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「そろそろ寝たほうがいいぞ」 「えー、やだ」 「やだじゃあなくて、お前の目、今にも閉じそうだけど」 「まだ大丈夫!」 「はぁ……」 これまで手伝ったこともなかった料理をヨウと一緒にネットで調べながら作ったり、恥ずかしがるヨウと一緒にタオルを腰に巻いてお風呂に入ったり、お気に入りのゲームでヨウと闘ったりと濃い時間を過ごしたせいか、いつもやっている夜更かしが今日はとてもきつい。それでもこういうチャンスは滅多にないし、まだヨウと何かをしていたくて、俺をベッドへ運ぼうとするヨウに抵抗していた。 「起きてからでも時間はあるだろう? 帰ってくるのは明日の夕方だってそう言ってたじゃあないか。それまでいてあげるから、今はもう寝たほうがいいって」 夏祭りで花火を見たときにされたように、ヨウは俺を軽々と抱き上げた。こうなればいくらバタついたところで降ろしてもらえないし、お姫様抱っこをされているという事実が俺を動けなくしてしまう。大人しくしていると、あっという間にベッドに降ろされた。 「おやすみ」 「嫌だ。おやすみしない」 「っ、うわ、」 ぽんぽんと頭を触りながら、おやすみと言うヨウの手を掴み、俺は引き留めたくて引っ張った。それが思っていたより強かったようで、ヨウがベッドへと倒れ込んできた。ヨウはバランスを取ったけれど間に合わず、俺の上に重なる。 「ふはっ」 「笑い事じゃあないぞ」 「ヨウ。寝ろって言うなら、ここで一緒に寝ようよ」 離さないぞ、とでも言うようにぎゅっと抱きつくと、ヨウは大人しくなった。何かを言いたそうにして黙るヨウに、俺は突然緊張してしまい、ヨウに触れている手に汗が滲む。改めて見つめれば唇まで数センチで、ゴクリと唾を飲み込んだ。 「ヨウ……」 「……っ、」 何が俺をそうさせたのか分からないけれど、気がつけばヨウの唇へと手を伸ばしていた。ぷっくりとしたそこをなぞると、ヨウは俺の指をぺろりと舐める。それにハッとして我に返り、触れるのをやめようとしたときには既に遅く、ヨウは俺の唇に噛みついた。

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