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第24話

喫茶店に着くとマスターと雀が出迎えた。 どうやらマスターも学校祭に来ていたようだ。 「よう、昨日は大盛況だったな。それにしても翠、お前あんな歌声出せるんだな。」 「まぁ、少しだけ。」 「動画で歌えば良かろうに~。」 雀がからかうように言うと翠はうざったくしながらも答えた。 「それについてはまぁ、歌うつもりだ。昔の楽譜を取り出さなきゃな。」 マスターが質問を投げ掛ける。 「あんな声変わり前の歌声なんで出せるんだ?」 「僕は特別あまり声が変わらなかったんです。だから昔の歌い方でも高い音を出せるんですよ。まぁ、あの土壇場で歌えたのは奇跡に近いですけど…。」 それを聞いて三人は驚く。 「え、練習してたわけじゃなかったんですか?!」 「当たり前だろ。本当はお前の演奏を聞くだけだと思っていたんだから。」 「翠ぃ、お前天才か?」 「そんなわけ無いだろ。昔特別これだけは練習していただけだ。」 「それでも期間が空いてもあの歌声を出せるのはすごいな。」 「…ありがとうございます。」 恥ずかしがりながらも礼を言う翠の頭をマスターはワシワシと撫でた。 土曜日、翠と鷹生はカメラを三脚にセットしそれぞれのお面を付けて準備していた。 翠はどこか緊張しているようでソワソワしている。 そんな翠に対し鷹生は笑顔で言った。 「先輩、大丈夫ですよ!俺が先輩に向けて弾いているように、先輩も俺に向けて歌ってください。そうすれば、絶対上手くいきます!」 後輩からの励ましに少し微笑んで翠は言った。 「あぁ、そうだな。お前のために歌うよ。」 リベラ「彼方の光」 Wherever I go 私がどこへ行こうとも Far away and anywhere 遥か彼方 どこにいたとしても Time after time, you always shine 何度となく いつも輝いて Through dark of night, calling after me 夜の闇を抜けて私に呼びかける And wherever I climb 私がどこへと登って行こうとも   Far away and anywhere 遥か彼方 どこにいたとしても You raise me high, beyond the sky 空よりも高く Through stormy night, lifting me above 嵐の夜を越えて私を高みへと引き上げる Venite Spiritu et emitte caelitus 精霊よ来りたまえ、天の御使を送りたまえ Venite Spiritu et emitte caelitus 精霊よ来りたまえ、天の御使を送りたまえ Venite Spiritu 精霊よ来りたまえ Venite Spiritus 精霊よ来りたまえ Far away, beyond the sky 遥か彼方、空よりも高く Whenever I cry 私が泣いている時はいつも Far away and anywhere 遥か彼方 どこにいたとしても You hear me call when shadows fall 闇が降りる時に呼ぶ声を聞いてくださる A light of hope, showing me the way 希望の光が道を示す And wherever I climb 私がどこへと登って行こうとも Far away and anywhere 遥か彼方 どこにいたとしても You raise me high, beyond the sky 空よりも高く Through stormy night, lifting me up high 嵐の夜を越えて私を高みへと引き上げる Venite Spiritu et emitte caelitus 精霊よ来りたまえ、天の御使を送りたまえ Venite Spritu et emitte caelitus 精霊よ来りたまえ、天の御使を送りたまえ Venite Spiritu 精霊よ来りたまえ Venite Spiritus 精霊よ来りたまえ Far away, beyond the sky 遥か彼方、空よりも高く その後、出た動画は徐々に伸び大きな反響を呼んだ。

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