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いつもと違うシチュエーションで

拘束/擽り/フェラ/甘々/本番有 ※受視点 ◇ ◆ 「お前さ、俺とのセックス気持ち良い?」 大好きな恋人にそう訊ねられたのは、今からするぞと準備が整った時だった。 「あー……まぁ気持ち良い、よ」 実際あまり気持ち良いと感じる事がなかったが、流石にハッキリと伝えるのは申し訳ないのでそう答えたが咄嗟に言葉が出なかったのもあり、変な返答をしてしまった。 その返答の意味を理解した恋人は少し眉を下げて俺を見つめた。 「嘘つかなくていいよ。だから俺、調べてきたんだ。色々シチュエーションを変えたりしたら感度が上がるんじゃねーかって」 「シチュエーションって?」 「例えばさ…マンネリ防止とかにも使われるソフトSMとか」 そう言って恋人が取り出したのは、可愛らしいファーの付いた手枷だった。 「…」 そんな趣味ないんだが、と思いながらも俺のために色々考えてくれたのかと思うと、なんだか申し訳なくなった。 「…俺が下手なのは分かってるけど、お前の事気持ち良くさせてーからさ」 「…下手なんかじゃないけど」 その言葉に少しキュンとしてしまい、俺は素直に手枷を手首に装着した。 両手を頭上に持って行き、ベッドの枠にチェーンで固定すると、恋人は俺の上に跨った。 試しに手を動かしてみても、下ろすことは出来ず、恋人も乗っかってきているので殆ど動けない。 「…逃げれない状態で触られたりすると、感度が上がったりするんだって。少しでも感じてくれると嬉しいけど」 いつも通り優しいキスから始まる行為。 恋人の柔らかい唇を堪能しながら、舌を差し出すと優しく絡めてくれた。 「好きだよ」 「…ん、俺も好き…」 唇が離れた時にお互い気持ちを伝え合うと、恋人の唇は胸元へ降りてきた。 ちゅ、と音を立てて乳首にキスをされ、舌先で優しく転がされた。 「ん…」 カチャ、と手枷に繋がったチェーンが小さく音を立てた。確かにいつもよりかは感じているかもしれない。 片方は舌先で転がされ、もう片方は指で摘まれて捏ねる様に刺激された。 「ん、」 「好き」 乳首を舐めながらそう呟いてくれる恋人の声にキュンとしながら身を任せていると、ふと恋人の手が腰回りに触れた。 「!」 その瞬間、ビクッと初めてと言える程に大袈裟に反応を示してしまった。 いつもは胸を舐められ、すぐにフェラをしてもらっていたので肌を撫でられたことはなかった。そのため、このゾワッとした感覚は初めてで。 「ん……!」 俺の反応に気付いたのか、恋人の両手は両サイドの腰に配置され、優しく撫で回してくる。 (やば…なんか、なんかやばい) 何がどうヤバいのか自分でもよく分からないが、とにかくこのまま触られたら声が出そうになる。 逃げる様に体を捩らせると、恋人の体が更に密着して動きを封じてきた。 「…っ、」 サワサワと撫でる手にビクッと体が反応し、チェーンがガチャガチャと音を立てる。手を下ろせない事と、今まで感じたことのないむず痒い感覚に焦りが生まれた。 「…腰、ダメなの?」 「ちが…っ」 「じゃあこことかは?」 腰にあった手が上へ移動すると、次は優しく脇腹を撫でられた。 「んぁ…!」 ガチャッと激しい音と共に声が漏れ、一瞬で体が熱くなった。 今まで演技で声を出していたのだが、初めて変な声が出てしまい、恥ずかしくなった。 「や……やめ、待って…ちょ、おいっ」 「もしかしてこういうの弱かったりすんの?」 コショコショと擽る様な動きに変わると、ビクンと更に大きく体が跳ねた。 「うあっ!!何、…待っ、離せよっ」 我慢出来ない刺激に、俺は顔を赤くしながらジタバタと暴れた。 「…へぇ、可愛い。焦ってんの?」 「違……ぁ、あっ、」 両サイドから脇腹を掴まれ、揉む様に触れられると擽ったくて激しく悶えた。 「ぅあ…!あっ……ちょ、手…これ取れっ」 声が出てしまうのが恥ずかしくなり、ガチャガチャと手枷を響かせて拘束を解く様におねだりをした。 すると、恋人はニヤッと片方の口角を上げて笑うと、脇腹を執拗に擽り出した。 「ひはっ…!あっ、はは…待て、おいっ、こら、…んはっ……解け、手解けって…ばか、やめっ」 「やだ」 「んはぁ…っ?あ、ちょ…」 脇腹をくすぐられたまま、乳首への刺激を再開されると、初めてゾクリと背中が震える様な刺激が襲う。 (胸が気持ち良い…?何で、) いつも感じた事のない快感が襲い、頭が混乱していると、優しく乳首を歯で刺激したり、舌先で小刻みに愛撫された。 「んぁ……っ、ぁ、あ…っ」 「可愛い、表情とろけてんぞ」 「るさい…見んな、手解いて…っ」 「ん、やだ」 ちゅっと乳首を吸われると、ピリッとした快感にぎゅっと力を込めた。 (やばい…本当に気持ち良いんだけど…) 舌先で乳首を転がされながら、手の動きも次第に大胆になっていく。擽ったい感覚はどうも苦手で必死に逃げようとすればする程、逃げれない現実が分かり、更に焦りが生まれて敏感になっていく。 「んーっ、……ン、ん…やぁ…やめっ……」 「…可愛い。そんな声初めて聞いた。…擽ったいの我慢出来ないの?ここはどう?」 「ひぁ…っ?」 脇腹から離れた手は優しく腋をなぞる。 「うぁ…っ」 「…ふぅん、気持ち良さそう」 両方の腋を優しく擽りながら、首筋にカプリと歯を立てた。 「んァァッ」 甘噛みの刺激と擽られる刺激。どちらも耐え難いもので、体はビクビクと恥ずかしい位に反応した。 「ふぅぁ…は、」 (恥ずかしい、気持ち良い…ダメっ、) 今まで感じた事がなかったので、素の反応を見せるのも、声を聞かれるのも恥ずかしい。 「やめ…、手っ…解けってばぁ……」 「抵抗出来ねーと余計感じんの?体ビクビクしてるし顔も随分可愛くなってんぞ」 「るさい…、ばかっ」 「…今俺にそんな事言っていいの?」 ニヤッと笑った恋人は耳に顔を近付けてくると、軽く息を吹きかけた。 「ひぁ…っ」 「…いい子に感じてろよ」 「!?…あ、」 強い口調で囁かれると、ドクンと胸が高鳴った。 「…何?すげー反応したけど」 「あ!…見んな、違うっ…反応してない!」 「あ?してんじゃん。勃ってるし先走りすげーし。何で嘘つくの?」 完全に反応したモノに手を添えられて指摘されると顔が熱くなった。羞恥に耐えきれず睨みつけると、不敵な笑みを浮かべた恋人。 「そんな反抗的な態度ならさぁ、ちょっとお仕置きな?」 「は?」 ちゅっと耳へキスをした恋人は、俺に覆い被さると腋の下を擽り出した。 「ひゃっ!?」 「こちょこちょ」 「ぎゃああああ!」 優しい擽りから一変、明らかに笑わせにくる刺激に激しく体が跳ねた。それを押さえ込むように体重をかけながら腋の窪みをいじる。 「ひゃははははははぁぁぁあ!!!!」 自分の声とは思えない程の大きさに恥ずかしさはあるが、耐えることが出来ずにビクビク跳ねながら首を振った。 「やめっ、やめろばかぁぁぁぁあっっ!!!」 「やめねーよ。ほら、こちょこちょ~」 「んひゃぁぁっ、あはっ!はははは!!やめっ、」 「お前さ、ここら辺弱いよな。背中側?」 腋の下に添えられた指は胸の横から背中の境目へ伸びると、コショコショと動き出した。 「っっ、んぁぁぁあ!!!待っ……」 ガシャンっと激しく手枷が響き、ガクンと体も跳ねた。 「あは、可愛い。ここ苦手?すげー力入ってんじゃん」 「やぁぁぁっっ!!やめろっ!、やめ、ひゃはぁっっあははははは!!やだやだぁぁあ!!」 「こちょこちょ~」 慣れないように動き方は変わり、指でつつくような刺激や激しく擽る動き、そしてゆっくりとなぞるような動きを繰り返す。 「ひゃはははは!!!むりむりむりっっごめっ、なさ、やめれっ、やめれぇぇぇ」 「やめてほしい?」 「やめてっっ、ほしぃぃっ…あははは!あはぁっ!」 「じゃあ気持ち良かったの認める?」 「んっ、んぅ…認める、認めるっ……」 「良かった。…じゃあもっと感じさせてやるよ」 「ふぁ…っ?あ、…待っ…耳、やめて…っ」  「可愛い。好きだよ」 「しゃべ、な……」 「耳気持ち良い?ここ擽りながら喋るとすげー感じてくれるね」 「ぅぁぁ…あ、っ、やぁ……あっ」 肌を擽られながら耳で喋られるとゾクゾクして、情けない声が止まらない。 「ねぇ…っ」 「ん?」 「が、我慢…出来ない…っ」 「へぇ?」 「意地悪、すんな…も、早く…ッ」 「お前から求めてくれんの初めてだな」 「そんなのいいから…っ早く、触れよ…っ」 「何処を?もしかして弱々なここ?」 「ひゃはぁっ……ちが、っやははっ」 めちゃくちゃニヤけた顔で腋を擽られ、ビクッと体がのけ反った。腹が立ってジタバタ暴れながらも睨みつけた。 「まだ俺を睨む元気あるんだ?へぇー」 グリグリと窪みを押されるとガッと激しく手首に固定されている枷が音を立てた。 「そんなに力入れてもここガラ空きな?ほーら、こちょこちょこちょ~」 「んひゃああああ!!!」 「何処触って欲しいの?言ってみ?」 「そこっ、しゃべ、なっ…触んないでぇぇぇっ」 「言わないとやめてやんないよ。こうやって触ると弱いの?力すげー入ってるな」 「や"っっ、め、てっぇぇぇぇ!!!手退けてぇぇっ、くすぐったいいいぃぃぃ…やらっ、やぁぁっ、」 「可愛い……こんなに余裕ない姿見たの初めてかも。くすぐったいの?我慢出来ないの?」 「できっ、なぃ、ぃっ…指動かさないでぇぇっ擽ったいっ、だめ、だめっ、ひはははははっっ」   「可愛い、好きだよ」 「俺も……っ、俺も、好きだけど…やめっ、んう!?ん、ん、…ふぅ…」 やっと指が止まり優しくキスされると、ボロボロ泣きながら舌を絡めた。 「んっ、ぅ……好き、好き…もうくすぐるのやら…っ、指退けてぇ、やぁぁ……」 「んーどうしよっかな。いつも澄ました顔で演技してくれてたし、めちゃくちゃに感じさせてあげてーじゃん」 「てめ…これ感じてるわけじゃ…ねーんだよっ、くすぐったいだけ!!」 「へぇ?その割にびっしゃびしゃだし硬いけど?」 「ひゃあああっ!?」 「ほら、お前ここ触ってもそんな声出した事ねーじゃん。擽ったら感度上がったんじゃね?」 先走りでぐっしょりと濡れた自身を扱かれると、強い刺激が襲い、甲高い声が漏れた。 「ぁぁあっっ、やっ…んぁぁ!!」 緩々と軽く扱かれるだけで背中がのけ反り、足には力が入る。 「おら、閉じようとしてんじゃねーよ」 足を開かせると、その間によいしょ、と座り込む恋人。一番恥ずかしい場所が晒されて一気に羞恥が襲う。 「ぅあ…ちょ、恥ずかしい…っ、そんな見んなよ…!」 「えー?だってこんなに勃ってる事ねーじゃん。新鮮」 片手で竿を支えながら人差し指で亀頭を擽られるとガクンと腰が跳ねた。 「あああっ、ぅあッ、……やばいっ、…」 (イキそう…) そう思ってぎゅっと目を閉じると、それに合わせて恋人の手が止まった。 「ん…?」 「どうした?」 「あ……今、俺……」 「あ、わり。もしかしてイキそうだったの?言ってくんねーから分かんなかったわ」 いつも俺の様子を見ながら行為を進めてくれているので、分からないはずはない。 意地悪されてると気付き、モジモジと足を動かすと、スルリと太腿をなぞられた。 「お前、足はどうなの?」 「な…?も、もう…いいって!!やめ…ひっ、あ、はははっ、」 内股に添えられた指がコショコショ動き出すと、上半身ともまだ違う擽ったさが襲う。擽ったいだけじゃない快感も混ざり、バタバタ足を動かした。 「足もいっぱいこちょこちょしような」 恋人の足が動けないように絡みつくと、次は足の付け根をくすぐられた。 「あーーっっ!!もうやだぁぁぁぁあ!!!!」 「うんうん、くすぐってーよな。可哀想に」 「ひははははは!!!足もいやっ…やぁ、ぁぁ!!」 「可愛い。すげービクビクしてる。顔も間抜けだし…」 「み、っな…で、やめ…もうっむりっ、いっ、」 「こっちも限界そうだな」 足の付け根から完全に勃ち上がった裏筋に移動し、ゆっくりと指が這う。 「ぅああっっ、も…やっぁ、いッ、」 「イキそう?優しく擽っただけで?」 「や…っ、待っ…」 「擽られてイクの?恥ずかしいな」 「…てめ、がっ…そこ、触るから…っ」 「そこって何処?」 サワサワと裏筋から玉を往復する指。少し爪を立てるように擽られると耐えきれずに足が震え出した。 (やばい…こんなのでイキたくない…っ、) 「やだぁぁっ、これでイキたくない…っ、ちゃんと、触ってぇ…、いつも、みたいに…舐めてぇ…っ」 ジタジタと足を動かして必死に耐えると、クスッと微笑む恋人。 「じゃあ何処舐めて欲しいのか言ってみて?」 「…今、触ってる、ところぉ…っ、」 「何処?ちゃんと言葉にして?」 何でコイツはこんなに意地悪なんだと不満に思ったが、初めて余裕がない自分。このままじゃおかしくなりそうなので、羞恥でポロポロ涙を流しながら、恋人の望む言葉を呟いた。 「ん…いい子」 それを聞いて満足気に笑うと、恋人は体勢を変えて俺の股間に顔を埋めた。 温かい感触がした瞬間、咥えられただけでビクンと腰が跳ねて口内へ欲を吐き出した。 「あっ、あー…っ!ぅ、ぁぁあぁ……」 「いや、早すぎるだろ」 欲を飲み込んだ恋人は継続して口内に自身を含んだままそう呟き、コショコショと膝裏を擽り出した。 「なぁぁっ!?何…!くすぐっ…うアッ、やめ…イッたぁぁ、イッたから…っ、口、離してぇぇ…、手もっ退けてよ…っ」 「ん、やだ」 じゅっと先端に吸い付かれると、あまりの刺激に体が跳ね続ける。先端を吸った後は舌で裏筋をなぞられ、指も擽ったい箇所を擽る。 「やば…っ、ふはぁぁ…!離してっ…また、イッ、ちゃ…イクっ、イク、イク……!!!」 大きく腰を浮かして二度目の絶頂をしても、口は離れてくれず、ずっと敏感な箇所に舌を這わせ続ける。 「あっ、も…離せって、ばかっ…やめ、やめてっ限界、むりっ、おかしっ、…」 グリグリと舌先を先端に押しやられると背中が激しくのけ反った。 (やばい、何でやめてくれないんだよ…) 追い詰められてパニック状態になって暴れても軽々と押さえつけられた。 「ぐ…っぅ、うぅ…っ!!!~~ンンンンっ、」 目の前がチカチカと光りながら三度目の絶頂を迎えると、指は下へ降りて足の裏に到達した。 「あッ!?や…そこは…っ」 「ん、ここダメなの?」 「ぐ…っぅ、咥えた、まましゃべ…なっ、ぁっあ!!」 「お前、イキすぎ。そんなにフェラ気持ち良かった?いつもはかなり長い時間舐めないとイカねーのに」 「は…ぁ、っぁ……」 「擽ったら淫乱になっちゃうの?」 「死ね…っくそばか、やりすぎなんだよ…っ変態みたいな攻め方、…しやがって…」 漸く自身から口が離れて余裕が少しでも生まれると、つい喧嘩腰になってしまう。 「俺が死んだら泣くくせに」 「そりゃ…泣くよ…つーか、追いかけるし…っ」 「何だよそれ。じゃあ死ねなんて言うなよばーか」 「も…っ恥ずかしすぎて…、言わないとおかしくなんだよばかぁ…」 「そんなに恥ずかしかった?擽られて何回もイカされてアンアンさせられるのが?」 「てんめ…っ何回もからかうなよ」 ゲシっと顔面目掛けて蹴りを繰り出すも、力も入っていないので易々と足首を掴まれた。 「次は嫌がったここにしような」 片手で足首を固定され、空いている手が足の裏にくっつけられた。 「!!!やめ…っ、」 やめてと最後まで言葉を終える前に土踏まずに刺激が送られた。 「ぎゃあっ!!あっは、あ、ああっ!!」 「足も弱いみたいで良かったわ」 「やめっ、ろばかァァっ、ひゃはははは!!!足っ、やっ、…あ"あぁぁぁあっっ!!」 「はいはい暴れないの」 爪で少し強めに引っ掻かれると耐えきれずに自分の口からは絶叫が放たれる。 「離しっ、ひっ、はぁぁっ、はは!!あっ、ぁぁああ!!くすぐっ…ぁ、あ"ッ、やだっぁぁぁ!!!」 土踏まずから拇指球、足の指などその箇所に合わせた強さで指が動かされると我慢出来ずに大口を開けながら泣き叫んだ。 「そんなに足ダメなの?擽ったいでちゅねぇ」 こんなバカにした話し方で煽られても、指が動いている間は言い返す事が出来ない。ひーひーと叫びながら体を痙攣させる事しか出来なかった。 暫く足の裏のみを攻められた後、やっと解放された頃には完全に力は使い果たし、足首を解放されても喧嘩を売ることは出来なかった。 「えっろ……」 「る…せぇぇ……」 「いっぱい泣いちゃって。そんなにこちょばかった?」 恋人は俺の目尻に溜まった涙を拭うと、クスクス笑いながら顔を近付けてきて、軽くキスをしてくれた。 「ん……ぅ、」 「いじめすぎた。ごめんな」 「…はぁ、も…変態が…とっとと、入れろよ…」 「でもごめんな。こんなに感度爆上がりしてるお前初めてじゃん」 「…は?何…」 ニヤニヤ笑いながら上半身に戻ってくると、ずしっと下半身には重みが加わる。 完全に動けないように覆い被さった恋人の体に、意地悪な笑顔。またいじめられる事は明白。 たらりと冷や汗が出て暴れてみても、殆ど動くことは出来ず、ただベッドが軋む音と手枷がガチャガチャとうるさくなる音が響いた。 「…次はさ、こんな攻め、どう?」 「やだ…っ、何する気だよ…やめて、やめっ」 脇腹に指を添えられるとそれだけでビクッと跳ねた。 「手離してっ、重たいっ…退けよ!も、くすぐんないで…お願いっおね……ひゃあっ!?」 腹部に違和感が走ったので甘い声が出た。何をされたのかと下を向くと、何故かお臍に舌を這わす恋人。 「んはぁ…っ、ぅ、…ぁぁっ…、はぁ?な、…えっ?何処、舐め……っんんん、」 初めての感覚に背中にゾクゾクとした刺激が走る。脇腹を擽る指も笑わせにくるような激しさではなく、ゆっくりとなぞるような動き。 「ふ…わぁぁ…あ、…んぅぅ……」 完全に感じまくった声が漏れた。それに対して恋人は何も言う事なく、尖らせた舌を臍の穴へ差し込んで中でつつくように動かした。 「んーーーッッ、うっ……!!」 感度が上がりまくっているからか、異常な気持ち良さが脳に送られる。 「あっ、あっ……ふぁぁっ…あー…っ、や、ぁ」 舌が動く度に、それに合わせるように甘い声が漏れた。脇腹に居た指も上へ移動し、ぷくりと主張している乳首まで伸びてきた。 ジュルっと唾液が絡んだ音が腹部から聞こえると、クリクリと舌が臍を襲う。 「ふぅっ…ん、んっ、…ぁあ、…んー…ぁ、」 指はカリカリと優しく引っ掻くように乳首を刺激し、体は完全に快感にシフトした。 (気持ちい…気持ちい、やばい…何も考えらんない…っ) 「あっ、…ねぇ、ねぇぇっ、も…だめぇぇ……」 「うん」 「お願いっ…だめ、もうだめぇ……」 縋るように涙声でだめだと訴えると、臍から舌が離れ、次は乳首にしゃぶりついてきた。 「ひゃぁぁっ、あっ、」 ガチャガチャと激しくなる手枷。もう自分では何も出来ないこの状況が辛くて仕方ない。 「焦らさないでぇぇ…っ入れてぇ、入れてよぉ…っ」 初めて自ら口にしたおねだりは、情けない位に涙声。そんなの恥ずかしいと思っていられないくらいに余裕がなくて。 「…うん、俺も流石に限界。足、M字に開いて?」 下半身に乗っかっていた恋人の体が離れると、ローションとゴムの準備を始めてくれた。 「ん…」 言われた通りに恥も忘れて大きく足を開いて、恋人の前に全てを晒した。 「…恥ずかしい所丸見え」 「!…ばか、」 指摘されてぶわっと体が熱くなったが、我慢も限界なので、羞恥に震えながらも足を開いたままを保つ。 「…ここ、すげー期待してくれてる」 ローションを垂らした恋人の指は、収縮して待っている後孔に当てがわれた。 いつもなら異物感と圧迫感しかない刺激なはずが、今日はすんなりと指を咥え込んだ。 「んん…っ」 いやらしい音を響かせながら進んでくる指に体を捩り、自分の好きな箇所に当てようとした。 「…お前腰振ってるけどどうした?」 「早く…触ってぇ…中、気持ち良い所…っ」 「…ここ?」 クイッと前立腺を突かれると腰がガクッと跳ねた。 「うんっ、うんっ……そこっ、そこ、気持ちいっ」 今までも気持ち良いと感じる事が出来ていたが、今日はいつもの何倍も気持ち良い。 増えていく指は、バラバラに中で動かされ、俺の好きな箇所を触ってくれた。 「気持ちいい…っ、気持ち、いっ、ねぇ、入れて…もういいからぁ…お前、のっ…がいい、お前ので、めちゃくちゃに突いてよぉ…っ」 「…やっば」 頬を熱らせ、欲情した恋人が小さくそう呟くと、指を引き抜かれてその代わりに待ち望んでいたモノが当てがわれた。 支えるように腰を掴まれると、ググッと強い異物感。 「んぅぅ…っん、」 いつもの感覚が少し過ったが、俺の反応を見てすぐに自身を扱いてくれたので恋人のモノはスムーズに中へ進んできた。 何度も体を重ねてきたが、初めて冷静じゃない自分が居る。 全て挿入を終えた恋人は、形を覚えさせるように動きを止めて前屈してキスをしてくれた。 「ふ…っ、う」 「痛くない?…苦しくない?」 「うん…っ、気持ちい…やばい、俺…めっちゃ幸せ…っ、いつも幸せだったけど…」 「お前が気持ち良くなってくれたなら俺も嬉しい」 「好き…、早く動いて…っ」 「うん」 ユサユサとベッドが揺れると、俺の好きな場所へ当たる先端。 「ぅああ…ッ、」 チカっと目の前に光が散ると、自分でも分かるくらいにキュウと締め付けて恋人に吸い付いた。 「ん…やば、すげー締まった」 「ん、んっ、もっと動けよ…限界、早くっ」 「いいよ。ここ触りながらいっぱい動いてやるよ」 「んぁっ、あーーーッ、ぅあっ」 キスしながら、腋を擽られて、ユサユサを前立腺を突かれた。 「締まりやば……」 「あっ、やぁ、今…くすぐっちゃ、だめ…っ、へん、変なるからっ…」 「優しく擽ったら気持ちいだろ」 「ひゃあぁぁぁあっ、やぁ!やっ、あっ、う、」 無遠慮に前立腺を突かれながら、優しく肌を撫でられるともう限界が近づいてくる。 「もうダメかも。…イキそうだわ」 腰が激しく動いて何度も前立腺を突かれると、チカチカと目の前に散ると光が激しくなった。 今まで中でイク兆しなんてなかったのに。 グリグリと前立腺を打ち付けられると何かが湧き上がってきた。トロトロと先端から溢れ出す先走りは止まらず、俺はだらしなく口を開いて恋人の名前を呼んだ。 「…好きっ、ねぇ、好き…っ、好き、好きっ」 たくさん愛を囁きながら恋人の名前を必死に呼ぶと、完全に余裕をなくした恋人と目が合った。 「…俺も好き。ごめん、もうイク」 最後に強い一突きをされると、俺も中だけの刺激で絶頂し、恋人もその直後に欲を解き放った。 ◇ ◆ 「おい、水寄越せ」 手枷を解かれ、体を綺麗にしてもらった後、動けない俺は恋人に水を要求した。 「はい」 お互い賢者タイムの気怠さを感じながらゴクゴクと水分を吸収した。 「お前さ。イク時、めちゃくちゃ好き好き叫ぶのな」 「ゴフッ」 恋人がからかう目的ではなく、気怠さを感じた無表情な顔でそう言ってきた。思わず口に含んでいた水が変な所へ入って咽せた。 「今まであんなに情熱的な"好き"って聞いた事がなかったから、めちゃくちゃ嬉しかった」 「……」 無表情から一変、こっちが恥ずかしくなる位の笑顔でそう言われた。こんなに嬉しそうな顔は初めて見たので、恥ずかしかったが俺も素直な気持ちを伝えることにした。 「……めちゃくちゃ気持ち良かった」 顔を隠すように恋人の胸に埋めて小さく呟くと、優しく抱き締められて頭を撫でてもらえた。 「良かった…また次も今日みたいにしてもいい?」 「うん…いっぱいいじめて」 「うん。めちゃくちゃ可愛かった、好きだよ」 「俺もめちゃくちゃ大好き…っ」 そう呟いて、照れ隠しにキスをした。 end.

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