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幸せな気持ち
「そろそろ行くね」
「おう。また明日な」
「凌久…明日…俺、午前の講義あって夕方まで空いてるんだ…凌久は?」
「俺も…明日、午前の講義だけ」
珍しい…
予定を伝えてくるなんて
悠悕の時間は、いかなる時も暁のもので
予定は未定で
いつ予定が入るか分かんないから
いつも、そんな話しないのに
「だからさ。凌久が行きたいって言ってたお店行かない?なんだっけ?ラス…シラス…」
「ふっ…シュラスコ。ありがと。覚えててくれたんだ」
悠悕を抱き締める
こんな…どうしようもない男の事…
悠悕は…
「だって凌久、何回も話してたからね。なかなか行けなくて、ごめんね」
「全然…嬉し…」
「凌久…出来るかどうかは分かんないけど、たまには我が儘とか…言っていいよ?俺の事ばっかり考えてもらって…凌久全然…んっ」
チュッ
「充分だから…」
「凌久…」
「バスケ部の水無瀬君と付き合えてんだから、勿体無いくらい」
「馬鹿にしてんだろ」
「してないよ。ほら、もう行きな」
「うん。じゃ、明日ね」
「おう」
バタン
「………っはぁ~。もっかい抱くとこだった」
悠悕の頭の中の9割は暁で
残りの1割で生きてるのに
俺が行きたがってた店の事覚えてるなんて…
嬉し過ぎる…
ほんとに付き合ってるみたいにしてもらうと
嬉しいのと…罪悪感と…
「…もう少し…このまま…気付かないで…」
「……えっ?…でっ…でも…それはっ...凌久っが...辛くなるっ…」
1回だけシて欲しいと言った俺に
悠悕はまともな答えを返した
「…いいんだ…どうせもう...どんなに頑張ったって、今までみたいな関係には戻れない…なぁ…可哀想だと思ってさ…」
「…そっ…それはっ…ダメだよ」
「キスなんて要らない。前戯もいい。顔見ないで...誰か別の奴想像してもいいからさ」
惨めだな
何言ってんの?
「…なっ…何でそんなっ…事っ…」
「…ただ…突っ込んでくれるだけ…でっ!?」
悠悕が、飛び付いてきた
「…何っ…それ……何でそんなっ…凌久が悪いみたいに…なってるの?」
「どう考えても俺が悪いだろ」
「悪くないだろ!凌久…何も悪い事なんてしてな…んぅっ…!…んっ…ふっ…はっ...んんっ!」
チュッ
「こういう事されたら気持ち悪いだろ?こういう事したいって思われてたら、気持ち悪いだろ?だから、どう考えても俺が悪...んっ…んん~…」
チュッ
「はぁっ…嫌じゃない!こんなんでっ…凌久が傷付くんじゃなくてっ…嬉しいなら…しろよ」
「だから俺…キスなんて要らないっ…んっ……ひょっふぉっ……はっ…」
「はぁっ…凌久とっ……そんなのっ…出来る訳ないだろ?!」
ああ…
その代わりのキスか
優し…
「すっ…するなら…ちゃんとっ…したいっ…」
「……へ?」
この子…今なんつった?
「良くないって分かってるけど…凌久っ…凌久辛いならっ…何かしたいっ…凌久と離れるなんて…やだよ」
「だ…だからっ…優し過ぎるんだって…俺だって…離れたくない…けど…だって……」
くそっ…!
そんな目で…顔で…
見つめられたら…
こんなに理性総動員させて頑張ったのに
簡単に崩壊しちゃうだろが
「んっ…りっ…はぁっ…ふっ…んっ!」
もう…止めらんない
だって
欲しくて欲しくて欲しくて
「はぁっ…あっ…んんっ…ふあっ…はっ……はぁっ…んぅっ…!」
暁とのこういう関係で悩んでんのに
暁の気持ちも悠悕の気持ちも知ってんのに
大学卒業まで隣で笑ってたいのに
………っ!
ドサッ
悠稀をベッドに押し倒す
「…もう…はぁっ…今更っ…止めらんないから…」
「…はぁっ…はぁっ…いいっ…からっ…凌久っ…泣かないでっ…」
何の涙なのか…
どんなに優しくったって、今までと同じではいられない
1番大切な奴に
こういう事で悩んでるって知ってて
何…やらせてんだよ
「んっ…?…んぁっ…凌久っ…」
「んっ…変な感じ?」
「んっ…~~っ…!そこっ…...なんっ…かっ……や…あっ…!」
「…はっ…はぁっ…もう…感じるんだ…可愛い」
「んんっ!…凌久っ…もっ…やめっ…んっ…!」
「ん...大丈夫…こっちもな?」
手を伸ばして悠悕のを触る
「ああっ…!りっ…凌久っ…」
どうしよう
可愛い過ぎる
嬉し過ぎる
俺で悠悕が感じてくれてる
あの爽やかイケメンが
暁の優しい兄ちゃんが
俺で感じてる
「…くっ…はっ...ああっ…!…凌久っ…」
「んっ…可愛い…悠悕、いつも我慢してんでしょ?今日は我慢しなくていいよ」
「…はっ…あっ…!…んっ…りっ…!くっ…どっちもっ…無理っ………おかしくっ…なるっ…」
「…なってもいいよ...大丈夫…こんな俺とシてくれんだから、トぶ位気持ち良くさせたげる」
もう、すっかり力の入らない悠悕の服を全て脱がせる
綺麗だ
全部…綺麗…
自分が触れたら…綺麗じゃなくなりそう…
「…凌久?」
綺麗な瞳に涙を浮かべて
近付くと、綺麗な瞳の中に
見たくない物が映り込んだから…
「んっ…はっ…ふっあっ...ふっ…ふぁあっ…はっ…」
キスして、閉じてやった
そのまま、首筋に舌を這わせる
「~~っ…!」
さっきまで舐めてたのと、反対側のものの上で舌を動かすと
「んぁっ…!」
悠悕が、胸を突き出して声を上げる
ほんと…敏感
「あっ...は…あっ...んっ!りっ…そこっ…やっ!」
力の入らない腕で、俺の頭を押さえようとする
さっきまでより、舌の動きを速めてやると
「…いっ…やっ!…あっ!…りっ…やっ…!」
俺の頭を押さえるから、悠悕が押し付けてるみたいになってる
1度口を離すと、空を見て、放心状態だ
あの悠悕がと考えると…
ぞくぞくする
今離した部分を指で触れながら、反対側を舐める
「…はっ!あっ!やだっ!…あ…あっ!だっ…めっ…変っ…凌久っ…変っ…だかっ…あっ…!」
俺の頭を押さえてた腕を離し、体の両脇に曲げて、なんとか体を捻ろうとしている
頭はぶんぶんさせ、きっともう何も考えられないんだろな
こんな姿見せちゃって...
もっと…俺しか知らない悠悕が見たい
もっと…乱れて
片方を指で摘みながら、反対側を軽く噛むと
「はぁああっ…!あっ…?あっ…はあぁ…ぁあっ...!あっ…はっ…あぁあ…ぁあっ…!」
ドライで…イッた?
頭をどうしたらいいか分からないといった様に…左右に動かし…
瞳には…何も映っていないようだ
悠悕の耳を触ると
「はぁ…あっ!」
もう…全身感じちゃうかな
「悠悕…ゆっくり息して」
耳元で話し掛けると
「あっ!…あ、あっ...!」
無理か
自分の服を脱いで
綺麗な悠悕の腹筋の縦のラインに沿って
舌を添わせる
「あっ…はっ…あぁ…あっ…」
そのまま右の鼠径部を舐める
「はっあっ…ぅあっ!」
右の太ももの内側を舐めながら左の太ももの内側を触る
「あっ!はっ…はっ...あぅっ!」
左の太ももの内側を舐めながら
悠悕のを触る
「はっ…ぁあっ!」
男にされた事ないんだから
全部初めてだよな
ああ…暁にされてんのか?
まあ…いいや
今だけは俺の悠悕
感じやすいみたいだし大丈夫かな
もうだいぶ硬くなっている
先端から出ているものを周りに塗りつける
「ぁあ…あっ!...んっ…んぁあ...はっ...はっあっ!」
「男の方が…気持ちいい事知ってんだよ?」
あんまり…
苛めたくない
でも…最後かと思うと…
色んな悠悕が見たくなってしまう
「悠悕…」
「はぁっ…んっ…あっ…凌久っ…お願っ…ぎゅって…してっ…」
「抱き締めて欲しいの?」
「んっ…ん...ちょっと…怖っ…凌久っ…」
あっ…
ぎゅ~っと抱き締める
「ごめん…そうだよな…ごめんな」
「はあっ…凌久っ…謝らっ…ないで」
「ごめん…もう充分だ。ありがとう…怖かったよな?...ごめんな」
「凌っ…久っ?」
ダメだ
すっげぇヤりたい!
メチャクチャにしたい!
もっともっと…
でも…
恋人でもないのに
悠悕に、これ以上怖い思いはさせたくない
「ふっ……悠悕は、ちゃんとイカせてやるからな」
「はぁっ...俺っ…は?」
「ん。多分すぐイケると思うから、ちょっと待ってな?」
俺が下に下がろうとすると
ガシッと腕を掴まれた
「…どした?もちょっと抱き締めてる?」
「はぁっ…だめっ…凌久っ…ちゃんと…」
こんなんなっても…
優しくて 優しくて
「…大丈夫…ありがとっ…ごめんなっ…」
「凌久っ…泣かないで…」
悠悕が俺の頭を引き寄せて
チュッ
キスをした
「凌久っ…俺っ…ちゃんとしたいって…言った」
「ん、ありがとっ…その言葉と気持ちだけでっ…ほんと嬉しいからっ…だからもういいよ。ごめんなっ…っ怖い思いさせて」
悠悕を優しく抱き締めて、重くない様に
ゴロンと横になる
でも、悠悕はイカせてやんないと
……え?
「…悠悕?」
悠悕が…俺のを触ってる
「もういいから。大丈夫。ありがと」
もう...疲れ果ててるはずなのに...
「悠悕、ほんとにもう…」
「俺じゃ…気持ち良くなれない?」
「…なっ…なれるに決まってんだろ!なれるから、ヤバいんだって!」
「…良かった」
なんで笑ってんだよ
怒れよ!
「…悠悕…ほんとヤバいから…ありがと」
悠悕の手を止める
「一緒に…イケた方が…嬉しくて…はぁっ…安心するに…決まってる…だろうが!」
「…え?」
「凌久のっ…言葉」
「あっ...いや…それは…」
暁と悠悕の事であって…
「どんなっ…気持ち良くてもっ…会った頃…思い出すと…今度は...俺が…恐怖の対象になるんじゃないかって…1番許せない奴と…っ…同じ事してるって…思うと……イクことなんて出来ないっ…」
だから
一緒にイッてくれる?
俺の自分勝手な脳が
そう付け加えた
「嫌だったら…言って。こんな状況で…あんま考えられないかもしんないけど」
「ん...」
「俺の…触ってくれる?」
「ん...」
力のない手を一生懸命動かしてくれる
自分で後ろの準備をする
こんな…弱くて単調なので
気持ち良くなる訳ないのに
悠悕の手ってだけで
悠悕の顔見てるだけで
めちゃくちゃ気持ちいい
「…くっ…はっ..….はぁっ...」
「凌久…大丈夫?苦しそう」
「…っだいじょぶ…んっ…くっ!…はぁっ...」
暁で見慣れてんじゃないのか?
そんな心配したら萎えちゃうだろ
「…くっ…あっ...ありがと…もっかい…悠悕の…触らせて?」
「え?でも…んっ…」
チュッ
「はあっ…ダメ?」
「い…いいけど…凌久の方がもっと…」
俺のを触ってる悠悕の手に手を組む
「もっ…俺っ...準備出来るからっ…お願い」
そう言うと
「あっ...うん…分かった」
そう言って、手の力を抜いてくれた
「悠悕は…そのままでいいよ。上から…挿れていい?」
「いいけど…凌久…疲れちゃうよ?」
「俺っ…のが...体力残ってる……でも…途中でも…いつでも…嫌だったら言って…馬鹿みたいに…止まらなくなってたら…蹴飛ばして」
「ふっ…蹴飛ばすって…大丈夫だよ」
「じゃ…挿れるね?」
「うん…」
ゆっくりと…悠悕の上に腰を落としていく
「…くっ!…んっんっ...はぁっ…んっ...!」
悠悕の…気持ちいい!
こんなの…すぐイッちゃう
「...凌久…大丈夫?」
ごめん悠稀…
ちょっと今…答えらんない
「…~っ…くっ!…はぁっはぁっはぁっ…」
もう…ちょっと
「はあっ…んっ…~~っ!…はっあっ!」
全部…入った
「凌久…大丈夫?」
「はぁっ…大丈夫…悠悕は?気持ち悪くない?」
「うん…」
「じゃ…ちょっと動くね?」
ゆっくり体を上下させる
「…っ!くっ…はっ...あっ...!」
無理無理…
なるべく長く繋がってたいのに
「あっ…くっ…~~っ…かっ...はっ...あっ...!」
あっという間に…
イッちゃう
ちょっと…休憩…
「…ちょっと…1回…抜くね」
「うん…」
「…んっ...くっ…あっ!…はあっ…はあっ…」
ヤバい...
たった数分で俺のHP残り僅か
「凌久…」
悠悕が、ゆっくり起き上がる
「はぁっ…え?あ...もう…やめる?」
「凌久…」
ぎゅっと抱き締められた
あれ?
なんか…悠悕のHP回復してる
「悠悕?」
「…そうやって…自分でした方が気持ちいい?」
「…はぁっ…え?」
「だったら…いいんだけど…見てると…辛そうで…」
「いや…どっちがいいとかじゃ…ってか、どっちもいいんだけど…今は俺が悠悕を、動けなくしちゃったからさ」
「動ける。もう大丈夫だから、今度は俺が動くから…」
何…この優しい彼氏…惚れちゃうだろ
いや…彼氏じゃないけど
もう…とっくに惚れてるけど
「ほんとに...いいの?」
「うん…どうして欲しい?」
ほんとは…バックのが感じるけど
絶対悠悕の顔見てたい
一生…目に焼き付ける
「…っ悠悕の顔…見ながらがいい」
「分かった…凌久…泣かないで」
「ん...大丈夫…悠悕が優しくしてくれんの嬉しくて...泣いてるだけ」
「ん...でも…泣かないで」
少しの間悠悕は抱き締めてくれて
なんかもう...
これでいいかもって思える程幸せになった
「凌久…横にするね?」
「ん」
ドサッ
今度は俺の上に悠悕
どの角度から見ても綺麗
「凌久のも…舐めていい?」
悠悕が、俺の胸の上に顔を近付ける
「いいけど…そんな事しなくても、ちゃんと入るから、大丈夫だよ?」
「んっ…チュッ…はっ…ん…ん...はぁっ…」
さっき自分がされた様に俺のを舐めてくる
暁のは…舐めた事ないのか
どんなセックスなんだ?
悠悕の髪を撫でる
「チュッ…ん?あ...ごめん…俺…上手くないよね?」
「ふっ…男のなんて、どうしていいか分かんないよな?でも…悠悕がしてくれるのは何でも…そういうのとはちょっと違うけど…気持ちいいってか…凄く幸せな気持ちになるから嬉しいよ。ありがとう」
ん?
顔を上げた悠悕がフリーズしてる
「悠悕?どうした?何か…」
「何…だろ…」
「え?何?」
「よく…分かんないけど…」
「いいよ。分かる事だけでも言ってみな。体が何処か変?痛い?」
「変…かも…」
「変なのか?何処な辺だ?どんな風に?」
「…うっ…分かっ...ふっうっ…」
えっ?
泣き出した!
「ちょっ…ちょっと…」
急いで起き上がる
「悠悕…お願い。ちゃんと教えて?痛いんじゃなくて、変なんだな?何処?どの辺り?」
「…っく…分かんない...こんなのっ…初めて…」
「自分でも分かんないのか?体全体とか?」
「ふっ…凌久っ…」
俺に抱き付いてきた
不安なんだ
どうしよう…病院?
俺のせいだ
「大丈夫。大丈夫だよ、悠悕。明日…」
「凌久っ...好きっ…」
「すき?え?」
え?
すきって…好き?
「凌久がっ...幸せな気持ちっ…なるって聞いてっ...~~っ!」
ぎゅ~っと抱き締めてくる
「…悠悕?」
「感じた事っ…ない感覚っ…っく…うっ…凌久っ…ありがとうって…何回も…何回も…言いたくっ...なるみたいな…」
え…
いやいや
勘違いするな
悠稀…頭…働かなくって…
おかしくなっちゃってんだ
「凌久っ…凌久っ……」
可愛い過ぎて
嬉し過ぎて
幸せ過ぎるけど
「ねっ…凌久…これ…好きって事でしょ?俺もっ...凌久っ…凄く好きって事でしょ?」
そんな訳…ないんだ
あんまり非日常的な事が続いて
初めて味わった…かどうかわかんないけど
とにかく感じ過ぎて…
頭…普通の状態じゃないんだ
「凌久っ…好きっ...好きだよ...凌久っ…うっ…離れるなんて…やだよ」
……この手
取っちゃっていいの?
明日には…勘違いだったって言われるかもしんないのに
明日…クリアしても
あさって…言われるかもしんないのに
でも…
勘違いでもなんでもいい
1日でもいいよ
「うん…っ俺も…俺もっ…~っ悠悕が好きだ」
せっかく両想いになれたその日
2人して何が何だか
頭ぐちゃぐちゃのまま散々泣いて
泣き疲れて…
結局そのまま寝てしまった
そしてあれから今日まで…
悠悕はまだ勘違いに気付かないでいる
優しいから
自分の気持ちすら疑わないんだろう
暁を抱く度…
それまで以上に罪悪感を抱かせてるんだと思う
暁を抱く度…
暁の気持ちに気付いていってるかもしれない
「…っはぁ~…ははっ…欲張り過ぎだな」
もう
あの日だけで充分な程貰った
それからも悠悕は俺に
沢山くれてる
奇跡みたいな日を1日1日
増やしてってくれてる
いつ終わりがきても
笑って…ありがとうって言える
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