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和解

ヴ~~ ヴ~~ あと5分位で着くみたいだし もう返信しよ これ以上、凌久心配させられない 八神さんに教えてもらった住所を送る ヴ~~ ヴ~~ う~… 凌久ごめんっ でもっ… どうしても話し合いしたいから… せっかく、こんな時間に暁を任せてまで来たから ガチャ 「はぁっ…はぁっ…」 今日…よく走って… 色んな事あって… もう疲労困憊 でも、これから頑張んなきゃ! パチッと電気を点けると… どこが汚ないの?八神さん もし暁が居なかったら 俺、ここまで綺麗にしてた自信ないよ? 喉乾いた 八神さん、なんか飲み物頂きます お茶…ない 水… コップに注いで勢いよく飲む ゴクッ ゴクッ ゴクッ んっ?! 何これ?! ペッ ペッ なんか…変な味… え?この匂い… お酒だ… 嘘… もう1回冷蔵庫の中を見る ミネラルウォーターのラベル… 中身だけ…何か移し替えた? どうしよう… この位なら何でもないのかな… お酒飲んだ事ないから分かんない せっかく…凌久と話すのに… 酔っ払ってたらどうしよう… こういう時…どうすればいいの? 酔っ払った事ないから、分かんない ちょっと落ち着こう 父さん…前に酔っ払ってた時… なんか…薬飲んでた! お酒あるって事は そういう薬どっかにあるかもしれない ありそうな引き出しを開けて探す ごめんなさい、八神さん 後でちゃんと片付けます ないよ ないよ まず、薬がない どこな辺? 凌久…来ちゃう… あ…こっちとか こういうとこかも… ない ない ダメだ! なんとなくだけど 気のせいかもしれないけど ボーッとしてきた 顔! 冷水で顔洗おう! 洗面所に行き、勢いよく水を出す バシャバシャ バシャバシャ しっかりして俺 なんの為に暁置いてきたの? 八神さんが、いくら優しくたって あの家に誰かが上がるの初めて そもそも、向こうの家に居た時から 暁の事考えて、お客さんなんて上げてなかったし 1人で頑張ってるんだ 八神さんだって 昨日も俺の代わりにバイト出て 今日もバイト中俺に振り回されて なのに、急にこんな時間に付き合ってくれて 皆…俺の為…なんだから... あれ? あんまり勢いよく頭振ってたら クラクラしてきた うわっ… 倒れそう やり過ぎた ちょっと…休憩… あれ? 真っ直ぐ立って…られない 洗面所に掴まろうとして 鏡…開いちゃった 倒れた中の物…直そうとして… 更に…倒れてく… 待って…俺も…倒れそう…… ゴンッ バイトの…先輩? 『そ。じゃ、遠慮なく』 『これから美味しくいただきます』 だって… もう俺に、どうこう言う権利なんてないから どんな奴だろうと、俺よりはマシだろうから 悠稀が選んだなら 何も言えない けど… 『水無瀬って、酒弱いんだね?』 悠稀が選んで、そうしたいなら……だ プルルルル… プルルルル… 未成年に酒飲まして襲う気? 犯罪だぞ くそっ! プルルルル… プルルルル… 先輩に相談した? そしたら酒飲まされた? こんな時間に暁置いて? そんなに…悩んでた? 泣いてた? プルルルル… プルルルル… 出ない 出るつもりないな 悠稀の家な訳ない とりあえず、悠稀のバイト先行ってみるか 電車に乗って考える 俺が…行ってもいいのかな でも… 自分の意思じゃないのに 襲われるなんて… 絶対嫌な事だから 助けて… 送ったら、さっさと帰ろう バイト先に聞いたら、そいつの住所分かるかな 悠稀のバイト先の前まで着て 入ろうと思った時 携帯が… 送られてきたのは住所… あいつのって…事だよな? 急いで、そこへ向かう 電話してみたけど… やっぱり出ない くそっ! どういうつもりだ? なんで…俺に住所を送ってくる? どう考えてもまともじゃない 悠稀…何されてる? 痛い事されてない? タクシー…全然居ない 探すより… やっぱ電車のが早いか 悠稀…起きて! 逃げて! 「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」 住所…ここ… このアパート… この…部屋… ピンポーン ピンポーン ガチャッ え?開いた 玄関に…悠稀の靴! 「悠稀!」 急いで中に入ると… 「……なっ……何…これ…」 部屋が…荒らされてる… ありとあらゆる引き出しや、扉が開けられ 何か探した後… 「悠稀!」 何?どういう事? バイトの先輩は? キッチンにも居ない 寝室…居ない… なんで… 住所送っておいて どっか行ったの? その後泥棒に入られた? 「はぁ~っ…訳…分かんねぇよ!」 靴…あったって… 歩けない状態で運ばれた? あっ… 悠稀の携帯… あんなとこに落ちてる 携帯…落とす様な事…された? 洗面所に続く廊下に取りに行く…と…… 「悠稀!」 洗面所に悠稀が倒れてる 急いで駆け寄り体を抱き上げる 「悠稀!悠稀!悠稀!」 え? 死んで… え? 死んで… あったかい 息…してる? 「悠稀!悠稀!目覚ませ!悠稀!」 顔…ビショビショ? なんで… 洗面台も…ビショビショ… 鏡のドア…開かれて… 色んな物、倒れてる 顔…水に浸けられた? 殺されかけてた? 抵抗…した後? え? 生きてる? 「悠稀!お願い!目覚まして!悠稀!」 「……ん...」 「悠稀!聞こえるか?悠稀!」 「…ん~?」 うっすらと目を開けた 「悠稀!…~っ!大丈夫?悠稀…怖かったな?もう、大丈夫だよ…」 生きてたっ… 悠稀を抱き締める 「…凌久?」 「そうだよ。もう大丈夫だから…っ…悠稀、痛い所は?」 「…いたい…とこよ……あたま」 ん? なんか…喋り方… 「頭痛いのか?」 「…ん~…たおえゆ時……ゴンッ…て、ゆった…」 あ…そっか… 酒…飲まされたんだった 酔ってんだ 酔ってる状態で…顔…水に…… 「頭だな?どの辺だ?この辺か?」 「いたい!」 「えっ?!…ごめん!ここ、痛いんだな?」 「いたいかや…しゃわんないえよ!」 「分かった。後は?どっか痛いとこあるか?」 「…ん~ない!」 怪我は、頭だけか? 殴られたりもしてないしな 全く状況把握が出来ない 「そっか…なぁ、悠稀、誰に襲われたのか、覚えてるか?」 「…ん~?」 「バイトの先輩?それとも、全然知らない奴?」 「…しぇんぱい…やがみしゃん…」 「っ…そう。その八神さんに、襲われたの?」 「やがみしゃん…あきのとこやよ?」 ……は? 八神さん、暁の所? え? 全然意味分からん 「え?ここ、八神の家じゃねぇの?」 「ここ~?やがみしゃんのいえやよ?」 「で?その八神は?」 「…あきのとこやよ」 は? 「……悠稀…何でそんな顔ビショビショなの?」 「りくと…おはなし…しゅゆかや~」 「俺と話する為に、顔ビショビショにしたの?」 「おしゃけ…のんじゃった……おはなし…できないと……こまゆ…」 「え?自分で顔洗ったって事?」 「…しょう…」 じゃあ… なんで、こんな荒れてんの? 「あのさ、向こうの引き出しとか全部出てて、荒らされてたんだけど、分かる?」 「…ごめん…なしゃい……」 「え?ごめんなさいって…悠稀がやったの?!」 「おしゃけの…くしゅり……しゃがした…おかたじゅけ…まややった…」 「なっ……何っだよ!すげぇ…ビビったわ!全部お前の仕業かよ!ビビらせやがって!」 「…ごめん…なしゃい…」 八神は、酒だけ飲ませて消えたのか? んで、暁のとこ行った? 意味不明 「とりあえず、ここじゃなくて、向こう行こ」 「…凌久も…行く?」 「…っ…行くよ。ほら、頑張って立て!んしょっ!」 「んわぁ~…ふわふわ…グラグラ…」 「え?マジか…もうちょっと頑張って」 「凌久…来てくえた…」 「…お前が、酒なんか飲まされるからだ。よし、ここの壁に寄りかかって座れ」 壁際に下ろして座らせる 「ふわぁ~っ…もう…らめら~」 「ぅおいっ!また頭ぶつけるぞ!横になりたいのか?」 「…寝ゆ」 「寝んのかよ…ほら、ゆっくりだ」 「ん…凌久も…一緒に…寝ゆ?」 「俺は寝ない。水汲んで来るから、ちょっと待ってろ」 「りくっ…また…来ゆ?」 「……来る。待ってろ」 なんで… ちゃんと話さないままだったから? ちゃんと別れ話したいって事? 顔見るのも嫌なはずなのに… 「悠稀、水持って来たから飲んで」 「…ん…凌久……凌久っ…うっ…凌久っ…」 「ん。水飲も?」 体を起こして飲ませる 「はい、飲んで?」 「…んっ…んっ……んっんっ…はぁっ…美味しっ…」 「まだ飲む?」 「ん」 「ちょっと待ってて」 「あっ!凌久は、ここに居て!」 え? どういう事? 「いや、俺が水汲みに行かないと、飲めないよ?」 「…じゃっ…お水…いらないっ…凌久っ…居てっ…」 「悠稀……酔っ払ってるから、忘れてると思うけど…俺、悠稀に酷い事沢山したんだ。だから、ほんとは傍に居ちゃダメなんだ」 「…っ…凌久っ……優しっ…凄くっ…優しっ…凌久っ……俺っ…いっぱいっ…いっぱいっ…怒らせたっ…ごめんっ…なさっ…」 覚えてる…のか? だったら…傍に居たくないだろ? 「とりあえず…水汲んで来るから」 「…や~っ!凌久っ…行かないでっ!」 俺の腕を掴んでくる 「いや…水汲んで来るだけだって」 「水…いらない。凌久っ…居てっ…」 ぐいぐい腕を引っ張られる 「……なんで?俺…お前に最低な事したんだよ?なんで怒んねぇの?許すなよ…俺は…絶対許さない」 「凌久っ……俺のせいでっ…いっぱい…いっぱい…我慢してたのにっ…俺っ……全然っ…気付いてなかった…~っ!ごめんっ!」 「だって俺、言ってねぇもん。悠稀が気付く訳ないし、そもそも、中学からの部活一緒で大切な友達だろ?そこに口出す権利なんてねぇよ…ほんとに…俺の自分勝手な我が儘なんだ」 そんなんで… 悠稀の事、いっぱい泣かせた 「我が儘っ…でもいっ……出来ないっ…かもっ……しれないっ…けどっ……聞きたいっ…」 「ダメだよ。悠稀、優しいから、何とかしようとするもん。もし、碧音の事言ってたら、中学からの大切な友達と、縁を切りかねない。そんなの望まない。悠稀の大切なものを大切に出来ないなら、一緒に居るべきじゃない」 ずっと上手くやってきたのにな あんなとこで爆発するなんて 「…っ…分かんないっ…分かんないっ…分かんないっ!凌久の事好きっ…一緒に居たいっ…だめ?」 「ありがと。でも、ダメ。俺は、悠稀を傷つけるから」 「やだ!凌久とっ…~っ別れるなんてっ!…やだっ…いつか…一緒に…暮らすって……嬉しかったっ…のにっ…!」 「…~っ!ごめんっ…ごめんな?いっぱい泣かせてごめんっ!最悪な別れ方でごめん!」 あんなに大切にしてきたのに 最後…酷過ぎだ… 最悪だ… 「ふぇ~っ…うっ…ふぇ~っ」 「悠稀…」 「やだよ~っ…凌久っ…っっ…凌久とっ…もっと…一緒に居たいよ~っ…」 「…っごめん…」 「やだっ…やだよっ……凌久がいいっ…凌久じゃなきゃやっ…!…っやだよ!」 「…~っ!お願い…もう…言わないで…」 決心が…覚悟が… 崩れそうになる 絶対ダメだ 許さない 俺が…許さない 「凌久~っ…ふぇっ…凌久がいい~っ…うっうっ…他の人じゃっ……あのっ…幸せな感じっ…うっ…なんないよ~っ…!」 「悠稀っ…!」 ダメだって… お前…また泣かせるだろ? 何、流されて抱き締めてんだよ? 離れろよ! 「凌久~っ!凌久っ凌久っ…う~っ…」 「悠稀…っ…ごめんっ…ごめんなっ?」 謝って済む事じゃねぇよ! 悠稀の優しさに甘えてんじゃねぇよ! さっさと…離れろよ… 「…悠稀…ごめんっ……酷い事したっ…ごめんっ…」 「凌久っ…離れないで…ずっと一緒に居てっ…」 離れ…らんない… やっぱり…すげぇ好き どうしよう… どうしたらいい… 「凌久っ…キス…して?」 「…っ…ダメ…」 「ふっ…ふぇっ……うっ…う~っ…」 「泣かないで…悠稀…悠稀に触れて…酷い事したくない…途中で止めれなかった俺が…怖い…」 「…怖くてもっ…凌久が好きっ……凌久じゃなきゃやっ…お願い凌久っ……」 したいっ… キス…したいっ… 「じゃあ…約束して」 「約束?」 「俺がっ…悠稀にとって、嫌な事とか、怖い事したら、俺が何を言おうと、殴ってでも蹴ってでも、目冷まさせて…それでも馬鹿みたいな事言ってたら、とっとと逃げて」 「っ分かった」 「ほんとに…その辺の物使って殴っても…んっ!」 悠稀から…キスしてきた 「もう…待てないよ」 「俺も…もう無理」 「はぁっ…はっ…んっ…んはっ…んっんっ…」 「ん...んっんふっ…はっ…んっ…んんっ…」 お互いが…お互いの唇を確かめる様に… 「はぁっ…んぅん~~っ…んっ…~~~っ!」 「ふあっ…はっん...ん~…ん、んっ…~っ…」 お互いの…舌を…口の中を確かめる様に… 「んはっ…はぁっはぁっ…」 「はぁっ…大丈夫か?」 「頭…クラクラする」 「ごめん…ちょっと、がっつき過ぎた」 「はぁっ…大丈夫…だから…もっと…」 悠稀が、キスしようと近寄って来る 「ちょっ…待て待て。お前、酒入ってるし、危ない」 「だいじょぶ」 「だいじょばない。俺だって、酒飲んだらどうなんのか、よく分かってないから」 「だいじょぶ…凌久…」 「いや、なんか…既に大丈夫じゃねぇよ!って…おい!」 服ん中手入れて、色んなとこ触ってくる~! 「りくっ…りくっ…」 「ちょっ…ちょっと待て…おわっ!」 押し倒して来た~! 「凌久…」 「ちょっと…落ち着いて、悠稀…ここ…んっ…」 「まてないよ?りく」 「なっ…!」 なんちゅう可愛い顔して迫ってくんだ! 「いや!ここ!何処だか考えろ!」 悠稀の体を押す…… え? びくともしない こんな力ありましたっけ? 「りく…かわい…から…」 「いっ…?え?」 両腕…頭の上に組まれた 「ちょっと…悠稀、ここお前の先輩の家だから」 「りく…しじゅかに…」 「んっ…んんっ……んっ?んんっ!…んんっ…!」 キスしたまま 腹やら胸やら触り出した 片手で押さえてんのに、全然手ほどけない 酒のせい? 火事場の馬鹿力的な? 「んっ…んんっ……ん~っ!…んはっ…はぁっ…悠稀…待って…待った待っ…~っ!」 ようやくキスをやめて、腕を解放されたと思ったら 胸を舐め出した 「悠稀っ…待って……今はダメだ…」 「んっ…はっ…はっ……んっん~っ…ちゅ~っ…」 いつも… もっとゆっくり…優しく... 「はるっ…~っ!おねがっ…!すっ…吸わないでっ…!」 なんで… こんな事…した事ないのに… 「はっ…はぁっ…りくのかわい~っ」 「はぁっ…悠稀っ…終わりっ……また今度しよ…?」 力…入らない 「……やら!ちゅっ…ちゅっ…」 「待て…ちょっと……それはヤバい…」 胸から、どんどんキスが下がってく と、同時に ズボンのファスナーが… 「ほんとにっ…悠稀っ…!」 ガバッと起き上がると 「りくっ!」 「うわっ…!」 嬉しそうな顔で、飛び付かれて また押し倒された 「悠稀、聞こえてる?」 「りくっ…しゅき~」 「うん。俺も好き。でも、こういうのは…俺の知らない人の家でしたくない」 「りくっ…りくっ…俺の顔…見ゆの…や?」 え? 「や、じゃないよ。何?悠稀の方こそ、俺の顔見るのやだろ?」 「やじゃないっ…りくっ……もっ…おはなしっ…してくえないっ…」 「……っ…俺が悪いのに…悠稀のせいだと思われるのも、許されるのも嫌だったんだ…」 「りくっ……またっ…またっ…いっしょ……いてくえゆ?」 「…っ!…許されないけどっ!…でもっ…悠稀とっ…一緒に居たい」 分かってる こんなの… 悠稀の優しさに甘えてるだけ 許されないって分かってる 「うっ…もっ……離れたくっ…ないよっ…」 「…ごめんっ……沢山泣かせてっ…嫌な事してっ…~っごめんっ…」 「俺もっ……ずっと…ずっと……りくっ…いっぱい…いっぱい……ごめんっ…ごめんっ…」 「…悠稀っ…帰ろっ?暁、待ってるんだろ?」 「んっ…暁っ……暁…暁!今何時?!」 ガバッと起き上がった 凄い…流石…正気に戻った 「23:00!暁、お風呂入れてない!」 「いや、風呂は自分で入れるだろ」 正気じゃねぇな 「…暁…1人だと不安そうで…俺が居る時じゃないと…入らない」 「…ああ…そっか。電話してやれよ。風呂は明日でもさ、もう帰るって言ったら安心するだろ?」 「…うん!」 暁を安心させて、八神の家を出て なんとか電車に間に合い乗ったはいいが… 完全に爆睡だ 走ったのがダメだったか まあ、暁の心配で 一時的にシャキッとしたんだろな 悠稀ん家まで辿りつけるかな… 「お~い、悠稀~…こっちで合ってんだよな?」 「…あっ…てゆよ~」 完全に酔っ払いに戻った 「まだまだ先?」 「りく~…」 「え?答えは?」 「りく…しゅき…」 「うっ…それは…嬉しいけど…どっか曲がるとかじゃない?」 「う?…まがゆ?」 キョロキョロと周りを見渡す あんまり頭振らないで欲しい 「…ここまがゆ」 「え?ここ曲がるの?」 「しょうやよ?」 たまたま、ここに居たからじゃないだろな? 「…で?ここ入って、どの辺?」 「…う~…どの辺って…この辺やよ…」 「いや…何軒目?」 「しょんなの…しやないよ!」 げっ… なんか…違うキャラ出てきた 「あの~…お家に寝かせてあげたいんですけど…お家何処ですかね?」 「えっとね~…あのね~…ここが...こえやかや…こうなってて…あっち…」 「えっ?戻るの?!嘘だろ?」 埒が明かない 「悠稀、携帯貸して?」 「え~?ややよ!」 「今、そのキャラやめて。暁に迎えに来てもらうからさ。貸してよ」 「暁?暁…暗いかや…危ないれしょ!」 何故...そこだけはしっかりしてるんだ… 潜在意識に染み込んでる 「はぁ~…じゃ、八神。八神に教えてもらうから、貸して?」 「八神しゃんなや、いいよ~?んっとね~…八神しゃんはね~…あった…」 「どれ、貸して?」 「あい」 プルルルル プルル… 「もしもし?無事和解したか?」 え? 無事和解? 「あ、もしもし。楠と言います。あの…悠稀、完全に酔っ払っちゃって、家に辿り着けそうになくて…住所教えてもらえますか?」 「は?!酔っ払ったって…は?!お前ら酒飲んだの?!」 はあ~~っ?! 「いや、あんたが飲ませたんすよね?!」 「俺は飲ませてねぇよ!」 「いや、自分で言ってたろが!」 「あれは、演技だ演技!お前が話してくんないって言うから!」 「……は?じゃあ…悠稀…なんで酔ってんの?」 「知らねぇよ!お前が知らねぇなら、本人に聞け!とりあえず、住所送っておく」 「……はあ…お願いします」 どうなってんの? 八神…無事和解したか?って… 演技って… じゃあ…最初から悠稀、無事だったの? 自分で酒飲んで あの惨状を作り上げたの? 八神…ただのいい先輩? 「はぁ~~っ…お前…なんちゅう事してくれてんの?」 「…ん?りくっ…しゅきっ…」 「ぶっ…どんな返しだよ。ほら、家帰るぞ。全然曲がる場所違うじゃねぇか」 「う?」 「う?じゃねぇよ。適当な場所教えやがって…」 死ぬ程心配したんだからな? けど… 「お前…なんで酒飲んだの?」 「…おしゃけ?…ミネヤウ…ウォーターの…ラベユ…ちゅいてたもん!おしゃけ…分かんない!」 「ああ…ははっ…なんだ…」 そんなアホな理由だったのか それで、焦って なんの薬だか知らないけど 八神の家の引き出し開けて、引っ掻き回して… 「ぶっ…あれじゃ空き巣だろ」 見付けらんなくて、水で顔洗って… そのうち、酒回って倒れたのか 全部…全部… 俺と…話す為に… 「…っ…ごめんな…すげぇ頑張って…話してくれようとしてくれて、ありがとっ」 「…りくっ…泣いてゆの?」 「泣いてないよ」 「りくっ…泣いたや…俺もっ…泣きたくなって…くゆよ?」 「うん。泣いてない。ありがと」 「…ん」 いっぱいいっぱい泣かせたのにな? なんでそんな優しいのかな… 泣きたく…なるよ…

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