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セックスして

ちょっとビビって、暁に手を出さないでいたら それはそれで… 「~~っ…優琉のキス…好き……気持ちいいからして欲しいって言って……気持ち悪くない?」 全然別の方面から、暁を悩ませてしまっていた 誰かを想うって 誰かを大切にするって 難しい その人の事思ってした事が 全然違う結果になったりする 俺は、立派な人間でも何でもなくて 暁と居たらムラムラする ただの思春期小僧なんであって 毎日毎日、暁と居たい 暁に触れたい 暁とキスしたい 暁と早く…繋がりたいとか…思ってる訳で 俺自身、男とも女ともした事ないんだから 暁だって怖いよな…不安だよな… とか、思ってたら そういうんじゃなくて 別の角度からの 不安とか…恐怖?だった だけど… それなのに… 俺とキスしたいって 暁にしては、物凄く大きな声で必死に言ってくれて 凄く…嬉しかった 「暁…好き」 「んっ…優……好き…」 「暁…怖くない?嫌じゃない?」 「優……キス…気持ちいい…」 「ん…ありがと…」 暁… 恋人…初めてって言ってた 今みたいな交友関係も… なのに… どこまで何したのか知らないけど セックス好きじゃない 寝言でそう言ってしまう様な事… その母親にさせられた? 周りがそういう人達で、させられた? 普通の友達も恋人も知らないのに そういう事だけ させられた? 「暁…暁に…もっと触れたい」 「んっ…優琉に……される事…全部気持ちいい…」 この可愛い暁の体… 好きでもないのに触った奴居るのかな こんなに… 今でも、触ったら壊れそうな暁の体 もっと前は もっと壊れそうだったろうに… 「んっ……優琉っ…」 「ん…怖くない?嫌じゃない?」 「んっ…優琉っ……もっと…触って欲しい……気持ち悪くない?」 「嬉しい…嬉しいんだよ?暁…」 暁の敏感な部分に触れると すぐに体が反応して、可愛い声が漏れる 「大丈夫?怖くない?」 「あっ…怖くない…どんどん…そこ……優琉に触れられるの…~~っ気持ち良くなってくの…変?」 「変じゃないよ…可愛いよ?嬉しい」 「んっ!…ほんっ…とっ?」 「ほんと…」 感じる事が 気持ちいいって思う事が 自分は汚ないって、思ってしまうんだ 「ぁっ!……っごめっ…」 今まで… 謝ったりしなかったのに 「んっ…~~っ!…はっ…~っ!」 見上げると… 両手で、口押さえて 涙流してた 「暁?手…離して?」 「~~っ…っ……やらしい声っ…優琉に…聞かれたくないっ…」 「なんで?俺は聞きたい」 「っ…っ……母さんのっ…声っ…聞きたくなかったっ……あんな風にっ…なりたくないっ……優琉にもっ…嫌われたくないっ…」 「暁…」 暁の涙を優しく拭って 「1回、ぎゅ~しよ?」 「んっ…んっ…優琉っ…」 横になって抱き締めると 俺の胸で泣いている どうしてやればいいんだろう? 暁にしてもらって、俺が喘いでみる? それはそれで、母さんの子供だから、俺をこんな風にとか考えそう… どうしたらいいのかな 「暁……」 「んっ…」 「俺…実は昨日の帰りさ…」 「んっ…?」 「信じられない事が起こった」 「っ…信じっ…られないっ?」 あ… ちょっと…体の力抜けた? 「もうそろそろ、家に着くって頃…近所に、庭の綺麗な家があるんだけどさ。昨日も、綺麗にしてるなぁ…これ維持するの大変だろなぁ…って思って見てたんだ」 「うんっ…」 「そしたらさ…突然、とんでもないヌメッとした物踏んで…危ない!っと思ったのに、バランス取る事も出来ないくらいヌルヌルで、そのまま転んだんだ」 「え?」 パッと暁が顔を上げる 涙流しながら、驚いた表情の暁… 可愛い 「優琉…転んじゃったの?大丈夫?怪我は?」 「いや、尻もちついたくらいで済んだんだけどさ。なかなか、この歳になって転ぶってないから、びっくりした」 「お尻は?痛くない?」 「全然…それより!そのヌメッとした物の正体だよ!何だと思う?」 「正体?…カサッとか、ツルッじゃないの?」 「違うな。あれは、ヌルッ以外の何物でもない」 うんと…と考える暁… 完全に力抜けてる 一生懸命考えてて可愛い 「分かんない…」 「正解は、バナナの皮だ」 「バナナの…皮…」 「そ!あの、かの有名な、バナナの皮だ」 「バナナの皮って、有名なの?」 「えっ?!バナナの皮で滑って転ぶって言ったら、漫画の定番だろ?!」 現実で起きた このあり得なさを共感して欲しかったのに 暁は、不思議そうな顔をしている 「そうなの?」 「そうなの?って…見た事ない?」 「悠兄の家来るまで…テレビあんまり見ないし…漫画読んだ事なかったから」 「……マジか」 え? じゃあ…じゃあ… 皆が1度は好きになるアイツも 金曜日の夜のアイツや、日曜日の朝のアイツや… 俺が感動したり、何度も読み返してる漫画も 暁は知らないのか! 「暁!漫画、興味ある?!」 「えっと…ない事はないと思うけど…あるって言える程読んでないから…」 「今度、俺のオススメ漫画持って来ていい?!」 「え?…うん…優琉の好きな本って事?」 「めちゃくちゃ好き!好き過ぎて、何回も読み返してる!」 「ふっ…じゃあ、読んでみたい」 「よし!明日、すぐ持って来る!」 そっか… そういう環境の奴も居るんだ 成長するにつれて、変わってった憧れのヒーロー達 それを…一切見てないんだ ああいうのって 誰かを助けるヒーローが居て それに憧れるって事で 知らないうちに、優しい気持ちとか育ててたりする 「暁…聞いていい?」 「うん」 「暁…幼稚園とか、保育園とか行ってたの?」 「ううん…小学校上がる前に、市の職員さんみたいな人が、何度も何度も来てくれて…あの人がどうにかしてくれなかったら、俺は小学校も行ってなかったと思うし、そういう世界があるのを、初めて知った」 「……そっか」 思ってた以上に 今とは、まるで違う環境 まるで…世界から切り離されてしまってたみたいだ 「暁…痛い事とか…嫌な事された?」 「っ!!」 「あっ…ごめん!やだね?思い出さなくていいよ?ごめんね?」 凄い… 全身が…ビクッてなった 暁の頭や、背中を撫でてると 「優琉…」 「ん…喋んなくていいよ。ごめん。忘れて?」 「………うん…沢山…された」 「~~っ…ごめんっ…せっかく別のとこで…別の生活してるのにっ…嫌な事思い出させたっ…ごめんっ…」 「~~~~っ…はぁっ………はぁっ……」 「暁?」 暁が… 胸元の服を、ぎゅっと掴んで なんか…苦しそうに… 「暁?大丈夫?」 「~~っ…優琉っ……はぁっ…優琉っ…~~~っ!」 「暁?!大丈夫?!苦しいの?救急車呼ぶ?!」 どうしよう… あ…暁のお兄さんに電話した方がいい? 頭ん中フル回転させてたら 「~~~~っ!…優琉っ……お願いっ!」 「うん…どうして欲しい?言って?」 「セックスして…お願いっ…~~~~っ…お願いっ…」 「………え?」 聞き間違い…じゃ…ないよね? セックスして? 「暁……えっと…」 頭…回んない 「お願いっ!優琉っ!」 必死で…泣きながら訴える暁… 「うん…でも……すぐに…出来るもんじゃないから…」 って…何、冷静に答えてんの? 「準備っ…するからっ!…~~~~っ…っ…優っ…はっ…優琉っ……はぁっ…」 「暁…とりあえず落ち着いて?凄く苦しそう。もっと、ゆっくり息して?」 何が起きてる? 思い当たるのは… 俺が…昔の嫌な事思い出させたから… なんか… フラッシュバックみたいな感じ? それで… なんで好きじゃないセックス しようって言うんだ? 「暁…キスしていい?」 「んっ…してっ…お願いっ…」 キスすると… 「~~っ…はっ…もっと……優琉っ…っ…」 泣きながら… 俺の首に手掛けてきて 俺のせいだ この暁にしたの…俺のせいだ きっと…暁は… こういうの見られたくなかったんだ なのに… 深く考えないで 俺の好奇心で 土足で暁の大切な部分に踏み込んだ 「はっ…優琉っ……セックス…してっ……お願いっ…お願いっ……」 「~~っ…いいよ?出来るとこまで、しよ?」 こんなんじゃなくて もっと… 初めては、もっと… でも… そう言わせたのは俺… 準備…暁……知ってるのかな? ヤッた事…あるんだろな… 「~~~~っ!………ごめんっ…しないっ…」 「え?」 「おかしな事っ…言ってるっ…~~~っ…ごめんっ…俺っ……おかしいからっ…」 「暁…おかしくない。何があったか知らないのに…気軽に踏み込んだのは俺だ。大丈夫。暁が落ち着く事しよ?」 「~~~~っ!…やっ…優琉はっ…違うからっ……そういうのっ…しちゃダメっ…優琉はっ…ちゃんとっ…好きな人だからっ…」 「暁っ…」 何がどうなってるか知らないけど 暁は今… 自分が苦しい中 俺を大切にする為に闘ってる 「暁…教えて?セックスすると、それ落ち着くの?」 「~~っ…痛くてっ…嫌な事っ……するとっ…嬉しいとかっ…安心するとかっ……おっきな手…撫でてくれてっ…~~っ…母さんじゃなくっ…俺っ…見てくれるっ…からっ…~~~~っ!」 それ… それって…つまり…… 「~~っ…それは…嫌な事じゃないの?」 「嫌な事するからっ…いい事あるっ……嫌な事ないとっ……ずっと…ずっと……1人っ!」 「暁っ…!」 ぎゅっと暁を抱き締める 「暁…好き……暁…大好き」 暁の耳元で囁く それじゃ…ダメだよ それでセックスしたら そういう為のセックスになっちゃうよ 「んっ…優琉っ…ごめっ…」 「暁…いい子……暁…優しいね」 「違っ…」 「暁…強くて優しい暁が好き」 「違っ…」 「綺麗な暁が好き」 「綺麗じゃなっ…」 「俺の事好きな暁が好き」 「~~っ…優琉は…好きっ…」 ずっと首振ってた暁が 俺に抱き付いてきた 「んっ…俺の事好きになってくれた暁が好き」 「優琉っ…好きっ…」 「俺に抱き付いてくれる暁が好き」 「好きっ…優琉っ…好きっ…」 「俺の名前呼んで、好きって言ってくれる暁が好き」 「優琉っ…優琉っ…好きっ…優琉っ…好きっ…」 「ん……暁……好き」 そう言って もう一度優しく抱き締めると 「優琉っ……」 「んっ…暁…」 「優琉…優琉…」 「ん…暁の声、可愛いよ」 「優琉……」 「暁…可愛いね…大好き」 「……き……俺も……優……」 そのまま… 暁は寝息を立て始めた

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