まったく抑えの利かない熱が下半身に集中して、哀願するように声を上げる。すると深くに届くように腰を押しつけられ、背中に重みを感じて。 「あッ……！」 　首筋に走った痛みと痺れ、そして体中を走る得も言われぬ幸せな感覚。 　それと同時に中でアズサさんの欲望が弾けたのを感じて、僕は満たされた気持ちで意識を手放した。