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33.おまえ、お仕置きな※(2)
頭の上で腕を抑えつけられたまま、善の指先が颯斗の後孔から溢れた蜜を救い、わざとらしく睾丸を撫でた。
「めっちゃ溜まってるじゃん、出したい?颯斗」
耳元で善が囁く。
「出したいっ、も、くるしっ……!」
颯斗は懇願した。
まだ緩やかな快感は続き、体が勝手に何度も跳ねる。
善の指が今にも弾けそうな颯斗の陰茎を握り先端を抑えた。
「まだだめ、出したら楽になっちゃうだろ?」
「ぅっ、んっ……が、我慢できない……」
嘲るように善の指が陰茎を滑る。
圧は与えずほとんど触れるだけの行為だが、颯斗は善の指先の温度に呼吸を荒くした。
「いうこと聞かないと、もっとエグいもん突っ込むから」
「んっ……え、えぐっ……?」
ベッドの傍に置いてあった紙袋を、善が乱暴に颯斗の横でひっくり返した。
「ひいっ、こ、これ……なんですかっ……」
見覚えのある造形とそうでないものがあるが、それがいわゆるアダルトグッズであることは颯斗にもわかった。
今内部に入れられているものだけでも気が遠くなりそうなのに、それとは比にならないほどにサイズも形も強烈だ。
「颯斗に使おうと思って買った、どれがいい?」
「んっ、ど、どれも、い、イヤです……」
声が震えた。
「なんだよ、選ばないと全部突っ込むぞ」
「ひぃっ、イヤ、イヤだっ……」
善が再び四つん這いの颯斗の上に覆い被さり、無理矢理顎を持ち上げ肩から顔を覗き込んだ。
「泣いてんの、怖い?」
「こ、こわいぃっ……」
颯斗が答えると、善が頬に伝った涙を舐めた。その手が颯斗の陰茎を強く握り、徐に上下し始める。
「あっ……んっぁぁ!」
すでにギリギリのところで堪えていた颯斗は嬌声を上げ、あっけなくシーツに精を解き放った。
「あーあ、我慢できなかったな」
「うっ、ごめっ、ごめんなさいっ……」
「お仕置きしてんのに勝手にイくとか」
「うっ、すみませ、ん……」
泣きながらぐったりとシーツに伏せた颯斗から一度体を離した善はネクタイを緩め、下半身の衣服の前だけをくつろげた。
その気配に、期待と不安がないまぜになった感情が颯斗の背中をゾクリと撫でる。
「あぐっ⁈」
不意に口元に布を押し当てられ、颯斗は咄嗟に口をい開いた。その隙間に、善が容赦なく押し込んでくるのはハンカチか何かのようだった。
「出すなよ、咥えてろ」
「んっ、ぅぅっ」
力なく伏せていた腰を持ち上げられ、善が先端を颯斗の双丘に押し当てた。
「んんんっ‼︎」
颯斗は身よじった。
中には未だに内部を小刻みに刺激するローターを入れ込まれたままだ。
焦った様子の颯斗の動きは「|Stop《動くな》」のコマンドであっけなく封じられる。しかし、意思に関係なく刺激で跳ねる体と内部の収縮は止まらない。
その状態のまま、先端を後孔に押し当てられて、颯斗の喉は呼吸ができないほどにきつく締まった。
「んっ、んー!」
「きっつ、おい、ちょっと緩めろ」
「ぅっぅぅ……」
善はそう言いながら、容赦なく中をこじ開けた。あまりの感覚に、颯斗の瞳からボロボロと涙がこぼれ落ちていった。
熱く滾った善の性器が埋め込まれていく。内壁を擦られる感覚に背筋が震えた。その先端が内部で燻っていたローターを奥へと押し込んでいく。
「んっんんん!」
恐怖と快感が同時に押し寄せ、堪えきれず颯斗はコマンドに背いて逃れるように体を揺らした。善がその颯斗のワイシャツの襟を後ろから掴み、シーツの上に抑え込む。
「こーら、動くなっていってんだろ」
「んっ、んん……」
「やっばいなこれ」
「ぅぅ……」
「どこまで、入んのかな」
「んんんん!」
「もっと奥いける?」
最奥まで埋め込まれて、颯斗は布を噛んだ口の中で悲鳴をあげた。
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