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第11話

 オークに(すが)るほど、ユリは抗えない強い性衝動に駆られているのだろう。  もしもこのまま一人にしたら、ここを抜け出し自分を犯す者を探し求めてしまうかもしれない。 「……わ、わかった」  ライモは結界を閉じ、ユリに向き合った。 「わかったから、あともう少し我慢してくれ……」  苦しさを堪えつつライモがそう言うと、ユリは不安げに見上げてきた。 「水浴びしてくるから。俺、臭うだろ?」  ライモの言葉にユリは驚き目を見張るとブンブンと首を振り、潤んだ瞳と涙声で言った。 「ち、違うんだっ。……全然臭くないよ。お前からは凄くいい匂いがしてて……」  ユリの長い耳が赤く染まっている。 「それで、か、身体が熱くなって……驚いてしまって、嘘をついた……。す、すまない……」  α(アルファ)を誘うΩ(オメガ)のフェロモンが、より甘く香ってきた。  もう互いに理性を保っている方が異常だった。  ライモはガバッとユリを抱き上げ、物凄い速さで小屋に入った。

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