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番外編 仕返し③

「響くん…これは、ちょっと…流石に…」 クルンと体を反転させられ、俺はうつ伏せ状態になった。手は頭上で一纏めにされて大きな抵抗は出来ない。それなのに腰を掴まれて尻だけを高く上げるように強制され、恥ずかしい箇所が隠せない。 「恥ずかしいの?いつも誘惑してくるくせに」  「…っやめ、…見んなって、コラ!もうっ、やめ…」 「俺がやめてって言ってもやめてくれなかったのにね?」 スルリと尻を撫でられると、ビクッと腰が跳ねた。チラリと後ろを見るとまじまじと俺の尻を眺める澄ました顔の響くん。 「ねぇ、ここ可愛く何か言ってるように見えるけど」 「あんたが見てくるからだろ!!もう!!」 尻を下げようと腰を動かすと、後ろから掴まれて叶わなかった。 「勝手に下げちゃダメでしょ?逆らっていいの?」 「ぎゃぁぁぁあ!!だからっ、そこ…俺だめだってば!」 後ろから伸びた手は足の付け根を刺激してきた。 「じゃあいい子にお尻上げて恥ずかしい所見せてね?」 「分かった…分かったぁぁ……」 流石に恥ずかしすぎて枕に顔を埋めてグスグズ泣いた。生理的に涙が流れる位に恥ずかしい事させるなんて中々の鬼畜な奴だ。 「…泣くくらい恥ずかしいのに勃つんだね」 「……相手が響くんだから」  「なんて?聞こえないから大きな声で言ってよ」 意地悪な声にイラッとしたので枕から顔を離して睨みつけた。さっきまでの澄ました表情は、フッと片方の口角だけを上げたいやらしい笑みに変わっていた。 「響くんが擽られてアンアン言ってた余韻で勃ってんだよバァカ!」 俺がそう叫ぶと責められていた時の事を思い出したのかブワッと顔が赤くなった響くん。 (もう…鬼畜攻めなのに可愛い反応しやがって…っ、どっちかに統一しろよ…) 可愛すぎて一気にギュンっと胸が熱くなると、響くんは赤い顔をしながらゴソゴソと何かを探し出した。 「もう、俺の事からかいすぎ。お仕置きするよ」 ローションを取り出すと、たっぷりと指に絡めて俺の後孔へ挿入してきた。 いつでも響くんと繋がれる様に毎日慣らしているそこは指くらいなら簡単に受け入れた。 「…一人でしてるだけだよね?」 「うん……響くんの事考えながら弄っちゃうだけ…誰にも触らせてないから安心して…」 あまりにスムーズに入るからか、疑いの目を向けてきた響くんにそう返すと、良かった、と小さく呟いた声が聞こえた。 結構ヤキモチ妬きで心配性な所もまた可愛い。 「何か考えた?すごい締まったけど…」 「響くんて結構心配性だなと思って。ヤキモチも妬いてくれるし、俺の事好きで居てくれてるんだって思うと嬉しくて。…俺も響くんに関しては…初めて嫉妬したから、めちゃくちゃ好きなんだって自覚した」 「……俺もめちゃくちゃ好きだよバカ」 「バカは要らない…っ、ン……」 響くんの指が気持ち良い所へ当たるとビクッと腰が跳ねた。枕に顔を埋めて、ぎゅっと力を込めた。 「…可愛い、ここ気持ち良い?」 「ん…っ、んん…ッ!」 ピンポイントで的確に突いてくる指。強い快感を生み出し、反射的に腰が逃げてしまう。 「可愛い、腰動いてるよ」 「ぅあ…っ、あ、…もうっ、もう入れてよ…恥ずかしい!これやだっ、」 「分かった。入りそうだし入れるね」 「うん…っ、早く響くんの欲し…っん!?」 指の代わりに挿入されたのは小さめのバイブだった。 「待って!…玩具じゃなくて…響くんが欲しい…っ」 俺の言葉を無視してゆっくりと挿入されていくバイブは、絶妙に細くて物足りない。 「後でね。俺の事いじめた仕返しは徹底的にするから」 「元々響くんが…麗くんの事隠すからっ、ていうか…いじめたのはショーの仕返しだし、これでおあいこだろ!次いじめてきたら俺も返すぞ!!」 「そしたらまた俺も返すよ」 挿入されたバイブが前立腺を掠めると、ビクッと大袈裟に体が跳ねる。 「うぅ…っ、ぐ…ぅ…んん、やぁ…っ」 「じゃあたっぷりここいじめてもらいなよ。お尻は上げたままね。シーツに擦り付けて前でイクのもなしだから」 「やぁ…っ、やだ、やだ…っ、物足りないっ、」 バイブは動き出したが、弱くて中途半端な刺激にしかなってくれない。床オナも封じられ、太腿が震え出した。 さっきまで俺に泣きながら謝っていたとは思えない余裕の態度の響くんは、俺の耳元へやってきた。 「いい格好だね、可愛い」 「ぅぅ…っ、意地悪…っ」 言われた通りお尻の位置はキープしながら震えていると優しく肌を撫でられた。 「ひぁ…っ、あ、もう…っ」 「詩って背中綺麗だよね。初めてじっくり見た」 そう呟きながら、ツーッと背筋をなぞられると強い刺激が襲った。 「ひゃああああ!!!」 腰に力が入らず、シーツに倒れ込むと、勃ち上がった股間が擦れてそれもまた強い刺激になった。 「やぁ、あ、やめっ」 「詩、お尻下がってるよ。お仕置きされたいの?」 「待って、背中やめて、ちょ、マジでダメっ」 必死に力を込めて逃げようとすると、ガッチリと腰を掴まれた。 「逃げんなって」 「ひゃあああっっ!!!背中やめっ、ぅぁぁあ!!」 俺の腰を掴んで逃げれないようにしながら優しく背中をなぞられると面白い位に体が反応した。 今まで響くんとは正常位しかした事がなく、背中を晒した事自体初めて。誰にも触られた事がなくて気付かなかったがめちゃくちゃ擽ったいし、ぞわぞわする。 「詩、背中好きだったんだね。へぇ」 「あっ、ぅあっ……待って本当…!だめっ、」 体を捩らせて必死に暴れてもガッチリ押さえつけられていて大した動きが出来ない。 「鳥肌凄いね」 「うぅ…っ、う……」 「ちょっと待っててね。体勢はお尻上げた状態に戻しておいてね」 ガクガク震えながら刺激に耐えていると、響くんは何処かへ行ってしまった。 もちろん俺は言う事なんて聞くはずもない。絶対当分イカせてもらえないのは分かっていたので、シーツに上手く自身を押し付けてイッてしまおうと考えた。 するとギシギシとベッドが軋む音が激しかったからか、あっ!と言いながら響くんが帰ってきてしまった。 「…んんっ、んん~~~……ッ」  響くんが止める前にシーツに向かって絶頂すると、ペチッと尻を叩かれた。痛みなんて全くない。 「もう、早いなぁ」 「どうせイカせてくれないと思ったから…俺の事置いてどっか行くのが悪い!」 「すぐ帰ってきたでしょ。ていうか好都合だったくせに」 息を整えていると後ろから抱き締められた。 「……んん、」 抱き締められながら中に入れられたバイブをグリグリと動かされるとビクッと体が跳ねた。イッた後は体が敏感になっているのでかなりキツイ。 「ぅう……っ、それやだぁ、」 「詩」 「ひっぁぁ!?つめたっ…何、ちょっ」 耳元で囁いてくる響くんの吐息がやけに冷たくてビクッと大きく体が跳ねると、頭を押さえつけられてゆっくりと冷たい空気が送られた。 「ひゃぁぁあ!!冷たい!冷たい、なになにっっ」 「さぁ、何だろうね」 耳から離れた響くんは何か咥えている喋り方だった。不思議に思って顔を見ると片方の頬がぷくりと膨れていた。 「可愛い顔だね」 俺と目が合うとクスッと微笑みながら背中に移動した。 「え…やだ!背中やだっ、やだやだ、」 「暴れないでね」 「ぎゃああああ!」 背中に移動した瞬間、ツーッと響くんに舌でなぞられた。それがまた冷たくて激しく跳ねて暴れると、軽々と押さえつけられた。 「あっ、ぎゃあっ、うあっ!ひゃあああ!」 響くんの舌は異様に冷たくて、我慢出来なかった。 「冷たいぃぃ…なに?それ氷?」 「うん、氷。…背中弱いなら氷が効くかなと思ってさ」 「うん…っ!やばい、それやばい…っっ」 直接氷を当てられているわけではないのでそこまで体は冷えないが、いつもと違う感覚にゾクゾクが止まらない。 「寒くない?」 「寒くないぃ……けどっ、背中やだ…無理ぃぃ……」 「寒くなったら言ってね」 背中やだ、に対しては返事をしてくれず、響くんの舌はゆっくりと背中を這う。たまに脇腹や首筋にもくるので気持ち良くて体全体に力が入る。 すると中のバイブを締め付けてしまい、ビクンッと激しく跳ねて絶頂してしまった。 「え?…もしかしてイッたの?何で?」 「るさい…っ、もうやめろよぉぉ…響くんのでイキたいのにぃぃ…っ」 「後で俺のでもイカせてあげるよ」 「もぉ…っ背中やだ、後ろやだぁ…顔見たい…っ手解いてよぉ…」 「……分かったよ」 中に入れたバイブを抜かれて、グルリと体を反転させられて仰向けにしてもらえた。 「はぁ…っ響く、ん……可愛い、好き、」 「格好良いって言ってほしいんだけど」 「……恥ずかしくて言えない」 「突然照れるよね。普段小っ恥ずかしい事言うくせに」 「まぁ終始照れてる響くんよりはマシだよ」 「そこまで照れてねーよ」 たまにツッコミを入れる時は男らしい口調になる時も可愛い。抱きつきたくて纏められた手を伸ばすと、グイッと頭上に上げられて下ろせない様にされた。 「え?腕解けよ」 「何言ってんの?お仕置き終わってないんだけど」 「今から甘々になる雰囲気だったじゃん!」 「そうでもなかったでしょ」 ガチャガチャと腕を動かして外せと訴えても解いてくれなくて、響くんは俺の上に覆い被さると、次は胸に唇を寄せた。 「もう殆ど氷溶けちゃった。口冷たいから詩の体温であっためてよ」 「ぎゃあああ!だから冷てーんだよバカぁぁ!」 唇は胸元を這い、ゆっくりと乳首の周りをなぞり出す。冷たい響くんの舌は普段以上に体を敏感にさせた。 「んぅ……んっ…」 「ぷっくりしてきたよ」 「一々言うなぁ…っ、」 ゆっくり舌を這わしながらもう片方の胸元には指が添えられた。どちらも直接触れることはなく、周りを焦らす様になぞるだけ。 「…っ」 響くんは明らかに焦らす事が好きな変態で、基本的にすぐに触れてくれない。それによって感度も上がるけど、焦ったくて仕方ない。 「うーー………響くん……」 「何?」 「…あんた焦らすの好きだよな」 「ちゃんと反応見ながらやってるから安心して」 「……ん、んぅ…っ」 話している最中に尖らせた舌先で乳首を転がされ、体が大きく跳ねた。焦らされた後に刺激されると面白い程に反応してしまうので恥ずかしい。 「すごいビクってしたね。可愛い」 「恥ずかしい…っ、言わないでよ…」 舌先でコロコロと乳首を転がしながら、指も優しくもう片方を摘み、絶妙な力加減で愛撫する。それがあまりに気持ち良くてモゾモゾと足が動いてしまう。 「…また勃ってきたね。元気だね」 「は…っぅ、るさい、なぁ……気持ち良いんだもん、仕方ねーだろ…っ」 完全に氷がなくなったのか、愛撫される度に温かくなっていく舌。俺の反応を見ている響くんは、好きな攻め方ばかりしてくるので、もう体は限界だった。 「うぅ……もうだめぇ……入れてぇぇ……」 「これ仕返しだからなぁ」 「ひゃあ…!あっ、待って、…ひゃぁぁぁ」 口は乳首を刺激したままに、指は胸の横に配置されてサワサワと擽られた。 「ぅぁっ…あっ、ぁ!あぅっ……ちょ、ちょっ…指やばいっ、くすぐんないでっ」 「散々俺がやめてって言ってもやめてくれなかったくせに」 コショコショと動く指に耐えきれずに背中をのけ反らせるも、指も舌も止まらない。 「やぁぁぁっ…やばい!!やばい!ちょっと…無理ぃぃっっ」 響くんが泣き叫んだ理由が分かり、俺も必死で暴れると、両サイドの胸の横に指が配置されて擽られた。舌は乳首に絡み付いてくるので、強い刺激にビクビクと激しく体が跳ねた。 自分の甘い声と、制御出来ない体の動きに恥ずかしくて堪らずにブンブン首を振って腕をバタバタと動かした。 「ひゃあああっ、ぅぁぁ、やめっ…やば、いッ、擽ったいぃぃ…!気持ち良い、やだっ、おかしっ、くなるからぁぁ、」 「おかしくなっていいよ」 指は胸の横から腋に滑り、かなりソフトタッチに動き出す。擽ったさよりも痺れる様な快感に腰が勝手に跳ねる。 「ぅぁあ……っ、響くっ…響くん!!無理…もうダメ!入れてぇ…いれてっ、響くんの、欲しい…!お願いっ、」 「うん、もう少しで入れるね」 やっと上半身から去って行った響くんは、俺の足を大きく開かせた。 先走りや吐き出した欲が絡まった自身は完全に反応を示し、バイブを入れられていた箇所は期待する様に収縮している。 「…やらしいね」 「…っも、そんな見てんじゃねーよ…っ、やめ、ろ、羞恥プレイすんなっ、」 「あはは、可愛すぎてつい」 足の間に顔を埋めた響くんは、ゆっくりと自身の付け根に舌を這わせた。 「ふぁぁ……っ」 初めて響くんに咥えてもらえるのかと思うと体が期待した。 「んぅ……」 流石にもう焦らす事をやめたのか、期待通り自身に温かい温もりが覆う。 「ふぁぁ、あっ……ンンン、」 初めての口内の感触。下を見ると小さな口で一生懸命咥えてくれてる姿が見えて胸がぎゅうと熱くなった。 「好き…っ響くん…好き、好き……っ」 「ん、…俺も、好きだよ」 (かわい、可愛い…っ) 口を頑張って開けて上目で見つめてくれる姿が可愛すぎて、つい胸がキュンキュンしてしまう。 その間も強弱をつけて吸い上げられ、舌は裏筋を擦る。気持ち良過ぎて再び絶頂感が高まると、ふと舌の動きは止まり、指が足の付け根に添えられた。 「う…っぁぁぁぁ………」 「可愛い」 「そこやだぁぁ……やばい、響くん…っ」 優しく足の付け根を擽られると我慢出来ずに暴れまくると、ジュルっと音を立てて先端を吸い上げられた。 「ああああッッ!!イク、イクッ、やだ!響くんっ」 「俺の口でイッてよ」 「ひ、ァァァッッ…出る、口っ、離してぇぇ…!」 先程射精したこともあり、大した量は出なかったが、響くんの口内に吐き出すと、響くんはすぐに立ち上がってその場から立ち去った。 「……ふぁー……」 「案外出たね」 タオルで口を拭いて響くんが戻ってくると、やっと腕を解いてくれた。 「入れて…もうだめ、だめ…」 「うん、俺ももう限界」 余裕ない表情の響くんが俺の足を広げると、漸く欲しかったモノが与えてもらえた。 「ぎゅーして…っ」 「うん」 バイブを入れていたおかげもあり、響くんのモノが全て挿入されるとぎゅっと抱き締めてくれた。俺背中にしがみつき、力を込めた。 (やばい…気持ち良すぎる…っ) 散々焦らされた後イカされて、頭がふわふわしているからか響くんが気持ち良くて仕方ない。 「…んっ」 響くんの小さな喘ぎ声も可愛くて欲情してしまう。 「…すごい締め付けだね」 「だって…っ、気持ち良過ぎて、おかしくなっちゃった……」 ぎゅうっとしがみつくと、的確に俺の好きな箇所を突いてくれた。 「あアッッ!!」 「ここ好きだよね」 「好き…っ、気持ち良い…っんぁ、はぁ…ッ」 強すぎる快感を与えられる度に、響くんの背中には傷がついていく。 「…朝日」 「んんんん……っっ」 本名を呼ばれると更に締め付けてしまい、背中には爪を立ててしまう。 「…可愛い、好き」 最初は可愛く泣いてくれてたのに、熱っぽい表情は色気があってあまりに格好良い。 「…響くんは…っ、格好良い……っ、」 「…嬉しい」 もう今は仕返しなんかではなく、ただただ響くんに愛してもらえた。それが嬉しくて強くしがみついて響くんの耳元で本名を囁いた。 「……あ、」 すると前回と同じくすぐに俺の中に欲を吐き出した響くん。 「……ごめん、またすぐイッちゃった」 「ううん、嬉しかったぁ…気持ち良かったぁ…」 「…俺も気持ち良かった」 「…また"仕返し"してね?」 「何それ。…まぁいいよ、いっぱいしてあげる」 響くんは疲れた表情で優しく微笑むと、優しくキスしてくれた。 end.

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