5年前………… 今行くから待っててね大輝？ 俺は首に紐を巻き付けて椅子を倒した ドタン！　　　ギューーー！ ウィーン！ウィーン！ウィーン！ 電話の音が聞こえてたけど苦しさと意識が徐々に薄れてきて直ぐに聞こえなくなった 大輝……もうすぐ会えるからね？ 感覚もなくなり、そして意識も失った 「ううん…………」 次に目が覚めたら ベッドに寝かされていて点滴や身体に機械が付いていた ここはあの世？ でも何となく身体の感覚があるし、見渡すと真っ白くて窓１つない部屋だった 立ち上がろうとしたけどだるくて動けなかった するとドアらしき物が開いて白衣の男性と数人のスーツを着た男達が近づいてきて 「どうやら無事に目が覚めたようですな？ それでドクター容態は？」 医者らしき人物は診察を始めて身体中をチェックし始めた 「はい、ご希望通り彼も蘇生治療は成功です。ですが1年経ってますので時間の長さと蘇生治療の影響で身体のダメージはありますが最新の栄養補給剤を投与していたのと意識を戻した今、数日には回復するでしょう」 「問題ない、彼の条件は満たせたからな」 「あっ……あ……の」 声も出しづらかったけど何とか振り絞った そうしたらスーツの一番偉そうな？と言うより一番歳上っぽい人が声をかけてきた 「やぁ井上陽加君、気分はどうかね？」 強面で不気味な笑顔で 「だ……れ？」 「言えるのは少なくとも我々は国の人間だ。君の事は当然全て知ってるいる、暴走して国を崩壊させかけた君の愚かな父親や恋人共の事もな」 共？大輝とあんなクソ親父を一緒にするな！ それに聞こえてた限り、蘇生したって…… なら俺は生きてる？しかも１年経ってる？ 頭が追い付かないし、今更何で？ そうだよもう大輝はいないのに…… 考えたら涙が出てきた…… 「なんで……こんな事を？死なせて」 彼らは面倒臭そうに見てた 丸で仕方なく生かしたみたいな顔で見てる 「ハァ……はっきり言っとくが我々は君などどうでもいい、ただある重要人物の強い要望で君を生き返らせただけだ」 ある人物って誰？まさか大輝！ ならもしかして生きてる？ 「もしかして大輝も生きてるの？」 もしそうなら大輝に会える？ 「詳しくは国の極秘事項で話せないがこれだけは言っとく、少なくともその人物は君が死ねば悲しむ相手らしいな」 俺が死んで悲しむ相手…… 「ならその人に……会わせて！」 すると彼らの一人が俺の名義の口座の通帳とキャッシュカードや身分証を渡してきた。 金額を見たらすごい額だった 「残念だがそれは出来ない、が代わりに当時桐原大翔が所持していた分の資産だ、これは君が回復したら自由に使えるようにした」 聞きたい事は多いけどその前に別のメガネかけた人が話し始めた 「疑問だらけだろうが答えれるだけの事だけ話そう。 まず君が自殺して日に我々は君を回収してすぐに蘇生治療させてもらった、だが君が目を覚ますまでに1年経った。君は18歳になる」 あれから１年も経ってたの？ 大輝なのかそれとも別人かわからないけどこの人達を信用出来ない…… 俺は水をもらって喉が潤ってきたら話しやすくなった 「貴方達の目的は何？」 「フフッ君を生き返らせる事だ、がその任務は完了した今これ以上知る必要はない。 ドクターの許可が出たらここから出そう。 そしたら好きに行きなさい。 但し自殺と今回の事を外部に口外はしない事だな、朝倉光希と言う少年は親友だろ？ 彼やその恋人を想うなら従う事だ」 光希！人質って事？ それだけ言って彼らは去ろうとした 「待って！ せめて教えてよ、大輝は生きてるの？」 年長者の男が振り返って笑みを浮かべて言った 「ハハハッ……さぁーどうかな？」 そう言って全員出ていった あの言い方……大輝も蘇生させられた？ コイツらが何者か知らないけど怪しさしか感じないし光希を盾に脅迫してきた時点で味方とは言えない…… けど国を動かすってまさか大輝がかつて所属していた例の組織……J？ でも生きてるなら会いたい！ 数日後、驚く程早く完全に回復して出られる事になった 新しい服や散髪もしてくれてある程度整えられた。 それから目隠しをされて、車に乗せられて1時間くらい走ってからと途中で降ろされた。 「ここは君もよく知る東京の中央町だ。 18になった君なら好きに出来るだろう。 それと君のスマホも返しておこう。 君は井上陽加のまま死亡にはなってない。 以上で我々の関わりも終わりだ。 後は自由にしろ」 とだけ言われて車は去ってしまった このスマホは大輝がくれた物だったけど、連絡先が全て消えてる…… これからどうしよう 光希達に会いに行く？ いやっ……今更どの面下げて…… 散々迷惑かけた上今も脅迫ネタにされてる…… ごめんね光希……俺は一人で生きてくよ でも大輝の事は探したい この日から俺はまた孤独な生活に逆戻りしたけど、でも大輝が生きてる可能性が少しでもあるなら探しながら生きようと決め、この街で新たな生活を始める事にした こうして俺は再び町に戻り、それからあっという間に5年も経ってしまった ちなみに大輝には未だに会えてない……