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第20話

身体を冷やすために、朔也は部屋に入ってからすぐバスルームへ直行した。 だが全く収まる様子を見せない朔也の下半身。 冷たいシャワーを浴びたくらいじゃどうにもならなかった。 急いで風呂から上がると、堂本の体に抱きついた。 「だから……ちょっと待てよ」 堂本は焦る朔也を押さえつける。 朔也の敏感になっている部分がもう限界のようだ。 なんとか落ち着かせようと言葉をかけるが、堂本は朔也の勢いに押され気味だ。 「朔也、ちゃんと準備しなくちゃだめだ。久しぶりだろう?駄目だ急かすな」 堂本の大きな手が朔也の白い尻の間を揉み解し、ローションを垂らした長い指の先が窄まりの中にぷすりと差し込まれる。 「……あっ……」 声が漏れる。もっと欲しいと言っているかのようにひくひくと動く。やばいたまらない。 ローションの水音とともに二本目の指が朔也の窄みに飲み込まれ、続いて三本目も押し込む。 「……もう。イヤだ………っつ…だめ――」 「いやじゃないだろ」 堂本は久しぶりの欲望を振り切るように左右に頭を振る。トロトロに溶けた中は指に吸い付き、中にある小さな膨らみに指が触れると朔也は呻き声を漏らし、ビクンビクンと体が震えた。 一度達すると朔也は落ち着いた。 「少し……楽になりました」 堂本は朔也だけをイカせた。 ぐったりとベッドに横になったままの朔也にシーツを掛けると、水を持ってくると言って立ち上がった。 「おれの気持ちが分かった?あの薬の効果、凄いだろ」 ふふんと笑って堂本は朔也にペットボトルを手渡した。 あの時の感覚は覚えている。今までに経験したことない快楽だった。薬のせいでもあったと思うが、初めて、男とのその行為に興奮した。 朔也は水をごくごく飲むとそのまましがみ付くように堂本さんの首に腕を回した。 それは確かに、朔也が俺に誘いをかけている仕草だった。 相手が自分を欲しいと思はないと同意ではない。一方通行の自己満足で事を進めるわけにはいかない。堂本は考える。 薬の責任にして逃げてしまうのを回避しなければならない。朔也が自分の意志で決定することが重要だ。 「抱くよ」 堂本は朔也の顔を見て髪を優しく撫でた。 朔也はうんと頷いて、自分から堂本にキスをする。 朔也は自ら俺に抱かれることに同意した。 堂本は左腕で朔也の腰を引き寄せ右手で胸の先端をいじる。 そしてゆっくりと朔也の体の奥深くを貫いた。 もう駄目だというように、朔也はぷるぷると頭を左右に振っているが、その姿もたまらなく可愛い。 堂本は容赦なく中を突き上げる。奥へ、奥へと捻り込み擦りつける。 「いい眺めだ……たまらない」 白く丸出しにされた尻が互いの荒い呼吸に合わせて上下する。 さっき出したばかりだというのに、また朔也のそれは強度をもってきて、堂本の手での愛撫をねだっている。 もう自身の意志では腰の動きを止めることができない。 壊れてしまうんじゃないかというくらい、激しく熱く何度も出し入れし、その度に朔也からは、甘い声が漏れだす。 彼の腰が、ビクン! と大きく浮いた。 堂本は一気にスピードを上げる。 強く握りしめた拳の間で何度も頷く小さな後頭部。 「う……っ、なか……に…だし…て……」 絞り出したその声は、吃驚するほど掠れていた。 二人の息が重なり、何度目かの到達を終えた。 堂本は朔也の唇に熱いキスをすると、倒れこむようにベッドに横になった。 窓の外は、もう空が白みかけていた。

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