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第84話 邪神の国(6)

 7ー6 あざとい  僕は、いけない切なさでおかしくなりそうだった。  ハジメは、僕を一晩中、責め苛んだ。  「これからは、もう、俺以外の誰かとしようとしない?」  ハジメにきかれて僕は、必死に頷いた。  ハジメは、僕を後ろから貫きながら僕にささやく。  「ほんとに、約束できるのか?レリアス」  「あぁっ!・・も、ハジメ、以外とは、絶対、しない、からっ!」  僕は、涙と鼻水、唾液でぐちゃぐちゃになった顔をシーツに埋めて啜り泣いた。  「お願い・・だから・・」  「約束だぞ?レリアス」  ハジメは、僕がこくこくと頷くのを見ると、僕の前に手をやり一際深く僕の奥へと突き入れた。  「いっても、いいぞ、レリアス」  「あぁあっ!」  ハジメが僕の前を解放すると同時に僕は、白濁を放った。  解放感に目がくらみ、僕は、哭きながらいき続けた。  止まらない快感に僕が意識を手放す直前に、ハジメが僕の奥へと熱い迸りを放った。  僕は、背後からハジメに抱かれたまま意識を飛ばした。    翌朝、僕は、ハジメの腕の中で目覚めた。  眠っているハジメは、まだ幼さが残っているような気がして僕は、胸が痛んだ。  僕が召喚しなければハジメは、どんな人生を送っていたんだろうか。  きっと、異世界の王者として君臨し、美しい女を娶って子に囲まれて暮らしたに違いない。  僕に召喚されたばかりにハジメは、その人生をすべて失ってしまった。  僕は、そっとハジメの頬に指先で触れた。  「んっ・・」  ハジメが目を開く。   僕は、ハジメに口づけした。  ハジメの無念を慰めるために僕は、なんでもしなくてはならない。  ちゅ、ちゅっ、とついばむようなキスをしてから僕は、ハジメに微笑んだ。  「おはよう、ハジメ」  ハジメは、無言で僕を見つめていたが、突然、僕をぎゅっと抱き締めた。  「ほんとに、あざといな、お前は」  はい?  僕は、ぎゅうぎゅうと抱き締められてハジメの温もりに包まれて目を閉じた。  たとえ、ハジメが他の誰かを選んでも。  僕は、一生、ハジメに従おう。  ハジメがレディ カルプニアを選んだとしても。

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