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欲しい物

湯船に寄っ掛かってる悠稀の上で 後ろに反り返ってイッたもんだから 働かない頭で、ローション風呂にダイブする! と、湯船の縁必死に探したら 悠稀に抱き寄せられた あんなにポケッとしてたのに 訳分かんなくなってイッたのに 優しさで出来てる悠稀は 無意識でも優しい事が出来てしまうらしい 気持ちいいのと 悠稀の優しさに包まれた安心感で しばらくそのまま抱き締められてた 「……ありがと、悠稀。もう大丈夫」 「うん…」 「すっげぇ気持ち良かったな?」 「うん……」 「ん?悠稀?…どうかした?」 何か言いたそう? すると、ぎゅっと抱き締めてきて 「~~っ…凌久……まだ…気持ちいい…」 「…え?」 そう言って、俺の中に入ったままのモノを動かす ?! 「はっ…悠稀……イッた…よな?」 「うん……」 イッたのに、イク前みたいなんですけど? 気持ち良過ぎて、気持ちいいが続いちゃってんの? 体起こして、悠稀の顔見ると… 可愛い顔が、めちゃくちゃ困ってる 可愛い… 「なんて顔してんだよ?何も困る事ないだろ?」 「だって…」 「せっかく、こういうとこ来たんだから、俺だって1回で終わらせようなんて思ってないし…シよ?」 「~っ…凌久…大丈夫?無理して欲しくない」 「全然大丈夫。珍しくムラムラしてる悠稀、楽しみたい」 「~~~っ!」 可愛い顔、真っ赤 なのに、俺の中、これでもかって位、立派に男 「ね、悠稀。立ったまましたいんだけど」 「立ったまま?滑るし、危なくない?」 「大丈夫。悠稀、後ろから支えてくれるし」 「それは…支えるけど…」 ほんと、優しさの塊 こんなんなってて、よく冷静に心配出来るよな 「あのガラスにさ、手付いて悠稀に挿れられてんの…横の鏡に映ってんの…エロくない?」 「っ!」 「あっ!…ちょっ…悠稀…これ以上デカクなったら…俺のケツが心配…」 「ごっ…ごめん…じゃあ…あんまり……言わないで」 可愛い~ 可愛い子のアソコ エライ事になってるけど 1回抜いて、全体がガラス張りの壁際に行くと 悠稀が後ろから抱き締めて、顔擦り寄せてきた 「凌久…凌久…」 「ん…甘えてくれてんの?かわい…」 「凌久…凌久…好き」 「ん…俺も悠稀の事好きだよ」 「凌久…」 横の悠稀の顔に キスして キスして キスして って書いてある お望み通りキスをする うわ… いつもの悠稀とは思えない めちゃくちゃ、やらしいキスしてくる こんなキスもするんだな 気持ちいい そう思ってると 悠稀が、後ろから収まらないままのモノを、押し付けてくる まだヌルヌルだ 早くそれ…後ろから挿れて? 名残惜しそうに唇を離すと 「凌久…もう…我慢出来ない」 「ん…俺も…早く挿れて?」 「ん…凌久…凌久…」 ゆっくりと悠稀のモノが当てられ 少しずつ入ってくる やっぱ気持ちいい 「っ…~~っ…んっ…」 「凌久…大丈夫?」 「大丈夫…もっと…早く…」 ふと、横の鏡を見る 「うん…もう少し挿れるよ?……辛くない?」 心配そうな悠稀の顔 「大丈夫…だから…」 それとは裏腹に 俺の中へと挿れていく悠稀の仕草 エロ過ぎる 「はぁ……凌久…全部入ったよ?大丈夫?」 「大丈夫…早く…もっと気持ち良くして…」 「動かすよ?辛かったら言ってね?」 「ん…」 俺の腰を押さえたまま 悠稀が、動き始める 気持ちいい 鏡ん中 情けなく両手付いて、ケツ突き出してる俺に 気持ち良さそうに出し入れする悠稀 2人して辛そうで 同じ気持ちなのが嬉しい 「凌久…大丈夫?」 「気持ちいい…もっと…激しくして…大丈夫」 「ほんとに?痛かったり…怖かったら言ってね?」 「分かってる…」 そんな優しい言葉と 可愛い顔からは想像出来ない 激しい動きに変わり 強い刺激が、強い快感となる 気持ちいい!気持ちいい!気持ちいい! 激しくなった動きと 俺の力が削がれていくせいで 俺の踏ん張ってる手が 時々壁から離れる 壁付いてないと無理… 壁に手を伸ばすと 悠稀の左手が、俺の左手に重なり 壁に押し付けてくれた けど… 悠稀の体が、より近くなり 悠稀が動く度、壁に寄って行く その度… どんどん悠稀のモノが奥深くまで入って来る 気持ちいい! 気持ち良過ぎて もう…分かんない 俺の膝…ガクガクしてる もう、まともに立ってらんない 声…止まんない 「凌久…気持ち良そう…凌久…凌久…」 可愛い悠稀の声が 気持ち良さ倍増させる 凌久凌久言いながら めちゃくちゃ突き上げてくる 堪んない 堪んないよ悠稀 チラッと忘れてた鏡見たら 相変わらず可愛い顔の悠稀が まるで盛った雄の様に 夢中で腰振りながら、俺の名前呼んでて その悠稀見て…イッた すっかり足が使い物にならなくなって カクンと座り込もうとして 後ろから抱き締められる 「凌久…」 ほんとに愛おしそうに 抱き締めて、囁いてくれて 俺は幸せな余韻に浸った 「凌久…抜いても大丈夫そう?」 「ん…もう大丈夫」 「抜くね?」 「ん…~~っ…」 「大丈夫?」 「大丈夫…悠稀…」 くるりと向きを変えて抱き付く 「凌久…ほんとに大丈夫?途中から…気持ち良過ぎて…俺、酷くしてなかったかな…」 「全然?激しくて雄みたいな悠稀…エロくて、気持ち良かった」 「~~っ!ごめん…気持ち良かったけど…少し怖かった?」 「怖くなんかないよ。悠稀だもん」 「凌久…凌久好き…大好き」 その顔で そんな切なそうな顔で そんな事言われたら 世界中の人達が力抜けちゃうよ でも…悠稀が言ってくれる相手は俺だけ 「俺も好きだよ…悠稀…悠稀が大好き」 こんな言葉だけで こんなに悠稀を喜ばせられんのも俺だけ 「凌久…凌久…」 悠稀が、そんな声で呼ぶ名前は 凌久だけ 「すげぇな?取れたか?」 「うん、取れた」 「風呂も、また入るかもしんないし、ちょっと洗っとこ」 「ふっ…さすが凌久。綺麗好き」 すっかり綺麗になって 備え付けのバスローブを着る 「凌久…格好いい」 「悠稀も、なかなか似合うよ?顔は子供、体は大人でエロい」 「なっ…?!…顔は子供って何?!ちゃんと大人だよ!」 「はいはい。あっち行って、なんか飲も?」 「凌久と同じ大学生だし…一応お兄ちゃんなんだから、凌久より大人なのに…」 歩きながら なんだか可愛い愚痴を、ぶつぶつ呟いている 「ほい、ミネラルウォーターでいい?」 「うん…」 思いの外引きずってんな 話題を変えよう 「暁は楽しんでんの?」 「うん!なんかね、ちょうどお祭りがあって、皆で見に行ったみたい」 う~ん…ちょろい 暁の名前出したら一発だ 楽しそうに暁の事を話し出す 「で?お兄ちゃんは今、彼氏とラブホだよって教えてあげた?」 「おっ…?!教えないよ!」 「別に悪い事じゃないだろ。ただ、エロい兄ちゃんだと思われるかもな」 「~~っ…こんな俺…暁にはバレたくないっ…」 真面目だなぁ ちょっと、からかっただけなのに… 「ん…ごめん。俺も、こういう悠稀…俺以外にバラしたくない」 悠稀の肩を寄せると コトンと、俺の肩に頭を預けてくる 「凌久…映画の最後…どう思った?」 「…え?映画の最後?」 急に? ほとんど見てなかったんじゃ、なかったの? 「どうって……恋人が死んで、悲しみのどん底だったけど…多分、ちゃんと生きようと思って…2人で行きたいねって話してた場所に、ようやく来れたっていう、達成感みたいな…空に…亡くなった恋人に、ちゃんと生きてるよって、見せてるみたいな…そんな感じの笑顔見せて終わったんじゃなかったっけ?」 すげぇ綺麗な場所だったよなぁ かなり危なそうだったけど 「……そっか。凌久は…そう感じたんだね?」 「え?そう感じたって?」 「俺はね…雲を抜けて…空から恋人が迎えに来てくれたんだと思った」 「……え?」 「2人で話したあの場所だから、強い気持ち通じて見付けてもらえたのかな…ようやく見付けてもらえた…これで恋人のとこ行けるって…安堵の表情…だと思った」 「安堵……」 生きれる様になったからじゃなく 死ねるって…安堵? 「俺は…やだな。俺だったら、絶対迎えになんて行かない。俺が悠稀を幸せに出来なかった分…誰かと幸せになってもらいたい」 そう言うと、悠稀が腕を組んで手を握ってきた 「凌久は…優しいから…」 「でも、残される立場なら…どうかな……2人では行く事の出来なくなった場所に、1人で行ける様になるまでって、どん位かかるかな……確かに…死ぬ為って考えたら…行けんのかもな」 「俺は…そこまで行けない……凌久が居ないのに…あんな遠くまで…行動出来る気力ない…」 「悠稀…」 そんな風に思ってたんだ それで…映画館でも、こんなくっ付いてきてたのかな 「悠稀、ぎゅってしよ?」 「うん…」 俯いたまま、俺に抱き付いてくる 「大丈夫。悠稀、幽霊さんとコミュニケーション取れるじゃん?死んでからも、悠稀が邪魔って言うまで、悠稀の周りウロついてやるよ」 「うん…」 「ってか、そんな早く死ぬ予定ねぇし」 「うん……凌久の事…どんどん好きになるの…怖くなる」 「何でだよ…もっと好きになってよ」 「凌久が…居なくなったら……死ぬんじゃなくても……~~っ…凌久と離れちゃったら…」 「え?」 泣き始めたの? 自分の妄想で? 「ちょっと悠稀…起きてもいない事で、泣くなよ。別れ話とかしてる訳じゃないだろ?」 「うんっ…でもっ……凌久には我慢しないで欲しいっ…」 「え?なんで俺が悠稀捨てる設定なんだよ?あり得ないんだけど?」 「だって俺っ…こんなんだからっ……もっ…自分がやだっ……せっかくの…お休みっ……映画館っ…なんかっ…変になっちゃった…」 「別に変じゃないだろ?ちゃんと映画館で、恋人として楽しんでくれたんだろ?んで、ムラムラしてラブホ入る。正常な思考だ」 悠稀で考えると異常だけど そんな思考になんの珍しいけど 「ほんとは…凌久の家戻って…ゆっくり落ち着いて…過ごしたかったよね?ちゃんと映画…誰が犯人かとか…話したかったよね?」 「そんなの…全然?こっちのサプライズのが、ずっと嬉しいよ」 「凌久…きっと世界一、優しくて格好いい彼氏だよ」 「それは、こっちのセリフだ。ほら、もう泣き止め」 「ん…」 不思議だな 好きな人じゃなきゃ、こんなん…めんどくさいとか、思うんだろな けど… めんどくさいが嬉しい 俺の事想い過ぎて、めんどくさくなっちゃうのが そうしたくないのに、なっちゃって困ってるのが...必死なのが…嬉しい 俺の方が悠稀より前から、悠稀に片想いしてた訳で それからも、俺の方が、ずっと愛情デカイ訳で けど… 初めて付き合った男の事を この完璧な彼氏は 俺が思ってる以上に、好きになってくれた 「悠稀…俺さ、欲しい物…あるんだけど」 「欲しい物?何?」 「ペアリング…欲しいなって…」 「ペアリング…」 「ん…別に、普段付けなくたっていいんだ。同じ物持ってるってだけでさ…」 「うん!俺も欲しい!」 突然元気になって、俺から離れた 目がキラッキラ 「どんなのがいいか、見てみよっか」 「うん!」 かわい… 俺も悠稀も、ゴツイのは趣味じゃない あんまり派手なのも趣味じゃない シンプルなデザインを見付けては これ位ならいいかもとか こんな形もいいねとか すっかりご機嫌になった 「凌久、これさ…今年のお互いのクリスマスプレゼントにしない?」 くりんくりん 悠稀のおめめは、くりんくりん そんな顔で、なんて可愛い提案してくれんの? 「いいな。じゃあ、それまで色々見て決めよっか」 「うん!楽しみ!お店も見に行こ?」 「え?店…行くの?2人で?」 「だめ?」 「いや...悠稀は、俺と2人で、そういう店入ってるとこ、誰かに見られてもいいの?見られたくない時に限って、誰かに見られるもんだぞ?」 「見られたくなくないもん。むしろ、見られたいもん」 俺の腕組んで、くりんくりんの奴が、不思議そうな顔して見上げてくる むしろ見られたい! 俺だって見られたいさ! 「う~ん…今時、そういう人も増えてきてっから、ちゃんとした店なら、店員さんは大丈夫な気がする。ただ、学校でそういう噂とかなぁ…やっぱ悠稀の事、心配」 「俺は、凌久とのペアリング探しに行ったんだって、自慢したいけど…きっと皆が見ても、どっちかが必要な物、一緒に見に行ったってしか…思ってもらえないよ…」 「あ…なるほど。そりゃそうか。普通そう考えるよな?うんうん。どっちかの彼女へのプレゼント探しだな」 俺の頭ん中で、彼女って発想がなかったからな そうだよ 彼女へのプレゼント、どれがいいと思う? に、付き合ってる友達だよ 「全然嬉しくない…俺と居るのに、凌久の彼女の指輪選んでるとか思われるなんて…」 「いいじゃん。誰がどう思ってようが、俺達は楽しく見て歩けばさ」 「…うん。凌久と一緒に探しに行くの、絶対楽しいね?」 「な?まだまだ先だから、じっくり選ぼ?」 「うん!」 悠稀が腕を解いて、俺の左手に自分の左手を近付ける 「凌久と、同じ位の太さかなぁ…」 そう言って、手を重ねてくる 「……え?」 「え?」 「あ…いや…そっか。同じ位なのか」 「そうみたいだね?」 にこにこ悠稀… ちょっと…びっくりした… 左手の薬指で考えてる? まあ… せっかくなら、ちゃんとサイズ合わせようとは思ってたけど 右手で考えてたよ 左手に…しようとか…思ってくれてんだ 男同士なんて 出来ない事がいっぱいで 望めない事…望んじゃダメな事… 期待しても、どうせ出来ないから 密かに…細やかな夢を見る位で… ポタッ ポタポタ… 「え……凌久?」 「あ…ごめん……なんだろな…」 期待以上が返ってくる事に あんまり慣れてないんだ 「凌久…なんで泣いてるの?」 「いや…別に泣こうと思ってないんだけど…」 「なんか…嫌な事思い出した?」 「全然…こんな嬉しい事……初めてで…」 「嬉しくて…泣いてくれてるの?」 「ん…」 どれだけ想ったって、気持ちすら伝えられないのが当然で 伝えたら、友達ですら居られなくなるって、分かってて たまたま相手も、男が恋愛対象なんて、ほんとに凄い確率で 好きな人と付き合えるだけで奇跡なのに 男なんて好きになった事ないのに こんなにこんなに想ってもらって 「俺も、そういうの買った事ない。凌久が初めて。同じ物持ってるのも、それを一緒に選べるのも嬉しい」 「ん…」 「凌久…嬉しいよ?」 「ん…」 俺の腰に手を回して 後ろから左手に重ねてくる 右手も重ねてくれて 「凌久…」 キスしよ? 「ん…」 こんな幸せあっていいのかな こんなに幸せなの体験しちゃったら 失くした時…ほんとに大丈夫かな… でも… 元々無いはずのものだから たまたま偶然 奇跡が重なって、経験出来たから こんなの知らないままの人だって 沢山居る訳で 俺も、その中の1人になるはずだったから 知れた事に感謝 もしも、終わる日が来ても こんな思いさせてもらえた事に感謝 一生忘れない じいさんになっても ずっと覚えてる こんなに人を好きになった事 こんなに好きにな人に 好きになってもらえた事 「バスローブで寝るのって、ごわごわするね?」 「パジャマじゃねぇからな?パジャマっぽいのあるはずだよな…探してみっか…」 「いい…凌久、行かないで?」 「ん…じゃあ、脱いじゃえばいいんじゃね?」 「ほとんど脱げちゃってるもんね?」 2人して布団の中で、バスローブを脱ぐ 「わぁ…すっきり」 「ん…もっと、くっ付こ?」 「うん……肌合わせて寝るの…気持ちいい」 「そうだな?いつも、すぐにシャワー浴びて、俺着替えちゃうし。じゃないと、悠稀がだしな?」 「うん…なんか……落ち着く…」 「眠くなってきた?俺も…」 「うん……落ち着く気持ちいい……凌久は…落ち着く気持ちいいも……あるんだね……」 そう言って、ほんとに眠りだした 不思議… こんなに好きな人と こんな環境で、こんな状況 興奮するはずなのに こんなに落ち着いた気持ちになれるなんて こんな事ってあるんだ 勿体無いな… どこかで、そう思いながら それ以上の幸せ感じてるから、いっか…… 悠稀の肌の気持ち良さに 悠稀の落ち着く匂いに 悠稀の気持ち良さそうな寝息に 俺も眠りに落ちた…

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