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嫌じゃない 嬉しい

「暁…」 「んっ……優琉っ…」 「今日は胡桃坂に抱き付かれなくて…良かった」 「はっ…んっ…」 「ねぇ、暁…暁の胸…触りたい…キスしたい…ダメ?」 「だめじゃない…ぁっ…!」 最初、なんか変な感じで ジンジンしてるだけだったのに 今は… 触れられるだけで… 気持ちいい 「…~~っ…すぐっ…」 「可愛い…暁の胸…可愛い」 「ぁっ……あんまりっ…~っ言わないでっ…」 「可愛い胸で感じてる暁…可愛い」 「~~~~っ…」 優琉の顔で 優琉の声で そんな事言われたら もっともっと気持ち良くなっちゃう 「~~っ…すぐっ…もっ……きもちいっ…からっ…」 「暁の気持ち良くなってるとこ…触っていい?」 「あっ…うんっ…」 「ありがと」 優琉が、下着の中から出して ゆっくり…優しく触りだす 「暁…大丈夫?怖くない?」 「んっ…こわっ……ないっ…」 気持ちいい 「ちょっと胸も触るね?」 「んっ!…あっ!…~~っ!」 一緒に触られると… 気持ちいいが一気に強くなる 「んっ…ぁっ……はっ…あっ!」 「暁…イキそう?」 「はっ…いっ…~~っ…うっ…あっ!」 「うん。イッていいよ?」 そう言って、手の動きを速めて 胸… 「…ぁあ~っ!」 胸… 舐め… そんな…ペロペロされると… 「ああっ!…~っ…すぐっ……ぁっ…~~っ…もっ…いっ……いっちゃ…」 「うん。イッて?暁」 「すっ…すぐ…るっ…」 「うん…暁…」 「~~ぁあっ!…いっ…イクっ……いっちゃ…~~~~っ!!」 気持ちいい 刺激は強いのに 堪えられないのに 優しい笑顔と 優しい声と 優琉のあったかい手に包まれて… 「暁、大丈夫?」 「うん…」 「今日も可愛いかった」 「んっ…」 優琉が、ちゅっとキスして それから、ゆっくり抱き締めてくれる 「優琉…」 「ん?」 「恋人って、どっちかが、どっちかを気持ち良くして終わり?」 「……えっ?」 「優琉が気持ち良くする方で、俺が気持ち良くしてもらう方?反対は出来ないの?」 いつも俺ばっかり 優琉はずっと気持ち良くなれないの? セックスまでは、こんな感じなの? 「そっ…そういう訳じゃないよ。ただ…俺が暁にしたいなって思ってしてるだけ。暁がしちゃダメな訳じゃないよ?」 「じゃあ…俺も優琉の事、気持ち良くしてもいいの?」 「いっ…いけど…ちょっと…恥ずかしいかな…」 「?…恥ずかしい?…じゃあ…しない方がいい?」 恥ずかしい… 優琉は恋人なのになんで? 「えっと…暁が…したいなら……いいけど…」 「優琉が恥ずかしいのは、どうして?」 「えっ?そりゃ…普段見せない自分とか…普段見せないとこ…見せるの……恥ずかしいだろ?」 「……ごめん…よく分からないんだ。そういう時…どうするのが正解なのか、教えて?」 「え?そういう時?そういう時は……暁は…俺に見せるの、恥ずかしくなかった?」 ないよ だって優琉だもん 何見られたって、恥ずかしいなんて思わない けど… そんなの考えられない状況だったけど 悠兄に見せるのも 別に恥ずかしいとか思わなかった 「俺…やっぱりおかしいよね?」 「えっ?おかしくないよ!」 「普通は…もっと恥ずかしがる?優琉…びっくりしてた?ごめんね?」 「ちっ…違う!そういうのが言いたいんじゃなくてっ…」 優琉…びっくりしてたけど 優しいから言わなかったんだ 「…正直…ちょっとはびっくりしたよ?暁…全然嫌がらずに、全部見せてくれるから…」 「うん…びっくりさせて、ごめん」 「けど、嬉しかったんだ。俺には、心許して…見せてくれるって事かなって…思って…」 「……優琉だから…全然恥ずかしいなんて思わないのは、ほんと。けど…多分俺…人前で裸になるって事に……優琉よりずっと慣れてるか…」 「いいんだ!」 まだ話してる途中で、優琉が抱き付いてくる 「優琉?」 「俺だからって思ってくれてるのが大事!それが大事だから!…辛い事…思い出さなくていいから…」 「……うん…優琉には…俺の汚ない部分…あまり知られたくないけど……知られるの怖いけど…それ以外なら、何見られたって平気だよ」 「俺も…恥ずかしいけど……それでも暁になら…見せてもいいって思うから…」 優琉が俺から体を離す 真っ赤な顔して… 「俺も…暁に…気持ち良くしてもらいたい…」 そう言ったから… 「優琉…」 キスのやり方なんて知らない 胸の触り方も 胸へのキスも だけど… 「はっ…暁っ…」 いつもの優しくて…格好いい優琉じゃなくて 「んっ…はぁっ…」 いっぱいで…可愛い優琉… もっと見たい 「優琉…こっちも見ていい?」 「~~っ…いっ…いよ…」 恥ずかしそうに答える優琉が 可愛いくて可愛いくて 優琉のものを触り始めると… 「~~はっ……はぁっ……~~っ…んっ…はっ…」 どうしよう どんどん優琉が可愛いくなってく もっと気持ち良くなって欲しい 咥えたりしたら、おかしいのかな 「優琉…」 「んっ…何?」 「普通は、咥えたりしない?おかしい?」 「えっ?……おっ…おかしくっ…ないけどっ…シャワー浴びてないしっ……何より…暁…そういうの…嫌じゃないの?」 嫌だった 苦しくて苦しくて 気持ち悪くて 苦くて けど… したいって思う 優琉にして 気持ち良くなってもらいたい 「したいって思うんだ…優琉にしたいって思う…してみても…いい?」 「…いっ…いいっ…けどっ……初めてなんだし…シャワー浴びて来るよ」 「構わないよ」 「でっ…でもっ……臭かったりしたらっ…俺っ…恥ずかし過ぎて死ねるっ…」 必死で恥ずかしがってる優琉 ほんとは…初めてってこんな事考えるんだ 「臭くなんてないよ…優琉…してもいい?」 「~~っ…暁がっ…嫌じゃないならっ…」 「うん…嫌じゃない」 不思議だ… こんな穏やかな気持ちで… 舐めりたいなんて 思った事なかったのに 「~~っ…んっ…」 「優琉…気持ち悪くない?嫌なら言ってね?」 「~~っ…気持ちっ…良過ぎてっ…ヤバい」 「ふっ…良かった」 気持ち良くしたい もっと優琉の、気持ち良さそうな声聞きたい いつも必死だった 気持ち良くしなきゃ 早く気持ち良くさせなきゃ 気持ち悪くても 苦しくても 必死だった 気持ち良さそうな声は 安心と共に 何処かで不快だった 「あっ!…~~っ…やっ…ばいっ……~~っ…」 優琉のものを咥えると 気持ち良さそう 優琉の気持ち良さそうな声は 嬉しい 「はっ!……んあっ!…やっ…やばっ…~~っ…」 「優琉…イキそうだったら、イっていいよ?」 「あっ…暁っ…」 「うん?」 「無理っ…してない?…ほんとは…嫌じゃない?」 「……ううん…嫌じゃない。嬉しいよ…優琉」 こんな… そんな事考えられない状況で 必死な中、俺の事考えてくれる 優琉が好き 好きな人を気持ち良くするの 気持ちいい もっともっと気持ち良くなって 優琉が俺で気持ち良くなってくれるの 嬉しいよ 「~~~~っ…あっ!…うっ…~~っ…はっ…ぁあっ!…きもちいっ…暁っ…イキそっ…」 「うん…イって?」 「ぁあっ!…イっちゃう……イクイク…ねっ……イっちゃう…から…ぁあっ!イっ…~~~~っ!!」 初めて… 出してもらって嬉しいって感じた これ全部… 優琉が俺で気持ち良くなって出してくれた物… 味は同じはずなのに 全然飲み込むのが 嫌じゃない 「……はっ……あっ…暁!!」 「え?」 優琉が、物凄い勢いで起き上がって… なんか、真っ青な顔している 「ごめん!暁…」 「どうしたの?優琉…顔色…悪い」 「暁…ごめん!我慢出来なかった…口ん中…出しちゃった…飲み込んじゃったのか?ごめん!」 「……なんで…謝ってるの?」 「なんでって…あんなもん急に口ん中出されたら、気持ち悪いだろが…」 「ああ…そっか…そうだよね…」 そう 今まで気持ち悪かったもん それは、分かるよ けど…そんな風に謝ってもらった事なんかなかった そんな… びっくりして謝る事なの? 「暁?…大丈夫?」 「優琉が…優し過ぎて、びっくりしてる」 「暁……っと…ごめん、ティッシュ貰える?」 「うん」 ソソクサと拭いて すっかり仕舞ってしまった優琉が 「暁…ぎゅってしていい?」 「うん」 いつもみたいに、優しく抱き締めてくれる 「暁…嫌な事や辛い事に慣れてしまわないで」 「え?」 「恋人同士でも、嫌な事は嫌って言っていいんだ」 優琉にされて嫌な事ないのに 「今のところ…嫌な事ないよ?」 「うん…でもね…例えば俺にしてる事で、昔の辛い事を思い出してしまった時…いつもは大丈夫でも、なんかしたくないな…って思ったり、ほんとはあまりしたくない事なんだけど…しなきゃなんないんだよな?とか…普通するんだよな?って気持ちのまま…しないで欲しい」 ほんとはあまりしたくないけど 沢山してきたから そういうの…気付くの得意じゃないかも… 「…分かった…気付いたら言うね?」 「うん…さっきは……大丈夫だった?あれは、しなきゃならない事じゃないよ?」 「……口でイカせたら…飲み込まないの?」 「そんなの決まってないよ…ってか…普通は口…離す」 「口…離す…」 口でしてんのに 口…離すの? 「だって、苦しいだろ?変な味するだろ?あんなとこから出た物…生理的に汚ないって思うだろ?そんなの…飲み込みたくないだろ?」 「そっか…うん…嫌だった……いつも…飲み込むの…凄く嫌だった…」 「暁っ…それなのに…ごめんね?」 「でも…今日は違った…嬉しかったんだ」 「…え?」 「嬉しくて…全部欲しいって思って…全然飲み込むの嫌じゃなかった」 同じ行為 同じ物 なのに全然違う 「好きだから?好きな人だから違うの?」 「~っ…暁っ…そうだね……俺は…俺には分かんないけど…きっと、そうだと思うよ…」 「凄いんだね…好きな人とすると…何でも違うね」 「っ…そうだねっ…暁っ…好きだよ…」 「うん…俺も優琉が大好き」 優琉に今の俺の気持ちが分からない様に 俺にも優琉がなんで泣いてるのか分からない だけどきっと 俺の事思って 好きだから泣いてくれてる そんな自惚れた事考えてしまえるくらい 俺は優琉に沢山のものを貰ってるんだ

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