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第55話 初恋(3)

 5ー3 夜明け  それから、ハジメは、夜が明けるまで僕を抱き続けた。  僕は、快楽に浸って漂いながら、無我夢中でハジメにすがりついていた。  もう、数えきれないぐらいいかされて。  僕は、なんども精を吐いた。  でも、淫紋は、輝き続けていて。  僕は、ハジメが与えてくれるものを享受し続けた。  とにかく気持ちよくって。  僕の頭も体もとろとろに蕩けてしまった。  しまいには、僕は、大量の水を吹き上げてしまって。  「やっ!」  僕は、恥ずかしさに涙が流れるのを止められなかった。  お漏らししてしまった?  僕は、全身が熱くなる。  「ご、ごめん・・ぼ、僕・・」  「大丈夫、だよ?レリアス」  ハジメは、僕を膝の上に乗せて後ろから貫きながらささやいた。  「感じてくれて、嬉しいよ」  ハジメが僕のことを背後から抱き締める。  ハジメは、僕を深く突きながら僕の首もとへと顔を埋めた。  「愛してる、レリアス」    朝の光がさして。  僕は、目覚めた。  「う・・ん・・」  ここは、どこだったかな?  僕は、まだ目覚めきってない頭で考えた。  誰かが背後から僕を抱き締めている。  誰?  ラクウェル、兄?  僕は、体が冷えてくるのを感じた。  「レリアス・・?」  誰かが僕をぎゅっと抱く手に力を込める。  「起きたのか?」  「・・ハジ、メ・・?」  不意に昨夜のことを思い出して僕の体温が上がる。  僕は。  昨日の夜、ハジメに抱かれたんだ。  ハジメは、優しくって。  僕のことをとろとろに蕩けさせてくれた。  僕は。  昨夜のことを思い出して、僕は、思わず泣いていた。  「レリアス?」  ハジメが心配そうにきいたので、僕は、微笑んだ。  「違うんだ、ハジメ」  僕は、僕を抱いているハジメの腕を抱き寄せた。  僕は。  あんなに優しく抱かれたことがなかったんだ。  ハジメは、僕の体の隅々まで愛してくれた。  ラクウェル兄に刻まれたこの淫紋までも愛おしそうに愛撫してくれた。  僕の髪も、目も。  肌も。  何もかもを愛してくれた。  僕は、初めて誰かに抱かれて喜びを感じてむせび哭いた。  「ハジメが、優しすぎて」  僕は、肩を震わせた。  「愛おしすぎて、怖くて」  もう、僕は、ハジメなしでは生きていけない。  彼を失えば、僕は、死んでしまう。  

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