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第40話 異界の徒(10)
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かつて世界は、八百万の神によって創造された。
八百万の神々の頂点にたったのは、太陽の神ソルだったが、それを補佐するために闇より生まれた神がいた。
光を輝かせるためだけに生まれたその神は、邪神と呼ばれた。
邪神には、妻がいた。
それは、夜を照らす月の神リュカ。
「私をカルゼと呼ぶのはお前だけだ、リュカ」
カルゼは、俺を抱き上げベッドへと横たわらせると、その体に張り付いているヤーマン老の服だったものを脱ぎ捨てた。揺らめく灯りに照らされたカルゼの褐色の裸体は、美しかった。
神話に語られる英雄のように筋骨隆々としたカルゼに俺は、見惚れていた。
美しい俺のカルゼ。
俺は、カルゼに向かって手を伸ばした。
「カルゼ・・はやく・・」
俺に誘われカルゼは、俺の上に体を重ねた。肌と肌を密着させ俺は、その暖かさに吐息を漏らした。
カルゼは、俺の足を開かせると俺の奥にある蕾へと指を伸ばした。やわやわとそこを揉みながらカルゼは、俺の首もとにキスをした。
「しかし、この体は」
カルゼに全身をくまなく見られて俺は、頬に熱が集まるのを感じていた。カルゼは、視線をそらした俺の顎に手をやり自分の方へと向かせる。
「なんて淫らな体なんだ」
「言わないで・・」
俺は、両手で胸の頂を隠そうとしたがカルゼに阻まれた。カルゼは、俺のぷっくりと尖った頂を指でピンと弾く。
「あぅっ!」
俺がわずかに体をそらせるのを見てカルゼは、息を飲んだ。
「こんなにも感じやすくなっている」
「こ、これは・・」
俺は、身を固くしていた。
俺が知っているカルゼならこんなにも淫乱に変えられた俺の体を見て怒り狂うことだろう。
もしかしたら再び、世界を滅ぼそうとするかもしれない。
「あの、カルゼ」
「黙れ!」
カルゼは、俺の唇をその唇で塞いだ。そして、俺を激しく責め立てる。長いキスの後で、彼は、不穏な言葉を発した。
「まずは、この体を堪能させてもらってからだ」
「カルゼ?」
カルゼは、俺のすぼまりに指を入れ中をくちゅくちゅと弄った。
「なんて柔らかい。もうすでに蕩けているのか?」
「そ、れは・・」
俺は、頬が熱くて顔を隠そうとしたが、カルゼが許さない。カルゼは、俺の顔を見ながら指を動かした。
「すべてを見せるのだ、リュカ。お前のいやらしい姿もすべて」
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