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第14話※

「んぁっ、、まっ、」 ガサゴソと服の中を彷徨う手が背中や脇腹を上に向かって撫であげる、その間もおでこから喉、鎖骨にかけて満遍なくキスの雨を降らせる 「細、、脇腹浮き出てる」 そう言って一本づつ親指で確かめるように擦るものだから一々背中がピクピクと反り返る 「ちゃんと食ってる〜?」 「いつ、も一緒に食、ってんだろっ」 桜の上に乗り上げるようにして向き合ってる俺からすると桜の視線は所謂上目遣いというやつで普段見上げられる事が無いばっかりにその妖艶な笑みに目を逸らす 「敏感で可愛いねぇまほろ」 頭の後ろに回された手が力強く引き寄せて唇が重なる 「んん、、」 鼻を抜ける甘い声がテレビから流れるバラエティーの音と混ざり合う 翻弄される口内に気を取られているといつの間にか胸まで上がってきてた手がぷくりと立ち上がった乳首を掠めた 「あっ」 ビクッと腰がしなって下腹部を桜に押し付ける ふと出た声に口が離れて咄嗟に手の平で覆った 「声でちゃったの?恥ずかしい?」 ニヤニヤと意地悪げに聞いてくる桜は本当に性格が悪いと思う ボッと赤くなった顔を背けると手の甲にチュッと1回柔いものが当たった 「ね、可愛い顔見せて」 楽しげに笑うこの無邪気な顔が俺の2番目に苦手なものだ 「ほ〜ら、こっち向かないともっと悪戯しちゃうけどいいの?」 渋々手を下げたというのに注文の多い男だ 「ひぁっ」 触れるか触れないかの位置でスリスリと乳頭を撫でられる 「まぁ恥ずかしがってるまほろも可愛いから俺的にはいいんだけどさぁ」 断続的に続く責め苦に声が上がるのを我慢出来ず唇を噛む 「こぉら、噛まないの」 桜の手が俺の顎を掴むと無理やり正面を向かせ俺の唇を舐めると甘やかすようなキスをする 「ふぁっ、、はぁ、はぁ」 「ほら、俺の肩噛んでていいから」 そう言って桜の肩口に引き寄せられ酸欠で朦朧とした頭は大人しく顔を埋める 「フフッ、、それじゃあ噛むっていうか銜えるじゃね?」 何がおかしいのか今の俺には分からないが身体が小刻みに揺れて笑われていることは分かったので背中に回した手で軽く背中を叩いとく 「ん"んぅっ、、、」 大人しく顔を埋めてたのもつかの間で耳にチュッとリップ音が鳴り、濡れた舌が這いずる感覚と卑猥な水音が鼓膜を犯す 「やめっ、、」 「なんで?」 悪魔的な低く掠れた囁きが吐息ととも耳に入り込む、濡れた耳は微小な吐息さえ冷風に変え思わず耳を覆うとする 「だーめ」 耳を隠そうとした手は桜に捕まり指が絡まって 強制的に続行された愛撫は耳の縁から項にかけて舌が厭らしく伝う 「やっ、、だぁ」 「やだって可愛い、ほんとに嫌なの?」 ずっと優しく触れるか触れないかの距離で撫でられていた乳首が親指で押し潰される 「ね〜え、まほろ?腰揺れてるよえっち」 秘密事を密告するような俺にだけ聞こえる意地悪な声 「う"ぅ〜、、桜の馬鹿ぁ」 恥ずかしさの度を超えた俺は唸り声を上げて桜の肩口に額をグリグリと押し付けた 「あぁ、ごめんごめん可愛いからつい」 お詫びとばかりに頭に降ったキスに免じて許す事を決めると胸を弄り回していた手が下に伸びてズボンのウエストから入り込む 「うわぁ、グチャグチャそんなに気持ちよかった?」 言った傍からこの発言に俺も投げやりになって反撃してやる事にした 「うん、、、だから意地悪しないで」 桜だけに囁くように耳元で聞こえるか聞こえないかのか細い声 微動だにしない事に心配になって顔を覗き込むように見ると口元を手で覆ってそっぽ向いている桜がいた (耳まで真っ赤) 初めて見るレアな表情に俺の中の悪戯心がムクムクと湧き上がる 「ふーん、人の事ばっかり言うけど桜のだって硬くなってる癖に」 ツツーっとズボンにテントを貼る息子に指を這わせると桜の肩がピクっと揺れたのを見逃さなかった 「ちょ、流石にそれはまず、、ッ、」 「なんで?」 スウェットから取り出した立派な息子がドクンドクンと熱く脈打つのが掌に伝わった 「イッちゃいそうだから一緒に扱こ」 そう言って俺のスボンとパンツを剥ぎ取ると2つ纏めて手中に収める 「んうっ、、んっ、」 上下に動く手とヌメヌメと熱い感触にもっと と快感を求めて腰が動いてしまう 「ほら、こっちおいで」 腰を抱き寄せられ更に密着すると相手のお腹にズリズリと先端が擦れて刺激を集める 「はっ、、ぁっ、ん"っん」 「はぁ、はぁ、、」 甘い嬌声と荒い呼吸、口から漏れる息がお互いの身体にぶつかる 「〜っ、、さくら、さくら、」 「ん?」 背中に回した腕で必死にシャツを掴む、とっくに上り詰めて居るはずなのに終わりが来ない暴力的な快楽に助けを求めて縋り付く 「あぁ〜、酒飲んでっからイきにくいんだよ」 ズルズルと鼻を啜る俺の頭を優しくよしよししてくれる手に少し安心する 「ぁっ、、ん、んっ」 「こらこら脚伸ばさないの、変なイき癖付いたらどーすんの」 脚をピンと伸ばして爪先まで力を込めるともう少しでイけそうな気がしたのに桜に戻される 「やだぁ、、ん"ぅやぁ、ぁっ、イき、たいの」 「嫌々しなぁい、ほら強めに握ってあげるしこっちも弄ってあげるからこれでイッてごらん」 このもどかしい快楽地獄から抜け出せるなら何でも良かったのに意見を受け入れられなくて目尻に涙が溜まる 「ぁっ、、んぁっさくら、ッ、さくら」 「イけそう?」 「ぅっん、、ギュッ、て、して」 再び胸に伸ばされていた手が背中に回って強く引き寄せた、それと同時に手の速度と腰の動きが増してギューッとしがみつくとガクガクと身体が痙攣した 「ッ、、、」 「はぁ、、はぁ、、」 俺が絶頂を迎えてから少しして桜もイッたらしく肩が激しく上下に動いていた 「上手にイけたじゃん、いい子」 汗ばんだ身体で抱き締めながら優しい言葉をかけて頭を撫ぜてくれる腕の中で夢見心地気分を堪能する 「ひっ」 「あ〜ごめん、ドロドロだから拭かせて」 両者無言の時が過ぎると気付かぬ間に手にしていたティッシュで下半身を拭われて驚きの声を上げる 「ん」 銜えた煙草に火を付けて俺の口元に運んで銜えさせ、自分も新しい煙草に火を付ける それが終わりの合図な気がした フィルターの縁に書かれた違う銘柄、極限まで灰が落ちないように大切に吸う煙草はいつもと違う味がした 「これ吸ったらさ一緒に風呂入ろぉ〜?」 灰皿に伸ばした身体が熱から離れてく、それを寂しく思うと幼い無邪気な笑顔に戻った桜が許可を待つ犬のようにお伺いを立ててきた 「嫌」 何だか先程までしていた行為が嘘のように照れ隠しの悪態をつく 「えぇ〜なんでよぉ」 目の前であーだこーだと抗議する声に思わず笑いが溢れて乾いた喉を潤す為温くなった缶チューハイに口付ける 甘ったるい桃よりも強いアルコールが鼻を抜けていった

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