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ほんとの初恋
シャワーから上がると
「……馬鹿!分かんないのか!」
凌久…怒ってる?
電話でもしてるのかと思ったら
なんだテレビか
どう見ても怖いやつだ
「やめろって!」
体育座りで、枕を抱えて力んでいる
可愛い
そんな怖いなら見なきゃいいのに
その時
ヴヴ ヴヴ
「わっ!」
あ…携帯
暁かな
「なんだよ、スマホかよ!」
スマホに怒ってる
「凌久」
「うわっ!!…なんだ、悠稀か」
「怖いテレビ見てたの?」
「おお」
携帯を確認すると
暁からだ
『皆でいっぱい遊んだよ』
『間宮は眠そう』
『武藤とちゃんと仲良くしてる』
楽しそう
暁…
楽しそうだ
『武藤君とも仲良くしてエライね』
『暁も、ぐっすり寝るんだよ?』
間宮君、暁と同じ部屋なのに眠そうなの?
可愛い
ヴヴ ヴヴ
『分かった。おやすみ、悠兄』
『おやすみ、暁』
そう言えば暁も
いつだったか、家族でこんなテレビ見てたら
びくびくしてるから、他の番組にしようか?って言っても
首振って、ずっと見てたっけ
怖い物見たさ?
凌久…真剣
暁も、びくびくしてんのに、真剣だった
「…だ…だめだって…見んな…」
枕を持ち上げたり、下ろしたり
可愛い
「っ!…はぁ………えっ?…ちょっ…まっ…」
ビクッとして
少し安心すると
焦りだす
「やっ……やめっ…ちょっ…」
なんか…さっきから…
凌久のセリフが…
「やっ…あっ!…だっ…んむっ?!…んんっ!」
堪らず…
凌久にキスをする
「はあっ…ごめん。テレビ見てたのに…」
「いや…いいけど…?あ、テレビ夢中になり過ぎてた?ごめん」
「ううん。ちょっと…セリフが……~っ気にしないで」
「セリフ?」
凌久のセリフ聞いてたら
キスしたくなっちゃった
なんて恥ずかしくて言えない
「ん~?なんで悠稀、顔赤くなってんの?」
「なっ…なってないよっ!」
「じゃあ、何でそんなに焦ってんの?」
「焦って…ないよ…」
「ふっ…ごめん。悠稀が、こんな近くに居るのに、テレビばっか見てた」
「あ…違う」
「違うの?」
恥ずかしぃ…けど…
「りっ…凌久の…セリフがっ…」
「俺の…セリフ?テレビじゃなくて?」
「うん…なんか…だめとか…待ってとか…やめてとか…~っ凌久の声…だからっ…」
「えっ?!それで…キスしたの?」
「ごめん…」
「ふっ…悠稀、言葉に弱いよな?」
「~~~っ」
恥ずかしい
凌久は、ただテレビ見てただけなのに
「悠稀、元々そうなの?」
「違っ…!」
「違うの?」
「凌久のっ…~っ声…にっ……弱いっ…」
ふわっと凌久が抱き締めて
俺の耳元に口を寄せる
「悠稀…」
「~~~っ!」
思いっきり甘く囁かれて…
耳が…疼く…
堪らず、凌久の背中に掴まると
「俺の声…好き?」
「~~~っんっ…」
右耳だけ
ジンジン痺れておかしい
「ねぇ…なんて…言って欲しい?」
「…やっ……もっ…無理っ…」
これ以上…
話しかけないで…
「ふっ…可愛い…はぁっ…食べちゃおっかな」
「~~~っ!」
息…
吹きかけないで!
「ねぇ…俺が…気持ち良くなってる時も…いつも声聞いて…気持ち良くなってんの?」
「っ!」
「ふっ…そうなんだ…じゃあ……はぁっ…あっ…やっ……ぁあっ!」
「~~~っ!」
凌久の肩に頭を付ける
無理…だから…
耳…おかしいから…
「あっ…悠稀っ…気持ちいっ…気持ちいっ…」
「凌久……め…だめ…」
「はぁっ…イキたいっ…イッてっ…いい?」
「やっ…めっ……」
頭も…
もうおかしいから!
「はぁっ…イクっ…イクっ…悠稀っ…イクっ!」
「あっ!…やっ…やっ…」
体が震える
頭がおかしい
おかしい…おかしい!
「ふっ…震えてる。ほんとに、言葉だけで感じてる」
凌久が、ぎゅ~っと抱き締めてくれる
でも…まだ右耳が変
「そんなに俺の声、気持ちいい?」
「~~~っ」
頷くと
「ああっ!」
まだ変なままの、右耳を触ってきた
「ここで…感じてるの?」
「はっ…あっ…」
今…触んないで
顔を上げて
凌久の手を掴もうとすると
「そんな…可愛い顔すんなって」
そう言った
少し困った顔の凌久の顔が
格好いいのに、綺麗で綺麗で
「~~~っ」
見てらんなくて
両腕で顔を隠した
「あ、恥ずかしがんなよ。見せろって」
「~っ無理っ…」
「せっかく可愛いんだから」
「俺の顔じゃなくてっ……凌久の顔が無理っ…」
「えっ?……なんか…今ズバッと鋭い一撃が…」
え?
「なんか…そんな受け入れられない様な顔になってた?」
あ…
「違う!」
腕をどけて、凌久を見る
「違う?ほんとなら…気を付けるから、教えてよ。悠稀に嫌われたくない…」
だから…
その顔…
「きっ…嫌わない!違う!そうじゃなくて…」
ちょっと目を背ける
「そうじゃなくて?」
「凌久の…その…少し困った顔……~っ綺麗過ぎるからっ!」
「は??」
「直視っ…してらんないっ…」
「ぶっ…!そんな綺麗で可愛い顔しといてっ…毎日その顔鏡で見てんだろ?…くくっ…俺の顔なんかで、そんなんなるかよっ…くくっ…」
お腹抱えて笑ってる!
「凌久こそっ!ちゃんと鏡見た事ないんじゃないの?!あの顔っ…俺以外の人に見せないでよっ?!」
「え?」
「あっ……じゃなくて…いや…出来れば…あんまり見せて欲しくないって言うか…」
勢いに乗って…
本音が…
「…あのさ、悠稀。さっきのって、悠稀の顔…なんでそんな可愛いかな。困るな…とか、悠稀に嫌われたらどうしよう…の顔だろ?悠稀以外に見せる訳ないだろ」
「~~~っそ…そうなの?」
「ふっ…だから…」
凌久が抱き締めてくる
「そんな可愛い顔されると、また困った顔になんだって」
「しょっ…しょうがないじゃん…凌久に…嬉しい事言われたらっ…こうなる」
「そっか。じゃ、悠稀の可愛い顔も、俺限定だな?」
「うんっ…凌久じゃないと…こんな嬉しくなんないよ」
こんな…
嬉しくて幸せな気持ち
ぎゅ~っと凌久を抱き締める
「こんな末っ子みたいな奴が、突然兄ちゃんになって、よく頑張ってんな?」
「…俺じゃなかったら…もっと…」
「暁が今、学校楽しめてんのは悠稀のお陰だろ?すげぇ両親にも、暁が言えなかった事…1人で受け止めて、ずっと逃げずに向き合ってきた、悠稀のお陰だろ?」
「~っ言えば良かったのかもっ…しれないしっ…他にも…色々方法…」
絶対正解じゃなかった
間違ってた
「でも…途中で逃げなかったろ?ずっと悠稀も…悠稀の方が…責任感じてるだろ?だから暁は、ちゃんと大切なもの…知れたんだろ?だから今、大切な人できたんだろ?」
「その…大切な人も…俺の間違った判断のせいで…」
「うん。悠稀のした事、最良じゃなかったかもしれない。けど、最悪でもなかったろ?暁が、人として、成長出来てんなら、最悪じゃない。ちゃんと…いい方向への手助けにもなってる」
「…そっ…かな…」
それでも
暁も、暁の大切な人も
俺のせいで泣くんだ
「これから先…誰が悠稀の事責めようと、もしかしたら、暁に責められようと…俺は悠稀を誉め称えてやる」
「~っ凌久にだって…どれだけ文句言われても、責められても…別れるって言われてもしょうがないくらいっ…」
「俺は、それ丸っと知ってて、付き合い出したからな?それはもう、俺の責任だ。暁にも…どんな事知ったって、今の暁を見てくれる人…ちゃんと見付かるよ」
「~っだったら…いいなっ…」
今の暁を…
「そしたら、もう兄ちゃんなんて相手してもらえなくなるかもな?」
「それはっ…少し寂しい…」
「たった数年で、立派なブラコンだな?」
「だって…暁…一生懸命で可愛いから…」
「兄ちゃんより彼氏を優先した時は、俺んとこ来て泣くがいい」
「それはっ……寂しいのと、嬉しいのとで…ほんとに泣くかも…」
「かもじゃないだろ。絶対泣くから、絶対来い。1人で泣くな」
暁が来るまでの方が
ずっとずっと長いのに
暁が、俺から少しずつ離れてくのが
嬉しくて
誇らしくて
寂しい
「暁が、兄ちゃん置いてく様になったら、悠稀はもう、完全に俺だけのもの」
「凌久…」
「だろ?」
「おかしな恋人でごめん」
「だから、おかしいの込みで、ハマっちゃったんだから、しょうがないの。暁とヤッてるって知ってて付き合う俺も、だいぶイカれてるだろ?」
「そう…かも…」
「イカれてるって言ったな?こいつ!」
凌久が、脇とか腰とか、くすぐり出した!
「ちょっと…くすぐったい!」
「くすぐってるからな?」
「やめっ…ははっ…くすぐったいってばっ…」
「もっとくすぐったがれ」
「ははっ…やめてっ…ははははっ…やめっ…」
くすぐられながら押し倒されると
「んんっ…!…んっ……ん、んっ……はっ…」
「暁とヤッてても…ずっとずっと好きな気持ち…止めらんなかったんだ。最初から、俺の負け」
「凌久…でも、今はきっと同じだよ?碧音に嫉妬してくれるのも…俺が凌久の元カレに嫉妬しちゃうのも…同じ。凌久の…1番で居たいって思う」
「1番しか居ないだろ?」
「んっ……んっ…はっ…んっ!……んんっ!」
「はぁっ…やっと暁が兄ちゃん離れ出来るんだ。2番なんか、作らせるかよっ…」
「んんっ!……んっ!……はっ…んんっ!」
なんでこんな気持ちいいんだろ
今まで…
キスでこんな風になった事なかったのに
気持ち良かったけど
嬉しかったけど
こんな幸せ感じた事なかった
ちゃんと好きになってると思ってたのに
ほんとに好きには
なれてなかったのかな…
「はぁっ…悠稀…何…考えてる?」
「はぁっ…えっ?」
「なんか…考えてたろ…俺とキスしてんのに…俺以外の…何考えてた?」
「違う…凌久の事っ…」
「嘘だな…俺以外の事考えてたろ?」
「いっ…今まで……付き合ってた人と…キスしても……こんな気持ち良くなった事…なかったから……ちゃんと好きになれてなかったのかなって…」
凌久が
凄くキス上手なのもあるけど…
「俺とキスしながら…元カノの事考えてたんだ?」
「えっ?…違っ…」
「何人目の彼女のキス思い出した?全員?」
「そうじゃなくて…」
「そう言えば、女とヤッた方が気持ち良かったのも思い出した?」
「なっ?!そんな事思ってない!!」
「ふっ…嘘。ちょっとイジワルした。ごめん」
「あっ…」
だから…
その顔……
「男の人としてっ…初恋じゃなくて…ほんとの俺のっ……初恋なのかなって…思って……それをっ…考えてただけ…特定の誰かを思い浮かべたりしてないし…女の人との…とか、全然思ってない」
「~っ悠稀…俺に襲われちゃうよ?」
「ふっ…凌久ならいいでしょ?」
「~っ!」
凌久が、上に乗っかったまま抱き締めてくる
「俺もっ…悠稀の事…諦めなくて良かったっ…」
「うん…俺の事選んで…辛いのに付き合ってくれてありがとう」
「悠稀を選ぶのなんて、わんさか居るだろ」
「ふっ…俺、どんだけモテんの?」
「お前さ、それは、モテない奴が言うから成立するんだぞ?まあ…そういうの、あんまり気にしてなさそうだもんなぁ…」
「俺は…俺にとって凌久は最高だから、最高な人に選んでもらって、感謝」
「悠稀に最高って思われるなんて、俺なかなかいい男じゃん?」
「うん。凌久、いい男だから…心配」
ぎゅっと凌久を抱き締める
「心配すんな。俺の数十倍、お前のがいい男だ。俺の方が何十倍も心配してる」
「それじゃ…お互い心配しっぱなしだよ」
「そうだな…だからそんな時は、どっかでチラっと…でもあいつ、俺にメロメロだからなぁ…って思うようにしよう」
「メロメロ…」
「そっ。俺のキスで…とろける様な顔するしなぁ…とか」
「んっ!…はっ…んっ!んんっ!」
ねっとりとした…
深いキス
「こんな顔…俺にしか見せないって信じて…」
「凌久以外になんか…見せないよ」
「うん…そう信じなきゃ…悠稀と付き合ってけない」
「俺だって…凌久がっ…凌久っ…俺以外に…しないで…」
「する訳ないだろ馬鹿!」
「んっ!…んっ…ふっ…ぁっ…んんっ!」
気持ち良くて
気持ち良くて
凌久だけだから
凌久にとっては、何人かの中の
変わらないキスでも
俺にとっては違うから
「ん?…なっ…なんで泣いてんの?!」
「分かんなっ…」
「キスやだった?」
「やじゃない」
「馬鹿って怒鳴ったから?」
「それは…嬉しっ…」
「じゃ何?!」
「凌久はっ…特別だからっ…」
「特別だから?」
「~っなんか…泣きたくなるっ…」
「え~?」
凌久が、ゴロンと横になって抱き締める
「じゃあ、これは?」
「安心する」
「じゃあ、しばらくこのまんま」
「凌久っ…優しっ…」
「おお。俺は、悠稀程じゃないが、なかなか優しい男だ」
「俺よりずっと優しい」
「ま、悠稀に関してはそうかもな?」
もう…
これから先、凌久に好きな人できなきゃいいって思う
そんなの自分勝手なのに
もっともっと
凌久にとって最高な人が居たら
絶対そっちの方がいいのに
「…凌久…俺…だんだん嫌な奴になってくと思う。だから、そうなったら、俺がどんなに泣いても怒っても、ちゃんと凌久の事大切にしてくれる人のとこ行ってね?」
「何だよそれ?悠稀、どんな嫌な奴になってく予定なのさ?」
「…凌久の幸せ考えないで…俺の幸せだけ…考えちゃうかも…」
「へぇ?悠稀の幸せって?」
「………」
凌久に言える訳ない
「何?俺よりもっといい男見付けてやろうとかいう野望持ってるとか?」
「違う!凌久がっ…」
「俺が?」
「あっ…」
「何だよ?気になるだろ?」
「いっ…言ったら…軽蔑されて…嫌われるから」
「悠稀が、そんなん思う訳ないだろ?」
「思う!凌久が…考えてるよりずっと俺…」
そのうち…
なんだ、そんな事考えるんだって
どんどんガッカリされて…
「じゃあ、当ててみようっと。元カレの先輩なんて消してやりたい」
「えっ?!そんなっ…そんな事思わないからっ…だめだよ…そんな事言っちゃ…」
「ぶっ…くっくっ……じゃあ…誰とも話すなとか」
「そっ…そんなの無理でしょ?でも…無理な事かも…」
「無理な事?誰かと歩くなとか?」
「そうじゃなくて…」
凌久が、背中を擦る
「何だよ?ほんと、ずっと気になっちゃうだろ?」
「ごめんっ…余計な事言った」
「じゃなくて…教えてくんないの?」
「うん」
「えっ?マジで?すげぇ気になるんですけど」
「凌久に嫌われたくたいもん」
「拗らせ男子は嫌われるぞ?」
「えっ?もう…」
「だから、さっさと白状しろ」
白状したら…
そんな人間なのかって思われる
けど…
そんな人間だから
いずれバレるなら
「~っ凌久にっ…これから先っ…もうっ……好きな人できなきゃいいって…思うっ…」
「………えっ?終わり?」
「うん…?」
「何でそれで、俺が嫌いになるの?」
「だっ…だってそんなの俺が決める事じゃない。これから先、俺よりもっともっといい人に出会うかもしれない…って言うか…きっと出会うから…そしたら…」
「そんなの…悠稀が決める事じゃないよな?」
っ!
「……うん…」
「どんなに悠稀から見て、そう思う様な人だとしてもだ。俺が悠稀がいいんだって思ってたら、どんな人に出会ったって、悠稀と居ていいんだろ?」
「えっ?凌久が…そう思えてるうちはね…」
「そんな事言って、悠稀の方が、ポイっと俺の事捨ててくんじゃないかなぁ…」
「そっ!…そんな事しないよ!俺が凌久を嫌いになる事なんてあり得ない…」
「…ありがと。絶対なんてないけど…嬉し」
あ…
「凌久…テレビ終わっちゃった」
「そっ…」
「途中で邪魔してごめん」
「テレビより悠稀だろ?」
「でも、凌久凄く真剣だったから」
「怖いの見てるとつい、な」
あんなになって
頑張って見てたのに
「再放送あるかな?」
「ふっ…そこまでして見たくないわ!」
「だって凌久、テレビと会話してたよ?」
「会話って…怖いとさ、つい声出ちゃうよな?」
「凌久…枕抱いて可愛いかった」
「馬鹿にしてんだろ。悠稀は、怖いの大丈夫なのか?」
「俺は大丈夫だから、凌久が可愛いかった」
「やっぱ、馬鹿にしてんな!このっ!」
「してないっ…してないからっ…くすぐんないでっ…」
「…っはぁ~…」
急にくすぐるのをやめて、抱き締めてきた
「凌久?」
「いつまでも悠稀が居る幸せを…噛みしめてる」
「うん…俺も、こんなにずっと凌久と居れて幸せ」
「明日…悠稀と別れたら、寂しくてきっと泣くな」
「俺も…夜1人になったら…寂しくて…会いたくなると思う」
「やっぱり、いつか一緒に住みたいなぁ」
「うん…俺も。俺も…一緒に住みたい」
「ん…んじゃ、同じ夢に向かって頑張るか」
「うんっ!」
「ふっ…いい返事。んしょっと…」
凌久が起き上がり
ん~っ!と伸びをする
「悠稀、もう眠い?寝る?」
ガバッと起き上がる
「寝ない!眠くない!」
「ぶっ!…必死かよっ…んじゃ、悠稀はちょっと寛いでて」
「うん」
暁が居ない時間
こんなに楽しんじゃって
少し前までなら、後ろめたかったけど
暁も楽しめてるんだと思うと
思いっきり楽しめるから…
ありがとう暁
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