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05 ふれあいタイム②
自身を強く扱かれると体が強張り、一気に射精感が高まったので俺は咄嗟に制止を求める声を上げた。その反応と言葉を聞いたお客さんの顔は更にいやらしいものになった。
「んー?もしかしてイキそうなの?詩ちゃん恥ずかしがり屋さんだもんね、人前でイクの嫌だろうからイキそうになったら止めてあげるからね?」
「え…?やあっ、…あっ」
「イカない様に次は…こういう刺激にしよっか?」
「んひゃ…!?ひゃはっ!…何、やめ…っ」
コショコショと指が笑いを生み出す動きに変わると、我慢が出来ずに吹き出した。
周りが笑い声なんて上げていないのに、俺だけ大きな声で大爆笑。それが恥ずかしくて必死に我慢するも、複数の刺激に耐えれるはずもない。
「ひはははは!!やめっ…やぁぁあ!!」
ガシャガシャと激しく暴れていると一人の男の指が腹部を這い、クルクルとお臍の周りをなぞり出した。その刺激に背筋がゾクリとし、再び射精感が戻ってきた。
「んン…!んはぁ、あ…っ」
「あーあ、びしゃびしゃになってきたね。擽られて興奮してるの?」
イケない程度にクルクルと先端を擦られるとビクッと体が跳ねて背中がのけ反った。
「あ、っ、あっ!もっと…もっと、強くして…!」
「ん~?強くしたらイッちゃうでしょ?だからだーめ」
「何で…っ、何、でイッちゃダメ…なの!やだっ!触ってぇっ!!やだやだっ!!」
「だってさっき俺達の質問に答えられないくらい恥ずかしがってたじゃん。人前でイクなんて余計無理でしょ~?」
「可愛い、詩ちゃんって焦らすとこんなに可愛くおねだりするんだね?」
「いっぱい寸止めするから頑張って?ほら、先っぽ好きでしょ?」
「んん…っ!はぁ…!気持ち良い…イク…イキ、そっお願、」
グリグリと親指の腹で先端を擦られるとチカっと目の前が光り、背中が軽く反った。あと一歩でイケると思った瞬間、自身を刺激していた手が離れて行った。
「あ…!やだ…!やだ!イキたいっ、イキたいっ」
寸止めされて頭がおかしくなりそうで、ポロポロと目尻から涙が零れ落ちた。
「…うっわ。可愛い、詩ちゃんやば」
俺の声と反応を見てどんどんと人が集まる中、イク事が出来ないまま愛撫と寸止めを繰り返された。もう頭がおかしくなると思った時、司会者の声が会場に響き渡った。
「はい、では時間が来ましたので触れ合いタイムは終了です。皆さん、満足出来ましたか?続いては投票に入りますので着席お願いいたします」
「ちぇ…やっぱりレベル1は触れ合いタイム短いなー」
「でも詩ちゃん最高に可愛かった」
「ありがとうね」
俺に触れていた男の人達が去って行くと、俺は不完全燃焼のまま体を震わせた。
「ぅぅ……」
周りを見ると皆俺と同じ様な表情で、スッキリ出来ている人の方が少ない印象だ。俺が我慢出来ずに響くんを見ると、ニコッと微笑まれた。あれだけ可愛いと思っていた笑顔も、今のこの状況だと腹が立つ。
「よく頑張ったね。後で抜いておいで」
「……あんたが抜いてよ、こんなの辛い」
「優勝出来たら俺がいっぱいいじめてあげる。ダメだったら自分でスッキリしておいで」
「…初参加で無理に決まってんじゃん」
意地悪な人だなとむすっとすると、よしよしと頭を撫でられた。
「…も、触んな!」
「怒んないでよ」
「イケなくてイライラしてんの!」
「はいはい、あと少し我慢して」
俺が一人でイラついて響くんに八つ当たりすると、司会者の声が聞こえた。
「はーい、では皆様、投票ありがとうございます。集計が出ましたので早速結果を発表したいと思います」
司会者がそう言った直後にライトの種類が変わり、よく見る結果発表の時に使われる様なものに変化した。BGMもそれに合わせて追加され、発表前のドキドキ感を演出してくれる。
一瞬真っ暗になったかと思えば、何故か俺と響くんにパッと光り輝くライトが当てられた。
「…え?」
俺と響くん、二人の声が揃った瞬間、司会者の興奮した声が聞こえた。
「なんと、今回の優勝は初参加の響さんと詩さんのペアです!!すごいですね~おめでとうございます!!」
盛大な拍手と共に俺達に注目が集まり、俺と響くんは目をまんまるにしながら顔を見合わせた。流石に響くんも優勝出来るとは思っていなかった様子。
「うわぁ、詩!よく頑張ったね!おめでとう!」
「すっげー!!ありがとう!響くん!!」
時間差で興奮がやってきて目を輝かせながら二人で喜び合った。
「じゃあ最後手続きとか説明聞いてくるね。スタッフの人が拘束解いてくれるからもう少しだけ頑張って」
可愛らしく目を輝かせた響くんが何処かへ向かうと、その後にスタッフの人がやってきて拘束を解いてくれた。クッションのついた手枷だったとは言え、暴れた為少し手首には跡が残っており、さっきまでの事は現実だったと実感した。
服を着て待っていると、手続きを終えた響くんが嬉しそうな顔でこちらへやってきて、ぎゅっと抱き締めてくれた。
「詩、お疲れ様」
その頃にはすっかり射精したい気持ちなんて治っていたのだが、ふわりと響くんのいい香りがすると何故かまたムラッとしてしまった。
「よく頑張ったね。ありがとう」
「こちらこそありがとう…」
細い体にきゅっと腕を回して抱き返すと、更に強く抱き締めてくれた。
「連絡先教えてもらってもいいかな?賞金の事とかも連絡したいし」
少し抱き締め合った後、体が離れるとそうお願いされたのでスマホを取り出して連絡先を交換した。
新しく追加された"響"という名前で登録されたアカウント。何だかそれだけで少し嬉しいと感じてしまった。
「じゃあ詩の家の近くまで送るよ。帰ろうか」
「…」
優勝したらいじめてあげると言う言葉は嘘だったのか、すっかり無かった事にされて少しだけモヤっとした。
「響くん」
「ん、何?」
「優勝したらたっぷりいじめてくれるんだよね?」
「…ん、そうだったね。本気なの?」
「うん。俺、響くんに抱かれたい」
きゅっと響くんの服を持って見つめると、少し悩んだ表情を見せた後、決心したのかコクリと頷いてくれた。
「分かった。でも一つ聞いておきたいんだけど…蒸し返して申し訳ないけどさ。振られたからやけになったりしてない?ショーに参加させておいてあれだけど、それならしない方がいいんじゃないかな」
「いや、もう元彼の存在すら忘れてた。今は可愛くて優しい響くんとヤりたいだけ。どんな攻め方なんだろうとか、裸見たいとか、そういう下心で抱かれたいと思ってる。お願い、抱いて?…俺、頑張ったんだからさ」
「…別に俺上手くないし、期待してる事はしてあげれないと思うけど」
「まぁあんな可愛らしいキスする位だからテクニックは期待してないよ!あわよくば俺がめちゃくちゃに抱いてあげてもいいとか思ってるし!」
「はっきり言うね。ま、本当にやけになってる感じじゃなさそうだし、もう少し俺も詩と一緒に居たいしいいよ。…ホテル行こうか」
半ば諦めた様な表情を見せた響くんは会場を出て歩いて行ったので俺もその隣を歩いた。
整った響くん顔を横目で見ながらただ隣を歩いていると、ふと足が止まる。
「ホテルは何処でもいい?ここ、綺麗みたいだしどうかな」
「響くんとなら何処でもいい!」
「ん、じゃあ行こうか」
今から始まる刺激的な時間に期待して、俺はホテルへ入って行った。
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