悠稀とピザを食べ終わるとウトウトし始めた 久しぶりに、悠稀にイカされて めちゃくちゃ気持ち良くてスッキリ そんで、悠稀と眠れるんだから さぞかし心地好く寝れると思ったのに ｢あ、お帰り楠｣ ｢～っ！…っ！…～～っ！｣ ｢ダメダメ。足は戻さない！っと…｣ ｢どんな体勢でヤッたのか分かんないから、全部やってみようね？｣ ヤダヤダ！ もう…ヤメテ ｢凌久…大丈夫。夢だよ？｣ あれ？ 悠稀の声だ 悠稀の…撫で方… ｢凌久…楽しい夢見よ？いっぱい、いっぱい楽しい事考えよう？｣ ｢楠、今度は起き上がろうな？｣ ヤダ… 悠稀… ｢……ん～…｣ 悠稀… 悠稀… ｢さっきのピザ、美味しかったね？今日の散歩、気持ち良かったね？明日も、また散歩しよっか｣ ピザ… 散歩… 知ってる あれ？ 本物の…悠稀？ ｢……はる…き…？｣ ｢うん…凌久と一緒なのは、俺だよ？ずっとずっと、悠稀と一緒だよ？凌久｣ 悠稀… ずっと…一緒で… ｢ん…｣ ん？ 頭…撫でられてる？ ｢……悠稀？｣ ｢凌久…起きたの？｣ ｢ん…まだ…｣ ｢ふっ…じゃあ、もう少し寝てていいよ｣ 悠稀の胸ん中で、微睡(まどろ)みながら考える ｢…もしかして…悠稀…全然寝てない？｣ ｢ううん…少し寝たよ｣ ｢ほんと？…せっかく…一緒に居れるのに…｣ ｢せっかく一緒に居るから、凌久と眠れて嬉しいよ？｣ ｢…ん…俺も…嬉しい…｣ 悠稀が、頭や背中をずっと撫でている ｢ふっ…悠稀の撫で方…眠ってても分かった…｣ ｢ほんと？｣ ｢ん…悠稀に…撫でられてるって思ったら……嫌な夢…終わって…悠稀の夢になった…｣ ｢んっ…良かった…凌久…｣ 悠稀が、俺の髪に触れながら ｢美容室…行かなきゃね｣ ｢…伸びて…きたよな？｣ ｢今日、予約しよ？｣ ｢…少し散歩しただけで…もう美容室大丈夫？｣ ｢俺が、行き帰り付いて行ける日にしよ？｣ ｢それはいいけど…別に、悠稀に嫌われなければ、モサッとしててもいいよ？｣ そう言うと 頭の色んなとこにキスしてきて ｢ん…でも、凌久だけが頑張ってるから…俺も、少しは頑張んなきゃ｣ ｢悠稀は、いっぱい頑張ってくれてるよ｣ ｢それより、もっと凌久が頑張ってるから、あと…やっぱり凌久には凌久っぽく居て欲しい｣ ｢そ？じゃあ、一緒に予約しよ？｣ ｢うん｣ 起き上がって、お互いのスマホを出す 俺の行ってる美容室の空いてる日時と、悠稀の都合のいい日 ｢よし！予約完了｣ ｢凌久、晩ごはん…どっか食べに行こっか｣ ｢頑張り過ぎじゃない？また、悠稀が倒れんのやだよ？｣ ｢倒れない。ずっと…逃げてないで…前に進まなきゃ…凌久をずっと閉じ込めてるのも、やなんだ｣ やなんだって… 俺を外に出すのも、やなんだろうに ｢じゃ、悠稀と一緒の時に少しずつだな｣ ｢うん。何食べようね？｣ ｢ん～～…悠稀は、何の気分？｣ 結局、俺のイタリアンな気分に合わせてもらい ｢んまっ！生パスタに、チーズたっぷり！｣ ｢うん！俺の海老クリームパスタも美味しいよ。少し食べる？｣ ｢ん。じゃ、俺のも｣ 料理が来るまでは キョロキョロ、ソワソワ やっぱり少し緊張してたのに 料理が来たら、満面の笑みになった 可愛い過ぎだろ ｢凌久…｣ 食事を済ませて、家が近づいてきた頃、悠稀が、少し恥ずかしそうな顔で話し掛けてきた ｢ん？｣ ｢ここな辺…あまり人、通らないでしょ？｣ ｢そうだな？｣ ｢家まで………手…繋いじゃ…だめかな…｣ ｢……え？｣ いや… 俺はいいよ？ 全然いつでもウェルカム なんなら、見てよ！このイケメン俺の彼氏！ って、繋いでる手見せたいくらいですけど？ けど、悠稀は…さすがに、万が一誰かに見られて 軽蔑する様な目…とかで見られたらさ… ｢あ…ごめん。やっぱり、だめだよね？｣ ｢俺はさ、どんな目で見られたって、嬉しいからいいんだけど…悠稀が、嫌な思いするのは嫌なんだ｣ ｢俺も…どんな目で見られたっていいよ？｣ ｢いや…だって悠稀は…俺とは違うから…たまたま今は、俺と付き合ってるけど、ちゃんと女の子と付き合えるってか…そっちのが長かった訳だし…なのに、こっち側の人間だと思われるの…って、えっ？！｣ 言い終わらないうちに、悠稀が俺の手、握ってきた ｢悠稀…ちょっと…｣ ｢違うって何？こっち側って何？俺…今、凌久の事が好きで、凌久と付き合ってるんだよ？なのに…俺は…違うみたいな……俺は…凌久の恋人としては、認めてもらえないの？｣ ｢……悠稀…違うよ。そうじゃない。そういう意味じゃなくて…｣ 悠稀が、一度手を離すと、指を絡めて握り直した ｢俺は…いつまでも凌久の世界に入れてもらえないの？たまたま今はって…終わりが見えてるの？期間限定で付き合ってるの？｣ ｢悠稀…違う。ごめん｣ ｢俺は…たまたまなの？女の子と付き合っちゃったから？だから…凌久のほんとの恋人にっ…してっ…もらえないの？｣ 道路のまん中で、恋人繋ぎしたまま泣き出した！ これは、さすがに目立つ！ ｢悠稀…違うから。そんな事思ってないから。とりあえず、家戻って話そ？｣ ｢このままっ…手繋いでってもいい？｣ ｢いいよ。手繋いで行こ？｣ ｢うんっ…｣ 可愛い悠稀 ほんとは…ここで抱き締めて、慰めてあげたいけど 男同士って…不便 家に戻って、靴脱いでる時も ベッドに座ってからも 悠稀は手を離さなくて ｢悠稀…俺の言い方が悪かった。何処かでやっぱり、俺が好きになったせいで、悠稀を、男同士が付き合うなんて世界に、引きずり込んじゃったって思いがあるから…｣ ｢俺は…凌久に頼まれて付き合ってるんじゃない｣ ｢うん。分かってる。けど、俺が言わなかったら、今も悠稀は、女の子と付き合ってて、手を繋ぐだけで、場所とか、人とか、あんなに気にしなくて良かったのになって思うんだ｣ 男女だったら なんならキスしたって そこまで軽蔑はされない ｢別に…どうしても外で手を繋ぎたい訳じゃない。ただ…してみたかっただけ。別に…出来ないから、凌久と付き合うの嫌だなんて思わない｣ ｢分かってる。分かってるよ。悠稀…ありがと｣ ｢凌久が心配してくれるのは分かる。でも…凌久と俺は違うみたいに言われるのは…～～っ…それはっ…やだっ…｣ ｢うん…そうだな？ごめん………悠稀…｣ 空いてる方の腕を広げると 俺に吸い込まれる様に悠稀が、抱き付いてきた ｢凌久は…俺がまた…女の子と付き合うって思ってるの？｣ ｢今は、全く思ってないよ。けど…ずっと先の事は、誰にも分かんないだろ？悠稀の沢山ある選択肢を、俺が摘んでしまうのは嫌なんだ｣ ｢そしたら……俺が女の子と付き合ったら…凌久も…別の男の人と付き合うの？｣ ｢さあ？男同士なんて、なかなか出会えるもんじゃないからな？悠稀が最後になるかもな？｣ 実際… 中学ん時、先輩が最初で最後かもな とか思ってたし ｢最後ならいいな…｣ ｢えっ…俺に…これから先、恋人できなきゃいいと思うの？｣ ｢うん……ずっと、ずっと…凌久は俺の恋人｣ ｢なんだ…悠稀が、最後って事か。そうなれたら幸せだけどな｣ ｢うん……凌久…凌久……ずっと俺の傍に居て…1人で…何処か行かないで…俺…俺だけ……仲間外れにしないで…｣ 仲間外れとは違うんだけどな 俺が仲間外れみたいなもんだから 悠稀の幸せ考えると… ｢凌久と居る場所が幸せだから…｣ ｢…え？｣ ｢どっち側でも…凌久が居る場所が俺の幸せな場所……そこから、俺だけ…出そうとしないで…｣ でも、考えるよ だって、俺だって、女の子好きだったら、どんなに楽だったかって思うもん そんな楽に恋愛も結婚も出来る世界、選択出来る奴… しかも、女の子だって困る事ないだろうし ｢凌久っ…聞こえてるの？｣ それでも悠稀が、一生懸命好きになってくれてるんだから そんな事、考える自体失礼って言うか… ｢凌久！｣ ペチッ ｢え？｣ 悠稀が、俺の手を離して 両手で、俺の頬っぺを掴んだ ｢聞いてるの？って！｣ ｢聞い…てます…｣ ｢じゃあ、どうなの？！｣ ｢え？…どう……って？｣ ｢これからもずっと…凌久は俺の傍に居て！俺を凌久の傍に置いてくれるの？って！｣ 怒ってるけど 泣いてんじゃん ｢……悠稀のご希望通りに…｣ 悠稀の左手を取り 手の甲にキスをする ｢俺の為に…は…やだ……凌久の希望は？｣ ｢悠稀が、どんな世界で生きようと…俺は悠稀の事、好きだから…悠稀が、どこでどんな風に生きようと…俺が悠稀を好きなのは変わらないよ｣ もう一度悠稀の手の甲にキスをすると 俺の頬に当てた手で、頬を撫でながら ｢凌久…手の甲にキスする意味…分かってるの？｣ ｢知らない…けど…なんか今、キスしたかった｣ ｢忠誠だよ？凌久…いいの？｣ ｢ふっ…何でそんな事知ってんの？…いいよ。悠稀になら…いくらでも忠誠、誓うよ？｣ そう言って、もう一度悠稀の手の甲にキスをすると ｢じゃあ…俺もやっていい？｣ そう言って、俺の左手を取る ｢今は、まだまだ未熟者なので、嫌だと思う事も、疑う心もあります。でも…素直で偽りのない心で、心から凌久を信じて愛する事が出来る様に、精進する事を誓います｣ そう言ってキスをした 何この人… こんなん… プロポーズでしかないじゃん 格好良過ぎでしょ？ 心の準備出来てないんだから こんな不意打ち… 無理過ぎるでしょ ｢凌久…そうなれる様に頑張るから…ね？｣ ｢…～～～～っ！｣ 王子でしょ？ 王子のプロポーズでしょ？ 手を取る所作も 視線を落とすタイミングも 瞬きすらも完璧で 完璧な形の唇が 高潔なキスを落とした かと思ったら めちゃくちゃ可愛い顔で ね？ とか言って見上げてきた ｢凌久？ちゃんと聞いてる？｣ 無理過ぎて顔を逸らす ｢聞いてる…｣ ｢何で顔逸らすの？｣ ｢ちょっと…無理だから…｣ 勘弁して… ｢む…無理って？…何？何が無理なの？！｣ ｢いや、だから…悠稀が…｣ ｢俺が？俺が…無理？｣ ｢あ…いや……えっ？！｣ いや… いやいや… せっかく止まってた涙 溢れ過ぎて 静かに頬を伝って… それすらも演出されたみたいで ｢もう…ほんと…無理なんだって…｣ 悠稀の腕を引っ張り、抱き寄せる ｢悠稀…俺さ、一般人な訳…｣ ｢…っ…何？…一般？｣ ｢不意打ちで王子とか…無理な訳…｣ ｢…うっ…言ってる意味っ…分かんないっ…｣ 悠稀が、俺にしがみ付いてくる ｢悠稀が…格好良過ぎて、可愛い過ぎて、もう俺の容量いっぱいって事！｣ ｢～～っ…分かんないっ…どうすればいいの？｣ ｢どうしようもない。俺が…悠稀の、格好いいと可愛いに慣れてくしかない。だから…そういうの、俺だけに、これからもいっぱい見せて？｣ ｢どういうのか分かんないっ…でもっ…凌久にだけ見せるっ…これからもっ…凌久にだけっ…｣ でもきっと… 俺は、いつまで経っても 無理なんだと思うんだ ｢悠稀…悠稀…｣ ｢んっ…凌久…｣ 悠稀の耳元で ｢悠稀…悠稀の全部…｣ ｢んんっ…！｣ 全部…何度見ても… 慣れるなんて事 ないんだろうな ｢俺だけに…見せて？｣ ｢ぁっ…凌久っ…に…だけっ…｣ 耳元で話してるだけなのに 震えてる ｢見せてくれる？悠稀…｣ ｢ん～～っ…！…凌久っ…見てっ…全部っ…凌久…だけっ…！｣ 綺麗な悠稀 いつもなら、恥ずかしがって すぐに抱き付いたり 隠そうとするのに 全部…見せてくれる ｢悠稀…全部、見せてくれるの？｣ ｢んっ…凌久っ…だけだからっ…｣ ｢ん…ありがと…全部…俺に頂戴？いい？｣ ｢んっ…～～っ…全部…ずっと…凌久のものにしてっ…｣ ああ… これじゃ、結城と変わらない 髪の毛の1本 睫毛も 爪先まで 全てが愛しい 変わってく悠稀の表情が 変わってく悠稀の声が 俺が手で…口で… 触れる度に変化する 悠稀の全てが 愛しくて堪らない シャワーも浴びてないのに 普段は嫌がる場所も 今日は全部くれる 悠稀の全てを 俺だけが貰える ｢ぁっ…凌久……もっと…全部……｣ ｢ん…もっともっと…頂戴？｣ 二度悠稀の出した物を飲み込んだのに 半分意識の無さそうな目で 俺に訴える ｢んっ！…ぁあっ…！…凌久の中っ……俺にしてっ…？｣ ｢ん…溢れるだけ…悠稀頂戴？｣ ｢ああっ！…凌久っ…ずっと…んぁあっ！…ずっと…～～っ…俺だけっ…凌久だけっ…｣ ｢ん…ずっとずっと…悠稀だけだよ？悠稀も、俺だけで居てくれる？｣ ｢ぁっ…ぃっ…いるっ…からっ…～～～～っ！…りくっ…ずっと…いるっ……～～～～っ！…りくっ…キスっ…して？…キス……りく…キス……｣ 汗と涙と唾液で濡れた顔 上半身も、下半身もビクビクさせながら 両腕を俺に向かって差し出す ｢ん…悠稀の好きなキスも…いっぱいしようね？｣ 悠稀の両手を握り 悠稀の好きなキスを充分に注ぐ すっかり溶けきった悠稀の顔を残し もう一度悠稀の残ってる物を飲み込む為 下へと移動する ｢ぁっ……ぁ、ぁ、ぁっ……｣ もう… 蕩けた目は虚ろで 勝手に全身がビクついている 残ってる物…全部貰うね？ ｢…ぁっ……はああ～～っ！…あっ！…んっ…んっんっ……んあっ！…ゃっ…ぁっ…ぃああ～～っ！｣ 時々…首を振ったり 腰突き上げたり もう…イキそうだね？ イクとこも…いっぱい見せてね？ ｢いっ…！…ぃん～～っ！……ぁっ…ぁ、ぁ、ぁ……イク…イク…イクイクイクっ！…イッ…～～～～～～っ！｣ 綺麗な悠稀の体が 大きく弓なりにしなって 残ってた物を俺の中に出してくれた ぐったりとした 正に全身くまなく濡れた悠稀の体 全身くまなく…キスをする 最後に、顔にかかった髪を避け 頬を擦って 悠稀が大好きなキスをする ｢ありがとう…悠稀｣ 悠稀の体を隅々まで綺麗にして 布団をかける そっと… 自分の後ろに手を当てる ここに…悠稀の…入れて欲しい 口だけじゃなく ここにも 悠稀…入れて欲しい ずっと…自分でも触れてなかった 出来るかどうかは…分からない その時に…俺が何を思うのか… 何を思い出すのか… けど…久しぶりに 準備…してみようかな… トイレに行き、シャワーを浴びて綺麗にする 綺麗に… 何度も何度も 洗われたんだよな よし！ ちょっと…試してみるか ゆっくりと…指を入れてみる さすがに…久しぶりだと…… ｢はぁ……はぁ……｣ 3本…いけるか？ ｢……んっ…～～っ…｣ 大丈夫… 大丈夫だ とりあえず 自分で入れるのは…大丈夫 自分で…イケるかな？ ｢……んっ……はぁ……はっ……｣ なんか…あんまり… 気持ち良くない？ しばらく使わなかったから 感覚鈍ったとか？ たかが1ヶ月で？ イキまくったから 感覚おかしいのか？ いや… ちゃんとイケるようになってんだから そうだ こっちも触って… こっちでは、ちゃんとイケるんだ 前と後ろでイケない訳ないだろ イケるって 気持ちいいって 感じる…感じる…イケる… ｢はぁ…ダメだな…｣ 頑張ったら、余計ダメだな うん こんな時は、また今度って学習してるから大丈夫 悠稀とは、ずっと居るんだから そんな焦んなくてもいいんだよ そのうち出来る様になるさ ちゃんと悠稀でイケるさ ちゃんと前に進んでるんだ あんなに全部見せちゃう位 悠稀に愛されてんだから 大丈夫 悠稀は待ってくれる 俺が少しずつ前に進むの… 少しずつ…… 前に……… ｢…～～～～っ…なんっ…でっ……｣ なんで… 普通に出来てた事出来ないんだよ！ なんで少しずつ前に進んでんのに 前に出来てた事より、ずっと後ろなんだよ！ なんで… 俺達が、こんな思いしなきゃなんないんだよ！ なんで… ｢……ずびっ…ははっ…やめやめ……｣ こんなん考えたって、いい事ない なんでって 誰も、納得する答えなんて持ってないんだから 考えるだけ無駄だ ｢…す～～…はぁ～～…す～～…はぁ～～…うしっ！悠稀が寝てる間に筋トレでもすっか！｣ さっさとシャワーを浴び終わり 筋トレに励む いつかまた 綺麗に筋肉付いてるとか言わせてやるからな！ 悠稀…ピクリともしない 朝まで熟睡かなぁ 全然眠くないな キッチンへ向かい、卵を取り出す 砂糖と水を混ぜてと……チン 砂糖と卵 混ぜ混ぜ混ぜ混ぜ混ぜ混ぜ混ぜ混ぜ あ、お湯沸かしといてと 混ぜ混ぜ混ぜ混ぜ 牛乳投入～～ アルミホイルをかぶせてと グツグツ　グツグツ そっと…そっと… タイマーセット完了 後は待つのみ 悠稀のお陰で 外で手繋ぎながら歩いちゃった 自慢したいなぁ いいなぁ…って目で見られたいなぁ… この子、こんな完璧なのに めちゃくちゃ俺の事好きで～…とか 言ってみたい 先輩もきっと そんな気持ちだったんだろな？ 悠稀が、予想以上にショックを受けたから 先輩には、そのまま伝えたら そっか 凄く愛されてるね？ って、返ってきた そうなんです 見せてあげたいけど 先輩の彼氏もイケメンだけど 悠稀の方がイケメン+可愛いで最強なんです とか、言いたい けど… その、凄く愛してくれてる 可愛い奴が悲しむなら 泣いちゃうなら そんなの、一瞬で、どうでもよくなる 目の前の、あの可愛いイケメンが 笑っててくれるなら まあ、大概の事は諦められるだろう ピピピピ　ピピピピ ｢よ～し…完成っと。あとは、冷蔵庫で冷えててくれ｣ 洗い物をして、ベッドへ行くけど 全然…全く動かなくて ちょっと、鼻の辺りに指を当ててみたり… 息…してるよな？ ベッドに入って、電気を消す ｢頑張ってくれて、ありがと…悠稀｣ そう言って、横から抱き締めると ｢……ん…りく…｣ ピクリとも動かなかった悠稀が 俺の胸ん中に吸い込まれて来た ｢ふっ…ありがと…ここは…悠稀の定位置だもんな？悠稀だけの…場所だよ？｣ ｢……ん……り…く……｣ 全然動かなくなってても 寝惚けてても 俺だって分かって 胸ん中入ってくる それだけ… 一緒に居るんだな…って思う 目も開けてないのに こんな状況、俺でしかないって思ってくれてるの… 嬉し過ぎる ｢悠稀…気付いたら、もう1年過ぎてたな？｣ 色んな事があった1年 あり過ぎた1年 でも… こんな風に 安心して俺の胸ん中入ってきてくれる悠稀が居る 色んな事、あり過ぎたのに この状況が今あるだけで 結構凄くね？ 俺達、すげぇ頑張ってきたよな？ 頑張ったで賞だ