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復活

「……!………!」 なんか… 「………!…………!」 騒がしい 「…!……!」 せっかく眠れたのに… 結城が眠れる薬くれたのに… 静かにして… 「……!………?!」 なんか…誰か来た…? うっすら目を開けると… 何?! 誰?! すごい装備の…怖い! 布団にくるまって、ベッドの端に寄る 「楠!」 あ…結城! 「…っ…?……っ?」 何これ?誰なの? 見渡すと… さっきと同じ格好の人が何人も… 殺される!! ついに…殺されるんだ! 布団に丸まったまま、頭を抱えて目を瞑る あれ? これ…知ってる そうだ この人達、警察の人達だ 俺、助けられるんだ 良かった…助かる 「驚かせてすまないね?」 1番近くの人が、跪いて話し掛けてきた 良かった…これで帰れる 「私達も結城さんには逆らえないんだ」 ……え なんか…違う 助けに来たって…言ってくれるんじゃないの? 「普通には殺せないので、君を、ある場所まで連れてくね」 ぞわっ… 普通には殺せない… 何…されるの? 近づいてきた結城を見る 「あはっ!いいね?その表情!ありがとう楠!もう幸せ過ぎる位、悠稀君を堪能し尽くしたよ!あとは、もういいや。君、可愛いかったけど、やっぱ生きてるとさ、何かと面倒なんだよね」 終わった… 決めたんだ 全部… 悠稀に貰ったもの 全部あげたのに… 殺す事にしたんだ 「あ~…いいね。ほんと、君の泣き顔だけは、取っておこうかなぁ…でも、死んだら綺麗じゃなくなるか。じゃあね、楠。その真っ白なのが、真っ赤に染まった頃見に行くよ」 ふわっと体を持ち上げられる まだ…薬残ってるんだ 寝てしまおう 寝てる間に… 殺してもらおう これで終われるんだ ………あれ 俺、死んだのかな 白い… 天国? ………はっ! 違う! 部屋だ どっかの部屋だ 何処… 誰も居ない 終わってなかったんだ なんで…まだ死んでないの? すぐ殺すんじゃなかったの? 「普通には殺せないので、君を、ある場所まで連れてくね」 っ! 点滴…されてる これで…! 点滴を引っこ抜く 逃げなきゃ 逃げられるか分からないけど だって もう、どっちみち殺されるのは決まってるんだから ベッドから降りようとすると カクン ドタッ 「っ!」 全然…力入らない っ!… 点滴…もう…効いてきてる? ぞわっ… 早く… 動けるうちに早く逃げなきゃ 「…~っ!」 四つん這いになって進み出すと ? 何か…管繋がって… それも引っ張ってやろうとした時 コンコン ~~~っ! 間に合わなかった 見付かった もうおしまいだ 何か… 白い制服の看護師さんみたいな人が 叫んでる 仲間を呼んで… 楠…楠…言ってる 殺すなら早くして もう…殺されるの待ってるのは嫌だ 殺さないでじゃなかったら… 聞いてくれるかもしれない 何人か仲間が来た 頭を下げて土下座をする 「~~~っ…っ……し…っ……っ……し……さ…っ…!」 ああ…声出ないんだった 顔を上げると、皆同じ白い人達が固まっている なるべく大きな口を開けて、出来る限りの声振り絞って、もう一度言う 「ぉ…ぇ…ぁっ…ぃ…し…ぁっ…す…はぁ…ぁっ…ぅ…ほぉ…ぉひぃ…ぇっ…ふぅ...ぁ…さ…ぃっ」 伝わった? 「はぁ…ぁ…ぅっ…」 「凌久君!」 え? 今…凌久君って… はぁ…はぁ…言って来たその人は 他の人みたいな白い服じゃなくて 俺の目の前に座ると 「僕、覚えてる?深雪 琉生。凌久君と同じで、薬が嫌いな深雪 琉生だよ?」 あ… 知ってる… この人 優しくて面白い人だ なんで、こんな所に… あれ? ここ… 病室… 俺の病室だ 「夢見て寝惚けちゃったかい?」 夢… そうか あれ、夢だ 俺、ここに入院してるんだ コクコク コクコク 「ふっ…ベッドから落ちちゃう位って…寝惚け具合半端ないね?」 笑ってる… 「びっくりした~。ドア開けたら床に居るんだもん…どこ痛いのか見せてね?」 「まずは、ベッドに戻ろうね?」 あ… すげぇ迷惑かけた ってか! 「す…っ…せ…!てっ……っ…」 すいません!点滴… ジェスチャーで、点滴抜いた合図をする 「あ~…血が出ちゃったね?」 いや、そうじゃなくて 「また、針刺させてね?」 コクン それは、全然いいけど 皆でベッドに戻してくれて 先生が来て、あちこち診察して 「大丈夫だ。怖い夢見たのかい?」 コクコク 『逃げないと殺されると思った』 と書く 「そりゃ必死だもんなぁ。怪我がなくて良かった」 「良かったね、凌久君」 琉生さんが、ほっとした顔をしている 多分、患者が点滴引っこ抜いて、ベッドから落ちるなんて大事なのに、誰も俺を責めない 『誰か怒られる?』 「怒られる?どうして?」 『オレがあんな事しちゃったから、誰か怒られる?』 「…怒られない。誰も悪くないんだから、怒られないよ」 良かった 「もう少しご飯を沢山食べれる様になるまで、点滴しておいた方がいいと思うんだけど、点滴するのは嫌かい?」 点滴… あれは夢だったんだから大丈夫だ 「凌久君、無理しなくていいんだよ?僕は、針刺されるのが苦手だからね。僕なら、絶対断ってるよ」 「深雪さん!余計な事言わないで下さいよ!」 「だって、我慢してたら可哀想じゃないですか?」 「そりゃ、我慢してたらですけど、深雪さんの話は出さなくて結構です!」 「うっ…すいません」 先生に怒られた ほんとに変わってる 「ふっ…」 「あっ!また凌久君笑って!大人だからって、皆が何でも平気な訳じゃないんだからね?!」 それ、もう聞いた 「凌久君、無理しなくていいのは本当だよ?」 ぶんぶん 『大丈夫です お願いします』 「そうか……深雪さんより、よっぽど大人ですね?」 「僕を苛めないで下さい」 琉生さんは、すっかりシュンとなってしまった なのに 「こっちの手、握っててあげるね?」 点滴の針を刺す方と逆の手を握ってくれる 俺、全然大丈夫なのに ってか、 琉生さんの方が顔色悪いけど あんまり見ない方がいいだろうに チラチラと、針刺す方を見ている 怖い物見たさなのか? 「…ぅ…ぃさ…」 「ん?何?」 「さ…し…す…せ…そ」 「おお…さしすせそ、分かるね?」 コクン さっき話してて気付いた ちゃんとした声じゃないけど さしすせそは分かる あと… 「たっ...ちっ…つっ…てっ…とっ」 「お~!たちつてとも分かる」 コクコク これも、ちゃんとした声じゃないけど分かる 「はい、終わりましたよ~」 「…え?終わったの?!凌久君、全然痛がってなかった!」 「深雪さん程怯える人は、滅多に居ません」 「うっ…」 ほんと 子供みたいだ 「ふっ…」 「いちいち笑わないでくれ…僕が入院したら、きっと毎日看護師さんに馬鹿にされて、苛められるんだ」 「馬鹿になんてしませんよ~?優しくしますからね~?」 点滴を合わせてた看護師さんが、にっこりと琉生さんの顔を見る 「目が怖い…凌久君に向ける目じゃない」 そうかな? 「今、怖いって言いました?」 「い…言ってません!」 怖いかも… 看護師さんが出て行った後 「凌久君、ほんとに痛いとこない?」 コクン 「良かったぁ…戻って来たら、凌久君の部屋の前に看護師さん群がってて、びっくりしたよ」 群がってて… 確かにいっぱい来てた 『殺されると思ったから 点滴で殺されると思って抜いた』 「そっか。殺されると思ったなら、そりゃそうだ」 『るいさんが りく君って言ってくれて気付いた』 「……そっか。凌久君って呼ばれた方が安心するかい?」 コクン 楠は… 少し思い出してしまう 「じゃ、他の人達にも凌久君って呼んでもらおう」 『いいの?』 「凌久君が嫌じゃないならね」 『そっちのがいい』 「そっか……不安な時、ナースコール押していいんだよ?そして、僕を呼んでもらっていいんだよ?」 コクン 「……凌久君、さっきさ、一生懸命看護師さん達に伝えようとしてた事は、伝えなくても大丈夫な事かい?」 あれは… 土下座までしたから 皆引いてたな 『早く殺して下さいって お願いしてた』 「っ!…そう…だったんだ…」 『死んだと思ったら まだ終わってなかった』 『殺されるの待ってるの 怖いから』 「そっか…ごめん。もう思い出さなくていいよ。教えてくれて、ありがとう」 泣きそうな顔になった琉生さんは それから、晩ごはんが来るまで傍に居て ここのご飯の評判や 何が美味しいとか 体動かす仕事じゃないから 毎日走ってるんだとか 色々話してくれた 「おお…今日は、あんかけ豆腐か。僕は好きだけど、若者には味気ないなぁ」 ぶんぶん 俺、結構好き 「へぇ~?そうなん…」 ぐぅ~~~… 「あっ!ごめん!ちょっと美味しそうだなと思ったら…」 「ふっ…」 食べさせてあげたいとこだけど 「じゃあ、僕もそろそろ帰って、晩ごはん食べるね。また明日」 ありがとうございました ペコリ 琉生さんが、物凄く食べたそうにしてた、あんかけ豆腐は なんだか凄く美味しく感じられて 他は残したけど、あんかけ豆腐だけ全部食べれた 父さんと、悠稀に連絡をして 電気は点けたままで 今日は眠れるだろうか また、夢見るんだろな 「…はぁっ…んっ……んんっ!…はぁっ…凌久っ…」 「はっ…悠稀…」 「~~~っ!……んっ…凌久っ…はっ…凌久っ…」 「悠稀っ…キス…好きだね?」 「凌久のっ…キス…好きなのにっ…」 なのに? 「なんでっ…知らない人としたの?」 「っ!……ごめん…悠稀ごめんっ…」 「うっ…分かってるっ……凌久はっ…悪くないっ…」 「~っでも…ごめんっ…」 「あとっ……何あげたの?」 「あっ……あと……は……」 「だから、言ったじゃん?」 えっ? 後ろに…結城… なんで、こいつが… 「悠稀君をこんなに泣かせるなんて、やっぱ君、死んだ方がいいんじゃない?」 「おっ…お前のせいだろが!」 「なんで?俺、言ったよ?悠稀君を傷つけるんだから、悠稀君のとこ帰っちゃダメだよって。見なよ。あんなに泣いちゃって。泣かせたのは楠だよ?」 「お前が、あんな事しなかったら、悠稀は泣かなかった!」 「俺だけのせい?お前は?」 お前は? 「クスリと酒入ってたけど、俺で毎日感じまくってたのは事実だよね?」 「俺は…ほとんど覚えてない」 「へぇ~?見てみなよ」 何… 「あっ!…やぁあ~~~っ!…いっ…いっちゃ…っ…~~~~~~っ!」 「まだ、胸ちょっと舐めただけじゃん?もうイッたの?まあ、続けるけど」 「い~~~っ?!…イッて…イッて…る…から~~~っ!」 何…コレ… 「知ってるよ?でもさ、悠稀君も、絶対ココいっぱい可愛いがったでしょ?沢山貰わなきゃ」 「いっ…いっ…あっ……はっ…………」 「あ、お~い、大丈夫?戻って来~い。ま、いっか」 「…………んああっ!…あっ!やっ!…やだっ!」 「お帰り」 「やめっ…おかしっ…おねがっ……やめっ…うっ…ぅぁあっ!…はっあっぁああ~~~っ!」 「すげっ…もっとクスリ増やしたら、どうなるかなぁ…」 知らない… いや…知ってる? 「………凌…久…?」 っ?! 「悠稀っ!なっ…」 見られた! 悠稀に… 「悠稀君。全部貰ったから。これからは、男なんかに、体許しちゃダメだよ?」 「凌久……あ…大丈夫…だから…」 大丈夫な訳ない 「凌久…大丈夫…帰ろう?」 帰れない 「凌久…」 「~~~っ…ごめんっ…悠稀…ばいばい…」 「……………」 夢? リアル過ぎた グスッ 泣き過ぎ ほんとに、ほとんどの記憶がないから 夢の中の事が現実だったのかどうかも分からない けど… 多分、あんな感じになってたんだろ とにかく、目覚めては感じてトんで またかって思ってたんだから 予知夢なのか 警告なのか 悠稀と一緒に居る事と 悠稀と別れる事 どっちが、少しはマシなんだろう スマホを手に取り 今日撮影した動画を見る 「えっと……あ、もう撮ってるの?」 少し緊張した悠稀 「あれ?待って、普通に動画?ちょっとそれは…心の準備が…」 少し焦った悠稀 「だって……何回も見られるなら、もっとちゃんとした服とか…髪もちゃんとしてくれば良かった…」 少し困った顔の悠稀 「笑ってる!…ちょっと1回ストップ!もっと、ちゃんとしたやつにするから!もっかい最初から、やり直し!」 ちょっと怒った悠稀 「やだじゃない!ストップ!止めて!」 もっかい最初から やり直し出来たらいいのに あのバイトの後の始まりから 何言われたって 付いてかなければ…… 分かんないか とんでもない格好の男が 寝室で叫んでんのに 見向きもしない様な人達雇ってんだ 今までにも 人殺して 普通に生活してきたんだ あの日じゃなくて バイトを決めた日 別のバイト先に… 違うか あいつ、俺の後に入って来た 調べたんだ じゃあ、結局何したって こうなってたのか そんなの… あんまりじゃないか? なんで… あんなに大切に幸せそうに扱うくらいなら 普通に好きになりゃいいじゃん 譲るつもりなんて1ミリもねぇけど 頭おかしいから 譲られるつもりもねぇんだろうけど あんだけの愛情 あんな風に使うなんて馬鹿じゃねぇの? 馬鹿だ 自分も悠稀も 全然幸せになってねぇじゃん くそっ! なんか、すっげぇ腹立ってきた! 最後… 「楠!」 って叫んだあいつ… ほんとに、離れたくなさそうに見えた 腹…減った 腹減った! 腹立ったせいか、なんかすげぇ腹減ったきた たしか、この辺に… お腹空いたら食べなさいって 母さん置いてったパン あった! バクッ むっしゃ むっしゃ あんな奴のせいで、これ以上弱ってたまるか! バクッ むっしゃ むっしゃ さっさと元気になって 声出る様になって 悠稀といっぱい話す! バクッ むっしゃ むっしゃ 嫌われても 軽蔑されても 泣かれても いっぱい話す バクッ むっしゃ むっしゃ そして もしも、あいつと話す機会があるなら 会いに行ってやる バクッ むっしゃ むっしゃ 見ろ! 殺そうとした俺は元通りだ! これからも お前よりずっと幸せに生きてやる!って んっ?! ケホッ…ケホケホッ… 喉詰まり… 何も飲まないで 勢い良く食べ過ぎた! 水…水… ゴクッ ゴクッ ゴクッ 「っはぁ~~~っ…ふっ…」 なんか… やる気? 生きる気力? 湧いてきた? あいつなんかに負けない もしも会った時 幸せが、どんなもんか 見せつけてやる 「おはよう、凌久君」 ぱちっ… あ…朝 すげぇ寝れた おはようございます ペコリ あ… 凌久君って… 琉生さんが言ってくれたのか 「夜、眠れたかい?」 コクコク 「そっか。良かった」 『昨日は すいませんでした』 「いやいや。ちょっとビックリしたけどね」 ですよね… 『夜中 お腹空いてパン食べた』 ゴミ箱を指差すと 「えっ?!夜中にこれ食べたの?!」 あれ… ダメだったのか? コクン 「凄いじゃん!食欲出てきたんだね!」 なんだ ビックリしただけか こっちもビックリしたわ 朝食は、全部食べれると思ったら2/3位で やっぱ、いきなりは無理かと思ったら 「夜中にパン食べたのに凄いね?」 と言われて そうだったと気付く リハビリは、昨日よりシッカリと立てて 立ったまま足踏み出来て 明日は歩いてみようと言われ 琉生さんは、早速リハビリ予定表を作成してきて 昼食は、完食した 父さんに報告っと 母さんも悠稀も、昨日の事を聞いたらしく心配して来たが 元気になってる俺を見て、安心したようだ しっかり寝て、食べて 点滴抜けて 少しずつ歩ける様になって 管が抜けて ようやく聞き取れる位の声が出る様になった頃 「凌久…警察の人がね。1度話を聞きたいらしいの」 「話…」 「……話したくなかったら、無理して話さなくていいの。お母さんは、今更話をして、思い出させたくないって思う」 「……少し…考えてみる」 そうだよな 当事者は、結城と俺だけ そりゃ、当然話聞きたいに決まってる それでも、俺の声出るまで待ってたんだろな 俺が話したところで 結城の家が何とかしてしまうのなら 話す必要ないんじゃないかって思う けど、警察の人だって仕事なんだ 俺を救いに来てくれたのと一緒で 警察の人の仕事なんだ ほんとに…救われたから 「凌久」 「悠稀…」 悠稀は、どういう気持ちか想像もつかないけど 欠かさず毎日会いに来てくれる 「凌久の悠稀、だいぶちゃんと聞こえるようになった」 「ん。もう元気。ゆっくりならトイレ行けるし、もう退院していいんじゃないかな」 「たった数日なのにね。凄く元気になった」 悠稀が安心すると俺も安心する 悠稀が嬉しそうだと、俺も嬉しい 「点滴ないと、動きやすいね?」 「点滴もだけど、あの管さ、抜く時超痛かった!抜いた後も、しばらく…」 「そうなんだ。トイレ行けるようになって良かったね?」 「おお。やっぱ自分でちゃんと出すのが1番だ」 「俺も覚えておこうっと」 悠稀と普通に会話出来てる 嬉しい あいつに付けられた物も もう、ほとんど残ってない 「悠稀、もう元気になったからさ。毎日来なくて大丈夫だぞ?」 「え?」 「俺が居なくなってからずっと…暁、大丈夫か?」 「凌久…」 「暁…ずっと俺と凌久の心配してくれてる。暁の事は大丈夫。ありがとう」 「そっか…良かった」 「だからね、凌久に毎日会いに来ても全然大丈夫…だけど…毎日じゃない方がいい?」 あ… なんか俺が迷惑みたいになっちゃった 「まさか。悠稀が大丈夫なら、そりゃ毎日会いに来て欲しいけどさ」 「よ…良かった…なんか…変な目で見られるからとか…あるのかなと思った」 「ないよ…あっ…ちなみに琉生さんは、俺らの事知ってるから」 「えっ?!るいさん?るいさん…あっ!深雪さん?…ええっ?!知ってるの?!」 すっかり言うの忘れてた けど、ほんとに他の人には言ってないっぽい 「すっかり言うの忘れてた。最初に悠稀に会った日に、もうバレた」 「……凄いね」 「な?」 「でも…そっか。凌久が俺の彼氏だって、思ってくれてる人居るの…ちょっと嬉しい」 「~~~っ…そっ…だな…俺も…ちょっと嬉しい」 何これ… なんか…すげぇ恥ずいんですけど コンコン ビクっ! 「こんにちは~、凌久君。あ、水無瀬君も……っと…あれ…また後で来るね~…」 「琉生さん!退散しないで下さい!」 「いや、だって…君達2人して…なんか、すっごく可愛い顔になっちゃってるよ?僕居ちゃダメでしょ」 「琉生さんの話で、こうなってんで…」 「えっ?!何?!どういう事?!」

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