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第25話 連れ帰られて*

梶のマンションに連れて帰ってこられた。 「くそっ」 そう言って梶はいきなり立ち上がるとシャワー浴びてくると言った。 「頭を整理するから」 「はい……どうぞ……」 帰っていきなりシャワーに行かれたら悠里はどうすればいいのだろう。 梶も何から、どうやって話せばいいのか混乱しているようだった。 そう考えながら悠里が部屋を見回すと、台所もリビングもぐちゃぐちゃに散らかっていた。 悠里がいなかったひと月、部屋の片付けをしなかったのかもしれない。 迷った挙句、部屋のゴミをまとめて掃除を始めた。 キッチンやリビングは散らかったままだったが、悠里が使っていた部屋は出て行った時と同じそのままの状態できれいに保たれていた。 クリーニングに出す衣類を袋に入れ、ベッドのシーツを変えようかと掛け布団をめくると、梶の匂いがふわっとシーツから漂った。 悠里は思わず顔をシーツにうずめその香りを胸いっぱいに吸い込んだ。 フェロモンたっぷりの色あでやかな梶の匂いは、懐かしく、悠里にとっては最高に落ち着く香りだった。 梶がシャワーを終えて、浴室から出てきたのに悠里は気付かなかった。 梶のベッドの上で悠里が顔を埋めシーツの匂いを嗅いでる姿を見られてしまった。 その瞬間、梶のたくましい腕に引き寄せられ、悠里はキスされていた。 口内に舌を這わす梶の唾液が口の中に入り込み悠里の舌が跳ねる。 梶は激しく吸い付いた唇は音を立てて悠里の舌を執拗に味わった。 逃げようとする悠里を力で押さえつけ、ベットに両腕を縫い留めた。 「いや、嫌だ離して…」 まるで梶を求めるかのようにシーツの匂いを嗅いでいた姿を見られ、恥ずかしすぎて悠里は目を開けられない。 「今……何してたの?」 意地悪い声が耳元でささやく。 「……っ……ちっ……違っ……っ」 耳たぶを軽く噛まれる。 「違わないだろ、言えよ……何してたの」 すぐ目の前で梶の黒い瞳が揺れる。 首筋を舐められ、そのまま梶の舌がまた悠理の唇をこじ開けようとする。 「いや、嫌だ離せ…」 石鹸の香りに混じって梶の濃厚な匂いが鼻腔をくすぐる。 「う……っうぐっ…」 唾液が混ざり合う水音が重なる 「あ…………いや、嫌だ…」 梶は首すじにちゅうちゅうと印を付ける。片手で悠里の体をまさぐった。 「いや、嫌だ離せ…」 涙が出てくる。恥ずかしい。 ちゃんと話もしていないのに、悠里は今、梶に抱かれそうになっている。 梶は湿った熱い胸を悠里に押し付ける。 なんでこうなるんだろう悠里の頭の中がふわふわしてくる。 そんなつもりはなかった。 先ず順序だてて二人でいろいろ話し合わなければならないと思っていた。 梶の手が下りていき悠里の下着の中のものを確かめる。 「嫌だ、合意じゃない。こんなの無理やり……だ……」 「訴えたかったら訴えろ、受けて立つ」 梶は言い切った。 男らしい堂々とした態度に悠里は流されてしまいそうだ。 α特有の洗礼された空気をまとった魅惑的な匂いが一気に充満する。 悠里は目を開けて梶の淫らに整いすぎた牡の顔を見上げる。 「ダメなのに……梶さんがほしくて……たまらない……」 目に涙を浮かべながら悠里が放ったその言葉はゴーサインだった。 発情期はこないように薬を呑んでいるのに、悠里からもΩ特有の抗えない匂いがたつ。 梶の親指が悠里の目尻を優しく撫でる。 そのまま下げられた手は悠里の服を押し上げ素肌を直接撫でてくる。 指が乳首に触れるとビクンと胸が動く。 「ぁ…あぁ……んん」 悠里の声とは思えない音が鼻から抜ける。 「…なぁ…………乳首……好き?…」 額に汗を浮かべて、頬を真っ赤にしている悠里の表情が、梶の肉欲を昂ぶらせて、性欲を喚起させる。 梶は両腕を悠里の服の下から背中に回しおもいきり抱き締めた。 「どんだけ悠里に触りたかったかわかる?…」 そう言いながら両手で服を脱がしにかかる。 「可愛いくて、心地よくて、愛しい……」 明るいLEDの光の中で悠里のシミひとつない奇麗な肌を眺めながら梶は満足げに笑った。 小さくピンク色した蕾を見ると舌先で転がしたくてたまらなくなる。 右手で絞り出すように胸の頂をつまんで吸い付いた。左手で反対側の頂点を摘み、指に力を入れてこねる。 「あっ……ん」 指に挟まれた蕾から、鼓動が伝わってくる。もっとしてというように、悠里は胸をより突き出した。 「あぁ……たまらない……エロ過ぎる……」 梶は優しく乳首を引っ張り、指の腹で撫でてちゅうっと吸い付いた。 「う……っう…っあ」 悠里は梶の頭を抱きかかえるように腕を回して抱きついてきた。 梶はそのまま悠里の体に舌を這わせ胸から腹へそしてもっと下の方へと唇を進めていった。 掌で脇腹から腰に沿ってマッサージするように圧を加え上下させる。 「あっ……や、だ……ぁ」 両手はシーツを掴んでいる。 悠里は眉根をきゅっと寄せ背中を弓なりに反らせた。 次の瞬間、梶は悠里の固くなったモノをパクリと口に咥えた。 「…ヒッッ!……ひゃあぁあああ!………やややあ…………いやぁ……」 背中を反らせて必死に身体をよじり、梶を全力で押しのけた。 「…なっ……何考えてるんですか…ぼっ…ぼく…」 全力で首を振り、いやいやしながら梶の肩を押した。 「…シャワーも浴びてないのに………」 悠里は涙ながらに梶の体の下から抜け出した。 あまりにもその姿が可愛くて、可愛くて。梶は悠里を抱き寄せてキスをした。 「悠里の匂いが好きなのに、シャワーなんて関係ないに決まってんだろ」 悠里を膝の上に抱え上げ向かい合わせになり言い聞かせる。 「梶さんはシャワー浴びたからいいけど……ぼ、僕はまだだし……汚いし……そんなとこ舐め、…っないで…」 左手で悠里の肩甲骨を押さえながら、右手で悠里の可愛いモノを優しく扱く。 赤くなり俯く悠里の顔を覗き込むように梶は自分の舌を突き出した。キスしてという意味かと戸惑いながらも悠里はその舌を唇で咥えた。 キスを続けながら梶はベッドにまた悠里を寝かせると 「よく考えろ…本当に嫌か?口でされるの、なぁ…悠里…」  ねだるかのように訊いてくる梶に、もう嫌とは言えない。 今も悠里の下半身は火がついてしまったように熱くなっていて、もどかしくて堪らない。 悠里は涙ぐみながら答えるしかなかった。 「いい……です……梶さんの好きなようにしてください……」 梶はニヤリと笑って頷いた。 「途中で中断されると、俺にもタイミング?流れみたいなものがあるから困る。これから、嫌だとかダメだとか、あとヤメテ、とかは禁止」 潤んだ瞳がハッと見開いた。梶は怒ってしまったのかと思った。 今行為を止めるなんて絶対嫌だと腕を伸ばして梶に抱きつこうとする。 その腕を阻止するかのように掴んで、悠里の目を見て梶は言った。 「これからは、気持ちいいとか、凄いとか、もっとしてとか、そういう言葉しか言っちゃダメだ。エロい言葉だったらなんでもいいから」 なんだか誘導されている気がすると悠里は思ったが、わかったというように強く首を縦に振った。 「梶さんは慣れてるから、いい……かもしれないけど、……僕は…初めてだから、そ…のお手柔らかに……お願いします……」 『誰が男のち〇ぽしゃぶるのに慣れてるんだ?』と梶は吹き出しそうになったが、ただ、そんなことを言ってしまう悠里が可愛いだけなので頬に口づけて続きを始めた。 悠里のモノを咥えながら片方の手で陰茎を扱き、口の中で積極的に舌を動かしその先端の割れ目も責めた。 「いやぁ……い、いい……イク……」 あっという間に悠里は口の中に出してしまった。 恥ずかしさに必死で耐えているように、赤面した顔を両手で隠し。 「もぅ…や…だ…………」 といった。 「気持ちいい、だろ、気・持・ち・い・い」 梶は悠里の白濁を飲み込み、これからが本番だからといった。

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