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第14話 魔法学園

 2ー1 魔法使いの都  僕は、テシガアラと一緒に王都の南端の森にある魔法学園に来ていた。  ラクウェル兄とテシガアラが戦った日から3日後のことだ。  本当ならすぐにでも魔法学園に来たかったんだが、そうすることもできなかった。  僕もテシガアラもしばらく身動きがとれなかったから。  僕は、ラクウェル兄の苛烈な責めのせいで3日ぐらい、テシガアラは、急に魔力を使ったことによる魔力酔いで2日ほど動ける状態でなかった。  僕たちは、スラムの近くから貸し馬車を借りて魔法学園へと向かった。  ラクウェル兄は、あれ以来ローザの娼館には来ていないし、王城からの兵が攻めてくることもなかった。  でも、ラクウェル兄のことだ。  テシガアラをこのまま放置するわけがない。  だから、僕は、その前にテシガアラを魔法学園に預けることにした。  「ここが、魔法学園、だよ」  馬車の行く手に高い壁がそびえ立つのが見える。  魔法学園。  それは、このシュテルツ王国の王が唯一手出しすることができないもの。  魔法学園は、この世界のいかなる権力からも守られている場所だ。  「すごいな。まるで要塞みたいだ」  門の前で貸し馬車を降りた僕たちは、魔法学園の中へと入った。  この魔法学園の門は、この学園に危害を加えようとする者を通さない。  そして、広大な魔法学園の敷地は女神の神聖魔法によって守られている。  魔法学園の中に入ったテシガアラは、驚いたような表情を浮かべた。  「ここ、学校なんだよね?」  「そうだよ」  うん。  初めてこの魔法学園に来た人は、みな、驚くんだよ。  ここは、まさに要塞都市だった。  魔法学園の中には、一つの街がまるごと収まっている。  それは、この都市が何者に攻め込まれても戦えるように作られているからだ。  僕は、魔法学園内にある学園都市の中へとテシガアラを招き入れると彼を振り向き微笑んだ。  「魔法学園にようこそ」  「ああ」  テシガアラは、古めかしい町並みを物珍しげに見回していた。  「本当に、ここが学園なんだな」  「そうだ」  僕は、頷く。  「ここがこれから君が学ぶことになる学園だよ、テシガアラ」  

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