41 / 86

第38話【R18】快楽堕ち

 優士の唇が、清人の唇を食む。  舌が下唇を舐めあげて、腰がビクリと震えた。 「さっきより反応がいいね。勃ってきた」  優士が自分の股間を清人の股間に押し当てる。  執拗にグリグリと押しつけられて擦られて、気が付いたら半勃ちしていた。 「も、やめ……」  脳内の情報量が多すぎて、処理しきれない。思考がバラバラで、纏まらない。  入ってきた情報に感情が追い付かなくて、放棄したくなる。  気持ちのいい感覚だけが、体の中に溜まっていく。  感情が快楽に逃げようとする。 「、こっちを向け」  俯いた顔を上げると、唇を貪られた。  口が勝手に開いて、進入する舌を自分から絡めとる。  気が付いたら、優士の腰に手を回して股間を押し付けていた。 「あーぁ、結局欲しくなっちゃったね、。惟神は全員、封じの鎖に対策を打ってるって聞いてたから、どうしようかと思ってたんだよ」  優士の手が清人の肩を撫でる。  そのまま腕を摩り、手首へと流れた。両方の手首に鎖が浮かび上がった。 「な、んで……、何時の間、に」 「言霊を口から流し込んだ時、試しに。枉津日神も、藤埜の脳を守るのに必死だったかな。まぁ、惟神の力がなくても、藤埜なら俺の言霊術対策は万全だろ」  腕に繋がる鎖が、足にも浮かび上がる。  優士の手が清人の股間に伸びた。ベルトを外し、チャックを下げて、下着をずらす。男根が跳ねて、露になった。  決して無理やりの動作ではないのに、優士の手を振り払えない。 「あれ? 完勃ちしてる。俺はお前に気持ち悦くなれなんて言霊は流し込んでないよ。なんで、こんなになっちゃったんだろうなぁ」  先の穴に指を押し込んでクイクイと突かれる。  思わず腰に力が入って、優士にしがみ付く。 「嫌だったら俺を突き飛ばしていいよ」  離れなければと思うのに、手に力が入らない。  優士の肩に添えた手はその肩を掴むばかりで、何もできない。  服をずらして、優士が自分のそそり立った男根を清人のモノにぶつける。男根で男根を擦られて、快楽が腰に溜まっていく。 「はっ、ぁ……、も、やめ……」  勝手に腰が前後に動いて、優士の熱いモノに自分の男根を押し当てる。 「やめたいなら逃げていいんだけどなぁ。自分から押し当ててるよ。こうやって、一緒に扱いたら気持ちいいな、清人」  耳元で囁いて、優士の両手が二本を同時に扱く。 「ぁあ! 気持ちいっ、ぁ!」  思わず優士に縋りつく。  さっきより腰が激しく動く。  自分と清人の男根を扱きながら、優士が耳元で囁いた。 「藤埜は結局、可哀想な俺を放置できないんだよな。だから昔も今も、俺が望むことに付き合ってくれてる。それともこれも、桜ちゃんの命令?」 「ちがっ……、そんなんじゃっ、ぁ!」  扱く手が激しさを増す。  達しそうになったところで緩められて、快楽の波が疼く。  少しすると、また扱かれる。  快楽の波の繰り返しに、頭がおかしくなりそうだ。 「あんな秘密を暴露されたら、俺のお願いに逆らえないだろ。藤埜は優しいから。優しい優しい、桜ちゃんの犬だよ、お前は。これからも優秀な犬のまま、桜ちゃんの言いなりで生きていくんだろうね」  耳の穴を舌で舐め続けられる。吐息が掛かると、腰が震える。 「犬って、なんだ、よ。アンタ、俺のこと、そんな風に、思って。ぁぁ!」  男根を強く握られて、先の穴をぐりぐりと突かれる。 「昔から、ココ、強くされるの好きだよな。これだけされても、まだ自我があるのか。精神力が強くて困ったな。もっと我を忘れるくらい気持ち悦くしないとダメかな」  フルフルと首を振る。  結界術で遮断している言霊術対策も限界だ。既に一度は解かれて、何かの術を掛けられている感覚がある。  次に何かされたら、意識を保てる自信がなかった。 「この場所で何が起きても、二人だけの秘密だ。清人が可哀想な俺のお願いを聞いても、誰もお前を責めないよ。だから安心して、イっていい」  唇を覆われる。言葉を流し込まれる。  頭の芯が、ビクンと震えた。  大きな風船が頭の中で割れたような衝撃が走った。 (やば……、も、ダメだ。気持ちい、イク……)  頭の中が徐々に白く塗り潰される。  全身から力が抜けて、優士の肩に凭れ掛かった。  優士の男根を扱く手が速くなる。 「気持ち悦くて、我慢できないだろ。出したい?」 「ぁ、ぁ、も……出したい。イ、かせて、優士さん」  口を吐いて出る自分の言葉が、他人の声のように響く。  優士の手が優しく清人の背中を抱いた。 「イったら、清人は気持ち良すぎて俺を好きになっちゃうかもしれないなぁ。俺の従順な犬になりたいって、思うかもしれないよ」 「犬、になる。優士さんの犬に、なるから、イかせて、も、辛い……」  涙が溜まって視界がぼやける。  何度も絶頂を止められているせいで、体も頭も狂いそうだ。 「最初から素直になってれば、もっと早くに気持ちよくなれたのに。お前もさっちゃんも、本当に馬鹿だよ」 「さ、つき……?」  肩がピクリと震えた。  脱力した手に少しだけ力が戻る。 「おっと、失敗した。出しちゃいけない名前だったな。清人、イっていいよ。気持ち悦くなっても、俺の言葉に逆らえない忠犬になるだけだ。大丈夫、桜ちゃんより上手に躾けてあげるから。安心して、イケ」  言葉が脳に直接響く。腰が大きく脈打った。  男根を扱く手が早くなった。  カウパーで滑りが良くなっているせいで、さっきより気持ちがいい。 「ぁ、ぁあ! イク、出る!」  男根がビクンと震えて、背筋が伸びる。  優士の肩に必死に抱き付いて、絶頂の快感が昇り詰めるのに耐える。  その姿を、優士が愉悦の笑みで眺めている。 「あーぁ、あんなに抗ったのに、残念だったね、清人」  先から精液が吹き出そうという瞬間、白い空間に亀裂が入った。  長く伸びた蛇腹剣が清人の空間術を割り壊して、粉々に粉砕した。 (あれは、直桜の蛇腹剣、か……?)  微かに戻った意識が、目の前の光景を捉える。  護が優士に向かって手甲鉤を振りかざしていた。 「おっと」  避けた拍子に清人の体がぐらりと傾く。  優士が抱きかかえる清人の体を、誰かが後ろから引き上げた。 「この、馬鹿ちんぽが!」  いつの間にか目の前にいる紗月の口から、酷い言葉が飛び出した。 「どれだけ拷問されてもイかないように、私がしっかり調教してやる。この馬鹿ちんぽ清人!」  胸倉を掴まれて怒鳴られた。  頭の中がグルグル回って、何が起きているのか、よくわからない。  とりあえず、あられもない姿の、とんでもない状況を見られた事実だけは、理解できた。 「好きな女の前で、こんなんなってるとか、俺、死にたい」  力の入らない清人の体を紗月が抱き上げた。 「今更、何言ってんの。責任持って、後で好きなだけイかせてやるから、今はとりあえず寝とけ、馬鹿。でも……。ごめんね、清人」  紗月の声を合図に、清人の意識は潰えた。  意識がなくなる直前、温かくて柔らかいモノが唇に触れた気がした。 【補足情報】  酷いですね、紗月、本当に酷い(笑)。酷いけど、男前(笑)。紗月は看護師さんで仕事柄、陰茎は見慣れているので、あまり抵抗ないかもしれないですね。むしろ、清人の方が見られて恥ずかしかろうなぁ。  清人はバイで男の人とは遊ぶけど、女の人とは遊びません。後腐れなく職場外で遊ぶのが常ですが、重田だけは例外のセフレでした。その辺は、物語の中で書ける機会があったら書こうかな。  最近の清人は遊んでもなかったしオナってもないし溜まってたのは事実だけど、どちらかというと重田さんの言霊術でいつもより気持ち悦くされちゃってると理解してあげてください。清人の名誉のための補足情報でした。  

ともだちにシェアしよう!