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「もう、しませんよ」
「チッ…起きる前にチンコぶち込んどけばよかった」
迅は不満げな顔をしてふぅ、と大きく煙草を吸う。明け透けな言い方に白目を剥くが、そもそも途中で怜が落ちたのが悪いのだろう。
今日は嶺二の記事潰しではなく、毎週日曜日の夜20時から日の丸テレビで放送されている大人気バラエティー番組『世界の隅までイッテみよう!』のアイドル枠に空きができたとのことで、ぜひそこに嶺二を、と打診という名の枕営業をしにきていた。
通称セカ隅のプロデューサーはこの業界の古株で、黒い噂も何度か耳にしたことがあるがどれも迅がいれば問題ない内容だった。
自分はただ、嶺二のテレビ露出も広げて認知度を上げ、彼を誰もが知りその魅力を理解した世界を創りたい。そのためなら自分の身体なんて悪魔にでも差し出せる。
「そや、目中さんもうNGな」
「えっ…」
「あの人荒すぎ。やし、俺とはちょっと《《相性》》悪いねんなあ…今回は遼の頼みやから特別やけど」
荒いというのは抱き方だろう。確かに、強く掴まれた腰は指の跡が赤黒く残っているし無理な体制を強いられて足がガクガクとしている。
いや、よく考えたら後半は迅のせいだと思うけど…。
それよりも相性とは、つまり属する組の話か。目中の黒い噂の内の一つはヤクザと繋がりがあるというものだ。
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