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「でもこの時間だとそんながっつりお昼ご飯って訳にもいかないなあ。何食べたい?」
「…おにぎり」
「だと思った、ついでに夜の分も炊いちゃおうか」
「うん」
ひょいっと持ち上げられてダイニングチェアに降ろされる。
ペニンシュラキッチンなので、キッチンに寄せたダイニングテーブルの位置から中の人は丸見えだ。
テーブルに上半身を伏せながら、顔をキッチンの方に向ける。
丁度後ろを向いて米櫃から米を出す蓮をぼう、と見つめと、米を洗うためにこちらを向いた蓮が一瞬目を見開いたあと、ふわりと笑う。
「どうしたの」
「んーん、なんでもない」
なんて言いながらもじっと蓮を見る。
蓮がいる。
ただそれだけの事が何よりも幸せだと思う。
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