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20.トイプードル※(2)
善の手が膝立ちになった颯斗の腿裏を辿り、バスローブの中に入り込んで直接尻や腰を撫で回す。颯斗はバスローブの紐を解きながら、そのくすぐったさに僅かに身じろぎをした。
バスローブがはだけ、下着を一枚の颯斗の体が善の前で顕になった。
背中の窪みを指で撫でられ、思わず体を逸らせると、今度は胸の突起に吸い付かれ、舌先で突かれ軽く歯を立てられる。颯斗は声を抑えて善の肩を掴んだ。
「あ、あのっ、せん……大崎さん」
「んー?」
「せ、セーフワード……は?」
「ああ」
善が颯斗の胸元から顔を上げる。
「颯斗の好きな犬なに」
「へ?」
「わんわん」
ふざけた口ぶりで、善が口角を持ち上げた。
見上げるその表情が、なんとも愛おしくて颯斗は思わず息が止まりそうになる。
「あ、え、と、トイプードル?」
「ふーん、あの唐揚げみたいなやつな」
「から……あげ?」
颯斗がそう問い返すと、善に突起を甘噛みされた。
「じゃあ、それな」
「えっ、セーフワード……トイプードル、ですか?」
「うん」
太腿の皮膚を弄られ、颯斗はさらに体をこわばらせながら、口を結んで震える息を押さえ込んだ。
「なあ」
「はいっ」
「これも、脱いで」
そう言いながら、善は颯斗の下着の腰のあたりを軽く摘んだ。
「あ、あの」
「早く、Strip 」
「はいっ」
コマンドにピクリと体が反応する。
颯斗はおずおずと腰周りに指をかけ、善の目の前で下着を引き下ろしていく。
既に立ち上がった性器の先端からは先走りが溢れ、下着の布地に擦れてねっとりと糸を引いていた。
善はそれを見て笑っている。
興奮してしまった姿を見られたと言う羞恥心から、颯斗は顔を赤らめ手を止めた。
「全部脱げって、ほら、足上げて」
善が下着を掴み少し乱暴に引き下ろす。
足から引き抜かれた下着はベッドの下に放り投げられ、颯斗は殆どはだけたバスローブを羽織るだけの姿になった。
「んっ……」
ローションを塗りつけた善の指先が背後に周り、颯斗の後孔の入り口に触れる。
思わず漏れそうになった声を、颯斗は必死に飲み込んだ。
「えらいじゃん、自分で慣らしたの? 入り口んとこ柔らかい」
「あっ……はいっ……」
ぐちぐちと音を鳴らしながら浅いところを弄られる。自分で触った時は不快感しかなかったと言うのに、善が触れていると言うだけで、堪えようのない興奮が颯斗の内に込み上げてきた。
「あー、でも」
「ひっ……んっ……ぅぅっ……」
内壁を掻いて確かめるかのように、善の指先がその奥へと入り込んでいく。
「奥の方は狭いけど……最近してないとか?」
善の問いに、颯斗は慌てて首を振った。
「し、してますっ、ヤリまくりです」
「あっそ」
「ひっ……あ、ん、ご、ごめんなさい」
掻き回すように、善の指が中を開いた。
先ほど色気がないと言われたばかりのその声を、どうにか抑えようと颯斗は両手で口を塞いだ。
「そのまま立って腰もっとこっち、そんで俺の肩捕まって」
颯斗の中をぐちゅぐちゅと弄んだまま、善が颯斗の体を引き寄せていく。
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