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気付いてたの?

最悪な体調だったけど 1人で家に居るのも、気分悪くなりそうで 体調、大丈夫そうだからと凌久に連絡して 大学へと向かった 午前の講義だった凌久が、話し掛けて来た 凌久の目の下…クマが… 俺のせいで眠れなかったんだ なのに、今日も俺の心配 バイトを休むと連絡すると 少し安心した様子だったので 俺は講義へと向かった 全然集中出来ない 眠いけど、気持ち良く居眠り出来る訳でもない 胃の調子はずっと悪くて 今朝は、朝食を控えて、胃薬を飲んだ こんな日が来るかもと 全く思わなかった訳じゃない けど… 結構キツイもんだな 暁にも… これを味わわせるのかと思うと 益々憂鬱になる 結局、出席した意味あったのかな?って時間を過ごし さっき来た道を戻る 確かに… バイト結構大変だったかも ぼ~っとしながら歩いてると ベンチに座ってる後ろ姿に目が行く 凌久に似てる こんな、ぼ~っとしてるのに 凌久っぽいというだけで そういうのは、目に入る自分が少し笑える あれ? でも…なんか…凄く似ていて… あ…怒ってる… 凌久だ 帰らないで残ってたんだ 友達と喧嘩? 違うか なんか…ちゃんと怒ってる訳じゃなさそう なんか…楽しそうに怒ってる 仲…良さそう… 少し近づいてくと… 「りっくんは、今でも可愛いよ♪︎」 「じゃあ、傷心のりっくんで遊ぶな」 りっくん… 「ぶはっ!お前…自分でりっくんヤメロや!」 りっくんは… 凌久の事なんだ… 「うるっせぇ!お前が言い出したんだろが!お前も言え!ひー君ひー君!ほら、言え!りっくんの命令だ!」 ひー君… 「凌久?」 思わず声を掛けると 凌久が、物凄く驚いた様な 焦った様な顔で立ち上がった さっきまでの 楽しそうな雰囲気が 一気に静まり返る 俺のせいで…時…止めちゃった 「あっ…ごめん。ただ、凌久がまだ居たから、びっくりして声掛けただけ……じゃ、帰ってゆっくり休むね」 凌久を見付けたから つい、声掛けちゃった 俺だけの凌久じゃないのに 「……悠稀、昨日…」 「昨日?電話の途中で、びっくりさせてごめんね?」 「あ…いや…」 あ… 電話とか… 言わない方が良かったよね… 凌久の隣の人をチラッと見ると っ! なんか… すっごく見られてる 突然現れて、邪魔したから? 「あ、じゃあ俺もう帰るね。せっかくバイト休んだし。大人しく寝てる」 「……ああ…そうだな。ゆっくり休めよ?」 「うん。ありがと…じゃあ」 変に思われた? 大丈夫だよね? 電話くらい… 友達でもするよね? 凌久… 凄く楽しそうに笑ってた あんな風にしてて欲しいのに 俺と居ると 泣かせて、我慢させてばかり りっくんと…ひー君? 呼び方決めたりして 遊んでんのかな 俺とは全然違う 凌久の世界 もしかしたら凌久は 俺と居る時 俺の世界に合わせてくれてるのかもしれない 電車を降りようと立ち上がると クラッ… 立ちくらみ? ちゃんと…食べてないからか 暁が居るのに 倒れたりしたら大変だ 何か… 食べれそうな物、買ってこう 晩ごはんも 今日は、コンビニのお弁当で 我慢してもらおうかな ご飯支度 自信なくなってきた 家に着く頃には もう…だいぶ、気持ち悪くなってきた 家に入り、とりあえず水分補給 そう言えば、胃薬飲んだ時しか 水分も摂ってなかった 「はぁ~…」 冷蔵庫に、買って来た物を突っ込み ソファーに横になる 何か食べなければならないのは分かる けど… 食べる事を考えるだけで 気持ち悪くなってくる 食べたら吐く自信ある とにかく、スポーツドリンクだけでも… 飲んで…寝て… 目覚めて 飲んで…寝て… 暁が帰って来る前に 少しは、まともになってなきゃ 寝てた… もう少ししたら 暁、帰って来る? 気持ち悪い もう1回… 胃薬飲んだ方がいいな 少しも動かしたくない体を 無理矢理起こす ふわふわする ほんとに…凌久の言う通り バイト休んで良かった ゆっくりと立ち上がって 胃薬を取りに行く ソファーに戻ろうと振り返った途端 ぐわんっ… 世界が…回った 「……!………!」 なんか… 遠くで誰かの声 「……っ!……っ!」 一生懸命 叫んでる 泣いてるのかな 可哀想 誰か 助けてあげて 俺は今 少しも動けないんだ 目を開ける事も出来ない 声も… よく聞こえない 体が重くて重くて 瞼ですら重いんだ どうしちゃったんだろう 誰かが 俺の重たくなった体を動かしている 動かされると 不快なんだ あんまり動かさないで 黙って寝させて欲しいのに 次々と何か聞こえてくる 何て言ってるか分かんないけど 何か言ってるのは分かるから 静かにして どこもかしこも不快で とにかく せっかく寝てるのに 全然心地好くない どれ位経ったのか 気付くと 不快さがなくなってきた 体が軽くなってきた なんだか、凄く楽だ 良かった これなら、助けてあげられる あれ? 誰… 助けるんだっけ? 「……!………か~?」 なんか… 聞こえてきた 「水無瀬さん!」 え? 「分かりますか~?」 水無瀬さん、分かりますか? どういう事? すっかり軽くなった瞼を上げると 眩しっ! 「あっ!分かりますか?!水無瀬さん!」 「……?…あの…?……ここは…?」 何処…ここ… 夢? 「良かった。病院ですよ。水無瀬さん、お家で倒れてて、救急車で運ばれて来たんですよ?」 病院… 倒れて… 救急車… え? 「…俺が…倒れて…救急車で…病院へ?」 「そうですよ?倒れた時の事、覚えてないですか?」 「倒れた時の………あっ!」 胃薬取りに行った帰り… 「覚えてますか。眩暈とかしました?」 「はい…振り返った途端に、眩暈が……」 って… 暁!! 「あっ…あの!!」 「どうしたんです?」 「暁!…あ、いえ…弟!弟居ませんでしたか?!」 「弟さんなら、外でご両親と待ってますよ?弟さんが、救急車呼んで、一緒に付いて来てくれたんです。早く見付けてもらって、良かったですね?」 「………え…暁…が…」 暁が… 見付けて……救急車…呼んだの? 「今、ご家族呼んで来ますね?」 「……あ…はい」 暁! どうしよう… 絶対大丈夫じゃなかった! 俺… なんて事…! 「どうぞ」 「悠兄!」 「暁!」 暁が、泣きながら近づいて来た 「ごめん、暁!びっくりしたね?ごめんね?びっくりしたね?」 「うっ…悠兄!…うっ…もっ…大丈夫?」 「うん。大丈夫。ごめん!ほんと、ごめん!」 「悠稀、ご飯、あんまり食べれてなかったって?」 「ずっと調子悪かったの?」 「父さん…母さん…」 俺の浅はかな考えのせいで これだけの人達に心配と迷惑かけた 「2日位。だから、ちょっと胃の調子悪いとか、風邪気味だと思って、甘く考えてた。心配かけてごめん」 「低血糖と脱水だそうだ」 「低血糖になる位って…そうなる前に、ちゃんと病院行かなきゃでしょ?」 「うん…そうだよね?ほんと、ごめん」 「はるにっ…早くっ…気付かなくてっ…ごめんっ」 暁… どんなに不安だったろう 「暁が…早く見付けてくれたから、良かったねって言われたよ?ありがと」 「俺っ…俺っ…びっくりしてっ…すぐっ…電話出来なかった…」 「そんなの当たり前だよ」 「はるにっ…ずっと呼んでもっ…全然動かなくてっ…」 「うん…」 「やっと…思い出して…母さんに電話して…救急車…呼んだんだ」 「凄いよ」 1人で反応のない俺と 救急車待って 父さんも母さんも居ないのに 一緒に病院来て、1人で父さんと母さん待ってたんだ 「凄いよ暁…ありがと」 「うっ…はるにっ…良かった……うっ…良かった」 俺が弱いせいで 俺が折れてる場合じゃないのに こんなんじゃダメだ 逃げずに ちゃんと向き合わなきゃ 色んな事 1つずつ 向き合わなきゃ まずは自分 夢に振り回されてる場合じゃない 堪えきれないなら 暁を拒む事が出来ないなら 凌久と別れるしかない 俺が いつまでも、フラフラしてると 皆が振り回される これからも どんな夢見ようと それでも凌久と付き合ってくのか 暁を拒むのか 凌久と別れるのか 点滴が終了し、すっかり意識もハッキリしているしという事で、帰宅を許可された ただ、心配なのでと、母さんだけ、俺達のとこに泊まる事となった 「はるにっ…一緒に…寝よ?」 「ふっ…いいよ?」 「じゃあ、お母さんは、暁のベッドで寝ようかな…あ!思春期だから嫌?!お母さんは嫌?!」 母さん… 思春期は、そういうの言われるのが嫌だと思うけど… 「嫌じゃないよ?別に、寝ていいよ?」 「暁~!そう?お母さんの事、まだ好き?」 「?…まだって?…嫌いになんか、ならないよ」 「お母さんも、暁がおじさんになっても、ずっとずっと好きだからね!」 「うん。ありがと」 母さんが、暁をぎゅ~っと抱き締める 母さんも寂しかったんだろな ごめんね、母さん 「もう大きくなってきたのに、2人で寝て、狭くない?」 「大丈夫だよ」 「そう?何かあったら、すぐ呼ぶのよ?」 「分かった。おやすみ、母さん」 「母さん、おやすみ」 「おやすみ。悠稀、暁」 あと3年 おやすみ、暁 は、言えると思ってたんだろうな… 「悠兄、ほんとにもう、調子悪くない?」 「うん。胃の調子は、まだイマイチだけど眩暈とかはしないから、大丈夫だよ」 「~~っ…はるにっ…朝ご飯っ…全然食べなかったでしょ?俺じゃなかったら、もっと早くに、病院とか…連れてったりしてたかも…」 「行くつもりなかったよ。胃薬でなんとかなると思ってたからさ。ちょっと甘く考え過ぎてた」 ぎゅ~っと、暁が抱き付いてきた 「暁…怖かったな?ごめん。暁1人で置いてかないから、大丈夫だよ」 「~~~っ…はるにっ…居なくなったら俺っ…」 「うん。居なくならない。居なくならないよ」 震える暁の体を抱き締めて、よしよしと撫でる 「うっ……はるにっ…置いてかないでっ…」 「置いてかない。居なくなったりしない」 「1人は……怖いっ…」 「うん…でも、暁は1人じゃないよ。俺も、父さんも、母さんも居る。間宮君も、長谷君も、柿内先生も居る」 「……うん……」 震え…治まってきた 「暁、今日は?学校で宿泊研修の話した?」 「…した。皆で…休み時間の度に…してた」 「そっか。皆楽しかったんだね?」 「うん…柿内先生もね、授業中に…宿泊研修の話…してた」 「ふっ…先生も楽しかったんだ。いいね?」 「うん…あのね…柿内先生……ね…」 あ…眠りそう 「うん?」 「見回りの…時間……ね……間違え…てて…ね……お風呂……入っ…」 「ふっ…面白い先生だね?おやすみ、暁」 俺は… 暁を拒む事は出来ない 俺が始めた事だから だったら どんな辛くても、付き合っていくか 凌久と別れるか あんな… まだ現実にもなってない 夢なんかで、こんな風になる様なら 付き合ってく資格なんてない 皆が、どんどん傷ついてくのが目に見えてる 強く…なれる? 夢なんかで、簡単に声失って 夢なんかで、吐いて吐いて、挙げ句、救急車で運ばれて そんな俺が、強くなんてなれるの? 自信ないなら… 付き合ってくべきじゃない 凌久と別れたら 凌久は、悲しがってくれる…寂しがってくれるだろうけど 俺と暁との事で、もう気を遣わなくていい 今日みたいに 凌久を笑わせて、楽しませてくれる友達が居る 凌久と別れたら 暁は、自分のせいだって思うだろうけど 不安な時 俺とする時 気を遣うの、凌久の分、減る 俺が泣いた後、落ちこんだ時 自分のせいじゃないかって 気にする事 少しは減らせる 全然強くない俺は 凌久と別れるべきなんだろう 凌久を好きになればなる程 この苦しみは大きくなってくから 凌久と…別れるのが最良の選択 凌久と…別れる 凌久と… 「~~~っ!」 別れたくないのなんて 凌久だって同じなんだから 俺の勝手で別れるんだから 俺が、しっかりしなくちゃ 翌朝 今日も俺は、念のため1日安静という事で 早々に、バイトの店長に連絡をし 母さんが作ってくれた朝ごはんを食べて、暁は、俺を心配しながらも、学校へと行った 「さてと、悠稀、お粥なら食べれそう?卵がゆ作ろうか?」 「うん…食べてみる」 母さんの作るご飯、久しぶり 「お母さん、結構お粥好きだから、実は毎日お粥でもいいくらい」 「へぇ~。そうだったんだ」 俺と一緒に、嬉しそうにお粥を食べながら、母さんが話す 「母さん、心配かけてごめんね?今度からは、体調悪かったら、すぐに病院行くよ」 「病院もだけど…こうやって来れる距離に居るんだから、もっと私達にも頼りなさい?」 「ふっ…2人が風邪気味の度に呼んだら、母さん大変だよ?」 「全然。すっ飛んで来るから、何でもいいから、頼りなさい?」 頼って…欲しいんだ だって 元々、物凄い世話好きだもん 噂聞いて、施設から暁引き取って来るくらい 「母さん…暁まで離れちゃって…寂しいよね?」 「そりゃあ、もう!一気に2人共出て行っちゃって…お父さんとラブラブだから、良かったけど、そうじゃなかったら、堪えられなかったわ~」 「ごめん…俺があんまり可愛がったから、暁、すっかり俺に懐いちゃって」 「何言ってるの?悠稀が暁可愛がってくれるのも、暁が悠稀に懐いてくれるのも、嬉しいに決まってるじゃない」 そうだけど… そうなんだけど… 普通の可愛がり方でも、懐き方でもないんだよ 「お母さんの方こそ、ごめんね」 「え?何が?」 「ほら、お母さん、こういう性格だから、暁の事聞いたら、ほっとけなくて、お父さんも大賛成で、悠稀も反対しなかったし、暁連れて来たけど……お母さんがね、どうにかしようと思ってたの。少しずつでも、ほんとの家族みたいになってけば、変われるって思ってたから。けど…暁は、お母さんやお父さんより、悠稀に心開いたから」 それは… 状況的に、仕方ないんだよ、母さん 父さんと母さんが居なくなった時に 俺に縋るからなんだよ 「悠稀と暁が仲良くなるのは嬉しいし、どんどん暁が変わってくのも素直に嬉しい。けど、悠稀、頑張り過ぎてない?」 「…え?」 「悠稀は優しいから、何にも言わないで、いっぱい我慢してる事あるでしょ?暁を連れて来た事、後悔なんてしてない。けど、暁と、上手く関われなかった、悠稀に任せちゃった、お母さんを、後悔してる。ごめんね?ほんとは…1人暮らし、したかったんじゃない?」 母さん… そんな風に思ってくれてたんだ 全然…そんな風に思われるとこなんて 見てないはずなのに 「母さん…暁と居るの、楽しいよ。凄く嬉しいよ……けど…~~っちょっと…悩んだり…どうしたらいいか…分かんなくなる事もあるっ…」 「悠稀…言えなかった?ごめんね?」 「違うんだっ…母さんはっ…悪くないっ…父さんもっ…暁もっ……俺がっ…俺がっ…」 判断を、間違えたんだ 「悠稀…」 ヴヴ ヴヴ 誰… 暁? 「っ…凌久…」 「……悠稀…凌久君からなの?」 なんで びっくりしてるの? 「?…うん」 「凌久君と…何かあった?」 「……え?」 ……あ、そっか 普通に、仲いい友達としてか びっくりした 「ちょっと…おとつい、電話中に吐いちゃって…心配してくれてたのに、昨日も調子悪くて、ちゃんと話せなかったから…」 「……それだけ?」 「…え?」 それだけ…って… 「ふっ…もう、いい歳した息子に言ったら、嫌われちゃうかなぁ…」 「嫌わないよ」 「…お母さんが見てきた中で、凌久君の事話してる悠稀が、1番幸せそうな顔してた」 「……え?」 「悠稀は、若いんだから、上手くいかなくたって、これが最後だなんて事はないけど、どんな結果でも、後悔だけはしないように」 母さん… やっぱり凌久が彼氏だって分かってる… 「気付いてたの?母さん…」 「お母さんが、悠稀のこれまでの恋人、気付かなかった事ある?」 「…っ!…~~~っ…そう…だった」 「何だって上手くいく事ばかりじゃないから、頑張れば上手くいくなんて言わない。けど、もっと頑張ってみれば良かった…って後悔だけは、して欲しくない」 「後悔…」 どれが… どうする事が 後悔なのか… 「あのね、悠稀」 「何?」 「お母さんね、お父さんに告白された時、別の人と付き合ってたの」 「ええ?!父さん…人の彼女に告白したの?!」 「まあ、お父さんは、彼氏が居るって知らなかったんだけどね。それで、お母さんが、その時の人と別れた途端、また来てね、すぐに告白された」 「……父さん」 どんだけ、母さんの事好きだったの? 息子として… この話、どんな気持ちで聞けば… 「別れたばっかりなのに、何なのこの人?!って思ってね、断ったんだけど」 「え?!」 「でもね、来るのよ、何度も。何度も来るのに、毎回初めて会ったみたいに、嬉しそうにして来るのよ。そしたら、こっちまで嬉しくなっちゃうじゃない?結局、4回目の告白で、お母さんは、お父さんと付き合う事にしたの」 「4回…」 ストー… いや、ちゃんと付き合えたんだから違う 「だからね、お父さんが1回目の告白で諦めてたら、今あなたは居なかったの」 「あ…そっか」 「そう。あと3回の告白があって、今、悠稀が居る。きっとお父さん、周りの友達とかに、沢山馬鹿にされてたかもしれない。それでも、諦めなかったんだと思う。誰に何言われて、どう思われても、悠稀、あなたが後悔しない事をしなさい。お母さんは、どんな時も、悠稀の味方だから」 誰に… 何言われて… どう思われても…… 「……ありがとう、母さん。なんか…考え過ぎて…色んな人の事まで考え過ぎて…よく分かんなくなってたかも……もう1回、自分の気持ち、整理してみる」 「そう。暁の事も。お母さんでも出来る事なら、なんでも言って。悠稀だけが、全て背負う事はないんだから。悠稀が何をしても、どんな選択をしても、暁の事を考えてなんだって、お母さん信じてる。いつでも、相談に乗るから」 あ... 何をしても、どんな選択をしても 暁の事を考えて 信じてる なんで… 分かるのかな 何にも言ってないのに 「~~~っ…ありがとう、母さん…今ので…充分」 「充分ではないだろうけど…少しは…いい顔になったかな?」 「母さんって、凄いね?父さんがストーカーになっただけあるね?」 「ね~?付き合えたから、良かったけど、危うく犯罪者よ?」 やっぱ、母さんも思ってたんだ 「うん…良かった」 「ふっ…凌久君待ってるわ。ベッドで体休めて、返してあげなさい?」 「……うん。ご馳走さまでした」

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