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真昼の月 15
俺はかたっぱしから魔法生物に関する本を広げていた。
でも、どれもこれも専門書ばかりで様々な魔法生物を紹介しているというよりは、その生物についての特性だとか出会ったときの対策だとかそういったものが事細かに書かれている物が多い。
「うーん・・・。これじゃ探しにくいぞ・・・。」
そういえば、教科書に魔法生物について、沢山書かれている本があったではないか!
色は確か赤だ。
この図書館なら教科書だって置いてあるはずだ。
「・・・・あった!幻の動物とその生息地。これなら載ってるはずだ。」
さっそく引っ張り出すと、本を広げた。
前書きは飛ばして・・・、アクロマンチュラ、違うな・・・。
アッシュワインダー、これも違うな。
・・・。
しばらく読み耽っていたが、そろそろ本の終わりが見えてきた。
そんな種族は果たして本当に居るのだろうか?と疑問が脳裏を過ぎる。
ジェームズが嘘をつくとは思えないが・・・。
と、興味深い箇所を発見する。
”一ヶ月に一度満月の時だけ残忍な動物に変身する。”
「・・・これだ!!」
やっと見つけた。
ついに見つけた。
満月といえば夜である。
変身するといえば、誰かに見られたいはずもない。
しかも月に一度だ。これならば何もかもがつじつまが合う。
きっとリーマスはこのために誰にも見られないようにするため、外に抜け出していたんだ。
俺達にばれるのを恐れて、医務室に寄って風邪なのだと偽っていたのだ。
・・・しかし、後に続く本書の内容に俺は愕然とした。
”幻の動物の中ではほとんどど唯一狼人間だけが、他のどんな獲物よりもヒトを餌食にしようと積極的に求める。”
・・・リーマスは狼人間だったというのだろうか。
しかも最も残忍でヒトを餌食にする・・・。
とても受け入れがたい事実がそこには書かれていた。
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