12 / 14

12.

射精しても意味のない機能。 それでも自分は男だと思い続けた。 けれども、その気持ちとは裏腹に、、この身に子どもを宿し、出産した。 呪われた身体。産むために産まれてきた。 自分の性はなんなの。 碧人が言うように、もし壊死していたとして、その部分が切られることになってもいい。もう、いい。どうなってもいい。 自然と涙が出る。 「⋯⋯そう思っているんだ。ふふ、じゃあ、本当にそうであれば⋯⋯いいよね?」 機嫌よく笑っていた。 今の葵にはそれが耳障りに聞こえ、耳を塞ぎたくなった。 けども──。

ともだちにシェアしよう!