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ミッション

「悠稀だけでも、出したげるって」 「いい!自分で出すから、大丈夫だから…」 「何でだよ?悠稀、キスと胸だけでイケ…」 「いっ…言わないで!」 そんな顔して我慢しなくていいのに 俺にイカされたくない? 「さっきの話したの…なんか関係ある?」 「関係ない…」 「そ?でも、俺が出すのはダメなのな?」 「~~~っ!…しっ…」 「し?」 「刺激っ…がっ…」 「刺激?」 「キスだけでもっ…強過ぎたからっ……今日はっ…もう…無理っ…」 何この可愛い生き物 ショーケースに入れて飾っときたい いつでも眺めてたい 「分かった。シャワー行っといで?」 「うんっ…」 「悠稀…」 「何?」 「もっかいだけキス…」 「うん…んっ…んっ……んんっ!…凌久っ…!」 ポンポンと叩いてきたのでやめると 「危ないでしょ?!」 「危ない?」 「凌久のキス…~~~っ…シャワー行って来る!」 「おお…行ってら~」 イキそうだったのね? 可愛い ちゃんと…悠稀と出来る様になんのかな? 今日…たまたま思い出したから だから手はダメだった? 次なら大丈夫? 次は別の事思い出して そこがダメになる? 少しずつ…怖くない事からしてこ? その時ダメな事はしなきゃいいんだ 今日は手がダメだった でも俺からのキスは出来た 全部がダメじゃない 「凌久、シャワーありがと」 「スッキリした?色々と…」 「~~っ!凌久もスッキリして来なよ!」 「いや…俺は大丈夫だわ。悠稀みたくなってないから、もう収まった」 「えっ?!俺…みたくって…俺だけおかしいみたいじゃん?!」 「んな事ねぇよ。正常な成人男子の反応だろ?」 「~~~~っ!」 ベッドから出て、悠稀の背中から抱き付く 「俺で…感じてくれてありがと」 「凌久のキスは…特別なんだもん」 「少しも…気持ち悪くなかった?」 「そんな事…考えてる余裕ないよ…」 「っそ。良かった…」 「凌久…」 悠稀が、クルッと向きを変えて、俺に抱き付く 「どした?」 「凌久凌久凌久凌久…」 「ふっ…何それ?」 「凌久~~~っ!」 「デカっ…悠稀、結構デカイ声出るよな?」 「ナイッシューッ!リバウンド!カバーカバー!」 バスケ部の水無瀬君 ここで声が聞けるとは… 「バスケ部で鍛えられた?」 「うん。凌久は?野球部は?」 「ナイスボール!ナイスキャッチ!タッチアップ!…あんま大きい声出てないけど」 「タッチアップって何だっけ?」 「フライを打ち上げてキャッチされてから、ランナーがスタートして、次の塁に進むやつ」 「ああ…そうだった。凌久もやった事ある?」 「あるよ。俺は、なかなか足が早かった」 「凌久、足早そう」 「そ?バスケ部の水無瀬君には…」 「それ!やめてってば!」 その怒った顔が見たいんだってば 何がそんなに嫌なのかね~? 「バスケ部のユニフォームってさ、エロいよな?」 「えっ?そんな事ないよ!」 「野球部なんか、全然肌出てないじゃん?バスケ部なんて、肌出しまくりじゃん?」 「そりゃ…そうだけど…」 「エッロ!」 そう言って、冷蔵庫に向かう 「エロくない!皆同じの着てる!」 「バスケ部、皆エッロ!」 冷蔵庫の中の物から食べてくか これと~ 「そんな事ない!皆、真面目にバスケやってたもん!」 「エロい格好してな?」 これと~ 悠稀も食うなら、もう1品いけるか 「野球部だって、ピチピチじゃん?!」 「……ん?ピチピチ?」 「ピチピチだもん!凌久の…筋肉ちゃんと付いた体…脚とか…脱がなくたって、きっと分かったもん。腕とかも…筋肉見えてたもん!」 ああ…そっちのピチピチ まあね 学生のユニフォームは、特にそういう感じだしね けど… 「エッロ…悠稀、野球部のユニフォーム…そんな目で見てたんだぁ」 「えっ?!…違っ…」 「悠稀エッロ!悠稀って、すっげぇエふぉっ…!」 手で口塞がれた 「違う!そんな目で見てない!ちょっと…凌久に当てはめて想像してみただけだもん!」 悠稀の手を掴むと退けてくれた 「俺の?ピチピチ?」 顔だけ振り返ると 「~っ…そっ…そう…」 もっといじりたいけど 悠稀の目がウルウルしてきた 「俺でムラムラしてくれて、ありがと。晩ごはんの準備しよ?」 「ムッ…?!……うん」 「ご馳走様。おばさんの料理どれも美味しいね?」 「やっぱ、一人暮らしが長いと、たまに食いたくなるよなぁ…」 「凌久も料理上手だけど、やっぱり母さんのって違うよね?」 「悠稀も、どんどん恋しくなるぞ~?」 「もう、なってる。あと…暁居なかったら、多分洗濯溜めて、掃除サボってる」 「ああ…それはあるな。俺だって、悠稀がしょっちゅう来なかったら、こんな綺麗にしてない」 じ~っ…と悠稀が見てくる 「何?」 「凌久が、部屋ゴチャゴチャとか、全く想像出来ない」 「ゴチャゴチャまではいかないだろうけどさ。悠稀だって、そこまでゴチャゴチャにはなんないだろ?」 「どうかな?小学生の時は、しょっちゅう母さんに、部屋片付けなさ~い!って怒られてた」 「へぇ~?」 それは… まだ、寝起きの機嫌が悪かった時代だな 怒って、悠稀が機嫌悪くなんの、見たかったんだろな 「俺も見たかったな」 「え?怒られてるとこ?やだよ」 「悠稀さ、おばさんに反抗した事とかないだろ」 「そんな事ないよ」 「うるっせぇな!とか言った事ある?」 「それは…ない」 「だよな。今度言ってやれよ。反抗期は大事だぞ?」 「……うるっ…せぇな…」 ほんとに言ったら おばさん、すっげぇ喜ぶだろな 「悠稀…俺が言うのもなんだけど、あんま暗くなんないうちに帰った方がいいぞ?」 「……うん…そうだよね?」 なんだ? 全然帰ろうとしない なんか、言いたい事でもあんのか? 「凌久…俺の…どんな顔が1番好き?」 「……え?何その質問?難し過ぎる。どれも選び難い」 「じゃっ…じゃあ…なんて言われるのが1番嬉しい?」 「え~?言われて嬉しいの?…ん~…悠稀の凌久が入ってたら、何でも嬉しい」 「…そっか…」 満足そうな笑顔 嬉しい答えだった? 「じゃあね。凌久…入院中じゃなくたって、寂しい時とか…怖い時とか…何時でも電話していいんだからね?」 「ん。ありがと。またな」 でもさ ずっとって訳にもいかないだろ? これも、リハビリなんだよ あいつが夢ん中で何言おうが 何されようが 今の俺には関係ない そういう…リハビリ 「楠…後ろからのが感じるの?まだ挿れてるだけなのに、気持ち良さそうだね?悠稀君にも、いつも後ろから突かれてんの?」 「んあっ!やめろっ!…あっ…~~~~~~っ!」 「大丈夫?もうイッたの?まだ全部入っただけじゃん」 おかしい おかしい 始まって… もう数え切れないくらいイッてる このままじゃ… 体も頭もおかしくなる 「うっ!ああっ!やめっ…やめっ…ぁああっ!」 「こうやって…この中に入ってたんだよね?悠稀君…俺…今…同じとこ入ってるんだ……嬉しいなぁ…ありがとね?楠」 イッたばかりなのに もうイキそう これ以上は ほんとに 壊れるんじゃないかな? 「おねがっ…ぁああっ!…もっ…イキたくなっ…いっ…ぃぁああ~っ!」 「楠がイクかどうかは関係ないよ?大丈夫。意識ない間も、乱暴な事なんかしないから、安心してイキな?トんじゃってる方が、楽だと思うよ?抗うのやめて、意識手放して気持ち良くなってなよ」 楽… 意識…手放したら… 楽…… ほんとだ なんか 俺だけど俺じゃないみたい 体イッてるけど 関係ないみたい 声上げてるけど 俺じゃないみたい このまま… こっちに居よう 「凌久!」 え? 「凌久!何処?!」 悠稀? ここだけど 多分、悠稀分かんないよ 「…~っ…凌久っ…凌久っ…」 泣くなよ 悠稀が泣くなら 俺…ここから出なきゃなんない そっちに…行きたくないんだ 「凌久っ…何処っ?…うっ…凌久っ…」 ~~~っ! 分かったよ! 行くから ちゃんと悠稀んとこ戻るから泣くなよ 悠稀が泣いたら 俺も泣きたくなんだって 「んあっ!…やっ…~~~っ!…もっ…やめっ…」 「お帰り、楠。だいぶ向こう行ってたっぽかったのに。意識、しっかりしてたら、結構キツイよ?俺と同じ量飲ませて、ぶっトんでもらいたいとこだけど、それは、この体も壊れちゃうからね」 うるさい うるさい!うるさい! 訳分かんなくなったら 戻って来れなくなったら 悠稀、泣くだろうが たった…何%でも 悠稀んとこ戻る可能性あんなら 俺は…俺でいなきゃ 出来る事全部やって こいつの足でも何でも舐めたっていい 悠稀んとこ 戻れる可能性あるなら 何だって… ………あ 「~~~っ…夢っ…」 これは… 覚えてる 現実にあった事だ あの時の俺に伝えてあげたい 頑張ったら ちゃんと助けてもらえるから また 悠稀と居られるから 辛いよな 「~~~っ…うっ……ふっ…ううっ…」 よく…頑張った 「~~~っ!…よくっ…頑張ったっ…っ…」 悠稀… スマホを手に取ると 悠稀から連絡きてた 全然気付かなかった 『凌久、全然電話して来ないから、そんなに泣いてるなんて知らなかった』 『電話出来なかったら、これ見て』 動画が、一緒に送られてる 再生すると 『凌久…好き』 『凌久…大好き』 え? 『凌久…愛してる』 『凌久のキス…大好き』 『凌久が戻って来てくれて嬉しい』 『凌久とまた、デートしたい』 全部… 凌久って言ってる… 「じゃっ…じゃあ…なんて言われるのが1番嬉しい?」 「え~?言われて嬉しいの?…ん~…悠稀の凌久が入ってたら、何でも嬉しい」 「…そっか…」 あれって… 『凌久の家、また行けて嬉しい』 『凌久の声、戻って嬉しい』 『凌久の悠稀、聞けて嬉しい』 「~~~~っ!…悠稀っ…」 あの時から 考えてたんだ 夢見ては泣く俺の為に 電話しない俺の為に 『凌久…ほんとは…ずっと一緒に居たいよ』 「俺もだよっ…」 『凌久…やっぱりいつか、一緒に暮らそうね?』 「んっ…いつか…一緒に…~~~~っ」 あの時の俺に聞かせてやりたい これ…待ってるから もう少し…辛いだろうけど これ…待ってるから 『ありがとう 悠稀』 嬉しくて安心して 夢を見たのに いつもとは違う涙を流した俺は またウトウトして いつもとは違う夢を見た 「凌久、あっちのソファーも見てみよ?」 「おお…あ、これとか良くね?」 「いい!色もいい!」 「な?座り心地は?」 「2人楽々座れるね?」 「これは、寝転がるのに、丁度いい肘掛けだな」 「そんなに寝転がる?」 「ん。悠稀と2人で」 「~~~っ!」 「お~い…いいソファーのアドバイスしろとか言って、俺の事忘れてんだろ?」 「あ…完全に忘れてたわ」 「結城!ごめん!ちゃんとアドバイス聞く!」 「もう、2人がいいなら、それにしたら?」 「あ、投げやりになんなよ!」 「結城は?どれがオススメだと思う?」 「悠稀君!聞いてくれる?俺がオススメなのはね~…」 嬉しそ… ちゃんと、いい友達出来んじゃん 初めっから、こうすりゃ良かったのに 「凌久!これ、凄くオススメだって!」 「あ、楠は別にいいよ。悠稀君、俺と座り心地確かめよ?」 「何でだよ?!お前が確かめても意味ねぇだろが!」 「は?!毎日行って座るんだから、関係大ありだ」 「何で毎日来んだよ?!」 「結城、毎日遊びに来るの?」 「行くよ!」 「来ねぇよ!」 良かった… こんな日が来るなんて 夢みたいだ… ……………夢…だった 俺は… 悠稀と結城と3人で居て 良かったって思ってんのか? 結城が 悠稀と楽しそうに話してて 良かったって思ってんのか おかしな話だ けど… 別の出会い方出来てたら… とは思う ご飯、家事、一休み ストレッチ、筋トレ、シャワー ピンポ~ン 「凌久っ…」 悠稀 「おお、どうぞ」 「うんっ…凌久…昨日送ったの、少しは役立った?」 「おお。大いに役立った」 「ほんと?」 「ほんと。そっから怖い夢は見なかった」 「良かった」 ん? 悠稀が、ベッドに座らないで、俺の後ろを付いて来る 「飲み物何がいい?冷たいの?あったかいの?」 「冷たいの」 「ん~っと…」 冷蔵庫を開ける時も離れない どした? 「どれにする?」 「これ」 「ほい」 「ありがと」 ベッドまで一緒に歩き座る 今日は微妙な距離なし ってか…近っ… 「悠稀…」 「何?」 特に意味ないのか? 「今日は、これから大学とバイトだもんな?」 「うん。ちょっとしか居られないから、して欲しいことあったら言って?」 「して欲しい事は時にないよ」 「うん」 何? にっこにっこしてるけど ま、可愛いから何でもいっか 「凌久」 「ん?」 「抱き締めてもいい?」 「いいよ?」 何だ? 今日は、何かの日か? 悠稀が甘えたいだけの日? 「凌久…」 「ん?」 「名前呼んで?」 何かあった? 「悠稀」 「ん…凌久」 「悠稀…何かあった?」 「…今日…ちょっとしか居られないから…いっぱい凌久にくっ付いとく」 「キスする?」 「~っ…やめとく」 「…っそ」 でも、ちょっとね 悠稀の首にキスをする 「凌久っ…」 「だめ?」 服の中に手を入れて背中を触る 「だっ…だめっ…困るっ…事になるからっ…」 「そっか…ごめん。悠稀、これから頑張んなきゃなんないもんな」 「うんっ…そう…~~~っ……凌久っ…やっ…やっぱり…キスしてっ…」 俺から離れて… 何…その顔 「んっ……凌久っ……んっ…ふぁっ…んんっ!」 ちょっとしか居られないから キスは困るから なるべく、くっ付いてようとしたの? あんなに、にっこにっこして? 可愛い過ぎんだろ 「はぁっ…悠稀…舌…出して?」 「んっ…はぁっ…」 あ~あ… そんなエロイ顔曝しちゃって うっすら開いた瞳はウルウルして 恥ずかしそうに 遠慮がちに舌を出して たまんない… 「はぁっ…ふぁっ…んんっ!…ん…~~~~っ!」 一度閉じられた瞳が また、うっすらと見えて その瞳と ぎゅっと俺の服にしがみ付いてきた手で もう、限界だと訴える 最後にゆっくりと歯列をなぞり 上顎をなぞってやると 「~~~っ!…りっ…んっ~~~~~~っ!」 ふっ…と悠稀の力が抜ける 唇を離して抱き寄せると ぎゅっと背中にしがみ付き 「~~~~っ…んっ…ふっ…~~~~っ!」 「今日もしっかり感じてくれて嬉し」 髪を撫でた指が少し耳にかかると 「んんっ…!」 「ごめん」 可愛いなぁ… 早くまた… ちゃんと最後までしたいな もう…大丈夫だったりしないかな けど… 途中で、昨日みたいに悠稀を拒否するのが怖い もう少し… 自信持ててから 悠稀が、体を離す 「もう大丈夫?」 「大丈夫…」 「悠稀…俺が出してあげるのは、やっぱナシ?」 「あ…嫌じゃないけど…今日、ゆっくり出来ないし」 「そっか。ずっと…ちゃんと出来ないのはさ…けど……せめて、俺が出してあげたいと思って」 「凌久…」 俺が居て 俺の家で 俺のベッドで 気持ち良くされて 毎日お預けなんて 「あのね、暁、友達に遊びに行こうって誘われる様になった」 「え?そう…良かったな」 急に? 「友達が遊びに行こうって誘ってくれてたみたいなんだけど、俺がずっと大変そうだったからって、断ってたみたい」 「…それは…俺のせいだな。悪い事した」 「俺がね、もう大丈夫だよって言ったら、今週土曜も日曜も遊びに行くんだって」 「へぇ~?凄いな」 「うん。土日は俺、元々バイト入れてないでしょ?ずっと…凌久と居られる」 「あ…そっか」 暁が学校休みの日は 悠稀はバイトを入れてないんだ 「凌久…その時…その…時に……」 「悠稀を思いっきり感じさせて、出させていいのね?」 「~っ…うん…」 「ん。楽しみ……せっかく時間あっても…多分…ちゃんとは…出来ないと思うけど…」 「凌久…凌久と、話してるだけでもいいんだよ?凌久が…隣に居るだけでいいんだよ?キスは気持ちいいけど…全然しなくても、凌久と居られればいいんだよ?」 それは…分かる 俺だって悠稀が居ればそれでいい けど… そんだけ好きだからこそ 一緒に居たらさ したくなんだろ 「ん。あんまり考えても、どうしようもないからな。焦んない事にしたんだ」 「うん!いいと思う」 「ありがと…シャワー行っといで?」 「うん」 全然そういう気にならなかった時と違って 俺自身、悠稀としたい したいけど自信ない 最後まで悠稀を 幸せな気持ちのままに出来るか もう少し せめて、自分では大丈夫だと思う! ってくらいになんなきゃ 俺が不安だと悠稀にも不安が伝わる 土日に合わせる必要ない 焦っていい事ない 悠稀の為に焦らない 「凌久っ…シャワーありがと」 こんなに頑張って 俺と付き合ってくれてんだから こんなに頑張って ずっと待ってくれてんだから 今更… 焦らない 「おお」 今、出来る事でいいんだ 出来ない事は、後回し 悠稀が居て 凌久って呼んでくれる キスをして 悠稀が感じてくれる 今はこれでミッションクリアだ

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