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番外編 内緒のバイトとやきもちと14 side卯乃
卯乃は腕をのばし、シャワーを止めると、すかさずシャンプー脇においてあったローションの入ったボトルを勢いよく掴む。早急な仕草で蓋をこじ開け、左手にぶちゅっと中身を纏わせた。ストロベリーの人工的な香りに淫靡な記憶が呼び起こされる。
そのまま片足を曲げると足の裏で湯船の縁を踏んで大胆に開脚をする。
(恥ずかしっ、深森呆れてる?)
見てとか言ったくせに、咄嗟に目線を下に落とす。深森がどんな顔をしてるのか、怖くて恥ずかしくて見られない。浴槽から上がる蒸気のせいだけではなく、身体中が羞恥と興奮に火照る。
だが自分をさらけ出してまで卯乃を強く求める深森に報いるにはこれしかないと思った。
「オレだって、へんになってる……」
モヤモヤとした嫉妬を抱えていたから、求めてくる深森を突き放した。自分の感情に飲まれて、大切な人を後回しにした。
(みっともないことしてる、おかしくなってる)
深森が息を飲むのを感じる。痛いほどの視線に頬を真っ赤に染めながら、卯乃は赤い舌で唇を舐め回し、唇を噛んだ。深森に秘所を見せつけつつ、自らの細い指をすぼまりに含ませる。
「んっ……」
興奮でびくっと震えた身体、湯船に落ちないように深森が反射的に腕を掴んでくれる。
顔が近づいたから大好きなマスカットグリーンの瞳と視線がバチっと絡み合う。再び熱を帯びた深森の目付きに卯乃は唇を震わせ、熱っぽく訴えかけた。
「ここ……、バイトに行く前、準備した。今日は我慢させたくなかったから」
「……」
ちっちゃいオレだけど、愛はデカいよって、信じさせてあげたい。
恋人に愛されるために自らに施した支度はどこかもの寂しく、餓えばかりが募った。
長くしっかりと硬い深森の指でなければ上手く身体は蕩けない。時間をかけて緩めていったら、すぐに欲しくてたまらなくなった。
深森のことばかり考えていたら、バイト先に深森来てくれた。なのにガラス越しに眺めるしかできなくて辛かった。
踊り場でキスして、身体は火照って、でも冷たくされて悲しくて。
今日一日の記憶が卯乃の興奮を煽っていく。
悩ましげな表情で目を瞑り柔らかく受け入れるように懸命に探り、艶めかしい水音を立てて指を出し入れし、恋人を誘惑しようと必死だった。
「もっ、柔らかいよ」
「卯乃! お前っ! ふざけんなよ」
切羽詰まった声で名を呼んだあと、「あー、マジで気ぃ狂いそう」と深森は言い捨て、太腿を爪が食い込むほど激しく掴み挙げてきた。
「お前、俺の事、どうしたいの?」
狂わせたい訳じゃない、狂いたいわけじゃない。
やりたいことはただ一つ。
「……愛したい、よ」
卯乃はバランスが崩れかけて引き抜いた指で風呂のへりと壁を掴む。すると跪いた深森が卯乃の脚の間に顔を寄せてきた。
「あっ……」
すかさ卯乃自身が熱い口内包まれる。キャンディを舐めるほどの熱心さで舌を裏筋にはわされる。
「ああっ。オレのは、いい、から。みもりが、きもちく、なってっ、ああっ」
上手く言葉が紡げない程の愉悦に襲われる。深森が容赦なく攻め立て吸引する力の強さと熱い粘膜ヌルヌルとした刺激とですぐに腰がわなないた。
目の前がチカチカとする。背中から湯船にダイブしてしまいそうだ。
ぐらつく身体をとどめるように深森に手首を捕まれ引き戻される。
「イク、はなして!」
深森の口の中に放ちたくなくて、膝でぐっと肩を押したが、深森はそのまま指で探るように手を探るとぎゅっと恋人繋ぎで指を絡めてきた。
まるで仲直りを求めているような仕草にキュンとするが、直後に喉奥まで深く導かれ、一気に唇で刺激の強さでそのまま呆気なく達してしまった。
深森は卯乃の放った残滓を手の甲で拭いながら立ち上がる。まだびくっと震える真っ白な身体を反転させ、背中と胸を合わせるように抱き込まれた。
(深森の、当たってる)
はあ、はあ、と掠れた荒い息が背中にかかる。何度も口付けを背中に落とされ、肩口をかじられる。
大きな掌が今度は放ったばかりでくだりとしていたぐちゃぐちゃな卯乃の欲望をゆるゆるとしごく。 その度感じてしまう卯乃は小さく喘いで身を震わせ、快楽に身を委ねかけたが、だが待てども深森の一番大きな欲を与えられない。
「みもり、ほしい」
のしかかってくる大きな身体を背中で受け止め、卯乃は腰を高くあげると、悩ましく自らの双丘を深森の脚に擦り付けた。卯乃の水に濡れ、ほんのり桃色に染まったそれは普段以上に艶美だ。深森は撫でたり強めに揉み上げたりしながらも内側から爆発しそうなほどの欲望を華奢な恋人にぶつけて良いものかと逡巡しているようだ。
「煽んな、優しくできなくなるっ」
(そんな我慢なんか……)
「捨てちゃえっ!」
「ああ、タチわりぃ、このウサギ」
ぬるぬるの雫を垂らす尻についに硬いものがあてがわれる。暴かれる気配に卯乃は大きく息を吐く。グイッっと足が浮く程、両手で腰を持ち上げられ、深森の長大なそれが一気にズブズブと押し入ってきた。
「はうっ」
卯乃は湯船に手をついて最初の衝撃を堪えたが、いい所に当たりながらの激しい抜き差しが始まる。
普段はきっと、だいぶ手加減をされていたのだと感じるほどガンガン飛ばしてくる深森を意地でも満足させようと卯乃は指が白くなるほど湯船の縁を掴んで耐える。
「あー、止まんねぇ、卯乃、美味すぎ」
脚がガクガクとし、何度も身体が崩れ落ちそうになる。体勢を立て直す度にわざと意地悪されるように弱い所をつかれて、卯乃はその度悲鳴を上げ続けた。
「ひっ、だめぇ、おかしくなるっ」
「お前もなれよっ、俺でおかしくなれっ!」
逃れようと動く卯乃の身体を深森はすかさず、羽交い締めにして、首筋にがぶりと噛み付く。
「あんっ」
小さな悲鳴をあげた卯乃に締め付けられ、深森も一瞬動きを止めて、自らが傷つけた卯乃の首筋をぺろぺろと舐めあげる。
「最高だ」
低くも愉悦に高揚した恋人の声に卯乃は目を細めてにんまりと唇を釣り上げた。
「オレも」
深森が遠慮なく腰を振るたび、しとどに濡れた尻尾がうねる。胸に回った手で小さな乳首をつね、コネられしつこく首筋を舐め回されながらパチュンパチンとぶつけるように腰を振られた。
「あっ、またイクっ」
卯乃は垂れた耳を振り乱しこそばゆさ以上の疼く快感に涙を零しながら再び達すると、深森も卯乃に痛いほど食い絞められ弾ける直後に剛直を引き抜くと赤くなった卯乃の尻を汚すように放った欲望を擦り付けた。
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