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極道恋浪漫 201 | 一園木蓮の小説 - BL小説・漫画投稿サイトfujossy[フジョッシー]
目次
極道恋浪漫
201
作者:
一園木蓮
ビューワー設定
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201
焔
(
イェン
)
邸――。 ひとまず邸へと戻った一行は、亡くなった男娼についてトラブルを抱えていなかったかどうかなどを含め、その交友関係や人柄についても
紫月
(
ズィユエ
)
と
菫
(
ジン
)
からの報告を聞くことと相成った。 「
翠萌
(
ツィーメン
)
は男娼になってまだ日が浅い方だが、性質は素直でやさしい心根の男だった。遊郭街での立場的に言えばまだお役はついていなかったんだが、いずれは水仙楼を背負って立つだろうと期待されていてな」
紫月
(
ズィユエ
)
によれば、先輩男娼に対しても非常に礼儀正しく、同僚や後輩にも親切だったそうだ。 「水仙楼の主人はもちろんのこと、俺も大きな期待を寄せていた男娼だったんだ。主人の使いで、よくこの椿楼にも顔を出していた」 「ええ、私もよく覚えております。
紫月兄
(
ズィユエ あに
)
さんも、彼がまだ教育期間中で北宿舎に居た頃からお目を掛けていらしたのですよね」
菫
(
ジン
)
の目から見ても、若いのに大層人格の出来た男だったそうだ。北宿舎にいたということは、将来的にも期待されていたのだろう。そんな彼が男娼として披露目をしてからそろそろ半年になろうかという時期だが、新人にもかかわらず客からの人気は上々だったという。 「けど、
奴
(
やっこ
)
さんはいわばデビューして間もない。過去二件は御職男娼が狙われたわけだが、今回はそれとは関連性のない別物ということだろうか」 「そうだな――。此度、我々が一番危惧していたのは瑞雲楼の御職・
昊凌
(
ハオリン
)
が狙われるかも知れないということだった。警護もそちらに重点を置いていたわけだが、実際に被害に遭ったのは御職とは程遠い新人男娼だ。似通っているのは幽霊騒動という点だが、目眩しの為に敢えて過去二件になぞらえたとも考えられる」 「つまり――模倣犯というわけか」 「確かに一理ある。幽霊騒動を起こすことで、捜査の目が過去の二件と同一犯だと思わせるようにするのが狙いかも知れんな」 だが、警備は厳重だった。遊郭街の誰もが、皇帝・
焔
(
イェン
)
をも巻き込んで大々的に幽霊騒動の調査を行なっているのは周知のことだ。 「そんな中で我々の目を盗んで殺害が行われたわけだ。しかも鋭利に削った簪で頚動脈を一突きという手口からすると、下手人はやはり素人ではなかろう。仮に素人だとするなら、よほど残忍な性格と言える」 「確かに――。殺害自体はプロを雇ったということも考えられるよな。自分では手を汚さずに幽霊騒動を起こすだけなら、警備の目を掻い潜ってなんとか出来たのかも……」
焔
(
イェン
)
と
紫月
(
ズィユエ
)
が推理を巡らせる傍らで、その幽霊騒動についてだが――と、
遼二
(
りょうじ
)
は言った。
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一園木蓮
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