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11.イヤ?※(3)
颯斗は涙をこぼしながらしゃくり上げた。泣きすぎて、もはや意識すらも朦朧とし始めている。
「ご、ごめっ……ごめんなさい」
「いうこと聞けなかったからお仕置きだな、これ」
攻め立てるような言葉を発するのに、相変わらず善の口元は笑っている。こうなるようにわざと仕向けたかのようだった。
「こっち向いて、Crawl 」
善が言った。
颯斗は善から目を逸らせないまま、おずおずと前屈みにシーツの上に手を置いた。
目の前に善が座っている。反り返った善の性器が颯斗の眼前に寄せられた。
「Lick 、わかるな?」
善の手が颯斗の額を滑り、指に髪を絡めながら頭を撫でた。それだけで颯斗の背筋に快感が走る。
善の言葉に颯斗はこくりと頷いた。
舌先を恐る恐る先端に置く、そのまま亀頭を唇ではんだ。
やったことも見たこともない。だから、颯斗は様子を伺うようにその視線を持ち上げた。
善は颯斗を見下ろし、口元に笑みを浮かべたまま頭に置かれたのとは反対の手で、性液とローションでドロドロの颯斗の顎を撫でた。
ゆっくりと腰を突き上げられ、善の陰茎が颯斗の口内に埋まっていく。舌で必死に裏筋を辿り、ゆっくりと首を前後させると、それで良いとでも言いたげに善の手が颯斗の頭を撫でている。
その感覚が信じられないほどに心地よく、またどうしてだか性的に感じられ、颯斗の下腹部にまたじくじくと熱が灯り始めていた。
善の手が四つん這いの颯斗の背中からTシャツを捲し上げる。腰骨から肩甲骨のあたりまで顕になった皮膚を悪戯に指先で撫でられ、颯斗はピクリと体を揺らした。
「歯立てるなよ?」
そう言われ、咥えながら颯斗はコクコクと頷いた。
含ませた唾液が口の端からこぼれ、糸をひいてシーツの上に落ちていく。
背中を滑る善の手が腰を辿り、双丘の割れ目にたどり着いた。さらにそこから先の後孔に辿り着くと、場所を確かめるかのように手についた粘液で音を鳴らして入口を撫でた。
「んっ……ふぅっ!」
善の指がゆっくりと内部の皮膚を掻き分けた。
颯斗は思わず息を漏らし、含んでいた性器から口を離した。善はその颯斗が体を動かさないように、捲し上げたTシャツの裾をもう一方の手で握りしめている。
「あっ、せ、せんぱいっ、なにを! や、やめてください!」
颯斗は身動きが取れないまま、縋るように善の衣服を掴んだ。
聞こえているはずなのに、善は手を止めることをせず、ゆっくりと奥まで指を入れ込んでいく。
「あっ、イヤ、イヤだ! せんぱいっ!」
「おい、やめて良いていってねぇぞ? Lick 」
「んっ……ぅっ……」
颯斗は再び善の性器を口に含み、必死に舌で辿って吸い上げた。
入れ込まれた善の指が、ゆっくりと動き出入りしている。その度に小さく水分をはらんだ音が鳴り、弄られたことのない内部を探られる颯斗の不安をより一層煽っている。
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