72 / 82

シャツ

「え?…お泊まり?」 ソファーで、隣に座ってプリンを食べてる暁が、嬉しそうに話す 「長谷のね、おばあちゃんの家が温泉旅館なんだって。庭の掃き掃除とか、布団敷きとか手伝ってくれたら、泊まっていいよって、毎年友達と泊まりに行ってるみたい」 「へぇ~~…それは、羨ましいね?」 「うん。行っていい?」 「暁が行きたいなら、勿論いいよ」 あんな事あって、怖がってたのに 自分だけじゃなくて、友達の事も心配してたのに 行きたいって思うんだ 凄い けど…ちょっと心配 「その、泊まる所は、近くなの?」 「ううん。電車で30分。バスで1時間だって」 「わぁ…ほんとに、温泉旅館っぽい」 そっか 逆に、ここから離れた場所の方が安心か 「一応、母さんにも聞いてみるけど、きっと大丈夫だと思うよ」 「うん!」 「暁、楽しい夏休みだね~」 「うん!」 凄い、凄い 暁が、めちゃくちゃ笑顔だ 泣きながら…地団駄踏んでた暁が嘘みたいだ 「いつ頃なのかな?」 「8月初めって言ってた」 「そっか。家に帰る時期でもないし、いいね」 「家に帰るのも楽しみ。あの家…好きだから」 「……そっか」 「うん」 あの家では… 今みたいに楽しい思い出、あんまりなかったと思うけど そんな風に思ってくれてるんだ 「悠兄が作ってくれたプリン美味しい」 「結構美味しいよね?今度、暁も間宮君と作ってごらん?」 「うん。教えて?」 「レシピ書いておくね。でも、1日1個までだよ?」 「………うん」 ほんと好きなんだな?プリン 初めて食べた時の暁の顔、今でも覚えてる 暁の周りにお花畑が見えて 目の中には星が見えてた 「ふっ…間宮君と作ったの、間宮君と初めて食べる日は、2個までいいよ?」 「えっ?……いいの?」 「うん。いいよ」 暁が、キラキラで覆われてる そんな凄い事じゃないのに 俺に言われたからって、別に守らなくてもいいのに そういうの…考えもしないんだろな… 暁は… 自分は、酷く汚ないと言うか… 自分以外の人達は綺麗だって、思ってるとこがある けど… 暁の頭の中は 誰より綺麗だと思う 純粋に、真っ直ぐな思いだけ 辛い事… どれどれ自分を誤魔化して、騙して、堪えてきたのか分からないのに… 「暁から、連絡?」 「あ…ううん。ちょっと…昨日の暁、思い出してた」 「昨日の暁……ああ…ヤッたのか?」 「ヤッ…?!…てない!」 「あ?そうなの?良かった」 「そんなの…ヤッてたとしても…思い出さないし、思い出したとしても…凌久に、あんな風に言う訳ないでしょ?!」 ちょっと思い出してたとか… 言う訳ない! 「いや…だってさ、暁とヤるって事は…ヤらざるを得ない状況になったって事だろ?チンピラに絡まれたのに、楽しそうな夏休み送ってて…急にそれは、さすがに俺でも心配する」 「凌久…心配してくれて、ありがとう」 色々言っても 結局、暁の事心配してくれる 普通に考えたら、あり得ない だって、ヤッてないって聞いて 良かったって言ってんのに… その相手の心配なんて… 「凌久から教えて貰ったプリン、美味しそうに食べてて、今度、レシピ書いておくから、間宮君と作ってごらん?って言ったんだ」 「お~…俺のプリンが、広まってく。俺のレシピじゃねぇけど」 「うん。だけど1日1個までだよ?って言ったら、結構な間の後、うんって言って…あんまり可愛いから、間宮君と作って、初めて食べる時は、2個までいいよ?いっ言ったら、暁がキラキラ纏ってた」 「あ~…それは、たしかに可愛いな」 暁… 凌久と会うの、いつでもいいよって言ってたけど… ほんとに凌久、会いたいのかな 「凌久…暁は、凌久と会うのいつでもいいって。言っておけば、その日は友達も来ないからって…言ってたけど…」 「お、じゃあ…来週入ったら補習もなくなるし、悠稀のバイト入ってない日にするか」 「うん…あっ…8月初めに、温泉行くって行ってたから…初めって言うか……この辺で…んっと、俺のバイトがここ休みで…実家帰るのがこの辺…」 実家から帰ってからのが… あっ… 「凌久も同じ時期に帰るんだよね?」 「そうだな」 「じゃあ、向こうで会うってのは、どう?」 「おお!それなら、皆、墓参りくらいしか、予定ない……いや、悠稀はバスケ部行くから、忙しくないのか?」 「1日だけね。数時間だよ?」 「悠稀がいいなら、俺はそれでいいけど?」 「じゃあ、暁に言っておくね?」 「おお」 バスケ部…忘れてた 碧音に怒られるとこだった 凌久は…覚えてたんだ 気になるのかな… 「凌久…」 「ん?」 「碧音とバスケ部行くの、気になる?」 「気にならなくはないけど、嫌だとか思ってないよ?」 「やっぱり嫌だなと思ったら言ってね?」 「ん、分かった」 でも、実家帰ったら、毎日凌久に会えなくなるのか… ちょっと寂しい そんな訳で あっという間に、暁がお泊まりに行く日 「暁、ちゃんと皆の言う事聞いてね?」 「分かった」 「寂しくなったら俺、すぐに迎えに行くから、連絡するんだよ?」 「うん」 暁の温泉お泊まりは なんと、2泊3日だった 中学の修学旅行行ってるし 長谷君のおばあちゃんの家だし 間宮君も居るし 大丈夫だと思うけど 「お兄さん、俺ら付いてるから、大丈夫です」 「何かあったら、すぐに連絡します」 「水無瀬が寂しがったら、お兄さん来るまで、皆で慰めておきます」 「絶対1人にしないので、トイレも一緒に行くので、安心して下さい」 ああ…俺だけじゃなかった 暁を見てくれて 暁を心配してくれて 暁を守ろうとしてくれる人達が こんなに沢山居た 「暁を宜しくお願いします。暁、楽しんどいで?行ってらっしゃい」 「うん!行って来ます!」 よし! さっさと、やる事やって 俺も凌久と楽しむ! ピンポ~ン 「はいはい~っと…はよっ悠稀」 「おはよう、凌久」 「ちょっと休んでくか?」 「大丈夫。荷物だけ置かせて?」 「おお…んじゃ、行くか」 「うん」 今日は、凌久と美容室 俺は特に美容室決めてないので 一緒に予約してもらった 「俺は、カットだけでいいです」 って言ったんだけど… 色のサンプル持ち出して、凌久も染め直すし、絶対似合うからと、俺まで染められる事になった 「楽しみだな~。悠稀、染めんの初めて?」 「そう。染めて似合うのかな…」 なんか、色々説明されたけど、全然分からないので、バイトと学校に支障の出ない程度ならって、お任せした でも、カットだけだと1人で時間潰そうと思ってたから、凌久と居られるのは、嬉しい 「はい、お疲れ様でした~」 こ…これは… 「いや、めちゃくちゃ似合ってますね~」 嘘だ… 「染めて正解ですね~」 絶対嘘だ… アッシュ?とか言う、見ようによっては、紫に見える感じの色… なんか、美容師さんとかのが、似合いそう… 恐る恐る…凌久の方を見ると… 「すげぇ似合ってんじゃん?」 「え……」 「ん?」 これで…正解なの? 凌久と、ランチをしてから帰る事になり、何処のお店に入ろうかと歩くけど… ガラスに自分が映る度に、見てしまう 凌久を見ると、格好いい 似合ってる 「悠稀…気に入らなかったんなら、変えてもらうか?」 「……気に入らなかったんじゃなくて…凄く綺麗な色だけど…俺には似合ってない気がする…」 「そう?俺には、すげぇ似合ってる様に見えるけど、悠稀がそう思うなら、変えた方がいいんじゃね?」 「……凌久…お世辞とかじゃなくて…俺が気の毒でとかじゃなくて……ほんとに、似合ってると思う?」 「俺はそう思うけど、1番毎日見るのは自分だからな。自分が見てテンション上がんないんじゃ、染める意味がねぇよ」 ほんとに? 凌久が似合ってるって言うなら、ほんとに似合ってるのかな 美容室の人達は、似合ってないなんて言わないし 凌久も、美容室では言えないしと、思ってたけど… 「凌久…この髪の俺、好き?」 「っ!…ここで聞いてくるか…」 「あ…ごめん。帰ってから話そ」 「…好きだよ。俺は、その髪の色、悠稀に似合ってると思う。けど、その髪の色じゃなくたって、どんな色だって、悠稀の事…好きだよ」 「~~~っ!」 そういう意味で聞いたんじゃないんだけど… 突然の嬉し過ぎる言葉を貰ってしまって なんかもう…髪の色が何だっていいや 凌久が気に入ってくれてんなら 凌久が、どんな髪の色でも好きなら こんなの別に気にする事じゃない 「悠稀、美容室行くか?」 「い...行かない」 「無理すんなって」 「無理じゃない…それより…凌久と居たい」 「っ!…お前…それは不意打ちだろ」 不意打ちは… 凌久でしょ? お昼時は、結構どこも混んでて 暑いせいか、少しは待たなくていいラーメン屋さんに入った 暁…無事に着いたんだ 特に不安もなさそう… 良かった 「ラーメン屋さん、すっごく久しぶりかも」 「俺も。たまに食べたくなるんだけどな~」 「美味しいね?」 「ん…んまっ…」 格好いい凌久が、ラーメンすすってる 貴重な光景だ 「さてと、次は俺の買い物に付き合ってくれ」 「うん。シーツだっけ」 「そ」 ? 凌久が、顔を近付けてきた 「シーツの替えは、多い方がいいだろ?」 「~~~~っ!」 「うわぁ…悠稀、顔真っ赤。今、どんな想像してんのかな~?悠稀の頭ん中を想像してみよっかなぁ…」 「やめて!」 「おお…想像されたくない位エッロい事考えてんだ」 「ちっ…違う!」 凌久が、ニヤニヤと面白そうに見てくる からかわれてる けど、そんな凌久まで格好いいと思ってしまう 結局、ワインレッドと、濃紺のシーツを購入 「さて、晩飯の買い物して帰るか」 「うん」 食料品、日用雑貨… 買い物のリハビリ 俺のリハビリなんだけど 凌久が、何かを探してる仕草とか 俺から離れて歩こうとすると 思い出してしまうけど いつまでも、このままでは居られない 凌久の家に戻り、荷物の整理 「凌久、疲れてない?」 「少しな。だいぶ体力は戻ったから、心配すんな」 そう言って、コーヒーを淹れ始めた 「凌久…」 「ん~?」 「凌久の今使ってるシーツ、白とか、水色とかだったけど、今日買ったのは、結構シッカリした色だったね?」 「ああ…気付いたからな?」 「気付いた?何に?」 「バックが濃い色の方が映えるなぁ…って」 バック… 映える… 何の話だろ? 「はいよ」 「ありがと」 コーヒーを飲みながら 凌久の視線が、俺の髪 「綺麗な色…ほんと、悠稀に似合ってる」 「ありがと。凌久も、すっかりその色、凌久の色になったね?」 「ん、気に入ってる。一緒に美容室行って、一緒に髪染めて…嬉しかった」 「凌久…俺も。1人で時間潰そうと思ってたから、凌久と居られて、嬉しかったよ」 「ん………」 「凌久?」 なんか… 寂しそう?な顔してる? 「俺か悠稀が女だったらさ、美容室で堂々と、恋人なんだって言えて、色々自慢なんてしてみたりとか…出来たのなぁ…って」 「……そうだね?」 「ま、別に自慢しなくても、誰に知られなくても、いいんだけどさ?」 「うん…でも、俺も凌久の事…いっぱい自慢したいって思うよ?」 「俺のか…自慢出来るとこあるか?」 悪戯っ子みたいな でも、何処か寂しそうな顔で 凌久が聞いてきた 「自慢しかないよ。凌久の自慢したいとこ、聞いてもらおうとしたら、何時間もかかるよ?」 「ふっ…そっか。そりゃ嬉しいな」 「凌久?こっち…見て?」 「………悠稀と、皆の力で、俺は俺で居られるけど……悠稀の恋人としては…ちょっとまだ自信取り戻せてないとこあるから……ってか、そもそも自信なんてなかったし…」 凌久… 凌久の手を握って、凌久にキスをする 「俺にとっては、自慢の恋人でしかないよ?」 「……ありがと」 ようやく、俺の目を見てくれたけど 凌久の瞳が揺らぐ 凌久が…された事全部 泣き叫びながらでもいいから 全部俺に吐き出してしまえれば、少しは楽になるんじゃないかなって思う けど…… 俺には…それを受け止めれる自信がない 俺が弱いから 凌久は、いつまでも1人で闘わなくちゃならない 「凌久…俺…弱くてごめんね?」 「?…何?急に…悠稀、弱くなんかないじゃん?」 「凌久に比べたら…ずっと弱い…」 「…そう?だったら…悠稀のお陰だな?」 「?」 「末っ子が、一生懸命兄ちゃんやってんの、ずっと見てきたからな。悠稀が、どんだけ頑張ってきたのか知ってる。頑張ってる奴見ると、頑張ろって思えるだろ?」 俺、末っ子じゃないよ? 俺が、兄ちゃんとして頑張ってきた事は 凌久を傷つける事だよ? 凌久の…心の中は、どうなってるの? 「凌久……もう...無理だから……これ以上…自慢するとこ増やしたら…1日がかりだよ?」 「そう?俺は、悠稀の自慢、1週間語れるけど?」 「~~っ…無理なんだって…凌久っ…もう…」 「いくら増えたっていいだろ?悠稀…悠稀の好き…くれよ」 「凌久っ…!」 好き… 凌久が好き… 好きが止まらない 凌久… 「ふっ…悠稀…」 「んっ…何?」 「早く…舌入れて?」 「~~っ…いい?」 「何?その今更の遠慮?不安になるわ」 だって…だって… 今更だって、いつだって 凌久は綺麗で、格好いいから いいのかな…って思ってしまう 「んっ……はっ…悠稀っ…」 凌久の呼ぶ悠稀が堪らない 「ん……悠稀っ……」 そんな顔…しないで… 俺を…狂わせないで… 凌久にキスしながら、シャツのボタンに手をかける 凌久…凌久… キスに夢中になって ボタンを適当に外し始めると ビクッ! え? 「凌久?」 「あ……何でもない…続けて…」 何でもないって… 少し…緊張…してる? 「凌久…ごめん。何も言わないで、脱がそうとしたから、びっくりした?怖かった?」 「……違う…何も言わなくたって、脱がしていい」 何だろう… あれからも何度かセックスした 服、自分でじゃなくて、俺が脱がせた事もある 何を…怖がってる? 「凌久…ちょっと俺、気持ち入っちゃって…キス、怖かった?」 「違う…違うから……続き…して…」 そう言われても… 明らかに緊張してるみたいな顔… 「1回…抱き締めていい?」 「出来れば…続けて欲しいんだけど…」 「凌久…?」 「出来れば…俺の事押し倒して…ボタン吹き飛ぶ程…激しく脱がして欲しいんだけど…」 「ごめん、凌久…」 凌久を抱き締める 「凌久のお願い聞いてあげたいけど…震えてる凌久に、そんな事出来る勇気ない」 「……震えてたってしろよ」 「出来ないよ」 「…~~っ!…じゃあっ…普通にでいいから…俺の上に股がって…~~っ…シャツ…全部…開けて欲しいっ…」 ようやく分かった シャツは…俺達にとって、奏の思い出があるから 凌久はあれから、俺の前で着る事がなかった なのに今日着てる意味…… あの日凌久は… 着てたんだ 俺と一緒に…闘おうとしてくれてるんだ 「分かったよ、凌久。立って?」 「……」 立ち上がった凌久を、少し乱暴にベッドに押し倒す 凌久が、驚いた顔をしている 「乱暴に…して欲しいんでしょ?」 「~~っ…んっ…思いっきり…」 「~っ!…分かった」 凌久のシャツに両手をかけて 思いっきりシャツを乱暴に開けると ボタンが2つ位飛んでった これでいい?凌久… これで少しは…何か楽になる? 少し驚いた顔の後 「~~~~っ…っ……っ…」 顔を腕で隠して泣き始めた 「凌久…ごめん…怖かったね?」 凌久の上から降りて、横になる 「大丈夫?俺…抱き締めたら、怖い?」 凌久の頭の中には今… 何が浮かんでるだろう… どんな思いなんだろう… 「悠稀っ…ごめんっ…」 そう言って、凌久が抱き付いてきた 「凌久…謝らないで。凌久が、謝らなきゃならない事なんて、ないよ?」 「~~っ…優しい悠稀っ…にっ……酷い事っ…させたっ…」 「俺の事なんか心配してる場合じゃないでしょ?」 「~~~っ…ごめんっ……悠稀にっ…して欲しかった…………悠稀にっ…したかったからっ…」 言ってる事…よく分からない でも… 凌久の頭の中も、整理なんてついてないのかもしれない 「んっ…凌久がして欲しかったなら、いいよ。もう怖くない?震え…治まったね?」 「んっ…悠稀……~~っ…ごめんっ…」 「凌久…謝らないで。お願い…」 「悠稀…悠稀……」 小さな子供みたいに、俺の胸の中で泣いて、顔擦り寄せて ぎゅ~っと、しがみ付く様に抱き締めて 俺は…少しは役に立ったんだろうか? そのうち、凌久は寝始めた いつから…決めてたんだろう? 今日、こうしようって… 朝、袖を通す時 一緒に美容室行って ラーメン食べて シーツ買って 買い物して コーヒー…… ずっと…緊張してたんだ 全然…気付かなかった... いつ、シャツを着て、俺に脱がせてもらおうって覚悟決めたの? そんな風に覚悟決めなきゃなんない位… 「~~~~っ!…凌久っ…」 それだけ… 怖かったんだね? 俺に、して欲しかった 他の奴にされた事を… 他の奴に……された……~~っ! 何…された? 凌久…何された? 凌久の中まで全部…! 凌久が、怖がっても、嫌がっても 逃げようとしても 逃げられない様にして…… 殺されてる人いるかもしれないって 凌久も殺されてたかもって 「……薔薇は…嫌いだ…」 そう言って震えてた凌久… 薔薇? 薔薇が何? 薔薇で震えるって何? 「……真っ白……で……真っ赤…だった……」 真っ白って? シーツの事? 真っ赤は、薔薇の事? でも…トゲで傷ついた痕とかなかった 何が怖かったの? 薔薇じゃなくて…血? でも…凌久に怪我はなかったみたいだし 凌久じゃない、誰かの…何かの…血? 俺の…想像出来ない様な 多分、凌久も想像なんて出来ない様な事… 沢山されたんだ それを…1つずつ克服しようとしてる 俺と一緒にしようとしてくれてる 「凌久…ありがとう…俺と一緒にって思ってくれて…ありがとう」 「……悠…稀…?」 「ん…凌久…好きだよ…」 「……ん…」 きっと今でも、怖い夢見てるんだろう その度に忘れたい事、思い出させられるんだろう 逃れられないから 凌久は闘う事に決めたんだ 凌久…俺も…闘うよ…

ともだちにシェアしよう!