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21.トイプードル2※(1)

 まだ先端に残る絶頂の燻りが、内部を弄られるせいで抜けきらないままだ。体の震えもおさまらない。  颯斗の内部は収縮して、善の指を締め付けている。 「なあ、泣いてんの?」 「うっ……な、ないてませっ」  顔を覆った颯斗の手首を善が掴んだ。 「見せろって、泣いてるとこ。ほら、手どけて」  しゃくり上げながら、颯斗はその手を顔から退けた。  恍惚とした善が颯斗の顔を見下ろしている。  颯斗は思い出した。  あの頃も数回見たことがある、まるで別人みたいな善の表情。 「んあっ」  唐突に指を引き抜かれ、善が枕もとに手を伸ばした。  善が掴んで颯斗の眼前に見せたのは、Sub用のカラーとリードだ。跡が残らないように柔らかい素材でできている。  存在自体は知っていたものの初めて間近に見るその器具に、颯斗は戸惑いながら善の表情を伺った。  善は颯斗の態度などお構いなしで、あっという間に颯斗の首に取り付けた。 「あ、あのっ」 「いいよな、これ」 「えっ」 「逃げられない感じ、ヤバい」 「は、はぁ……うわっ」  善がリードを手繰り寄せた。 「Present(脚開いて)」 「あっ……」  恥部を晒せと言う意味だ。コマンドに従いたいと言う欲求と、恥ずかしさが颯斗の中で混ざり合った。 「早く」  善が言葉で追い立てる。  おずおずと颯斗が善の前で両脚を広げると、腰を引き寄せ抱えられた。   そしてまた善がリードを引き、颯斗は首だけ起こされて自らの下腹部に目を向けた。  ローションで湿った善の指先が、ひくひくと震える颯斗の尻タブを撫で、再び内部に沈んでいく。 「あっ……ん、んっ……」 「やっぱ狭いな」  また確かめる様に中を掻き回し、善がぽつりと呟いた。そしてまた、ベッドサイドに手を伸ばした。 「えっ、そ、それなんですか……?」  恐る恐る、颯斗は尋ねた。  善が手にしているのは小さなパーツで、そこから紐が伸びていてスイッチの様なものが付いていた。  善は颯斗の質問を鼻で笑うと、無遠慮にそれを後孔に押し当てた。 「あ、な、なにをっ……ま、まって……」  颯斗は身じろいだが、リードを引かれ、膝裏を抑える様に抱え上げられた。  ローションでどろどろになった入り口にぐちゅりと淫猥な音を鳴らしながら、異物が入り込んでくる。  得体の知れない恐怖に、颯斗の体は強張った。 「なんですかそれっ! な、なに入れっ……ひぃぁっ!」  カチッという乾いた音が鳴った直後に、内部の異物が小刻みに震え出した。  感じたことのないその感覚に、全身が波打つ様に跳ね上がる。 「いいとこ当ててやるから」  善の指先が、異物を押し込んでいく。  それが内部のしこりに到達すると、堪えようのないむず痒さが一気に背中を駆け巡った。 「あっ、ダメッ……それ、イヤ……だ!」 「こーら、暴れんなっつの、Stop(動くな)」 「あ、んっん……!」  コマンドで動かせない体をこわばらせ、颯斗はシーツを握りしめた。  堪える動作が余計に内部を締め付けて、快感を深めていく。 「あっ、ぁぁー!」  奥底から込み上げた熱が全身を駆け巡った。目の前にハレーションが広がり、嬌声を上げながら颯斗は背中をのけぞらせる。ビクビクと内部が痙攣するせいで、異物が余計に生々しい。  達した感覚があるというのに、颯斗の先端は射精のないまま擡げている。 「あっ、これ、な、なんですかっ……やだっ、もうイヤ……止めて、止めてくださいっ!」 「おまえ、中でイッたことないの?」  焦り身悶えする颯斗を見下ろして、善は笑っている。

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