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「…それで、せっかく久しぶりに学校行ったのに授業受けずに帰ってきちゃったんだあ。まあ、僕は湊くんがシフト入ってくれて万々歳だけどね!」
ウシシ、と変わった笑い方をしながらそう言ってくれたのはバイト先の店長であるアサヒさんだ。年齢は不詳。
「顔も良すぎると笑顔にも恐怖を覚えるようになるんですねー…」
はあ。ため息をつきながら段ボールから引き出しに梱包されたニードルを移し替え、並べていく。
「そんなにかっこよかったの?」
「はい、それはもうこの世のものとは思えないくらい…」
「へえ!そんなにかっこよかったら僕だったら惚れちゃうかもねえ」
「アサヒさん、男もいけるんでしたっけ?」
「ふふん、僕は博愛主義だよ!男も女も、なんなら蝶や蝿だって好きになったら愛せちゃう」
「虫…」
「でもそれだとセックスできないことだけが難点なんだよなあ…」
顎に手を添えながらうんうんと唸るアサヒに少し引く。人外も対象なんだ…。ちょっと引いた。
「…ま、湊くんはそんなことないか。ずーっと好きな人いるもんねー」
「まあ、はい…」
アサヒの言葉に苦笑いで頷く。今日はそのことばかり言われる日みたいだ。
「…ところで湊くん、ノストリル開けたんだ!似合ってんね〜!」
曖昧な返事をする湊をみてアサヒは話題を変えたが、それもまた深くそれに関わった話題で困る。
「固かったっしょ」
自分の鼻ピアスを弄りながらアサヒさんが言う。
「ほんっとに固かったです、結構力いって困りました」
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