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筋トレ

「悠…」 「怒ってるよ!許せない!」 「……え?…ああ…そうだよな?」 「凌久は悪くないって分かってる!けど!あんなの付けて戻ってきた凌久に怒ってる!俺の…俺の凌久なのに!なんで…!どこまで許したんだよ?!全部許したの?!なんで?……なんで?…なんで凌久っ…許せないっ!許せないっ!」 下を向いたまま ぼろぼろ涙流して ぎゅ~っと両手を握りしめて 「分かってる。悠稀が怒るのも、許せないのも当然だ」 「~~~っ…なんで…凌久なのっ…?!」 悠稀の…恋人だからだよ 「なんで凌久なのさっ…!」 そこは… 警察の人にも言わなかったけど 俺は悠稀って名前じゃなくて 結城はずっと悠稀に酔いしれてる訳で なんとなく察しはついてるっぽかった 「凌久がっ…モテるから悪いんだっ!」 「はっ??それはないな」 お前がモテるから悪いんだよ?悠稀君 「凌久の頭…全部剃って、丸坊主にしてやる!」 え? 懺悔の意味? 「悠稀が、したい様にしていいよ」 「やだよ!凌久の髪好きなんだから!」 えーーー? 「凌久に…もう格好いい服、着せない!」 「分かった。悠稀が決めていいよ」 「どうせ何着たって格好いいじゃん!」 えーーー? 「凌久なんか!ずっと俺の隣に居ればいいのに!何処にも行かないで…ずっと…俺の彼氏です!ってタスキかけて…ずっと俺の隣に居ればいいんだ!」 「いいよ。迷惑にならないなら、タスキでも何でも、かけて歩くよ?」 「うっ…っっ…う~~~っ…」 ずっと… 我慢してたんだろな 「…俺は…慰めてもいいのかな?」 「だめ!」 「あ…はい」 ダメなのか 悠稀が泣いてんの、何もしないで見てんの なかなか辛いんですけど 「りっ…凌久の家っ…にっ……凌久とっ…居るとっ……だめだからっ…」 「?……ダメとは?」 「~~~っ…凌久っ…にっ……いっぱい…~~~っ…触れたくっ…なっ…~~っ…だめだからっ…」 ……え? 「悠稀…俺に触りたいと思うの?」 「~~~っ!悪い?!」 「いや…悪い訳じゃなくて……許せないのに…あんなん付けて……その……分かるだろ?気持ち悪くないの?」 「許せない!」 「はい…」 「けどっ!…何付けられたって…何されたって…凌久はっ…凌久だもんっ…~~~っ…今…触れるのっ…無理っ…だからっ…」 そんな風に… 思えるもんなの? でも…怒ってるし泣いてるし 無理してる訳ではなさそう 「えっと…無理とは?」 「~~~っ!…止まらなくなるでしょっ?!困るでしょ?!」 「なっ?!…止まっ……えっ?!…それはっ…困る」 「だからっ…凌久は触んないで!」 この…微妙な距離… その為? え? 俺に触れるの気持ち悪いからじゃなくて 止まんなく... 「……っ!」 それは… 予想外過ぎて 嬉し過ぎるんですけど 「その顔もだめ!」 「えっ?はっ?」 「可愛い顔したら…触りたくなっちゃうでしょ?!」 そう言って、こっち見た悠稀の顔が… 「……ぶっ!…ぶはっ!ぶははっ…あはははっ…かわっ……可愛い顔したらって…くっくっくっくっ…おかっ…おっかし~~~っ」 可愛い顔の奴が 可愛い顔しながら言ってきた しかも可愛い言い方で 「はっ…腹いたっ…くっくっくっくっ…おかっ…」 「なんで、そんな笑ってんの?!」 「おまっ…自分の顔っ…見てみろっ…くっくっ…」 「顔?なんか…」 「どんだけ可愛い顔してっ…そんな事言ってんの?くっくっくっくっ…おかしっ…」 「っ!凌久っ!ふざけてるでしょ?!」 ガチャ 「ただいま~」 「くっくっくっくっ…」 「凌久っ!」 怒る様になったけど 怒り方が 酔っ払ってる時と、たいして変わらない 可愛い過ぎる 「あら?凌久、怒られてるとこだったの?」 怒られてるとこって… 「もう!知らないっ!」 「ごめっ…悪かったって…くっくっ…」 ぷいっと、そっぽ向いてる仕草まで、全部可愛い 「けど…」 こっちを向き直した悠稀の顔が 「久しぶりに、凌久の思いっきり笑ってるとこ見れたから…しょうがないから許してあげる」 優し過ぎて… 「…~っ…っそ。そりゃ、どうも」 「っ!なんで、どうもが、そっち向いてなの?!」 そんな顔見せられたから 今、お前の顔まともに見れないんだよ! これからバイトだと言う悠稀が帰り 晩ごはんの後片付けを済ませた母さんが帰り 1人になった 夜…眠れてるとは言ったけど 夢を見なくなった訳じゃない ただの夢なのか 自分で消した記憶なのか ただ 夢と現実を混同する事はなくなった 夢で何してようが 目覚めたら関係ない 「っ!…~~~っ!…っ!」 「背中も…沢山キス貰った?」 「~~~っ!…っ!…っ!…~~~~~っ!」 「おっ…と…イッちゃった?大丈夫?座っていれないかなぁ…座ってる後ろ姿綺麗なんだよね~。もう少し頑張って座っていれる?」 頑張って… 座って… 頑張らなきゃ 頑張らなきゃ もしかしたら 悠稀の元に帰れるかもしれない ほんの少しでも 可能性あるなら 悠稀に… 悠稀… ………夢 ぐすっ チーン 夢を見た後は最悪な気分 リアルに結城に触れられてる感覚 自分がしっかり感じてる感覚 夢でほっとするのと 事実だったかもしれない不安と どうしようもない… 悠稀への深い懺悔 ぐすっ 「こんな時はっ…と…」 動画…動画… あった 「えっと……あ、もう撮ってるの?」 「あれ?待って、普通に動画?ちょっとそれは…心の準備が…」 悠稀の声… 落ち着く… 「だって……何回も見られるなら、もっとちゃんとした服とか…髪もちゃんとしてくれば良かった…」 母さん… やっぱりさ 動画見るだけでも 優しさ溢れてるよ 「今日もありがとう…悠稀…」 「よし!まずは家ん中で出来る事!」 朝ごはん作って食べて 洗濯しながら掃除して 「疲れた。一休み」 リハビリはしてたけど こういう動きとは全然違ってたから ピンポ~ン 母さんだ 「え~?!凌久、掃除も洗濯もしちゃったの?!」 「ダメだった?」 「いい歳になった息子の事出来るチャンスなのに!」 チャンスって… いい歳だと思ってんなら諦めろよ 「これもリハビリ。これからは自分でやるんだから」 「そうだけど…凌久、高校から家出ちゃってたから…」 「別に、帰れって言ってる訳じゃないんだからさ。ゆっくりすればいいだろ?」 「……お風呂」 「あ?」 「お風呂掃除は?!」 「…まだだけど」 「じゃあ、お母さんやっとくわね!」 「……ありがと」 一人暮らしをし始めて 自分で家事をするようになって どれだれ面倒で大変な事か分かった 夫婦2人になって、少しは楽になっただろうと思ってたのに 母親って、こんなもんなのかな ……ん? 寝てたのか トントントントントントン… 母さんの料理してる音… 懐かしい 「起きたの?」 「ん…いつの間にか寝てた」 「そりゃそうでしょ。昨日退院して、まさか今日掃除なんてしてると思わなかったわ」 母さんの傍に行く 「何作ってんの?」 「明日帰るからね。何日か置いといても大丈夫な物とか、冷凍しておいても大丈夫な物とかね」 「俺、けっこう料理作れるよ?」 「そう?でも、作るのも疲れるでしょ?」 「ありがと」 心配ってのもあるけど 何かして 息子に、ありがとって言ってもらいたいのかな 母さんと昼ご飯を食べ 母さんが買い物から帰って来ると 悠稀が来て 「凌久っ…」 何その笑顔 昨日怒ってたのは、どうした? なかった事になんて出来ないんだぞ? 悠稀のおばさんと、うちの母さんが、すっかり仲良くなってるとか 暁にフレンチトースト作ったとか 凄く喜んでたとか 色々話して 「じゃあ、また明日」 「おお。バイト頑張れよ」 悠稀はバイトへと向かった 「凌久…退院がいつになるか分からないし、バイト辞めちゃったからね?」 「まあ…そうだよな」 突然俺と結城と辞めちゃって ってか、俺が発見された日だって どういう事になってたんだろ すっげぇ迷惑かけたよな 「凌久…バイト…しなくてもいいのよ?」 「まあね…しばらくは、そんな体力もないし、大人しくしてるよ」 「そう」 「今度は、あんまり夜遅くなんない様なバイト探すよ」 「そうね」 ほんとは、一人暮らし続けさせるのも、心配だよな 「母さん…」 「何?」 「一人暮らし、続けさせてくれて、ありがと」 「お母さん達が安心する為の生活をしてるだけじゃ、凌久が生きてる意味がないもの」 「ん…感謝して、大いに楽しみます」 母さんが帰って まずは筋トレの為のストレッチ 体固くなってる 腹筋も、腕立ても全然だな 少しずつ また、少しでも 悠稀に好きだって言ってもらえる様に 父さんと、悠稀と連絡を取り合って さすがに疲れた こりゃ、ぐっすりかも 悠稀… 暁にフレンチトースト作ったんだな フレンチトースト… あいつ… お坊ちゃんのくせに なかなか旨かったな… いつか… 悠稀に食わせようとか 思ってたのかな… 「悠稀君っ……ずっと…好きだったんだ……」 誰… 泣いてる? 「まだっ……綺麗だった頃…好きになった悠稀君が…ずっとっ……綺麗で…憧れだったんだっ……」 結城? だったら その綺麗なもの汚すなよ ……夢 不思議な夢… 結城の夢なのに イカされてた訳じゃなくて… やっぱり全然記憶にないけど あいつが泣くとか信じられないけど 悠稀に関してなら あり得るかも と、思う程に 悠稀への愛情を感じた 腹立たしい事に 俺は俺を拉致?監禁の上 散々な事して、殺そうとした結城を 心の底から憎めない 頭イカれてるから、しょうがないけど あんなに溢れてる悠稀への愛情を どうにかするのが あんな方法しかなかったのかと思うと 憐れでならない 翌日 母さんは、朝から買い物して 目一杯料理を作って 掃除、洗濯して 「それじゃあ、心配だけど行くわね」 「ん。ありがと」 「再診の日には来るから」 「え?いいよ。ただ、ちょっと顔見せるだけだろ?」 「何言ってるの!絶対来るからね!」 「…はいはい。じゃ、気をつけて。父さんにも宜しく」 よ~し 今日もストレッチと スクワットも少ししておくか 腹筋も腕立ても たった何回でもいいから続けよう 汗だく シャワー、シャワー 奏から始まった りく は 奏の物も、結城の物も消えて 悠稀の噛み痕だけが うっすらと残っている それが… ひどく安心する ふぅ~ スッキリ ピンポ~ン 「あっ...!」 そうだ そろそろ悠稀来る時間だ 急いで下を履いて タオルを引っ掛けて 「はいは~い!」 急いで玄関に行く っと…一応確認 ドアの覗き穴から まだかな… 何してるのかな? と、でも考えてる様な悠稀が見える ガチャ 「お待たせ。ちょっとシャワー浴びてた」 「……~~~っ!そっ…なんだっ…」 ん? 顔…真っ赤にして視線を逸らした 今更、俺の上半身裸姿で、そうなる? あ…自分の噛み痕残ってたの気付いた? どっちにしても可愛い 「どうぞ?」 可愛いく固まってる悠稀を中に促す 「う…うん…お邪魔します」 何これ スポーツドリンクを飲みながら 「悠稀も飲む?」 と、聞くと 「…いい…凌久……まだ暑いの?」 と、ベッドに座って、下を向いたまま答える 「えっと…少し暑いけど…それは、服を着てって意味?」 と、聞くと 「…暑いなら…涼しくなってからでいいよ」 と、答えるが 耳真っ赤 「悠稀?」 悠稀の隣に座ると 「っ!…ちょっと…近寄らないでよ!」 すっげぇベッドの足下行った 「……ごめん」 「なんで…~~~…の?」 なんか…ボソボソと… 独り言? 「なんか言った?」 「~~~っ!」 顔を上げると、キッとこっちを見て 「なんで、そんな綺麗なまんまなの?!」 「………は?」 綺麗なまんまとは? 「腹筋なんて、なくなってて…フニャフニャになってるはずなのに!そんな綺麗な体、無防備に見せないでよ!」 「………え…腹筋は…だいぶ、なくなってるけど?」 「じゃあ…腹筋の問題じゃない!とにかく!凌久のそんな綺麗な体見せられたら…困るから…」 「…ごめん……服、着るな?」 立ち上がって、服を取りに行こうとすると ? 悠稀が、腕を掴んだ 「やっぱり…だめだよね?」 そう言って… なんとも言えない表情で見上げてくる 「……ダメって……ヤりたいって…事?」 俺がそう聞き返すと パッと手を離して 「ごめん!何言ってんだろ…ごめん。今の気にしないで」 いや… めちゃくちゃ気になるよ 悠稀…ヤりたいんだ こんなんなった俺と 「その…俺がこんな事言うの、どうかと思うけど…この前も聞いたけど…気持ち悪くないの?」 「許せないけど…気持ち悪くはない…と思う。分かんないけど…凌久に触れたいって思うから…」 「悠稀が、そうしたいならいいけど…多分俺、全然体力が…」 「凌久は…何もしなくていいから…触れて…キスしたい……でも…凌久が怖がる事はしたくない」 悠稀が分からない様に 俺も分からない 悠稀に触れられて、キスされて 俺は 怖いって思うのかな 「俺も…分かんないんだ。悠稀にしてもらうの、嬉しいって思ってる…けど…もしかしたら…怖いって思ったりするのかもしれない」 「うん…分かった。少しずつ…凌久が怖くないとこまで…してもいい?」 「いいよ…悠稀が…気持ち悪くないんなら…」 「凌久…疲れない様に、横になる?それは怖い?」 「さあ?どうかな?」 「じゃあ…俺の上に座って?」 「悠稀の上に?」 「うん。怖い時、すぐに、ぎゅって出来る様に」 「ふっ…じゃあ…こう?」 「うん…凌久…まず、抱き締めるね?」 「ん。それは大丈夫だ」 大丈夫だって言ったけど 悠稀は、ゆっくり…優しく抱き締めてくれて 服着てないもんだから 久しぶりの悠稀の指が触れたってだけで 体がビクッとなった 「凌久?怖い?」 「いや…服着てないから。久しぶりの感触に、過剰反応」 「俺に…肌触れられるの怖くない?」 「今んとこ、嬉しいしか感じないな」 「うん。俺も…久しぶりに凌久の体に触れられて、嬉しい」 悠稀が… ゆっくりと、背中や、首や、肩や、頭を撫でてくるから くすぐったいやら 気持ちいいやら 「凌久…けっこう痩せた?」 「いや、もう、ほとんど戻った」 「そう?」 「また、悠稀がお気に召す様に、筋肉付けてくから」 「筋肉なんて…どうでもいい……凌久と、こうやって居れるなら…何でもいい」 悠稀が… 母さんに連絡してくれたんだよな? 「悠稀…すぐに、母さんに連絡してくれたの?」 「凌久と会った次の日…連絡しても、全然既読にならなくて、ここに来たけど出て来なくて、電話しても出なくて…そんな事なかったから…凌久、中で倒れてたり、何かおばさん達の事で急に帰ったりしたのかなと思って…おばさんに連絡した」 「そっか。じゃあ、次の日には、母さん達知ってたんだ」 「おばさん普通に驚いてたし、やっぱり凌久は繋がらないし、帰って来ないし…」 それは… 何か事件に巻き込まれたって 考えるかもな 警察が調べりゃ バイトで結城と同じタクシー乗った訳で 結城ん家で2人して降りた訳で 辿り着くか ぎゅ~~~っと悠稀が抱き締めてきた 「悠稀?」 「凌久っ…誘拐とかっ……されたのかもって思って…」 「……だよな?ごめん」 「警察に、おばさん達言ったのに…すぐに分かんなくて…すぐに見付かんなかったら……凌久っ……もしかしたらっ…凌久っ…」 「ん……悠稀のお陰で、無事戻って来ました」 「~~~っ…凌久っ…キス…怖い?」 俺の背中から、悠稀が聞いてきた キス… 悠稀が大好きな 1番好きな もしも… それを気持ち悪いって思われたら… 「あ…ごめん。今日じゃなくていい…」 あ… いいよって… 大丈夫だよって… 「凌久…口じゃないとこは?それも怖い?」 それなら… 「大丈夫…だと思う…」 「うん…怖かったら、言ってね?」 そう言って 俺の背中や頭を撫でながら 首筋に、軽いキスをしてきた ビクッ 「凌久…怖い?」 悠稀の動きが止まる 「……大丈夫」 怖いんじゃなくて 「ほんとに?」 「ほんとに…もっと…して…」 そんなんで… すぐにイカされてたから そうじゃないんだって 俺はもう普通なんだって 安心する 「~~~っ…悠稀っ…」 悠稀を、ぎゅっと抱き締める 「あ…やめる?」 「やめないでっ……ありがとっ…安心するっ…」 「凌久…」 悠稀は ずっと背中や頭を撫でながら 届く範囲の場所に 安心出来る様に ゆっくりとした軽いキスを 沢山してくれた 「………悪い」 悠稀のが… そりゃ…久しぶりだし、そうなるか 「凌久のせいじゃないよ。俺が、それでも、こうしたかったから」 「せめて、手伝うよ」 「大丈夫。凌久…安心するとは言ってたけど…体…力入ってて、少し緊張してた。疲れてるはずだよ?」 「え?…そう…だった?」 「うん…ありがと」 自分では、そんなつもりなかったけど そう言えば、少し疲れてる? 「えっと…じゃあ、シャワーどうぞ」 「うん…借りるね?」 緊張…するか 確かに… 力入ってたかも 「…っはぁ~~~…」 なんか… 第一関門突破って感じ? 良かった ……緊張してたから それどころじゃなかったから 俺… 全然反応してないのかな 2週間以上… 全然そんな気にもなってないけど… まあ…体調悪かったし メンタルも… そうだ メンタルってよく聞く こういうの 考え過ぎたらダメな気がする 「凌久、シャワーありがと」 「おお」 でも… よく分からないクスリで 毎日イカされ続けてたら そういう影響ってないのかな 退院する前に 先生にクスリの事聞いたら とっくに体から出てるから大丈夫だよって言ってたけど 成分は残ってなくても そういう影響って… 「凌久?」 「あっ…何?」 「やっぱり…ちょっと怖かった?」 「そんな事ない。ほんとに…安心したんだ。俺…もう普通なんだって」 「普通?」 「あ…いや……とにかく、全然怖かったとかじゃないから。悠稀は?大丈夫だった?」 「……うん…俺は、凄く嬉しかった」 「なら、良かった」 悠稀を見送ると ………… 考えちゃダメだと思うと考えてしまう どうしよう この歳でEDとか笑えない いや、それより悠稀とセックス楽しめないじゃん?! あれ? その前に 俺… 悠稀にキスされてて 少しは感じてた? 全然…感じてなくなかった? いや… 緊張…してたからなんだろうけど え? 感じ過ぎて不感症になるとかあるの? ダメだ… メンタル… どんどんドツボにハマってく こんな時は 筋トレ! ポジティブに! 体動かしとけば ネガティブにはならないはず!

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