「ん⋯⋯っ、ふ⋯⋯ぅ」 恐る恐るといったような手つきで先辺りに触れただけでも、やはり敏感な部分は身体が震えるほど反応する。 それはココ以外にも快感を得るほど弄られ、その余韻が残っているからでもあるが、自分の意思ではない、夫にそうするように命じられた上に間近で見られているせいもあった。 「は⋯⋯ぁ、は⋯⋯っ、はぁ⋯⋯」 指先で触っていたのを沿うようにそのまま下へと滑らせていった。 碧人が言っていたように、嬉しそうに溢れさせていた愛液を潤滑剤代わりに纏わせ、ゆっくりとした動作で扱く。 「んっ、んっ、あ⋯⋯っ、は⋯⋯」 目の前で碧人が静観している。 そう意識しないように目を閉じて、手の中で扱いているモノに集中することに努めた。 「ふ⋯⋯っ、ん⋯⋯っは⋯⋯ぅ」 しかし、違和感を覚えた。 声が漏れてしまうほど興奮を覚えているのに、肝心の自身のは指で摘めるほどの大きさのままだった。 先ほども感じた違和感が現実味を帯びる。 前にも碧人に見られながら自慰をしたことがあった。あの時とは違って、夫の雰囲気は穏やかそうで急かされて、緊張しているわけでもない。 それなのに何故こんなにも反応がしないのだろうか。 「葵、どうしたの。手が止まっているよ」 「あ⋯⋯ごめんなさい⋯⋯」 言われて気づかぬうちに止まっていた手を動かす。 ところが、いくら触ってもぴくりとも反応しないソレに流石に焦りを感じた葵は、急かすように動かす手を速め、もう片手は常に勃ったままの乳首に手を伸ばした。 戒めていた部分以外に触ってしまい、碧人に言われるかと思ったが、特に何も言ってこなかったことを機に、強く引っぱったりして興奮を高めようとした。