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第36話 試験の前に

口述式試験の前日、悠里は緊張してそわそわしていた。 今まであまりにも順調に事が進み過ぎている。そう思うと不安で仕方がない。 「悠里、シャツを上げて」 その様子を見て取ったのか、梶さんは考え込んでいる悠里を傍に呼んで足の間に立たせてシャツをめくらせた。 ちゅうと音を立てて右の乳首に吸い付くと反対の手で左側の乳首を親指を使て優しく撫でた。チロチロと舌を使い悠里の胸に熱い息を吹きかける。 「あっ……ん……」 悠里は声を出してしまった。いつもより敏感に反応してしまう。 梶さんは両手で背中やわき腹を撫でながら、悠里の乳首を舐めまわした。 悠里はもっともっととでもいうように、梶さんの頭を掴んで自分の胸に押し当ててしまう。 いつの間にか頭の中は梶さんの気持ちの良い行為で一杯になってしまって、悠里の下半身は完全に勃ちあがっている。 「う……っう…っあ…たの……」 唾液の音がなまめかしく淫猥に響く。 「あっ……や、だ……ぁ」 触られてもいないのに、腰が前後してモジモジ動いてしまっている。 「う……っう…っあ、んんっ……」 息が荒くなり次の瞬間悠里の下着にじわりと生温かいものが染みてきた。 「……っ」 恥ずかしさのあまり腰を折って前を隠すような姿勢になった悠里。 「乳首だけでイッタの?」 と、梶さんは意地悪く囁いた。 「汚れたな、舐めて奇麗にしてあげようか?」 続けざまに発せられた言葉に赤面した悠里は急いでバスルームまで走って逃げた。 その夜は「かわいい、かわいい」とひたすら連呼されながら悠里は梶さんに抱かれたのだった。 梶さんが悠里の緊張を解くために昨夜抱いてくれたのか、はたまた自分の抑えきれない性欲のせいなのかははっきりしないが、翌日、特に問題なく落ち着いて試験に臨めたと悠里は思った。 合否がわかるのは5月だ。

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