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射精しても意味のない機能。
それでも自分は男だと思い続けた。
けれども、その気持ちとは裏腹に、桜屋敷の次男として、この身に子どもを宿し、出産した。
呪われた身体。産むために産まれてきた。
自分の性はなんなの。
碧人が言うように、もし壊死していたとして、その部分が切られることになってもいい。もう、いい。どうなってもいい。
自然と涙が出る。
「⋯⋯そう思っているんだ。ふふ、じゃあ、本当にそうであれば⋯⋯いいよね?」
機嫌よく笑っていた。
今の葵にはそれが耳障りに聞こえ、耳を塞ぎたくなった。
けども──。
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