6 / 16
高校1年 交差する二人
期末試験が無事終わり、夏休みに入った。
試験の結果もそう悪くなく、一安心だ。
寛太朗 は夏休みの土・日に一駅先の高級スーパーでのアルバイトを許可してもらった。
最初はカラオケ屋の受付に応募したのだが、母親があまりに渋い顔をするのでスーパーのアルバイトでなんとか折り合いをつけた。高級スーパーなので見たことのない輸入商品などを多数扱っている。興味をひかれ英文の説明書を読んでいるうちに、社員に英文を訳してくれだの、現地価格を比較してくれだのと頼まれるようになって、それも楽しく、結果的には良いバイト先になった。
平日は施設で手伝いをしながら手の空いた時間に学生ボランティアに勉強を教えてもらう。
施設でも臨時アルバイト扱いでほんの少しのバイト代をもらった。
夏休みは施設にいる子供たちに宿題をさせたり自由研究の手伝いをしたりとなにかと忙しい。施設で過ごす夏休みが少しでも楽しくなるようにと色々なイベントをボランティアたちが企画していたりして、それなりに盛り上がっていた。
今日は夜に子供達と花火をする予定だ。
花火の日は施設でカレーを作って皆で外で食べながら暗くなるのを待つのだが、子供たちは早い時間から待ちきれなくてソワソワと浮かれていて騒がしい。
寛太朗が施設に入居していた時は学生ボランティアはまだ来ていなかったが施設の職員たちが忙しい中、夏休みには一つや二つ、行事を催してくれていた。夏休みのカレーと花火はその頃からの恒例行事なのだ。
美己男 が初めて施設に来た年の夏にも一緒に花火をした記憶がある。
美己男は花火に興奮して大喜びだったが、火が怖くてなかなか手に持とうとはしなかった。
「ヤダッ、怖いっ、寛ちゃんがつけて。」
と言い寛太朗の後ろにひっついた。
「なんで、自分で持ってつけろって。」
寛太朗が花火に火をつけるとキャーキャー喜んで火のついた花火を寛太朗から受け取るが自分で持たせて火を点けさせると体をできるだけ遠くに離して点けようとするので、なかなか花火に火が移らない。
寛太朗が後ろから手を掴んで火に近づけようとしても腰が引けてなかなか寄ることができなくて大変だった。
寛太朗が意地悪をして、ねずみ花火に火をつけ美己男の足元に放ると
「寛ちゃんっ、やめてっ。」
と足元でくるくると暴れ回るねずみ花火にピョンピョンと逃げ惑い泣きべそをかく。最後に花火がパンッと弾けると、ギャッと叫んで寛太朗に飛びついてくるのが面白くて何度も放った。
最後には汗をびっしょりかいて髪を額に張り付けながら泣いている美己男の顔を見て寛太朗は大笑いした。
ようやく外が暗くなり、子供たちが花火に火を点け始めた。キャーキャーと子供たちが興奮して声を上げる。色とりどりの火花が散ってモクモクと煙があがり、火薬の匂いが漂う。
美己男とは春に食堂で会って以来、話していない。特進と工業科の伝統で、お互い学校で見かけても知らぬ顔をしている。
今日、美己男を誘わなかったことを少し後悔しながらねずみ花火に火を点けて子供たちの足元に放った。
* * * * *
夏休みが明けて寛太朗は引き続きスーパーのアルバイトを週末だけ続けることにした。
思っていた以上に色々と面白いバイト先であったことと、ほんの少しでも自分の自由になるお金があるのは、かなり安心できる。その分、普段の勉強を怠らないよう、施設での勉強も継続中だ。次は中間試験が控えている。
施設を出ると、雨が降っていて少し肌寒い。
傘を借りて雨の中を歩き7時頃にアパートに着いた。
「寛ちゃん?」
「えあ?みー?」
「寛ちゃん。」
美己男が暗がりから明るい電灯の下に出てきて姿を見せた。どのくらい待っていたのかわからないが髪も制服もびしょ濡れだ。おまけにドロドロで顔にあちこち擦り傷があった。
久々に会ったと思ったらこの有様で寛太朗は思わず笑った。
「相変わらず、頭悪いな、みー。」
「ごめんなさい。」
「じゃなくて、施設に連絡してくれば俺、いたのに。待ったろ?」
階段を上がり鍵を開けて家に入れる。
「寛ちゃんに会いたくなったから。」
「いいけど。ヤバいんだったらもっと早く逃げて来いよ。思いっきりやられた後じゃん。シャワー浴びな。」
「うん、ありがと。なんか着るもの貸して。」
「おー、お前、でかくなったからな。もうサイズが合わないかも。」
なるべく大きいものを探して引き出しを引っ掻き回すと、見慣れぬ迷彩柄の上下のスウェットが目に留まった。理貴が無理矢理押し付けてきたものの一つで、一度だけ来てみたがサイズもさることながら、あまりにも似合わないので引き出しに入れっぱなしになっていたものだ。
理貴と今の美己男は同じくらいの身長だろう。
「お、いいのがあったわ。」
底から引っ張り出して渡した。
「おばさんは?」
「今日は夜勤だから朝まで帰ってこない。泊まっていくか?」
うん、とホッした顔で笑う。
「寛ちゃん、これどうしたの?」
とシャワーから出て来た美己男が訊いた。
振り向いた寛太朗は美己男を見て笑った。
「これ、ブランドものじゃん。」
「え?そうなの?それ、もらいもん。」
赤い髪にピアスだらけの美己男に迷彩柄がかなりマッチしていて笑える。
「サイズぴったりだな。やるよ、それ。」
「え?いいの。こんなの。」
「いいよ、俺、絶対着ないし。お前のほうが似合ってるから。」
美己男に薬箱を渡して寛太朗はキッチンで夕食の準備を始めた。
「カレーでいい?母さんが作ってくれたやつ。」
と訊いた。
「うん。おばさんのカレー久しぶり。」
洗面所で手当てをしてから美己男がキッチンに来て嬉しそうに食器棚から二人分の皿を出してくる。子供の頃、よくこうして二人で夕食を食べた。
「コーンスープか、みそ汁か。」
「スープ。寛ちゃんは?」
「俺も。」
「寛ちゃんと一緒にご飯食べるの久しぶり。」
隣に立った美己男を寛太朗は見上げた。
「ああ、小学校ぶりか。まさか、みーに身長抜かされるとはな。」
寛太朗はカレーをかき回しながらぼやいた。
「えへへ、俺、中学ですげー背、伸びたんだよね。」
「伸びすぎだろ。髪も伸びてるし。」
食堂で会った時はまだ少ししか伸びていなかった髪が、今は目も耳も隠れるくらいに長く伸びていて全部を真っ赤に染めている。
キッチンのテーブルが美己男と向かい合うといつもより小さく感じる。
「うまい。」
美己男があっという間に食べ終わる。
「まだあるからおかわりすれば。」
「寛ちゃんは?」
「俺はいいや。」
やった、と小鼻を膨らませる。
嬉しい時の美己男のその癖を思い出して寛太朗は笑った。
「みー、お前ちゃんと晩飯食ってんの?」
美己男が手についたカレーをペロリと舐めると、舌にもシルバーの丸いピアスが嵌まっているのがチラリと見えた。
「うん、今、賄 いつきの所でバイトしてて、そこで食ってる。」
「そっか。知愛子 さん、相変わらず料理しないんだ。」
「うん、あの人は料理、全然だめだから。」
「ふーん。」
あの人、という呼び方に距離ができていることが伺える。ちゃーちゃん、ちゃーちゃんとまとわりついていた頃とはずいぶん変わったようだ。
ごちそうさまでした、と言いながら美己男が立ち上がる。
「後片づけ俺やるから。寛ちゃん風呂入んなよ。」
「ん、サンキュ。」
んー、と寛太朗は伸びをして立ち上がった。
シャワーを浴びた後、しばらく授業の復習をしてからベッドに行くともう美己男が先に寝ころんでいた。ベッドが小さすぎて二人とも肩を縮めてくっつかないと溢れてしまいそうだ。
寛太朗は美己男の横に寝転んであちこち擦り傷ができた顔を見ながら訊いた。
「その傷、どうした。まだ暴れてんのか?」
しばらくしてううん、という声が返ってくる。
「中学の時、寮で一緒だった奴らに殴られた。」
「はぁ?なんで。」
美己男が言い渋るのを無理矢理に聞き出す。
美己男が行っていた中学校は全寮制の男子校で問題児が多く入れられている矯正施設のようなところだった。美己男は入学当時は周りの生徒に比べて小さくて、しかも目立って綺麗な顔をしていたからすぐに標的にされたらしい。入学してすぐに先輩に乱暴されそうになって逃げているところを技術指導の教師に助けられた。
少し冷たい感じだが本当は面倒見の良い、カッコイイ先生で、危なくなるとよく技術室に匿ってくれた。
どうやら美己男はすぐにその教諭に夢中になってしまったようなのがその口ぶりで分かる。
3年生の卒業近くなって美己男は教諭に思いを打ち明け、ついに卒業式の日に受け入れてもらったらしい。それを寮にいた生徒に目撃されていた。そのことをネタに卒業してから度々、脅されて金を渡しているのだと言う。
今日は言われた分の金を持って行けなくて殴られ、体で払えと言われ逃げてきた、と美己男は話した。
「お前、黙っていつも払ってんの?」
「うん。」
「動画とか取られてたんだ。」
「うん。」
「はっきり映ってた?お前の顔と先生の顔。」
「わかんない。ちゃんと見たことない。」
「は?ちゃんと見たことない?見たの?見てないの?」
「見たけど、遠くからでよくわかんなかった。」
寛太朗は呆れた。
「お前、それ、フェイクかなんかじゃないの?」
「でも、寮の俺の部屋だったのは確かだよ。」
「そんなもん後でいくらでも似たようなん撮れんだろ。お前と先生の動画なんかじゃねーよ、多分。ふかしてるだけだって。バカだな。」
美己男が黙り込む。
「そんでこのこと、その教師に言ったの?まだつき合ってんのか?」
美己男は首を横に振る。
「もう会ってない。先生に迷惑かけたくないし、言えない。」
「はぁ?迷惑ってなんだよ。脅してるやつらも最悪だけど、その教師もマジでクソだな。」
そう言うと美己男はガバと起き上がって
「馨 さ、先生は悪くない。」
と言い出した。
「ふーん、馨さんって呼んでんだ。」
寛太郎は薄笑いを浮かべる。
「そんなん、教師が悪いに決まってんじゃん。生徒に手ぇ出すとかありえないし。バレたら学校辞めるどころじゃすまないよ。犯罪者。それ、お前わかってる?」
「違うよ、先生はずっと助けてくれて。俺が好きになって、して欲しいって頼んだんだよ。それに、俺が卒業した後のことだし、先生も学校辞めたもん。先生は何にも悪くない。」
涙目で言う。
はー、とため息をついて寛太朗も起き上がった。
「ほんと頭悪いな、みー。お前が好きかどうかなんて関係ないんだよ。中学生に手ぇ出す教師なんて終わってんだろって言ってんの。だいたいお前の母親だってクソだろ。もとはといえばお前の母親が原因でそんなとこ・・。」
美己男がいきなり寛太朗の胸倉を掴んだ。
ドンッと背中を壁に強く打ち付けて、うっ、と息を詰める。
ずるずると壁に沿って倒れると美己男が跨って上から胸倉を掴んだまま馬乗りになった。
美己男の体の重さに寛太朗がもがく。
「みー、苦しっ。」
いまや体格も力の強さも美己男の方が上だ。
「ちゃーちゃんも先生も悪くないっ。」
キレっぷりは子供の時と変わんないな
寛太朗の加虐的な一面が久しぶりに顔を出し、胸倉を掴んでいる美己男の手首を握って笑い出す。
「なんだよ。笑うなよっ。」
美己男の美しい顔が歪むのを見ると泣かしたい衝動が溢れて止められなくなった。美己男を泣かせるのは自分だけが許された遊びだったはずだ。
「もう、やめとけば?そんなクソみたいな教師に夢中になってんなよ。」
掴んだ手首をぐっと持ち上げ美己男を膝の上に乗せるようにして上半身を起こす。
美己男の手首を自分の首の後ろに回して首を抱かせると、寛太朗は美己男の腰をグッと引き寄せた。
「寛ちゃん?」
『寛ちゃん、大好き』そう言っていつも自分の背中を追いかけてきていたくせに、会えなくなったらすぐに違う背中を追いかけていたのか、と思うと胸がチリチリとして、自分の知らない間の美己男を汚したくなった。
「どうせお前、またすぐ置いていかれんじゃないの?」
意地悪く言う。
「何でそんなこと言うんだよっ。」
美己男は今にも泣きそうだ。
「先生に言えるわけないってさ、先生が悪くないんならちゃんと相談できるはずだろ?」
「そっ、それはっ。」
言い返せずにうー、とついに美己男が泣き出した。
「俺が昔みたいに擦ってやるから、な?そんな教師、もう忘れろ。そんでもう金も払うな。ほっとけよ、そんな奴ら。どうせ何もできやしないって。」
そういうと寛太朗は美己男の唇を舐めた。
「あ・・。」
美己男がブルッと体を震わせる。
下唇を挟んで吸う。
「寛ちゃん。」
美己男が首に縋りつき、ガバッと寛太朗の唇に吸い付いてきた。
「ん、みー。ちょ、待て。」
グイグイと押してくる美己男の勢いに押されて寛太朗は壁にもたれた。
美己男の歯の間から舌を差し込んで口の中を舐めまわす。
「んー。」
「舌出してみな。」
美己男が出してきた舌を寛太朗は唇で挟んで吸い舌に嵌めたピアスを舐めた。
「こんなとこにもピアスして、エロいなぁ。」
美己男のスウェットを脱がせて乳首を舌先でチロリと舐める、
「あっ、あっ、寛ちゃん。」
そのまま、チュウ、と乳首を吸うと美己男の腰がビクリと反応した。
ユサユサと腰を振る。
「待てって、みー。今、出してやるから。」
「んー、寛ちゃん、早くっ。」
待ちきれず、自分で出そうとする美己男の手首を掴む。
「ダメだよ。みーは触っちゃ。」
寛太朗は意地悪い笑みを浮かべた。
スウェットの上からはっきりと立ち上がったモノの形を撫でる。
「あー。無理、寛ちゃん、無理ぃ。」
グリグリと頭を肩に押し付けてくる。
「何が無理?」
「出ちゃうっ。」
「バカ、まだ擦ってもないじゃん。出すなよ。」
「んんー。」
首にしがみつく。
先端あたりを撫でると、じんわりと濡れてくるのがスウェットの上からでもわかる。
スウェットと下着を一緒に指でひっかけ下におろすと、美己男のパンパンに勃起したモノが飛び出してきた。
「あー、先走り、すご。」
寛太朗は笑った。
根元をキュッと握ってやると待ちきれないように上から美己男が手を重ねてしごき始める。
「みー、そんな慌てるなよ。お前は触っちゃダメって言ったろ?」
「んー、寛ちゃん、擦ってぇ。」
うー、とまた泣き出す。
寛太朗はゆっくりとしごき始めた。
「何、みー、そんなに先生のこと、好きだったの?」
「あっ、あっ。好きだったけどっ。」
「なーに、何したの。言ってみな?」
「普通に、キスしてエッチしただけ。」
寛太朗は自分の固くなったモノを出して美己男にこすりつけた。
ビクビクと反応する。
「こんなことは?」
「してないよぅ。」
「でもエッチはしたんだ?」
「うー、した、した。」
「ふーん、じゃあ、もう後ろ、入れるの平気?」
「わか、わかんらい。」
美己男はもう興奮して、呂律が怪しい。
「後ろ、見せてみな。」
「え?」
蕩けた顔の美己男が聞く。
寛太朗はグッと体を傾け、美己男を膝の上からベッドにうつぶせに転がした。
肩を押さえつけて、腰を持ち上げると、スウェットを引きずり下ろした。
白い滑らかな尻がむき出しになる。
「あっ、寛ちゃんっ、だめぇ。」
美己男が悲鳴のような声を上げる。
「なんだよ、先生には見せて俺には嫌?」
ゴソゴソとベッドサイドの引き出しからコンドームを取り出す。
「恥ずかしいよぅ。」
美己男が叫ぶ。
「はぁ?何言ってんだよ。子供の頃、お前、俺に散々しごかせたくせに。今更、恥ずかしいとかなしでしょ。」
そう言って、コンドームを指に嵌め、スリスリと後ろを指で撫でる。
「あんっ。」
ビクリと腰を揺らす。
「何回してもらったの?先生に。」
「一回だけっ。」
ゆっくりと中指を入れた。
「あー。」
ヒクヒクとしながら指を受け入れる。
「一回?嘘つくな、そんなわけないよな?」
寛太朗は指を中に入れて、ぐるぐると掻き回した。
「ん、わかんないよぅ。やだっ、寛ちゃん。」
ゾクゾクとした快感が沸き上がってきた。
「やなんだ?俺のは。」
指を抜こうとすると
「ちが、ちがうぅ。寛ちゃん、だめ、抜かないでっ。」
と美己男が腰をガクガクと揺らす。
「なんで?どうしたいの、みー。」
興奮して蕩ける美己男を見て、全てを自分との記憶で上書きしたくなっていく。
「もっと、奥っ、奥がいいっ。」
美己男の先からポタポタと透明な液が垂れた。
「みー、どうした?どのへん?」
そう言いながらズボッと目いっぱい奥まで指を突っ込む。
「あー、あー、寛ちゃん。」
美己男の腰が崩れる。
「おいっ、みー。なんだよ、まだこれからだろうがっ。ん?先生とはわかんないぐらいやったんだろ?ふざけたこと言ってんじゃねーよ。」
慌てて寛太朗は自分にゴムを被せると、美己男の腰を引き上げた。
「挿れるぞ。」
そう言うと、後ろにぴたりと当て、ググッと先端を押し込んだ。抵抗感を感じるが構わず押し込むと、ギュンと抵抗を押し破って中に入った。
「あっつ。」
狭さと熱さに寛太朗も興奮して血が滾 る。
そのまま、美己男の中に少しずつ入っていった。
「あっ、かんちゃ、ん・・。」
すぐに腰が砕けそうになる美己男を必死で支える。
「クソッ、みー、もうちょい、がんばれ。」
「あ、無理、無理ぃ。」
寛太朗はあっと言う間に高まり焦る。
美己男の肩を掴んで前を擦りながら思い切り突っ込んだ。
「だめだ、イキそう。」
「あー、イク、イク、出るぅ。」
美己男が叫んで白濁した液をベッドの上に盛大に飛ばした。
寛太朗も誘発されたように美己男の中でドクドクと体液を吐き出す。
「やべ、止まんね。」
心臓がバクバクして息が上がり、額から汗が滴り落ちた。
美己男は半分意識が飛んで自分の出した体液の上にべったりと寝てしまった。
「すげー出るっ。」
ビクビクと美己男の中で震えるのを感じながら美己男の背中に倒れ込むと思わずそう呟いた。
その後、裸のままで二人ともぐったりと寝落ちてしまい、朝、ひどい状態で目覚めた。
体のあちこちに精液がついて乾いている。
「うわ、固まってバリバリだ。最悪。」
「俺も。」
お互いの体を見て笑う。
「みー、早くシャワー浴びろ。母さん帰ってきちゃう。」
狭いベッドで押し合いながら美己男が顔を寄せキスをしてきた。
「本当はね寛ちゃんとずっとしたかった。」
寛太朗は引き寄せられるように美己男の唇を追いかけ捉えた。
「いいから早くシャワー行ってこい。」
うん、と裸のままで美己男が立ち上がる。
その背中を見ながら寛太朗は美己男の中で射精したことに衝撃を受けた。ついいじめたくなって始めた遊びのはずが、今までにない強烈な快感を伴ったセックスに至ったのだ。さらには射精障害ではなかったという証明までされた。
そして今、さっきの美己男とのキスで反応して勃起までしている。
「寛ちゃん、お先に。」
美己男が部屋に戻ってきて勃起している寛太朗を見た。
「あれ?朝勃ち?元気だね。」
美己男が聞く。
「わかんね。さっき勃った。」
「口でしてあげようか?」
美己男が寛太朗の前に跪 いた。
「そんな時間ねーって。」
「大丈夫、すぐだから。どうせシャワーで出すんでしょ?」
そういうと美己男がツルリと咥えた。
「ん・・。」
美己男の舌のピアスがコロコロと滑っていく。
「あ、みー、それ、ヤバいって。」
腰が痺れて背筋に快感が這い上る。
ジュルジュルと舐めあげられて根元から吸われる。
「あっ、離せ、出る。」
「いいよ、出して。」
美己男の舌にあっという間に絡め取られ、絞り取られた。
ビクビクと口の中に出してしまう。
「あー、悪ぃ。みー。」
ハァハァと肩で息をしなから赤い髪を撫でる。
美己男がゴクリと喉を鳴らして飲み込んだ。
「うわ、お前、飲んだの?嘘だろ。」
美己男が見上げて
「早くシャワー浴びてきたら?」
とえぼをへこませる。
寛太朗は慌てて浴室に向かった。
シャワーから出ると美己男が迷彩柄のスウェットを着て汚れたシーツを剥がしていた。
「寛ちゃん、これ、うちで洗っとくね。おばさんに見られたらマズいでしょ?」
「あ、悪ぃ。サンキュ。」
あたふたと制服を着る。
「みー、今日、学校は?」
「一回家に帰って遅刻して行くから大丈夫ー。じゃあね。」
美己男はバイバイ、と笑うとドアを開け、出て行った。
ともだちにシェアしよう!