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第42話 ヨーロッパ旅行編*ドイツ

翌月、悠里は梶さんと共にヨーロッパへ旅行に来ていた。 今回試験に合格したら旅行へ行くことを決めていたので、梶さんは長期の休みを申請していた。 ただ、悠里は田中井の件もあるので、日本を離れたくなかった。しかし以前から決まっていたことで、飯田弁護士も田中井との話し合いは今すぐどうこう大きく動くわけでもない、先は長いからと旅行へ行くようにすすめてくれた。 7日間かけ梶さんと二人でハネムーンのような時間を過ごしたのだ。 勿論悠里は海外へ行ったことがなかった。 異国の文化に触れ、様々な国の人達と触れ合ったことは、悠里にとってとても刺激的な経験だった。 初めての経験に緊張し、悠里は借りてきた猫のような様子だった。けれど外国語は流暢に操れる悠里だったので言葉の苦労はなかった。梶さんは悠里が英語以外も話せることに驚いていた。悠里の凄さをその旅の間、実感するのだった。 最後にイギリスへ立ち寄った時に、隣人の山本さんがイギリスでもメジャーな音楽グループの曲の編曲者であることを知った。 イギリスでは作曲家と編曲者を同じ扱いにすることが多く、アレンジャーとして印税収入があるらしい。 久々に会った彼と、梶さんと3人で楽しい夜を過ごした。 梶さんはあらゆる発見に目を輝かせる悠里の姿をみて、愛おしさが込み上げてきたようだった。 そして何があっても、この先一生悠里を手放さないと誓っていた。 **************************** ドイツではライトアップされたノイシュバンシュタイン城を部屋から眺められる贅沢を味わった。 バスルームも広かったので梶さんと悠里、二人で入浴した。 シャワーの使い方がよくわからなかったので、梶さんに教えてもらう。大きなシャワーヘッドから急に水が出てきてびっくりして飛び上がってしまった。 二人とも裸で抱き合いながら、シャワーの下で挿入された。 抱き合うたび、ほのかに香るお互いのフェロモンが濃厚に漂い性欲を増進させているようだ。 開放感が悠里を大胆にさせ、ぷりっとしたお尻を突き出しながら悠里は可愛く上下に振った。 梶さんがお尻を撫でながらバックで突いて悠里を喘がせた。 「やばいな……悠里1回だけだぞ、今晩じっくり、もっと……」 ぐいぐい自分のモノを押し入れながら乳首を摘まみ上げる。 「……ぁきもちいい……」 悠里は梶の律動に合わせ自分もお尻を打ちつけた。 夜は近くのレストランへ行き、ソーセージとじゃがいも、キャベツの煮たものとホワイトアスパラをビールと一緒に食べた。 どれも素材の味そのままな感じを、少し酸味のあるソースで食べるような物だった。 手の込んだ料理をドイツ人は食べないのかなと思った。 生の豚肉が出てきたときには少し驚いたが、結構おいしかったので、こういう食べ方もありなのか、今度やってみようと思った。 レストランでお酒を頼むとき悠里は年齢確認された。 帰りの道で梶さんが、ティーンエージャーに間違われるから、年齢確認できる物を持ち歩かなきゃだめだなと笑いながら言って、悠里のおでこにキスをした。 ホテルに帰ってから、プライベートスパを使用した。 フィンランド式サウナ、ウォーターラウンジャー、城の景色を望むサンラウンジャー贅沢尽くしだった。 初めてのスパに興奮して長く入っていたので、悠里はのぼせてフラフラになってしまった。 「初めからそんな調子じゃ先が思いやられるな」 梶は悠里をベッドに寝かしつけ、今夜はゆっくりお休みと言ってくれた。 静かで居心地よく、大きなベッドは寛げて、悠里は朝までぐっすり眠ってしまった。 梶は悠里の首筋に鼻先を当てて、明確に感じるΩフェロモンの匂いに包まれながら、悠里をしっかり抱きしめ眠りについた。 朝目が覚めると「昨夜エッチしまくる」って言っていたのに自分が眠ってしまって、梶さんとエッチな事を何もしなかったのを思い出して悔しくなった。 ホテルで自転車をレンタルできるようだったので、午前中サイクリングして街並みを楽しんだ。 お土産物屋さんや地元のスーパーにも立ち寄れてとても良かった。 買い物がしたくてしょうがない悠里に荷物が増えるから消耗品以外は購入禁止というルールが設けられた。 ドイツでは、まだまだ見たい物や行きたい場所がたくさんあった。 ぜんぜん時間が足りなかったのに次の目的地フランスへと向かうことになった。 同性で世間知らず、初めての経験に小学生のようにはしゃいでしまって、こんな自分が恥ずかしいと思った。 経験を積んでいるからなのか、何事にも動じないで落ち着いている。スマートな大人の梶さんがとてもかっこよく悠里の目には映った。 今日からはちゃんと大人の振る舞いをしようと心に誓う悠里だった。

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