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第22話【第三章】

あの日から一週間が経った。 木村は何事もなかったかのように翌週から仕事に来ているらしい。 堂本は訴えるか?と朔也に聞いたが『警察や医者に行く気はない』と朔也はいった。 ただ、朔也と木村は今日も一緒に働いているわけで、俺としては心配で仕方がない。 『俺も男ですから、今度木村弁護士に何かされそうになったら、殴ってボコボコにしてやります』 朔也は平気だという顔でファイティングポーズをとってみせた。 騙されて媚薬を飲まされたとはいえ、それは違法な薬物ではないし、それによって、朔也がなにかされた訳では無い。とはいえ彼の行為は許しがたい。 朔也には気づかれないように裏で手をまわした。近々彼は職場から出ていくだろう。 ーーーーーーー 明日はお互い仕事が休みなので、朔也は帰りに堂本のマンションへ来ることになっている。 俺としたことが、かなり緊張している。 やっと見つけ出せたんだ、今度こそは絶対に朔也を放さない。必死になっている自分の姿は滑稽だろう。大の男が恥ずかしいったらないな。 ビールを一口飲んで気持ちを落ち着かせた。 酒は買ってきた。食事はデリバリーサービスで頼むことにし、後はイチャイチャ…… 「おまっ……天然かよ」 堂本は呟いた。 朔也は何を考えているのか分からない。 一世一代の告白だったんだぞと思ったが、朔也は分かっていなかった。 「だから、あれはその媚薬のせいで、そういう状態になったわけで……その、そういうつもりはなかったというか」 「は?……はい?」 真っ赤な顔して照れながら何を言ってるんだこいつは。 俺の事を好きではないの?いや、好きだろう?え?違うの? 「あのさ、俺は朔也の何なの?」 「なに、って……堂本さんは学生の頃から付き合いのある人です。体の関係もあって、俺の大先輩で、その、初めての……」ゴニョゴニョ 「まぁ間違ってはいないけど。朔也は俺の事嫌いなの?」 何がネックになっているのか理解ができない。 男同士の恋愛だからって事だろうか? でもそういう事も乗り越えて、一緒にいたいと俺は思うんだが。 「堂本さんはよ、余裕なんですかっ!」 「は?」 「堂本さんが、僕の事を好きだって言ってるのに、なんで堂本さんの方が僕より余裕なんですか」 言ってる意味が分からない。 「余裕?」 アホか!アホなのかこいつは。 いつだって、今だって余裕なんかじゃねーよ。 ちょっと目を離したすきに消息不明になりやがって。あげく3年もかけて、やっと見つけたと思ったら、変な、あの木村とかいう弁護士に襲われかけてるし。ウロチョロとまったく目が離せない。 手錠でもかけてベッドに繋いでおきたいくらい毎日心配で仕方がない。 「もういい。わかった……余裕だからな、俺」 どうでもよくなった。 けど、真っ赤になりながら文句言ってる朔也が可愛いから、俺はもうベッドの上に朔也を押し倒した。 「あ……ちょ……まって」 「いや、余裕だから無理」 最中ずっと、気持ちよさそうに腰を浮かして、俺が後ろから何度も突く度に声を出してよがっている。 汗ばむ背中がのけぞる様に俺は興奮する。 「これでも、なに?その気にならないの」 朔也の一番弱い部分を集中して刺激する。 「そ、その気ってなんですか……や……あ……」 朔也の肩甲骨を撫で、両手で腰を掴んだ。 ローションで柔らかくなった中がくちゅりと音を立て、俺はまた朔也を激しく突きまくった。

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